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タイプの歴史

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タイプの歴史では攻略・対戦における各タイプについて考察している。

あくタイプの歴史

こうげきまたはとくこうの能力が高く、一方でぼうぎょとくぼうといった耐久面は低い。第四世代で既存の技の全てと新技のほとんどは物理技になり、特殊技あくのはどうと、第五世代で登場したナイトバーストバークアウトのみである。なお威力が80を超える技は第五世代になってようやく登場した(上記のナイトバースト)。現在でも攻撃タイプとしては地味で、安定して高い威力を出せる技は少ない。イカサマはたきおとすでトリッキーにダメージを出していくのが特徴である。

第七世代からいたずらごころを絡めた先制技を無効にできるという特権を得た。ほぼ全員がちょうはつを使えることも相まって補助タイプのポケモンに対しては強い。さらにはイカサマによって物理アタッカーに、バークアウトによって特殊アタッカーに対応していくことができ、相手の戦術に順応して捌いていくのが得意なタイプと言える。

第二世代

第一世代の環境は絶対神のエスパータイプを筆頭に、タイプごとの優遇・冷遇がはっきりしていたため、これらを少しでも改善するために追加されたのがあくタイプとはがねタイプだった。あくタイプは、今まで事実上弱点なしだったエスパータイプに対し弱点を突け、逆にエスパー技は無効にするなど、まさにエスパーを弱体化させるために追加された要素として代表的な存在であった。また、第一世代で冷遇されていたかくとうむしを弱点とするため、それらへの救済の意味合いもあった。このように、新タイプを追加することで異常に優遇されていたエスパータイプを弱体化させ、逆に冷遇されていたかくとうタイプを強化させることでバランスを調整しているのだと考えられる。

第二世代の環境において、あくタイプで特に使われたポケモンは、ブラッキーヘルガーバンギラスの3匹。ブラッキーはブイズで珍しく耐久向けのステータスで当時の努力値の仕様と相性が良く、ヘルガーはエスパータイプおよびはがねタイプに対してとても強く、バンギラスはレベル55限定という制限にありあまるほどの強さを誇った。新タイプは2つとも、初登場から可もなく不可もなくとそれなりのポジションとなっていた。

第三世代

数多くのあくが追加されたが、どれも攻撃特攻を上回るなど特殊技であるあくとはアンチシナジー。主力あくウエポンを欠くポケモンも多く、特にRS期のシザリガーはあくの最高威力がめざめるパワーを考慮しなければ威力20のはたきおとす止まりであった。環境に影響を及ぼしたあく技はおきみやげ程度なものであった。

この世代ではレベル50戦がメインでありレベル51以上のポケモンがレベル50に補正される機能も実装されていなかったため、バンギラスが公式大会に出場不能となった。そうしたこともあって、この世代で活躍できたのはヘルガー程度なものであり、そのヘルガーすらもほのお枠としての性質が強かった。

第四世代

物理特殊の分離によって、多くのあくの物理アタッカーが救済された。さらに、先制攻撃技としてふいうちが追加されてエスパーゴーストには滅法強くなり、交代すればおいうち、居座って突っ張ればふいうち、といった具合に択を迫れるようになった。

既存の技が全て物理技に変更されたが、特殊技のあくのはどうも追加されたため、ヘルガーは以前までと変わらず高いとくこうを活かせることが可能。

新規勢もドラゴンメタとして強力なマニューラ弱点無しの耐久型であるミカルゲ、最大威力のふいうちが持ち味のドンカラスなど、粒揃いであった。

しかし何と言っても大きいのは、フラットバトルの導入によってバンギラスが使用可能になったことであろう。バンギラスはすなおこしの効果をうけて自身の特防を1.5倍強化し、生半可な特殊火力なら4倍弱点であっても受けることができた。

第五世代

イカサマつめとぎバークアウトの追加、ゾロアークサザンドラズルズキンキリキザンの登場が主な変化。サザンドラは高い特攻と広い技範囲、低くない素早さを活かしてこだわりスカーフアタッカーとして活躍。一方ゾロアークは実際の対戦では見せ合いがあるため、「使いこなせば強い」程度に落ち着いた。ズルズキンだっぴによる居座り耐久型として使ってよし、いかくサイクル型として使ってよしと、型の豊富さ、汎用性の高さで環境における活躍を果たした。キリキザンかくとう全盛の環境とあってシングルバトルでは立場がなかったが、ダブルバトルまけんきアタッカーとして活躍。

第六世代

フェアリータイプの登場、はがねに対するあくの技の相性仕様見直しが主な変化。フェアリーに弱点を突かれることも然ることながら、役割対象となっていたエスパーファイアローメガガルーラのパワーを受け切れないため環境から減少し、ひいてはあくの仕事も少なくなった。

この世代で活躍していたあくポケモンはゲッコウガ、ギャラドス、サザンドラ(XY期)バンギラスORAS期)程度であり、そのうちゲッコウガへんげんじざいが主流、ギャラドスメガシンカ後限定であり、それを考えるとあくの活躍が乏しかったと言える。

第七世代

この世代の完全新規のあくはガオガエンアクジキングのみ。リージョンフォームとしてはアローララッタアローラペルシアンアローラベトベトンが追加された。

ふいうち威力仕様低下、カプミミッキュの登場などフェアリーの普及がきつく、SM期のシングルバトルではゲッコウガメガギャラドスバンギラスを除くあくタイプが使用率ベスト30に一切入選しない異常事態となった。上述のゲッコウガとメガギャラドスの性質から、あく枠を地で行っているのはバンギラスしかいない状況となった。

しかしシングルバトルでのあくの技範囲は評価されている。というのも、この世代の最強トリオと名高いカバルドンギルガルドボーマンダの3匹、通称「カバマンダガルド」をしても全員が等倍以上で受けることに甘んじるのがゴースト、あくなのである。そのうち前者はタイプ一致で打つとなるとギルガルドから一致で抜群を取られるジレンマを抱くことになるため、「カバマンダガルド」を相手に一致技の範囲を活かすなら後者が適任である。

ダブルバトルでは新入りのアローラベトベトン、アローラペルシアン、ガオガエンが中々強く、バンギラスも依然砂パの始動役としてトップメタを守っている。特にガオガエンはSM期にも使用率が高かったが、いかくを解禁されるとダブルバトル使用率1位を自身の特等席とした。これまでのあくタイプは火力に乏しくクレセリアギルガルドを倒しきれない悩みがあったが、アクZを用いることで高い瞬間火力を出せるようになった。

GSダブルではてんこがすめつぼうのひかりを流せるタイプとしての意味合いを持つようになった。エスパータイプの横行したこのルールにおいてあくタイプの通りはよく、ガオガエンはもちろんブラッキーバルジーナといった比較的マイナーなものも用いられた。イカサマにより伝説のポケモンの高いこうげきを逆に利用できるメリットが強力であった。

いたずらごころで適応された変化技はあくタイプに無効となったという強化点も存在する。

ピカブイ

ピカブイではリージョンフォームメガギャラドスしか存在しない為数が極めて少ない(元になった第一世代であくタイプが存在しなかったこと、第二世代以降のポケモンが一切登場しないことが原因)。

第八世代

前世代で猛威を振るったカプは当初存在しなかったことから、以前ほどあくタイプが生きられない状態では無くなっていたが、ミミッキュは依然として猛威を振るい続けているので油断大敵であった。初のフェアリータイプとの複合であるオーロンゲは、ダウンロードコンテンツ解禁前当時トップであるドラパルトを止められるポケモンとして評価されていた。

さらにメガシンカZワザが廃止されたことではたきおとすが対戦環境において通りやすくなったことから採用を上げることとなった(ただし、はたきおとすのわざマシンやわざレコードは存在せず、教え技も存在しないので、使い手は限られるようになってしまった)。

トップメタにはバンギラスサザンドラが存在している。特にサザンドラは主要なフェアリーの削除、かくとうの環境からの死滅などから、簡単には弱点を突かれない存在となった。バンギラスはあく枠というよりいわすなおこし耐久型として引き続き使われることとなった。

上位禁止縛りのレギュレーションとなったシリーズ6環境では、ガオガエン、バンギラスが使用禁止ポケモンに指定された。この環境ではミミッキュ、トゲキッスが使用禁止でありそれまでほどあくを動かしづらい環境ではないため、サザンドラの使用率が回復した他、オーロンゲ、いちげきウーラオスも増加している。

冠の雪原期追加の新規組としてはガラルファイヤーが活躍。シングルバトルでは可も不可もない程度だが、ダブルバトルではパーティアタックによるじゃくてんほけん発動というシステムを味方につけて環境の最前線に立つに至った。

シリーズ8竜王戦ルールでは禁止級伝説としてイベルタルが利用された。一般ポケモンではいちげきウーラオスとオーロンゲが使われた程度であった。

いわタイプの歴史

くさに並び、弱点が最も多い5つ。複合タイプのものは4倍弱点もある。コニコシティのNPCも弱点の多いいわ中心でパーティを組んで強さを誇ることは凄いことだと話しており、公式もいわの弱点の多さを自覚していると言える。弱点が多い代わりに4タイプの攻撃を半減でき、第六世代ではメガガルーラメガリザードンYファイアローへの対抗手段として注目されたこともある。

多くはこうげきぼうぎょが高く、とくこうとくぼうすばやさが低い。ただし素早さはロックカットで、とくぼうすなあらしで補うことができる。

攻撃面ではいわを弱点とするメジャーポケモンは多いうえに技威力にも恵まれている。特に上記のファイアローやメガリザードンYは4倍で刺さるなど、強豪ポケモンが苦手としているのは大きい。かくとうじめんタイプもいわ技を覚えるため、それらがひこうタイプを倒すためのサブウェポンとして使われることも多い。しかし命中率100%の技がほとんど存在しないため、技外しを常に意識しなければならない。

いわはかくとうじめんと並んでアタッカー性能の高いポケモンの代表であり、それ故に物理受けの条件として物理耐久の種族値が高いことと同時にこれら3タイプに強いことが挙がる。また、この3タイプは特殊アタッカー型として育てるには不向きな傾向にある。

第一世代

当時からみずくさかくとうじめんなど弱点が多く、しかもじめんと複合タイプであることが多かった。そのため、みずタイプとくさタイプは4倍ダメージ、この世代で優遇タイプの一つであるこおりタイプまで弱点になるなど散々だった。

一応この厳しい環境の中にはゴローニャが交わっていて、99カップにはその代わりとしてサイドンがよくエントリーされていた。

技はいわおとしいわなだれしかない。いわおとしは威力50で命中率が65という極めて低い性能、いわなだれは威力と命中率は現在と同じ性能だが、当時はひるみ効果が無かった。

第二世代

はがねタイプの登場、かくとうタイプの台頭もあり、くさタイプと同じく5つを弱点としてしまい、この世代でも冷遇されていた。複合タイプも多く(というかこの世代に登場した単タイプのウソッキーは当時完全なネタキャラなため、事実上複合タイプしかいない)、さらに弱点が増えることとなった。最強技は威力75止まりのいわなだれと相変わらず火力不足(その代わり3割のひるみ効果が追加)で、げんしのちからころがるが追加されるも非常に使いにくかった(ナッシーなどがサブウェポンとして、ミルタンクまるくなるとのコンボで使うことなどはそれなりにあったが)。この世代に追加されたすなあらしも、他の天候に比べ直接的な恩恵をもたらさなかった。だがいわ・じめんはがねタイプ以外5ターンの間、最大HPの8分の1ダメージと強力で、一度発動すれば確実にHPを半分削れると当時は壊れ性能だったりした。

また、当時の努力値の仕様、のろいの追加、ノーマルタイプが増えたことによるノーマル耐性の価値から、物理耐久を買われるケースの増加もあった。どくタイプと共に第一世代よりはマシになったが、冷遇タイプからはまだまだ抜け出せていなかった。なお、この世代ではいわタイプおよび600族新入りのバンギラスが特に環境で暴れていて、他にはオムスターサイドンなどが時々出る程度となった。

第三世代

多数のいわタイプが追加されたが、依然としていわの一致最大火力がげんしのちからどまりのポケモンが珍しくなく、いわ全体の最大火力が第二世代と同じくいわなだれ止まりとやはり不遇の域を出なかった。がんせきふうじは現在と異なり威力50、PP10、命中率80ととても実用に堪えなかった(第一世代当時のいわおとしよりかは流石にマシだが)。いわなだれにしてもダブルバトルにおける威力分散が痛く、それを嫌ってめざめるパワー(いわ)のほうを搭載するプレイヤーも上級者筋の中にはいた。そのダブルバトルではバンギラスレベル制限によってレベル50対戦で使用不可、そうでなくともじしん雨パの普及によって環境的に相性が最悪と活躍の見込みがなく、せいぜいレジロックがコンボによる耐久型やノーマル受けとして使用される程度であった。そのレジロックですらも、こだわりハチマキメタグロスコメットパンチの前では油断ならなかった。

第四世代

ストーンエッジもろはのずつきの登場によって、攻撃に回ると強いタイプに生まれ変わった。展開期のシングルバトルではとにかく威力と技範囲の広いストーンエッジが好まれた。ロックカットが登場し、素早さを底上げして全抜きする型も一定数使われるようになった。さらにステルスロックの登場によって、いわ弱点のポケモンを大きく牽制できるようになった。

しかし何と言ってもフラットバトルによってレベル51以上のポケモンがレベル50に補正されるようになったことで、バンギラスが使用できるようになったことが大きいだろう。そのバンギラスはすなおこしの強化によって時にかくとう4倍弱点ですら耐えるポケモンとしてバトレボ、WCS2010環境で大暴れした。

第五世代

技としてはうちおとすワイドガードが追加された。

がんじょうの仕様変更による強化が多くのいわタイプを環境で戦えるレベルに強化した。しかし何と言ってもレベル1ココドラループが凶悪であり、これを対策したいがためにニョロトノおうふくビンタを覚えさせることもあったと聞けばその凄さが分かるだろう。

新顔の中には、全抜きエースとして活躍したテラキオン、デメリット持ちの速攻型として初期の環境で使われたアーケオスの存在が目立つ。

第六世代

すなおこしの弱体化、メガガルーラの登場によるレベル1ココドラの失墜など、この世代では落ち目の部分が目立った。一方、ゆきふらしを持つうえに相手のにただ乗りできるアマルルガいしあたま+もろはのずつき中最速を更新したガチゴラス隠れ特性の入手難易度でコレクターたちを唸らせたメレシーなど、個性的な面々が新規に追加された。がんせきふうじは現在の仕様となって環境の主流技と化したが、一致メインウエポンというより汎用性の高い起点技としての需要が高い。

第七世代

じめんはがねが跋扈する環境となり、第三世代以来となるいわ不遇の環境となった。安定して使われるのはバンギラス程度なもので、他にはダブルバトルウツロイドツンデツンデが使われる程度。メガリザードンYが依然としてトップクラスの使用率であることも、いわ不遇の時代であることを象徴していると言えよう。一方、ギガイアスが通常特性2としてすなおこしを獲得し、だいばくはつによる自主退場が自在な砂パの起点役としての新たな選択肢に加わるなど、得るものもあった。

2019年1月下旬に開催された単タイプ限定戦のインターネット大会『シンプルシンフォニー』ではいわとどくのみが使用率ベスト30を出しておらず、「いわ単タイプ=弱い」ということが証明された。

第八世代

ダイロックの獲得によって一致技で攻撃しながら特殊耐久を上げる芸当が可能になった。

この世代の環境におけるいわ枠の中心となるのはドサイドンバンギラスセキタンザン。この3匹はどれもシングルバトル・ダブルバトルの両方で使われる。ドサイドンは物理ダイマックスエースの主流の1体となり、バンギラスはそれまでと同様に特殊受けとして使われ続けている。セキタンザンはじょうききかんで素早さを上げる戦い方も然ることながら、ダイロックで特殊耐久を上げる型も有用。ただし、上記のポケモンはいずれも4倍弱点持ちであり、過信は禁物である。

HPが2倍になるダイマックスは耐性の良くないいわにとっては願ったり叶ったりのシステムであり、これを活かしてじゃくてんほけんを安全に発動するのがダイマックス型としてのメインの使い方。

ただ、ダウンロードコンテンツ解禁前のシングルバトルPokémon HOME統計データ使用率シーズン別最終順位ベスト30にランクインしたポケモンはドサイドンとバンギラス程度なもので、勝ち組タイプと言えばそうでもない。

鎧の孤島発売に伴いテラキオンが対戦で解禁され、エルフーンドラパルトマニューラなどを始めとするふくろだたきサポーターを相方に、これまでの世代同様ダブルバトルせいぎのこころエースとして使用されることとなった。

上位禁止縛りのレギュレーションとなったシリーズ6環境では、バンギラスが使用禁止に指定され、その後釜のいわ枠としてドサイドンが激増した。

冠の雪原期でウツロイドが解禁されると、いわ枠として大活躍。メテオビームを振るうその姿から、ここに来ていわ枠として大成したと言える。

かくとうタイプの歴史

第一世代では最強のエスパーに弱い不遇なタイプであった。そのためにかくとうどうじょうヤマブキシティジムになれなかったという話も存在する。しかし、第二世代から追加されたあくはがねタイプの弱点を突けるタイプとして成長し、さらにカビゴンハピナスポリゴン2ら硬いノーマルタイプの弱点を突ける唯一のタイプとしても需要が大きく伸びた。

技の種類は非常に多く、威力100を越えるパワフルなものが多い。一方で命中率が低い、追加効果でリスクを負うなどデメリットを抱えているわざも多い。その中でインファイトはデメリットの割に威力と命中率が非常に高い技として評価されるが、第七世代まではわざマシンおしえわざのラインナップに入ってなかったため、リスクの大きいばかぢからとびひざげりで代替することを強いられているものも多かった。第八世代でわざレコードに収録された。これにより、覚えるポケモンが増えたが、ナゲキドクロッグなどかくとうタイプであるにも関わらず覚えられないポケモンも一部存在する。

こうげき以外の能力も高水準なポケモンが多いが、インファイトやとびひざげりなどでリスクを負うため、数値以上に脆いイメージが強い。ビルドアップドレインパンチを使いしぶとく攻めるタイプのポケモンも一部いる。第四世代においてかみなりパンチれいとうパンチほのおのパンチのいわゆる三色パンチが物理技になったことで、これらを習得できたかくとうタイプの攻撃範囲はかなり広がったと言える。

かくとうはいわじめんと並んでアタッカー性能の高いポケモンの代表であり、それ故に物理受けの条件として物理耐久の種族値が高いことと同時にこれら3タイプに強いことが挙がる。また、この3タイプは特殊アタッカー型として育てるには不向きな傾向にある。

第一世代

第一世代ではタイプ的にエスパータイプ最強時代であり、最強のエスパーに弱いというだけでかくとうはかなり敬遠されてしまった。しかも技の面でも不遇で、当時最強技のじごくぐるまは威力80の割に反動ダメージのリスクが割に合わないほどで、極めて貧弱だった。また、威力最高であったが専用技とびひざげりを覚えるサワムラーは、種族値の低さから当時は完全なネタキャラであった。軒並み特殊が低く、環境がほぼ特殊技一辺倒であったこの世代においてこれが不利に働いた。現在でこそあくはがねいわこおりノーマルと弱点とするタイプも多く有用なタイプだったが、当時のかくとうタイプの人気はかなり低かった。

第二世代

強すぎたエスパータイプの弱体化によりやっとかくとうタイプに春が訪れた。それどころか新タイプの登場(あくはがね)でその両方のタイプに強いことから、ノーマルいわこおりに加え全5タイプの弱点を突ける優秀なタイプとして大幅に強化。クロスチョップばくれつパンチきしかいせいなど技が充実してきたのも追い風だった。特殊の特攻特防分離の際に特防に見直しが入り上方修正されたのも有利に働いた。

環境面でもカイリキーがクロスチョップを得てこうげきの高さを活かし大活躍し、新勢力のヘラクロスはどちらかと言うとむしタイプとしての役割だが、こらえるからのタイプ一致きしかいせいは強力の一言だった。

第三世代

目ぼしい新規のかくとうとしてはキノガッサチャーレムバシャーモが該当する。カイリキーヘラクロスこんじょうを獲得し、状態異常に強くなった。特にこらえる+きしかいせいのコンボで第二世代の頃から有名であったヘラクロスは、努力値の仕様変更による環境全体の耐久ライン低下を受けて人気が急上昇し、オフ会環境では対策必須のポケモンとなった。技としては、安定した威力、命中率のかわらわり。強制的に後攻になるが、ダメージを受けていたら威力2倍になるリベンジなどが登場した。

第四世代

第四世代のかくとうの活躍は、インファイトきあいだまの追加、ゴウカザルの登場に集約される。守りをきあいのタスキに任せて一致インファイトを上から連打するという動きは、この世代の対戦における理想の流れであった。

ほのおのパンチかみなりパンチれいとうパンチのいわゆる「三色パンチ」が物理技化したのも大きく、これらの技を全世代から覚えていたポケモンは技範囲が実質大幅な強化を受けた。

特性面でもかくとうポケモンは強化を受けており、下手すれば相手がハマりかねない特性の持ち主も存在していた。ノーガードを獲得したカイリキーポイズンヒールを獲得したキノガッサはその好例であろう。

新規ではゴウカザルの他にルカリオドクロッグエルレイドが目ぼしく、特にドクロッグはかんそうはだを活かしてWCS2009期のダブルバトル環境で活躍。

第五世代

とびひざげりの威力上方修正、ローブシンテラキオンズルズキンの登場、バシャーモかそく獲得が主な強化点。ローブシンはドレインパンチマッハパンチの組み合わせで攻めてよし、ねむりに陥ってもねごとれいとうパンチほのおのパンチを放てばよしと、手が付けられない強さを持っていた。しかし何と言ってもキノガッサテクニシャン隠れ特性として獲得したことがかくとうの歴史の動きとしては大きい。マッハパンチローキックで積極的に攻めるようなかくとうタイプとしての性質がこの世代になって強まったと言える。見せ合いの段階で型が読みづらいこと、最速キノガッサの実数値134を下回ると簡単にハマることから、「キノガッサこそが第五世代最強のポケモン」という声も少なくない。

ダブルバトルではテラキオンがふくろだたきエルフーンとのコンビで最前線を突っ走った。またいかく枠としてカポエラーとズルズキンが活躍している。

第六世代

新規の中でブリガロンゴロンダルチャブルが目ぼしい。

タイプとしてフェアリーが新たに実装されたうえに、上からはやてのつばさ+ブレイブバードで攻めるファイアローが登場。これによってひこう弱点で中速以下のかくとうタイプが軒並み失墜し、フェアリー弱点のかくとうも同様に立場を悪くした。特にズルズキンはフェアリーが4倍弱点のため、シングルバトルではほとんど何もできないポケモンとなった。その点ルカリオはフェアリー、ひこうともに等倍であるからこそ、メガシンカの追加を活かせたと言える。

一方で、きあいのタスキを持たせて使用することが常のキノガッサは環境に生き残った。また、俊足のかくとうは逆にメガガルーラを上から落とせるということで立場を保ち、メガシンカが追加されてかそくが一般解禁されたバシャーモはトップメタ入りを果たした。メガミミロップも素の素早さの高さからORAS初期にメガガルーラメタとして注目された。

とは言えシングルバトル環境に安定して居座ったかくとうはキノガッサとバシャーモ程度なものであり、かくとうにとっては向かい風の環境となった。一応ダブルバトルではテラキオンとエルフーンのコンビが健在であった。

第七世代

新規には目ぼしいものだとフェローチェキテルグママッシブーンが存在する。

カプミミッキュの登場などフェアリーの普及によってますますかくとうの立場が悪くなった。一方、メガシンカ素早さ仕様の変更、ファイアローのはやてのつばさの弱体化による環境落ちから、メガルカリオとメガバシャーモが強化された。SM期はかくとうというとほぼメガバシャーモ一択の環境で、それ以外はほぼ全滅の状況であった。キノガッサは対面だとフェアリーに何もできない面が目立つようになったが、研究の結果サイクルを回して有利対面を作ることで十分使えることが判明し、環境に残った。

とはいえメガルカリオ、メガバシャーモが有利なメガガルーラはおやこあいの弱体化によって数を減らし、かくとうの役割が少なくなった。また、ファイアローが弱体化によって環境から姿を消したと言っても、サイクル戦全盛環境とあってメガボーマンダやテッカグヤなどひこうポケモンの普及が進み、依然として苦境が続いている。

ダブルバトルではさらに甚だしく、SM期にはポケモンバンク解禁後のダブルバトルで使用率ベスト30に入選したかくとうが1体もいないという異常事態となっていた。USUM期のダブルバトルでは辛うじて、ブレイジングソウルビートの獲得によって強化されたジャラランガがかくとう枠として孤軍奮闘している状況である。

第八世代

フェアリータイプの全体的な弱体化、インファイトの普及などから、以前ほどかくとうタイプが生きられない状況では無いと思われがちだが、後述の理由から環境にマッチできているとは言いがたい。

新規勢のタイレーツオトスパスネギガナイトはどれもかくとう単タイプであり、対戦面での評価はあまり高くない。

ダウンロードコンテンツ解禁前のシングルバトルではルチャブルルカリオがかくとう枠としては中心的な活躍をしている。ダブルバトルではローブシンカポエラーがメインに使われるかくとう枠となっている。

とはいえ全体で見るとミミッキュドラパルトギルガルドなどゴーストが跋扈していることから一致の通りが非常に悪い状況となっており、また旧来のバシャーモやキノガッサなどの強力な格闘タイプは軒並みガラルでは使えなかったために勝ち組タイプとはお世辞にも言えなかった。カビゴンが特殊受けとして我が物顔で環境に居座っていた辺りからもそれが窺える。

鎧の孤島』で新戦力のウーラオスが加入。また、バトルレギュレーションマークの実装によりテラキオンが対戦で解禁され、相も変わらずふくろだたきエルフーンとのコンビ「エルテラ」でダブルバトル環境を戦うこととなった。

ウーラオスはシーズン8での使用率トップ10ランクインをギリギリ避けた(シングルバトルでれんげきウーラオスが11位であった)ため、上位禁止縛りのレギュレーションとなったシリーズ6環境では使用禁止を免れた。この環境のシングルバトルではかくとう枠がほぼウーラオス一択(ダブルバトルでは辛うじてテラキオンが対抗馬になっていた)という状況となった。テラキオンはというと限定戦レギュレーションの関係上ふくろだたきサポーターとしてエルフーン、ドラパルトを失い、総合力の劣るマニューラで妥協せざるを得なくなった。

冠の雪原ではバシャーモが解禁され、崩し枠としてそこそこ使われるポジションとなった。フェローチェもスイーパー、ダイマックスエースとして需要を得たが、どちらかというと上からのトリプルアクセルボーマンダカイリューガブリアスランドロスの対策を行うのが主体の活躍のため、これをかくとう枠としての活躍と見るかは意見の分かれるところ。

対戦におけるかくとうわざ

半減されてしまうことも多いが、耐性の多いはがねタイプや耐久型のノーマルタイプ(カビゴンハピナスミルタンクなど)の弱点を突くことができ、威力が高い技も多く、攻撃技として価値が高い。

手も足も出ないゴーストエスパータイプに対しては、後出しされることが多いため弱点の突けるあく技が組み合わせとして優れ、刺さらない相手でもアイテムも落とせるはたきおとすの併用が推奨される。

そのイメージのとおり、かくとうポケモンには攻撃のほうが特攻より高いポケモンが多く、物理技が多く採用される。

よく採用される物理技には、インファイトとびひざげりばかぢからなどが挙げられる。また、特別な状況下でかなりの威力となるカウンターきあいパンチきしかいせいけたぐりも、戦略や想定する相手次第では使われることも多い。ローブシンズルズキンなど、ある程度耐久力のある格闘タイプのポケモンには、ビルドアップとの組み合わせでドレインパンチも候補の一つ。

特殊技であるきあいだまマシンわざであり、他のタイプの特攻アタッカーのサブウェポンとして採用されることが多い。特攻も高いメガルカリオメガミュウツーXはタイプ一致となる必中技はどうだんも候補に挙がる。


くさタイプの歴史

植物は動けないという観念からか、主にすばやさの低いものが多く、その分こうげきぼうぎょ、あるいはとくこうとくぼうに優れる。

弱点タイプが5つといわと並んで全タイプで最も多く、使用頻度の高いほのお技やこおり技で弱点を突かれるのは手痛い。さらにくさタイプの技に耐性を持つタイプも7つあり、攻防ともに苦手な相手が多い。ただし、くさタイプが威力を半減できる4つのタイプは他のタイプでは半減しづらく、攻撃面なら弱点の少ないみずタイプの相手を得意とする。さらに粉・胞子の技も無効化できる(第六世代以降)ため、エースにはなりにくいが独自の役割を持てるタイプと言える。ダブルバトルでは味方からのじしんほうでんなみのりに巻き込まれても痛くないタイプとして注目されることがある。

くさタイプの攻撃技は作品を重ねるごとに豪華になっている。第六世代で多くの特殊攻撃技が弱体化したのと対照的に、ギガドレインエナジーボールはそれぞれ第五世代・第六世代で威力アップしている。へんかわざも独特であり、キノコのほうしやどりぎのタネといった状態異常状態変化技で戦うのが得意。これらの技ならタイプ相性に関係なく試合を進めることができ、くさタイプの欠点を補うのにマッチしている。

ひざしがつよい状態でアドバンテージをとれる特性を持つ場合が多く、草技のソーラービームも溜めを必要とせずに出せる。しかし、晴れでは弱点となるほのお技の威力が上がることに注意したい。ソーラービームこうごうせいなどあめ状態では弱体化する技も多い。このことから天候に左右されやすいタイプと言える。

第一世代

最初からほのおこおりひこうどくむしと5つも弱点を持ち、さらにどくと複合タイプなことが多い理由から事実上最強のエスパータイプにも弱かった。環境的にはそらをとぶふぶきが2倍でミサイルばりが実質4倍と明らかに冷遇されていた(当時はどくにむしが効果抜群だった)。そんな中、ナッシーだけはエスパーと複合タイプである時点で他を引き離して人気があったが、なぜか通好みだからとフシギバナが環境にまじっていた。そしてその2匹が99カップで使用禁止になると、ドわすれヤドラン対策としてウツボットが採用されていた。

シナリオ攻略目線で考えると、当時からいわじめんが多く出現する洞窟系のダンジョンでは重宝したが、ズバット系統はくさを4分の1で受けたためそこには注意が必要であった。

第二世代

はっぱカッターの弱体化はあったものの、ほのおタイプと同様ににほんばれが追加。ソーラービームが1ターンで放てるようになったり、こうごうせいなど晴れの状態で真価を発揮する技が追加された。しかし、天気を晴れにしてしまうと弱点のほのおタイプの技も強化されると一長一短であり、強化かどうかは微妙だった。メガドレインの上位互換にギガドレインの追加、やどりぎのタネの強化などもあった。この世代では、特に猛威を振るったカビゴンガラガラを止めるため、ナッシーメガニウムが投入されていた。天敵のこおりタイプは大幅に弱体化し、第一世代に比べれば環境は明らかに改善されたが、相変わらず弱点は多く微妙な存在だった。

第三世代

くさの多くがようりょくそを手に入れ、晴パでの活躍の見込みが生まれた。しかし真骨頂はそこにはなく、主にすいすいを活かして雨パで活躍したルンパッパ、上からのいばる+みがわり+がむしゃらでハメ、しんりょく+リーフブレードで大ダメージを出すことができたジュカインが環境で活躍。キノガッサキノコのほうし+きあいパンチの組み合わせで活躍したが、当時はまだきあいのタスキポイズンヒールもないため、相手をハマりに追い込むポケモンではなかった。

なお、この世代では多くのくさのウエポンがギガドレイン威力60あるいはめざめるパワー(くさ)の威力70(乱数調整成立前は威力60程度が精一杯であった)止まりであったため、カウンターちきゅうなげがむしゃらなどのダメージ固定技の方が効率よくダメージを与えられるうえに有効範囲も広かった。比較的高いくさ火力を持つジュカインですら例外ではなく、こちらもリーフブレードをカットした型が稀ではなかった。要はそれだけくさの火力と範囲が信頼できないものであったのである。よって、当時のいわじめん連続攻撃技などでみがわり対策さえできれば対面勝ちも十分可能であった。

第四世代

物理技ウッドハンマーパワーウィップタネばくだん特殊技エナジーボールリーフストームくさむすびと、技面がこれでもかというほど強化された。

この世代ではキノガッサポイズンヒールを獲得し、無限耐久型が成立。ユキノオーガブリアス天候パに異様に強く、特にGSダブルでの活躍が目覚ましかった。

WCS2009千葉県予選Bグループ2位の晴れトリパにはキマワリがエントリーされていた。高知県予選ではくさ統一パーティが準優勝を果たし、世界大会ではカテゴリーA(小学生の部)でチェリム入りのパーティが優勝を果たしている。これらは、力不足、ピーキーとされるくさポケモンであっても工夫によって活躍することができた好例である。

第五世代

優秀無比な複合タイプのナットレイいたずらごころによりやどりぎのタネ+みがわり+まもるでハメにかかるエルフーンなど、嫌らしい耐久型を中心として新規が活躍。隠れ特性よびみずを獲得したユレイドルも砂パで使用された。また、「ねむり」のポケモンが交代すると「ねむり」のターンがリセットされるという仕様になったことから、「ねむりごな」「キノコのほうし」持ちが強化された。

既存の技でははなびらのまいギガドレインタネマシンガンの威力が強化された。

しかし何と言っても大きかったのはキノガッサが隠れ特性テクニシャンを獲得したことであり、これによってマッハパンチローキックを活かしての上からの攻めも自在になった。読みにくさが増し、対処を誤ると簡単にハマるポケモンとなったため、環境ではねごとが必須となった。現在でも「第五世代最強のポケモンは?」という質問に対して、しばしばキノガッサの名前が挙がる。

第六世代

ファイアローの登場によって、ほのおひこうが弱点のくさは軒並み環境から死滅。さらにほのおが全盛期を迎えたこと、天候特性の持続ターンが永続から有限に変わって天候パの流行が終息したこと、フェアリータイプの増加により毒ウエポンの需要が増したことなど、くさにとってはほとんど良い事無しの世代であった。

残ったのはキノガッサ、ナットレイぐらいなもので、そこにあまのじゃくが追加されたジャローダメガシンカが追加されたフシギバナが加えて環境入りした程度であった。くさに粉・胞子のわざが無効化される仕様が追加されたが、汎用性の低さやファイアローへの脆さは如何ともしがたいものがあった。

第七世代

天敵のファイアローがようやく環境から姿を消す。新たな物理アタッカーとしてカプ・ブルルカミツルギが登場。ラランテスアマージョもそれぞれの特性の有用さから徐々にダブルバトルで活躍する。それらと入れ替わる形でフシギバナジャローダが環境の主軸から距離を置いた。

さらに、新しく登場したカプ・コケコカプ・レヒレに対抗できるタイプとしてくさタイプは注目を集める。だが、それぞれのフィールドでねむり状態を妨害されてしまうため、キノコのほうしねむりごなに依存した戦術は対策されやすくなった。

USUM期のシングルバトルではカミツルギ、ナットレイキノガッサが、ダブルバトルではカミツルギ、カプ・ブルル、モロバレルがそれぞれ使用率ベスト30の常連となり、メジャータイプの一角となったと言って良いだろう。ダブルバトルではGSダブルサンシリーズ(メガシンカ、ゲンシカイキ、Zワザなし)のインターネット大会『2018 International Challenge November』で使用率ベスト30のうち7匹、伝説ポケモン以外で見れば大半を占めるという異例の活躍を見せる。カイオーガゲンシカイキのできないグラードンに対して相性が良かったためである。

とはいえ、対フェアリーのどくウエポンはますます増加し、対フェアリー兵器であるはがねの対策のほのおウエポンも増えたため、役割破壊を受ける危険性はさらに増した。

第八世代

ダイジェットの登場によってそれを抜群で受けるくさの立場は悪くなった。ダウンロードコンテンツ解禁前の環境にカプ・ブルルを始めとした前世代で活躍した種族のデータが存在しないのも失墜の要員としては大きい。

ダウンロードコンテンツ解禁前のシングルバトルではナットレイがくさ枠の定番となり、後は偶にゴリランダータルップルが使われる程度だった。

ダブルバトルではルンパッパがすいすいアタッカーとして、エルフーンがいたずらごころサポーターとして第七世代と変わらず使われている。

しかしその後、Pokemon HOMEで中程度の耐久と高火力物理技やねこだましを覚えるゴリランダーが隠れ特性グラスメイカーを解禁され、さらにDLCにて特性と相性の良い先制技グラススライダーが追加された為シングルダブル問わず採用率がトップクラスまで跳ね上がった。くさに耐性を持っているか、くさが弱点であるかがポケモンの評価に直結するほどの状況となった。ダブルバトルでは他に、キョダイマックスを手に入れたフシギバナや、優秀な新規技をタイプ一致で打てるダダリンなどもやや見かけるようになった。

上位禁止縛りのレギュレーションとなったシリーズ6環境では、ゴリランダー、フシギバナ、エルフーンが使用禁止ポケモンに指定された。この環境ではアシレーヌがシングルバトル、ダブルバトル両方における環境の「BIG6」となったため、その明確な有利としてナットレイがそれに迫る使用状況となった。モロバレル鎧の孤島期当初からメジャー格であったが、催眠サポーターとして目の上のたん瘤となっていたフシギバナがいなくなったことでついにシーズン10に使用率1位を記録。通常環境では注目されなかったアマージョは、この限定環境でナットレイ、アシレーヌに強気に出ることができることから使用率が上昇。

冠の雪原期の追加組としてはカミツルギが目ぼしいところか。

シリーズ8竜王戦ルールではゴリランダーナットレイカイオーガへの打点要員としてよく使われ、そのうち後者は受けとして重宝した。

対戦におけるくさわざ

半減されるタイプが多く、メインウェポンとしては不向き。一方、みずポケモンの弱点を突ける数少ないタイプであり、みず・じめんの複合ポケモンの唯一の弱点(4倍弱点)であり、ピンポイント・サブウェポンとしては比較的優秀。

威力の高い物理技としては、タネばくだんウッドハンマーパワーウィップなどが挙げられる。リーフブレード急所に当たりやすい技ながら威力も命中も高い。タネマシンガンはポケモンの特性次第で高威力を出しやすくなる。

威力の高い特殊技としては、威力90のエナジーボールが挙がる。リーフストームは高い威力を持つが特攻が2段階下がってしまうデメリットがある。これらのデメリットを避ける場合はくさタイプ以外のポケモンも多く習得できるくさむすびや、ダメージを与えつつ自身のHPを回復できるギガドレインなどが使われることが多い。

ソーラービームソーラーブレードは高威力だが1ターン溜めが必要になる。天候がにほんばれのときは溜める必要がなく、晴れを軸とするパーティではよく採用され、特に相性補完としてほのおタイプに多く採用される。

主な変化技としては、やどりぎのタネキノコのほうしねむりごなしびれごなが挙げられる。やどりぎのタネは毎ターン相手のHPを少しずつ削りながら自分のHPを回復させる、くさタイプを象徴する技。キノコのほうし・ねむりごなは相手をねむりに、しびれごなは相手をまひにすることで行動を制限でき、強力である。特にキノコのほうしは相手を眠らせる技の中で唯一命中が100であり、確実に相手を行動不能にできる。一部のポケモンしか覚えないが、習得できるポケモンにはほぼ採用される。ただし、粉・胞子のわざ(第六世代から)ややどりぎのタネはくさポケモンに効果がないので注意したい。


こおりタイプの歴史

とくこうとくぼうと言った特殊面が高い傾向が強い。相性耐性は同タイプのこおり技のみ。その割に弱点が4つもあるため、防御面では最低ランク。しかも弱点の大半はメジャータイプであり、対策必須なはがねタイプが苦手としているほのお・かくとうを共通の弱点としているのが厳しい。

一方でこおりタイプの技は4タイプの弱点を突くことができ、わざのタイプとして極めて有用。中でも強力なポケモンが揃っているドラゴンタイプの弱点を突けるのが強み。

タイプ名のとおり相手をこおり状態にすることを得意とし、ほとんどのこおり技の追加効果となっている。とはいえ、この状態異常が強すぎるため発動確率はほぼ1割となっている。

あられパーティでは、あられのダメージを唯一受けず、タイプ一致ふぶきも使えるので基本的に主力となる。あられに関する特性を持つものも多い。

第一世代

タイプ別での最強技の使いやすさがトップでありながら、タイプ環境では3位争いと紛れもない優遇タイプであった。第一世代で猛威を奮ったエスパーやそのタイプによって弱点が帳消しになったノーマル、他みずでんきがライバルであったものの、こおりの弱点だったかくとういわほのおは、3つとも当時はかなり冷遇されていたため、実質ほとんど弱点がなかった。かくとうはエスパーのせいで不遇、最強技も威力80のじごくぐるまで1/4の反動付きで貧弱であった。いわもじめんと複合タイプなものが多く、鈍足であるため弱点を突く前に突かれやすかった。ほのおは技こそ充実していたが、こおりはみずと複合タイプなのが多い関係で結局活躍は困難だった。

また、こおりタイプの最強技であってこおり状態にできるふぶきだが、現在と比べ異常といえるほど、優秀さが際立っていた。当時のふぶきの命中率は90%、こおりの追加効果は3割で発動していた。対戦環境でのこおり状態の回復手段はこの世代には実質的に存在しておらず、凍り付いたら最後、自然回復は不可能であった。唯一の回復手段は相手がほのお技を使って溶かすことだが、実戦上まず起こりえない。要するに威力120、命中90%、3割の追加効果で事実上の一撃必殺であり、ふぶきが第一世代の最強技と言われるようになった。

しかも、こおりタイプ自身はこおり状態にならず、タイプ一致でふぶきの威力を強化できることから、対戦でもパーティにこおりタイプを入れるのが当たり前のようになったのである。特に多く使われたこおりポケモンには、エスパーと複合のルージュラ、みず持ちのラプラス、そしてひこうタイプを併せ持つフリーザーがいた。この3匹は99年の大会で使用禁止になるほどの強さを誇っていたポケモンとして有名であった。さらにはこおりタイプに留まらず、当時の厨ポケであったケンタロススターミーまでサブウェポンにふぶきが使われたこともあった。

行き過ぎた性能に対する反省か、スタジアムでふぶきの追加効果は3割から1割に弱体化された。そして次世代以降においても、ふぶきは徹底的に弱体化されることになった。

第二世代

こおりタイプは第一世代の異常な優遇が祟ったのか、第二世代で大幅に弱体化した。まずふぶきは命中率が70にまで落ちたほか、こおりつく確率も1割になった。さらに予防策としてやけたきのみきせきのみ)の追加に加え、こおりが毎ターン1割の確率で溶ける仕様になった。そして新タイプのはがねの登場でほのおかくとうが大幅に強化されてしまい、弱点を突かれるケースが激増。かくとうはほかに、高威力クロスチョップの登場および天敵エスパーが同じく新タイプあくにより弱体化したことで、優遇タイプに昇格した。ほのおもにほんばれ追加で高火力を叩き出せるようになり、さらに第一世代ではなかったこおり耐性が追加された。いわもバンギラスの登場といわなだれを使用するガラガラの強化により対策が必要となった。そして新タイプのはがねにまで弱点にされ、耐性はこおりのみと防御面はこの世代からずっと最弱となった。

こおりわざの需要は一部のポケモンがサブウェポンとして使ったことから低いというわけではなかったが、不一致れいとうビームで事足りることから他の作品と比べてこおりポケモンはあまり好まれなかった。ちなみにその中で比較的使われたのは、この世代で初登場のイノムーとクリスタルからのパルシェンぐらい。この2匹は対戦で一応それなりに活躍していたが、残念ながらエースとして使われるほどではなかった。天候も当時はあられがなく、逆風に逆風が重なって一気に冷遇タイプまで弱体化した。

第三世代

一撃必殺のぜったいれいどが追加され、多くのこおりタイプのポケモンが習得した。さらにあられも登場したが、こおりタイプ以外は毎ターン16分の1ダメージだけと当時はすなあらしと同じく使い勝手がよろしくなかった。

シングルバトルで活躍した新規勢はレジアイストドゼルガあたりであったが、どちらも二線級程度であった。

新しく登場したダブルバトルでは、こおり技は相手2体同時に当たる技が多い。努力値の仕様変更もあるのか再びすばやさが重要になったため、2体同時にすばやさを下げるこごえるかぜが特に人気だった。なお、ふぶきは今の7割以下の威力かつ当時はあられでも必中にならなかったためほぼ役に立たなかった。また、天敵の一匹としてメタグロスが猛威を振るい、多くのこおりタイプがその煽りを食らうこととなった。

第四世代

あられの恩恵にふぶきが必ず命中するという仕様が追加された。ダブルバトルでは2体同時にヒットするふぶきも第三世代の1.5倍の威力になり、あられ状態でのふぶきはかなりの凶悪だった。約2割でどちらかがこおり状態になると、実質第一世代に近い性能を誇った。こおりが溶ける確率は25%に上昇し、あっさり溶けるケースも多くなったが、それを差し引いても行動不能になるこおり状態は脅威で、特性のゆきふらしで場に出たときにほぼ永続であられを降らすユキノオーの登場もあり、ダブルでのこおりはそれなりの強さを誇り、全体としては中堅中~下位辺りにまで持ち直した。

一方で、メタグロスは相変わらず環境の中心に居座っており、新たな天敵としてゴウカザルドータクンきあいだまなど強力な技の登場などで弱点を突かれる機会もそれなりに多く、火力インフレによりあっさり崩されることも多くなったほか、プラチナ以降は強力なばかぢからねっぷうの普及、ハッサムの大幅強化などでやや立場が厳しくなるなど、冷遇された点も目立っていた。そんな中でもダブルでは全国大会で霰パが優勝した地区がいくつかあると、こおりの強みをうまく活かせば十分戦えたと言えるようである。新勢力では先述したユキノオーのほかに、マンムーイーブイの進化系で新しい仲間のグレイシアダブルバトルで役に立つねこだましや高い素早さからのこおりのつぶてが魅力のマニューラなどが特に注目されていた。

第五世代

弱点のタイプにそれぞれ強豪が追加、現存技の強化等でこおりタイプにとっては向かい風となった。特にいわはがねタイプはこの世代で強化されたがんじょうを持つものが多く、前世代と同じだと思い込んでいると手痛いしっぺがえしを食らう羽目になった。

旧世代から登場していたポケモンではパルシェンからをやぶるを習得。つららばりの強化もあって特性スキルリンクと合わさり大幅に強化された。ラプラスうるおいボディを得て雨パにかぎり耐久力を活かしやすくなった。ユキノオーきあいのタスキおよびがんじょう対策、猛威を振るっているドラゴンタイプへの牽制、天候を変えるとくせいの一般解禁および砂パの強化で天候の取り合いなど、相変わらずの活躍を見せた。マンムー隠れ特性としてあついしぼうを獲得したためそれまで最低レベルであった耐性が独特なものに進歩し、こおりを半減できるじめん枠のアタッカーとして開花。新たにトリプルバトルが追加され、ダブル以上では相変わらず霰パでのふぶきが強力で、ダブルではフロストロトムが高いすばやさからふぶきを放つように、トリプルではユキノオー、グレイシア、フロストロトムによるトリオでふぶきを連射する戦法が猛威を奮った。しかしその一方でワイドガードの登場で止められる可能性もあった。

第六世代

こおりタイプの生命線だったあられが、ゆきふらしでも5ターンで降りやむようになってしまった。そこにふぶきおよびれいとうビームの威力低下、フェアリータイプ登場によるはがねタイプの需要増加、ほのおタイプの強化により弱点を突かれる機会が激増。何より環境ではほのお系のファイアローが猛威を振るい、その対策としていわタイプの技の需要も増加。そしてメガシンカによる火力インフレにより耐性の酷さが露呈してしまい、かつてない逆風にさらされて再び冷遇タイプとなってしまった。

なお、ラプラスフリーザーなど一部のこおりポケモンがフリーズドライを習得し、今までこおり技を半減されていたみずタイプへの対策として重宝した。

さかさバトル環境ではクレベースレジアイスが要塞として活躍した。

第七世代

ぜったいれいどがこおりタイプに無効化、こおり以外のポケモンが使うと命中率が下がるという仕様になり、何故かこおりタイプがぜったいれいどで倒されるという理不尽な点は解消された。また、オーロラベールの登場であられのときに受けるダメージを減らせるようになった。

しかし、強力なフェアリーが大幅に増えたことにより、はがね技がさらに増えフェアリー対策のついで狩られることがさらに多くなり、Zワザの登場でまもるも貫通と、こおりタイプの受けの面はこれまで以上に酷くなってしまった。天敵の1匹であるファイアローは弱体化したが、はがね技増加および弱点タイプのZワザによる役割破壊が飛び交うようになった環境の前では、これらのこおりの強化点ですら慰めにすらならない。対ドラゴンとしても、上記のフェアリータイプにより役割を奪われてしまい、結果現在の総合評価のタイプとしては、特にZワザと耐性のなさが噛み合ってしまい状況次第では第二世代以下に悪化するほどと全体では最弱クラスと化してしまった。

一応、技の面は(相性面はともかく)ずっとシンプルで扱いやすいことと、マンムーなど一部のこおりタイプは特性などのおかげで環境に残っていることが幸いとなっている。

第八世代

めざめるパワーの削除、冠の雪原解禁までこおり4倍弱点のガブリアスボーマンダランドロスがいなかった事からますます立場が悪くなった。 その一方、ダイアイスであられ状態には出来るためゆきがくれアイスボディゆきかきなどの特性を持つポケモンは強化された。

ダウンロードコンテンツ解禁前の環境におけるシングルバトルこおり枠の定番はガラルヒヒダルマラプラスであり、後はアローラキュウコンが偶に使われる程度であった。

上位禁止縛りのレギュレーションとなったシリーズ6環境では、先手さえとればウーラオスパッチラゴンに明確に有利であり、ドサイドンホルードなどの特殊低耐久にも十分な打点を持てることから、シングルバトルにおいてアローラキュウコンが増加。

冠の雪原期は新規組のブリザポスがこおり枠として孤軍奮闘する状況。

対戦におけるこおりわざ

対戦で使用されるポケモンには氷を4倍弱点とするものも多く、攻撃技としての性能は高い。それゆえ、タイプが変わるめざめるパワーとして、氷タイプを選ぶことも多い。氷タイプのポケモンはもちろん、水タイプのポケモンの多くが氷技も覚えられる。

技の性能差から、とくしゅわざが採用されることが多い。主な特殊技としては、ふぶき・れいとうビーム、ぜったいれいどが挙げられる。

ふぶきは威力、れいとうビームは命中率を重要視して採用される。第一世代でのふぶきは、威力はもちろん、技自体の命中率もこおり状態になる追加効果の確率も高く強力な技だった。第二世代に調整が入ったが、てんきあられのときに必中になることから、依然人気の技の一つである。れいとうビームは素直で扱いやすいことから、特にサブウェポンとして人気が高い。ぜったいれいどは一撃必殺技で、他と異なり無効にされるタイプが同じこおりタイプで、こおり以外のタイプが使うと命中率が下がる。ダブルバトルトリプルバトルでは、相手全体のすばやさを下げる追加効果からこごえるかぜの採用も選択肢に入る。

主なぶつりわざとしては、れいとうパンチゆきなだれこおりのつぶてが挙げられる。

特にこおりのつぶては無効にされるタイプがないうえ、直接攻撃でない先制攻撃技であり有用。つららおとしはれいとうパンチより高威力の氷技だが、習得ポケモンが少ない。パルシェンには、特性スキルリンクの効果もあってつららばりが採用されることが多い。

特殊な例としては、第六世代で登場したフリーズドライが本来の相性ではなく、みずタイプに効果抜群となるため、他の技では4倍弱点をつけないキングドラやルンパッパに4倍弱点をつけるようになり、相手に意表をつく事ができるようになった。

じめんタイプの歴史

多くはこうげきぼうぎょが高く、とくこうとくぼうすばやさが低い。じめんタイプの技は5つものタイプの弱点を突くことができ、かくとうに並び全タイプのなかで最も多くのタイプの弱点を突ける。

じしんは威力命中率ともに安定し、最も多く使われている物理技だろう。このじしんをタイプ一致で使えるのはじめんタイプのポケモンの大きなメリットである。その一方でひこうタイプに攻撃を無効化され、ふゆうふうせんのような対策手段も存在する。いわタイプの技を多く覚えるため、じめん技が通じないひこうタイプをいわ技で対策するといった技構成になることが多い。

防御面では他のタイプで対応しにくいでんきいわに耐性があるのを強みとする。特にでんきを無効にできるおかげででんじはまひしたりボルトチェンジで引っ込まれたりすることも起こらない。弱点はくさみずこおりの3つであり、上述のでんきタイプはめざめるパワーくさむすびでじめんタイプを迎え撃ってくることが多い。

ガブリアスランドロスを筆頭に優秀なポケモンが粒揃いで、対戦環境を牽引するタイプといっても過言ではない。シングルバトルではステルスロック撒きからアタッカーまでこなす。ダブルバトルではひこうタイプか特性ふゆう持ちを相方にしてじしんを撃つのが定番の戦術。近年は味方を巻き込まない地面技も充実してきている。

じめんはかくとういわと並んでアタッカー性能の高いポケモンの代表であり、それ故に物理受けの条件として物理耐久の種族値が高いことと同時にこれら3タイプに強いことが挙がる。また、この3タイプは特殊アタッカー型として育てるには不向きな傾向にある。

第一世代

ニンテンドウカップ'97環境、ニンテンドウカップ'98環境では、じめんタイプの歴史=ダグトリオの歴史であった。というのも、じめんはふぶきなみのり抜群と、当時の環境では不遇寄りであったためである。そんな中、ダグトリオは高い素早さとそれに伴う急所率の高さ、ほぼ確定急所のきりさく、最後の手段となるじわれによって、例外的にじめんとして使用された。じめんは主にサンダースへの対策として使われた面がある。同環境では他にはまれにゴローニャが使われた程度で、そのゴローニャもノーマル半減のいわ枠として使われていた部分があることから、やはりじめんタイプの歴史=ダグトリオの歴史という図式は誤りではない。

当時はあなをほるの威力が100とじしんと同じでありながら、シナリオ序盤でわざマシンが入手できることから、有用なじめん技だった。

ニンテンドウカップ'99環境ではフォーマットの都合上サイドンサンドパンニドキングがダグトリオの代替として使用された。

第二世代

数々の仕様変更によって、急所ふぶきはかいこうせんサイコキネシスに任せた速攻戦略が崩壊。攻撃技と変化技とをバランス良く覚えさせないと大会では勝てなくなった。サンダースを始めとするでんきも速攻型というよりでんじはサポーターとしての側面が強くなり、そこでじめんはでんじは無効のタイプとしての個性が出始めた。

前世代でサンドパンのほぼ下位互換であったガラガラふといホネの獲得と特防の上昇によって一躍トップメタ入りを果たした。そのガラガラはクリスタルつるぎのまいを手に入れて手の付けられない存在となった。カビゴンサンダー、ガラガラはニンテンドウカップ2000の三巨頭とも呼ばれるようになった。

あなをほるの威力が60に弱体化し、さらにじしんじわれが潜っているときに当たるようになる、前者は威力が2倍になるなどからシナリオでも扱い辛くなった。

新規ではハガネールヌオーが活躍した。ハガネールはガラガラのじしんでさえも受け止められる物理耐久が長所で、ヌオーは弱点1の耐久型としての個性があった。いずれもでんきタイプがじめん対策として覚えているめざめるパワーこおり)を等倍で受けられるという点も見逃せなかった。

この世代ではノーマルとじめんの技があれば、プテラエアームドを除く全ポケモンに対して等倍以上を取ることができ、いわゆる「無差別破壊コンビネーション」に近い等倍範囲であった。

第三世代

ダブルバトルが実装され、じしんが対戦における一番の主力技となった。じしんは味方を巻き込む全体攻撃だったので、当時の仕様により威力が分散されなかった。じしんの存在によってダブルバトルにおけるギャラドスひこう枠としての意義が生まれたとも言える。

新規ではラグラージネンドールがポケモンリーグ2005で活躍した。ラグラージはヌオーに総合力で勝るアタッカーとして、ネンドールはスキルスワップを中心としたサポーターとして、それぞれ重宝された。後の世代で見劣り、不遇の代表格として名前を知られるようになるフライゴンも登場しているが、当時は一線級のポケモンであった。

既存組ではガラガラひらいしんを獲得し、ダグトリオありじごくを獲得。

第四世代

じしんにダブルバトルの威力分散が適用されるようになり、ダブルバトルにおけるじめんは弱体化。ところがシングルバトルではガブリアスが登場し、このガブリアスが第六世代まで環境の最前線を突っ走ることになる。これによって同複合タイプのフライゴンがガブリアスの劣化扱いされるようになった。すなおこしによる砂パの始動役として現在では有名なカバルドンも登場しているが、フラットバトルの導入によってバンギラスが解禁されると需要が下火になった。他の新規ではドサイドングライオンマンムーが登場している。

第五世代

あめふらしニョロトノひでりキュウコンの登場によって、天候奪取ができるカバルドンの価値が上昇。カバルドンはドリュウズガブリアスなどとコンビを組み、環境の主流ポケモンとなった。ドリュウズはBW期にはすなかきアタッカーとして使われたが、BW2にかたやぶりが解禁されるとこだわりスカーフを持たせたかたやぶりアタッカーとしての味が出始めた。

ランドロスはBW期にはけしんフォルムが使われ、BW2で追加されたれいじゅうフォルムはダブルバトルにおいて対策必須の存在となった。

既存のポケモンではよびみずの仕様変更で強化されたトリトドン隠れ特性ちからずくを手に入れたニドキングニドクインだいちのちからの使い手としての立場を確立した。ゴローニャハガネールドンファンがんじょうの仕様変更で強化された。隠れ特性によって強化を受けた既存組としては、あついしぼうを与えられて対面性能が増したマンムーてんねんを獲得して耐久型として大幅強化されたヌオーが該当する。

技としてのじめんは、ドラゴンに唯一耐性を持つはがね、環境に多いほのおに抜群のタイプとして、依然として高い需要を誇った。

第六世代

新規のじめんがホルード系統とジガルデのみという事態。しかもすなおこしによるすなあらし状態が5ターンで終了するように弱体化し、砂パの人気が終息。これだけ聞くと弱体化したように見えるが、この世代に追加されたフェアリーが苦手とするどくはがねに抜群を取れるばかりか、環境で依然として多いほのおにも有利なため、勢いは衰えなかった。ガブリアスはメガリザードンX・Yとメガガルーラの上を取れる素早さから前世代に輪をかけて人気が上昇、シングルバトルでは使用率1位を不動のものとした。

第七世代

新ポケモンは単タイプのバンバドロ系統とゴースト複合のシロデスナ系統の2系統4種類。前者はじきゅうりょく、後者はみずがためを専用特性としており、共に特性で耐久力を上げるポケモンとして知られる。 リージョンフォームではダグトリオ系統が複合ではがねタイプを獲得している。

この世代はサイクル戦全盛の環境となっているためでんき無効で相性補完に優れるじめんの立場が向上。フェアリーの普及によって増加したはがね、どくに強いという点でも需要が伸びた。

前世代までトップメタ街道をひた走っていたガブリアスはフェアリーの増加、メガシンカの素早さ仕様変更やこだわりスカーフ持ちの増加による素早さの優位性の大幅低下から環境の主流じめん枠の座をれいじゅうランドロスカバルドンに明け渡す格好となった。

USUM期のシングルバトルではれいじゅうランドロス、カバルドンが非常に多く、れいじゅうランドロスを基準とした耐久調整、カバルドンを突破するZワザアタッカーの用意は、安定して勝ちたいなら当たり前になった。 ダブルバトルではいかくの使えるれいじゅうランドロスが相変わらず強豪の一角として君臨したほか、公式大会ではワルビアルニドクイントリトドンら種族値のそれほど高くないじめんタイプの入ったパーティも優勝を収めている。弱点を突けばウインディガオガエンをも倒せるジメンZが流行しており、WCS2017ではワルビアルに、WCS2018ではトリトドンにジメンZを持たせたパーティが優勝を決めている。

第八世代

ダイアースで自分と味方の特防を挙げる戦術を獲得。

ドサイドンダイマックスを獲得して大幅強化され、容易には崩されないエースとしてシングルバトルダブルバトル両方の環境に進出。

他はトリトドン、カバルドンガマゲロゲヌオーが環境に進出。トリトドンはダブルバトルでも使われるが、その他はシングルバトルが主戦場。カバルドンは起点作り型として、ガマゲロゲはすいすいアタッカーとして、ヌオーはてんねん耐久型として需要を得た。

また、単体攻撃の10まんばりきわざレコード化によりじしんしか覚えられなかった物理アタッカーがダブルバトルで大きく採用を伸ばすこととなった。

ただ、鎧の孤島期には追加組のマリルリPokémon HOME解禁後から環境に居座るアシレーヌなどのみず枠で徹底的に包囲されたため、シングルバトルで安定して使用率30位以内にランクインするのはカバルドン、ドリュウズぐらいなものとなった。

上位禁止縛りのレギュレーションとなったシリーズ6環境では、カバルドン、ドリュウズが使用禁止ポケモンに指定された。このシリーズのシングルバトルではドサイドンホルードが激増し、ゴリランダーが禁止されたこともあってゴリランダーのグラスメイカー解禁以降低迷していたガマゲロゲの使用率が回復した。シリーズ6シングルバトル環境はでんき→みず→じめんの三竦みと言われていた。

冠の雪原期にはランドロスがダイマックスエースとして解禁され、環境の主軸を担うこととなった。また、メガシンカを失ったラグラージは起点作り役としての道を歩み、ガブリアスはつるぎのまいを活かした崩し役としての立場を築き上げた。

対戦におけるじめんわざ

5つものタイプの弱点を突ける優秀なタイプ。その一つであるでんきタイプはじめんが唯一の弱点である。耐性の多いはがねタイプも、じめん技には弱い。しかし、タイプや特性、持ち物の効果で攻撃をすかされることもしばしば。

苦手なくさむしひこうタイプのポケモンには、いわ技やこおり技が有効である。特にいわ技はむし・ひこうの2つに効果抜群の相性で、じめんポケモンの多くが習得できるので、サブウェポンとして採用することが多い。

主な物理技として、じしんカラカラ系統の専用技だがホネブーメラン一撃必殺技じわれなどがある。わざマシンで覚えられるじしんは地面物理技で最も威力が高く命中も100で、どのタイプの物理アタッカーにも人気の技である。特にシングルバトルにおいてはじしんの一貫性はいかにして消すかが重視され、転じて「じしんを打っておけば崩壊するパーティ」というのが完成度の低いパーティの喩えとして使われるほどである。ダブルバトルトリプルバトルでは、じしんは自分以外が対象であるうえ、威力が下がるため、1体を狙えるホネブーメランやドリルライナーのほうが使い勝手は良い。

特殊技は非常に少なく、有用なのはだいちのちからのみである。しかしじめんポケモンは総じて特攻が低いが、突ける弱点タイプのポケモンは特防が低いことが多い。じめんポケモンでも特攻の高いニドキングトリトドン、他のタイプの特殊アタッカーならば使い手となりうる。

あなをほるフィールドわざで、洞窟などから脱出でき、ストーリー攻略で役に立つが、溜め技であるため、対戦での使用率は低い。

でんきタイプの歴史

とくこうすばやさが高く、ぼうぎょは低めであるポケモンが多い。ゆえにアタッカー気質のポケモンが目立つ。また、相手をまひさせることを得意としており、でんき技の追加効果にはまひ状態を狙えるものが多い。ちくでんでんきエンジンひらいしん(第五世代以降)など、技を無効にされてしまう特性が多いのが難点。弱点を突けるのがみずひこうの二つだけと少ないのも難点だが、逆に言えば弱点が少なめなみずタイプに弱点を突けるメリットでもある。

じめんタイプが弱点であり、対戦においてはサブの攻撃技としてめざめるパワー(主にでんきと相性の良いこおり)を持たせて対策するケースがよく見られる。一方でひこうタイプとの複合やふゆう特性でじめん技を無効にできるでんきタイプの数も多い。それらは耐性に恵まれていることから対戦で一線級の活躍をしていることもしばしばである。ただし、エレキフィールドの恩恵を受けられないというデメリットもある。地に足のついているでんきタイプと浮遊しているでんきタイプでは弱点が異なることからタイプ統一パーティは比較的組みやすいとも言える。

第一世代

元々弱点がじめんタイプのみで全体的に素早く特殊の高いポケモンが多かった。当時のでんきタイプのエースは何といってもサンダースで、まれにマルマインレアコイルサンダーを見かけるぐらいか。その3匹が使えない99カップでは、ポストサンダースにライチュウエレブーが使われた。

余談だが、初代のポケモンスタジアムでは何故かライチュウではなくピカチュウがエントリーできるようになっていた。

第二世代

みずタイプと共にあまごいの天候補正の恩恵を受け、でんきタイプは命中率が不安だったかみなりが必ず命中する仕様となった。また、追加効果が3割から1割に落ちたふぶきとは逆に、かみなりは追加効果のまひが1割から3割になるように強化された。めざめるパワーこおり・みず・くさ)も習得したおかげで、対策がなかったじめんタイプに対抗できるようになり、特にこおりタイプとは相性が良く、じめんタイプ以外にもでんきタイプを半減するくさ、ドラゴンに弱点を突ける。

サンダースバトンタッチなどの補助技、エレブークロスチョップなどの攻撃技に長けるようになり、サンダーひこうタイプの優位性が増したなどでニンテンドウカップ2000三巨頭と言われるまでとなった。新入りで活躍できたのはライコウぐらいしかいないが、その彼はクリスタル発売後に10まんボルト習得とまきびしパルシェンの登場でさらに需要が増した。

第三世代

ジュカインテッカニンなどの俊足を誇る新規勢の登場によって素早さが重視されるようになった。これにより、素早さを操作できるでんじはに注目が集まった。しかし、ひらいしんちくでんの登場、ダブルバトルにおけるじしんの普及など、徹底的にメタを張られるようになった。そんな中でも活躍できたのは素早さの種族値130から状態異常を撒けるサンダースであり、厳選難易度に目を瞑ればサンダースを上回る総合力の持ち主としてライコウの名前が挙がった。

他にはひこうでもあることから味方のじしんと組み合わせることができるサンダーが使われ、後は稀にちくでんを獲得したランターンが使われた。

第四世代

技の物理特殊の分離によって、でんきの中では特殊アタッカーが立場を保った一方で、物理アタッカーの多くは主力一致技不足に陥った。一致物理技の最大威力がかみなりのキバまたはスパーク止まりであったレントラーは、主力一致技に恵まれないポケモンの典型であった。エレキブルも当時でんきタイプ最大の攻撃力を持ちながら最大威力の物理技がかみなりパンチの75だった。

第五世代

ウォッシュロトムの解禁、けしんボルトロスの登場、ワイルドボルトの追加が主な変化。特にけしんボルトロスのいたずらごころによる先制いばるでんじはは環境における多くのポケモンを機能停止に追い込んだ。実質弱点なしのシビルドンは能力判明当初は話題となった。

第六世代

10まんボルトかみなりめざめるパワーの威力下方修正など弱体化があったが、でんきにまひが無効になるように強化もされた。

ダブルバトルではメガシンカを獲得したライボルトの活躍が顕著で、WCS2014を制覇したパーティで活躍したパチリスも印象的。

第七世代

でんじはまひの弱体化など、ポケモンのe-Sports化の機運を受けて運ゲー要素が規制され、そのあおりをでんきは受けた。

クワガノントゲデマルカプ・コケコデンジュモクが新規の中では目立つ。USUMではでんき初の幻のポケモンであるゼラオラが追加された。しかし環境レベルで言うとシングルバトルのでんき枠はカプ・コケコの1人勝ち状態。対面で突っ張ってよし、サイクルを回してエレキメイカーを繰り返し発動してよしと、その火力、速度、汎用性から生半可なでんきの速攻型の立場を奪ってしまった。

第八世代

猛威を振るったカプ・コケコは未登場。新たに初のどくタイプとの複合のストリンダー、通常レギュレーションでは初のドラゴンとの複合となるパッチラゴンが登場。

ダウンロードコンテンツ解禁前の環境ではフォルムチェンジロトムパッチラゴンしか目ぼしいでんき枠が存在しないという状況となった。というのも、メガシンカタイプ:ヌル系統を除く準伝説めざめるパワーソード・シールドには存在しないためである。

鎧の孤島ジバコイルレントラーが追加され、ラインナップが改善された。ジバコイルはメジャー格に進出し、レントラーは独特な起点作り性能から一定の需要を獲得。

後に追加コンテンツ『冠の雪原』で過去の準伝説が再録されることが決定し、でんきの選択肢が広がる見通しが立った。当然ライコウやカプ・コケコ、ゼクロムの復帰も確定している。

上位禁止縛りのレギュレーションとなったシリーズ6環境では、ジバコイルが使用禁止ポケモンに指定された。この環境のシングルバトルにおいてはパッチラゴンが環境の1トップとなり、シーズン10には使用率1位を記録。シリーズ6シングルバトル環境はでんき→みず→じめんの三竦みと言われていた。ダブルバトルではカントーライチュウが環境に進出し、タイプはまるで違うがねこだましサポーターとしてガオガエンの後釜を務めたとも言える。

冠の雪原期には既存組としてサンダーが解禁され、新規組としてはレジエレキが追加された。この2匹は火力と速度を活かして環境に進出するが、裏を返せば冠の雪原期のでんき枠はほぼこの2匹の寡占状態であった。シリーズ8竜王戦ルール環境でもサンダーとレジエレキの寡占状態は続き、特にサンダーはシリーズ8の3シーズン全てで使用率1位を記録した。

対戦における代表的なでんきわざ

数字上はあまり優秀とは言い難いが、弱点を突けるみずひこうが多い環境下、でんき技が有効な場面も少なくない。

でんきタイプの主な特殊技には10まんボルト・かみなりが存在する。かみなりは威力に長けるものの命中率に乏しいため、基本的には10まんボルトの方が優先されやすい(状態であればかみなりは必中となり、有用)。これらはわざマシンわざレコードで比較的多くのポケモンが習得可能であり、サブウェポンとしても使用されている。他にもボルトチェンジほうでんがあり、威力は劣りながらも追加効果などで個性を持つ。

でんきタイプで有用な物理技にはワイルドボルトが挙げられる。反動技にしては威力が控えめだが、それ以外にはかみなりパンチかみなりのキバスパークなど軒並み威力が低いものばかりであり、やや火力に難がある。ワイルドボルトより威力が高い物理技はピカチュウ系統専用のボルテッカーゼクロム専用のクロスサンダー、およびらいげきゼラオラ専用のプラズマフィストモルペコ専用のオーラぐるまと全て専用技である。

よく使われる変化技にはでんじはがある。マシンわざで多くのポケモンが覚え、まひの効果で相手を妨害できるのでサポート役を中心によく採用される。

どくタイプの歴史

能力としてはすばやさが控えめなものが多く、耐久面が高い傾向にある。弱点も少なく、さらにかくとうむしくさ・どく・フェアリータイプの技を半減できる。どくもうどくを防げることや、ほぼ専用の道具であるくろいヘドロを持てることからも、耐久面が安定したタイプと言える。

攻撃面ではくさとフェアリータイプに効果抜群。メジャーなポケモンの多いフェアリータイプへの抑止力になることができ、第七世代で登場したカプのすべての弱点を突けるのが非常に優秀。

相手をどく状態にすることを得意とする。技の追加効果や特性(どくのトゲなど)の発動率は高い。また、ベノムトラップふしょくのようにどく状態に関連した技や特性が多い。どくどくはどくタイプに限らずほとんどのポケモンが使えるが、どくタイプのポケモンが使えば必中になる。

第一世代

第一世代では最強タイプのエスパーの突出ぶりは深刻で、エスパータイプが弱点のどくタイプがその煽りを受けたのは言うまでもない。しかも、当時の最強技は威力65止まりのヘドロこうげきと攻撃面でも極めて貧弱だった。弱点を突けるのもどく複合ばかりが目立ったくさタイプと、対戦で全く使われなかったむしタイプの2タイプのみと、攻撃面では全く期待できなかった。

とはいえ、97カップにおいては最速のさいみんじゅつ使いおよび当時猛威を振るったはかいこうせんゴーストタイプで無効にできるゲンガーは採用した人がとても多く、さらにはただ一人が、秘密兵器(?)だからとかの理由でフシギバナも一応エントリーされていた。

この2匹が99カップで使用できなくなった後、優遇されていたみずタイプと複合のドククラゲを始め、ウツボット、そしてニドキングが使われるようになっていった。

第二世代

あまりにも強すぎたエスパータイプが弱体化で使用率が落ちたおかげで、環境面でようやく動きやすくなった。ヘドロこうげきの上位互換としてヘドロばくだんが追加されたことにより、ようやくまともな攻撃技も手に入れた。しかし第一世代でどくタイプを弱点にしていたむしタイプはどく技によるダメージ倍率が1になったことで、遂に弱点を突けるタイプはくさタイプのみとなってしまい(ただしどくタイプもむしタイプに耐性を持つようになった)、どくタイプを全く受け付けないはがねタイプの登場も加わったため、攻撃面では相変わらず厳しかった。

この世代で特に活躍できたどくタイプはドククラゲで、他にはゲンガー、時々ベトベトンゴルバットの進化系でクロバットなどが出る程度であった。第一世代と比べるとまともになってはいるが、どくタイプ全体での採用率はやはり低いままだった。

第三世代

ゲンガーマタドガスふゆうを獲得。これによってゲンガーは無効3つの流し性能を手に入れ、マタドガスは弱点が実質1となり、共におにびを獲得したこともあって耐久型としての道を切り開いた。新技はどくどくのキバポイズンテールなどが追加された。この世代のダブルバトルではルンパッパが人気であったため、そちらに対して弱点を突けるヘドロばくだんは重宝された。クロバットは逆にあまごい要員としてルンパッパの味方を務めた。しかし活躍できたどくはじしんを無効にできるポケモンに限り、それ以外は「じしんゲー」と呼ばれたダブルバトルが主流であったこの世代に適応できなかった。

第四世代

技の物理特殊の分離によって、ヘドロばくだんが特殊化した。新たに加わったどくタイプの物理技は命中率から使い物になりにくいダストシュート、ヘドロばくだんよりも威力が10低いどくづきであった。このことから多くのどくアタッカーは落ちぶれ、特にマタドガスはどくの物理技を失う格好となったが、ゲンガーの場合は逆にシャドーボールの特殊化により特殊アタッカーとして開花する結果となった。どくびしくろいヘドロの登場によって、トリッキーな動きに磨きがかかった。

どく全体での主力技の弱体化はあったものの、新規のポケモンはスカタンクドラピオンロズレイドドクロッグと実力者揃いであった。世代初期の環境ではドラピオン、ロズレイドが注目されていたが、WCS2009環境でドクロッグが活躍したことから、ダブルバトルでドクロッグを使うプレイヤーが以降急増した。

第五世代

ヘドロウェーブベノムショックアシッドボムとぐろをまくが登場。ヘドロウェーブに関してはPDW限定技に指定されたポケモンもあったため、「資産ゲー」と批判する声もあった。この世代も追加種族こそ少ないが、特にダブルバトルでモロバレルの活躍が目立った。鈍足でトリックルームに強いうえに、いかりのこなキノコのほうしでのサポートが光った。また、ニドキングニドクイン隠れ特性ちからずくにより火力が上昇し、特殊アタッカーとして確立された。

ただ、強化を受けたからといってどくの立場が良くなったわけではなく、むしろはがねドラゴン対策としてこぞって使用されていたシングルバトルでは、フシギバナがこの世代のねむりの仕様を活かしたねむりごな+ほえるの害悪戦法でそこそこ使われる以外ほぼ立場がなかった。ダブルバトルでもモロバレルとクロバットが使われる程度で、総じて対戦環境におけるどくは第一世代か第二世代程度の立場であったといえる。

第六世代

この世代から登場するフェアリーにどくの技が効果抜群となり、フェアリー半減の耐性を持つようになった。これによって、どくは対フェアリーのスペシャリストとなった。加えてどくタイプが放つどくどくが必中になり、搦め手も深化した。ダストシュートも命中率の上方修正によって実用化。

唯一の追加組であるドラミドロは隠れ特性のてきおうりょくが解禁されると重火力アタッカーとしての需要を得た。

既存組ではペンドラーかそくを獲得し、バトンタッチしてよし、自分で攻めてよしのポケモンとなった。またドラピオンあくの相性仕様強化とはたきおとす強化によってフェアリーに強いあくタイプとして利用されるようになった。

とはいえメガガルーラファイアローが跋扈していたこの世代の環境ではどくアタッカーの対面性能はそれほどでもなかったため、メガシンカを獲得したゲンガーフシギバナの2者以外はシングルバトルでの使用率30位以内入選に恵まれなかった。

第七世代

カプミミッキュの登場などフェアリーの普及ならびに他の状態異常が弱体化したことによってアタッカーとしてのどくや耐久型のダメージ源となる技どくどくがますます重宝されるようになった。特性ふしょくが持ち味のエンニュート、耐久特化のドヒドイデ、そして伝説のポケモン初のどくタイプであるウツロイドと、新規勢は粒揃いであった。USUMではアーゴヨンが追加された。

新規勢ではアーゴヨン、ドヒドイデがシングルバトルで、ウツロイドがダブルバトルで活躍。既存勢力ではゲンガーが特性ふゆうをナーフされ、みちづれも弱体化を受けた。しかしフェアリーの増加からヘドロばくだんアタッカーとしての個性が強くなった。どくづきはサブウエポンとして環境に若干定着しており、どくウエポンが普及したからこそくさタイプが激減したとも解釈できる。

2019年1月下旬に開催された単タイプ限定戦のインターネット大会『シンプルシンフォニー』ではいわとどくのみが使用率ベスト30を出しておらず、「どく単タイプ=弱い」ということが証明された。

第八世代

カプが未登場であるなど、以前と比べると弱点をつけるようなポケモンが減ったため、攻撃面では弱体化したと言えるか。ただし、フーディンメタグロスなどの相性が悪いポケモンも減ったため、防御面では多少強化されたと言える(ただしフーディンは鎧の孤島で、メタグロスは後日配信予定の冠の雪原で復帰)。初のでんきタイプとの複合であるストリンダー、初のフェアリータイプとの複合であるマタドガス(ガラルのすがた)が登場している。

どくタイプ初の禁止伝説としてムゲンダイナが登場。

さらにどくどくわざマシンから除外されたことで環境全般において数多くの耐久・サポート型のポケモンが弱体化をすることとなった。

ダウンロードコンテンツ解禁前のシングルバトル環境ではドヒドイデがほぼ唯一と言っても良いどく枠となっている。ダブルバトルでもフシギバナがどくの代表としてほぼ孤軍奮闘に近い状況となり、後はマタドガス(ガラルのすがた)が偶に使われる程度と、実際はどく不毛の環境となっている。

鎧の孤島期では、序盤のシングルバトルドラミドロが進出し、ダブルバトルではモロバレルが活躍することとなった。

上位禁止縛りのレギュレーションとなったシリーズ6環境では、フシギバナが使用禁止ポケモンに指定され、リペアとしてモロバレルの需要がダブルバトルで拡大。

冠の雪原期になるとアーゴヨン、ウツロイドがダイマックスのシステム(特にダイアシッド)を味方につけて環境に進出。シーズン12で使用率118位と低迷していたガラルヤドキングも、シーズン13最終1位のプレイヤーのパーティに投入された実績から、シーズン14に使用率45位まで躍進を遂げた。

対戦におけるどくわざ

最も広く流通している毒技と言えば、やはり変化技どくどくが挙げられる。第一世代からマシンわざのため、他タイプの耐久型および耐久型対策に採用されている。第六世代以降、毒ポケモンだけがどくどくの必中効果の恩恵を受け、実用性が大幅に上昇する。これに伴い、毒タイプの必需技となった。さらに、どくどくで陥るもうどく状態は、毎ターン最大HPに対する割合でダメージが入り、耐久値とは無関係にHPが減っていく。

主な物理技としては、ダストシュートどくづきがある。前者が威力、後者が命中重視で採用される。

主な特殊技としては、ヘドロウェーブヘドロばくだんがある。ベノムショックゲップは特別な状況下でのみ高威力で、その状況にするまでターンを要するため単体での採用は稀。

第五世代までは、くさタイプにしか効果抜群で攻撃できなかった上、はがねタイプには無効にされるため、攻撃技としての性能はあまり高くない。第六世代以降、どくタイプのポケモンがどくどく使うと必中の効果があるので、しかも新たに追加されたフェアリータイプの数少ない弱点を付けるタイプとして、どくタイプは攻撃技としても注目され始めた。


はがねタイプの歴史

豊富な耐性を持つが、その中でもどくもうどく状態にならないという点が重要である(ただし特性ふしょくを除く)。どく技そのものも無効化するので、相性不利な相手はどくどくなどもうどくにする技で倒す、という考え方が通用しないため、対策必須なタイプであると言える。

このタイプに属するポケモンの多くはぼうぎょが突出して高く、とくこうとくぼうすばやさが低い。そのため物理受けとしての適性が強い。

防御面は全タイプ最強クラスな一方、攻撃技としてのはがねタイプは効果が抜群で突ける相手が少なく、反対に効果いまひとつな相手が目立つ。このためはがねタイプの攻撃技は第五世代まであまり使われなかった[1]が、第六世代以降は数少ないフェアリーへ効果抜群なタイプとして広まりつつはある。

はがねタイプのメジャーポケモンの多くは複合タイプのポケモンである。ギルガルドのようにかくとう弱点を克服したもの、ヒードランのように特性でほのおを無効化してしまうもの、ナットレイのように複合タイプでさらに耐性を増やしたものと多数の種類が存在する。このため、かくとう・ほのお・じめん技をパーティにバランスよく入れて対策しなければいずれかの相手に詰まされるという事態が起こりうる。特にほのおの特殊技ははがねポケモン全体に高物理耐久が多い関係で必須となる。

第二世代

第一世代であまりにも悪かったタイプのバランスを改善するために追加された新タイプの1つ。はがねタイプは、第一世代で特に優遇されていたエスパーノーマルこおりの3タイプも含め、合計で12のタイプに耐性を持ち、どくタイプは無効にするといかにも防御向けのタイプとして注目された。弱点はじめんほのおかくとうで、中でもほのおタイプは今まで使い道がほぼなかったものがこのタイプのおかげで技としての需要性が高まり、かくとうタイプもエスパー弱体化と合わさって大きく採用率が上昇した。このようにはがねの登場はパワーバランス調整に大きな役割を果たした。

環境ではノーマルタイプのポケモンの種類が第一世代よりも多くなったのか、それに対する受け役として注目された。そんな中でよく使われたのは、エアームドストライクの進化系ハッサムイワークの進化系ハガネールであった。特にエアームドによって、物理アタッカーのポケモンにだいもんじを覚えさせるなど、第一世代では考えられなかった技構成、いわゆる役割破壊が誕生したのは有名な話である。なお、この世代にてでんき単タイプだったコイルレアコイルにはがねタイプが追加され、数多くの耐性を得た代償としてただでさえ弱点だったじめんタイプには極端に弱くなってしまった。タイプが追加(変更)されたポケモンは、当分の間コイルとレアコイルだけにとどまっていた。

第三世代

この世代のはがねの代表格となるメタグロスが登場。コメットパンチクリアボディほのおじめんしか弱点がない点が主な長所で、シングルバトルダブルバトルを問わずに引っ張り蛸の厨ポケであった。FRLGでそのメタグロスはだいばくはつを獲得し、生半可な相手は半減でも一撃で倒すほどであった。メタグロス以外にはエアームドがまきびしを獲得して昆布要員として開花。レジスチルはその耐久性能からダブルバトルでのコンボパーティに組み込まれる形で居座り型として利用された。その他、ハッサムが念願のむしウエポンであるぎんいろのかぜを獲得。

第四世代

先制攻撃技バレットパンチ、安定した物理火力のアイアンヘッド、同じく安定した特殊火力のラスターカノン、鈍足と相性の良いジャイロボールなど、後の世代にも通用する攻撃技が追加された。

新規のポケモンとして目立ったのはドータクンジバコイルヒードランエンペルト。ドータクンはふゆうにより実質弱点1つ、DPで非常に仕様が恵まれていたさいみんじゅつなどを活かし、ポケモンリーグ2007環境で活躍。ジバコイル、ヒードランは当時はがねタイプ1位の特攻の種族値130によって活躍。ヒードランの本格的な活躍は乱数調整の確立後であった。エンペルトは雨パルンパッパに強い点からWCS2009環境で頭角を現した。しかし何と言ってもメタグロスが依然として活躍したのが大きいだろう。そのメタグロスは後手コメットパンチ→先手バレットパンチの流れで多くのポケモンを沈めたが、バレットパンチに関してはハッサムプラチナで獲得していた。ただ、メタグロスはあまりに活躍したためバトレボなどだと露骨に一致オーバーヒートで役割破壊されるようになり、オッカのみが対策として必須になった。

第五世代

ドラゴン全盛の時代であり、はがねは唯一のドラゴンを半減できるタイプとして活躍した。

BW初期の環境では最高クラスの耐性を持つくさ複合のナットレイが受けとして活躍。すなかきかたやぶりを持つドリュウズは、砂パで使ってよし、こだわりスカーフを持たせて無天候で戦わせてよしと、戦略の幅が広いため、シングルバトルダブルバトルを問わず大活躍。はがね最速を更新したアイアントも登場当初注目された。ヘビーボンバーが登場したのもこの世代からだが、当時は技としてのはがねはほとんど評価されなかったので、評価の機会を得るのを待つこととなった。

がんじょうの仕様変更が為されたため、コイルココドラなどによる「レベル1がんじょうループ」が成立。より上を目指すなら対策必須となり、ニョロトノおうふくビンタが搭載されることがあったのもそれゆえであった。

第六世代

フェアリーの登場によって、これまでほとんど評価されなかった技としてのはがねが日の目を見るに至った。一方、ゴーストあくを等倍で受けるように相性仕様が弱体化され、さらに技としてのはがねで抜群を取れるそのフェアリーがドラゴン無効の耐性を持つなど、耐性面では一強の立場ではなくなった。耐性仕様変更によって、ドータクン、ハガネールは弱体化。

新勢力では初のゴースト複合となるギルガルドの活躍が顕著。プレイングが良ければ「実質種族値720」と呼ばれるほどのポテンシャルを発揮でき、物理、特殊のどちらでも戦えて初見では見分けることが困難なことから、シングルバトルで大人気となった。クレッフィはフェアリー複合の優秀を極める耐性、特性いたずらごころから、でんじはいばるみがわりで翻弄する「害悪」の枠として利用された。

前世代に登場したキリキザンは、かくとうの弱体化、皮肉にもはがねの耐性弱体化によって、ダブルバトルで人気となった。他の既存組では、クチートがフェアリータイプの追加とメガシンカ獲得によってトップメタの一角となった。メガクチートは後手じゃれつく→先手ふいうちの流れで並み居る強豪を打倒した。

第七世代

準伝説としてはテッカグヤカミツルギツンデツンデ(USUMのみ)が、禁止伝説級としてはソルガレオが、幻のポケモンとしてはマギアナが追加された。通常ポケモンもアローラサンドパンアローラダグトリオダダリントゲデマルが新登場と、公式がはがね強化に力を入れた感がある。

実際、新規勢の内テッカグヤはシングルバトルで、ツンデツンデ、トゲデマルはダブルバトルで、カミツルギはその両方で活躍するなど、公式のはがね推しは成功を収めたと言える。

カプミミッキュの登場などフェアリーの追加によってメガメタグロス、メガルカリオの使用率が上昇。他にも多くのはがねが活躍し、シングルバトル使用率30位以内にはがねが約4分の1ランクインするというはがね全盛期となった。アイアンヘッドは一致で振るうにとどまらず不一致役割破壊としても利用され、この世代を象徴する技となった。

ダブルバトルでも相変わらず重要な立ち位置となり、禁止伝説級有りのGSルールではゼルネアス対策として様々なはがねタイプが活躍した。『JCS2019インターネット予選』では使用率30位以内に9体がランクインと、タイプ別ランクイン種族数1位を記録。

ピカブイ

幻のポケモンとしてメルメタルが追加。登場するポケモンとしては他にレアコイルリージョンフォームしかいないため、あくタイプ同様非常に少ない。

第八世代

テッカグヤツンデツンデハッサムメタグロスヒードラン(その5体は後に冠の雪原で復帰)などの主要なはがねが削除された。さらに役割対象であったカプも存在せず、メガシンカもシステム自体が廃止。

これだけ聞くと不遇タイプになったかと思われるが、実際はミミッキュ対策として需要を保っており、かたやぶりドリュウズが前世代と同じく出番を貰っている。アイアントはりきり型のダイマックスエースとして開花。新規ではアーマーガアが良耐性の耐久型として環境に定着。ナットレイはランクバトル黎明期にギャラドスとの相性補完からよく使われ、「ギャラナット」は黎明期のトップ構築として注目された。

ただ、フェアリーマジカルフレイムが普及したこと、ならびに体重が最も重いポケモンと相性が良かったヘビーボンバーダイマックス相手に無効になったことが若干痛手となっている。

また、ダイバーンは高火力かつ晴れ状態にする効果があるため、思わぬ形での役割破壊に注意する必要性が生まれた。

鎧の孤島の追加組ではジバコイルが活躍。エアームドは最初アーマーガアの劣化かと思われたが、ボディプレスによる遂行速度の違いで差別化できることから独自の立場を築いている。

上位禁止縛りのレギュレーションとなったシリーズ6環境では、ドリュウズジバコイルが使用禁止ポケモンに指定され、結果としてシングルバトル、ダブルバトル問わず汎用性の高いはがね枠であるナットレイの需要が激増。

冠の雪原の解禁組ではメタグロステッカグヤヒードランが活躍。メタグロスはパーティアタックによるじゃくてんほけん発動というシステムを活かしてダブルバトルで特に大活躍。テッカグヤはそれまでの耐久型のイメージを払拭するダイジェットエースとして力を振るった。ヒードランはその耐性によってトゲキッスを環境から駆逐する一員となった。

シリーズ8竜王戦ルールでは、ザシアンが禁止級伝説のNo.1として活躍した。

わざとしてのはがねタイプ

第二〜五世代までは、メジャーな4タイプに「今ひとつ」であり、かつ弱点を突けるタイプが格闘と丸被りだったため、攻撃技としては非常にマイナーだった。しかし、第六世代でフェアリーの数少ない弱点の1つに設定され、「フェアリー対策」として一気に採用されるようになった。一方、第二世代から一貫して技のバリエーションに恵まれておらず、現在に至るまで使い勝手に優れた技は未登場(アイアンヘッドは命中率と追加効果は優秀だが、威力がやや低め。アイアンテールは威力は優秀だが、命中率が低いなど)。

ひこうタイプの歴史

ブレイブバードぼうふうといった強力なひこう技を使えるのはごく一部で、ギャラドスランドロスのように実戦級のひこう技を何一つ覚えないポケモンも珍しくない。このため、攻撃タイプとしてのひこうタイプは存在感が薄い。

防御面ではむしくさかくとうじめんの4つに耐性を持ち、まきびしどくびしも受け付けない。強力なじしんを無効にできるのは最大の強みであり、ダブルバトルではじめんタイプのアタッカーの隣に置くポケモンとして最適。ただ、サイコフィールドなどの恩恵を受けられないというデメリットもある。また、じゅうりょくはねやすめで浮いている強みを失ってしまうこともしばしば。

第一世代

この世代の対戦は、こおりエスパーと共に技としてのタイプ最強格にあり、それに弱いタイプとしてのひこうの立場はそれだけでもかなり悪かった。よく使われていたでんきも抜群、ノーマルと複合タイプなのが多かったが無効にできるゴーストは相性判定がされる技が貧弱なしたでなめるのみと、とことん恵まれなかった。しかし何と言っても不遇であったのが、じしんを流す役割をナッシーに奪われていたことであった。

技としてのひこうは最高威力が80のドリルくちばしと、かくとういわに比べたら命中率などの関係でまともなように見えるが、その使い手がかなり少なく、多くのポケモンの場合は交代されてゴローニャに受けられる危険性のあるそらをとぶの70が最高威力であった。それすら覚えずつばさでうつの威力35が限界のポケモンもおり、そもそも弱点を突けるタイプ全てが当時マイナーだったため、こうなるとひこうの一致ウエポンはほとんどの場合切らざるを得なかった。

だからといって環境でひこうが全く使われていなかったわけではなく、むしろフリーザーこおり枠としてだがトップメタの活躍をしていた。サンダーも耐久性能でサンダースと差別化する形でそこそこ使われていた。

第二世代

つばさでうつの威力が35から60に見直され、めざめるパワー(ひこう)が登場するなど、技面では最低限の救済を見た。とはいえ依然としてドリルくちばしそらをとぶがメインウエポン候補となっている状況であった。

くさかくとうむし(というよりヘラクロスの登場)の見直しによって、第一世代よりもひこうで抜群を付きやすくなった。

新規にはエアームドが登場し、強力なはがね枠の受けポケモンとして使用されただけでなく、トップメタに躍り出たガラガラのじしんを流す役割も与えられた。ファイヤーははがねの登場、くさの見直しによりほのお枠として株を上げた。一方、こおりが技としてもタイプとしても激しく弱体化し、フリーザーは環境外に転落。

第三世代

ダブルバトルの登場によって「地震ゲー」と呼ばれるほどこの世代の環境にじしんが浸透した。そのため、じしんを流せるうえにいかくで相手の攻撃を下げて脇にいるじしん有効のポケモンへの被害を減らせるという理由から、ひこうのウエポンをロクに持たないにもかかわらずにギャラドスがひこう枠として重宝されるに至った。ワタッコクロバットもじしん無効のサポーターとして評価された。

新規ではギャラドスと同じ理由でボーマンダも評価された。テッカニンもかそく+バトンタッチサポーターとして一定数使われた。

第四世代

ブレイブバードエアスラッシュはねやすめの追加が技としてのひこうの大きな変化。

新規のムクホークいかくブレイブバードでごり押しするアタッカーとしてDP期の環境でよく使われた。同じく新規のトゲキッスてんのめぐみ+でんじは+エアスラッシュのコンボによってしばしば相手にほとんど何もさせず、「白い悪魔」として恐れられた。

ただ、はねやすめ以外はマシン技化しておらず、レベルアップタマゴ技の差で種族ごとに実戦性能に大きな開きが出た。

GSダブルではホウオウが耐久型として評価され、ブレイブバードとさいみんじゅつ(両立は不可)を獲得したクロバットもそこそこ使われた。

第五世代

おいかぜの持続ターン見直しによる実用化、この世代から実装されたトリプルバトルで任意の位置のポケモンを攻撃できること、多くのポケモンが覚えるアクロバットひこうのジュエルの組み合わせから、ひこうの時代が訪れた。念願の特殊高火力であるぼうふうも登場している。

新規ではいたずらごころによるサポートが売りで、ポケモン史上初のひこう単タイプでもあるトルネロス。同じくいたずらごころを習得し、サンダーとはまた違った補助型としての個性が光るボルトロス、れいじゅうフォルムの獲得によってダブルバトルのトップメタとなったランドロスが活躍した。BW初期の環境ではアーケオスにひこうのジュエルを持たせてひたすらアクロバットを撃つ戦術を行うプレイヤーも一定数見られた。

既存のポケモンでは、マルチスケイルの獲得によってカイリューがトップメタとなった。エアームドはがんじょうの仕様変更によってほのお特殊技に強くなった。

第六世代

この世代を取り巻くひこうの最大の変化は、ファイアローの登場である。こだわりハチマキを持たせたファイアローの、はやてのつばさ優先度が上がったブレイブバードは、多くのひこう弱点のポケモンの存在意義を全否定した。一方、ひこうのジュエルの廃止によってアクロバット型のポケモンは失墜。アクロバット型は精々がパワフルハーブ+ゴッドバードかるわざ+アクロバットのコンボができるルチャブルが細々と使われるにとどまった。

第五世代に見られたフリーフォールのバグが解消され、レーティングバトルで解禁に至った。そのため、ダブルバトルでプテラがフリーフォール起点型として使われるようになった。

既存組ではトゲキッスがノーマル複合からフェアリー複合に仕様変更され、ガブリアスメタとして活躍。

ORASではメガボーマンダが追加され、ファイアローほどの使用率ではないが高種族値を活かして環境のトップを走った。

第七世代

ファイアローははやてのつばさの弱体化によって環境から姿を消し、カプのフィールドメイカー特性の恩恵を受けないという欠点が浮き彫りになった。ところがこの世代はサイクル戦全盛の環境なので、シングルバトルでも単にじしんを流せるというだけでひこうの立場は保たれた。

新規ではテッカグヤ程度しか環境に進出できたポケモンが存在しなかったが、既存組ではメガシンカの仕様変更といかくサイクル環境の到来によってボーマンダがシングルバトル・ダブルバトルで共にトップメタの活躍を果たすように。同じく既存組ではあめふらしを獲得したペリッパーがダブルバトルの前線を走るようになった。

第八世代

主力級としてはリザードントゲキッスギャラドスが環境に進出している。リザードンはキョダイマックスを獲得しており、キョダイマックス個体か否かで対処の仕方が分かれるなどメガシンカがあった頃よろしく相手に択を迫ることができる。

トゲキッスはその高耐久、技範囲、良耐性から全抜き狙いのダイマックスエースとして活躍。特に壁を貼って積んでからのトゲキッスは対処が困難で、それへの対処となり尚且つ汎用性が高いポケモンとして、とつげきチョッキ型のバンギラス、同じくとつげきチョッキ型のあついしぼうカビゴンの需要が高まる要因となった。

さらに今まで使いづらかったそらをとぶとびはねるがダイマックスのターン浪費に採用率を大きく上げることとなった。

とにかく一致ダイジェットが使えるというだけで強力であり、ゴーストみずと並んで優遇タイプの1つと言える。

鎧の孤島配信開始によりシングルバトルでは独自の受けループ要員としてエアームドが追加され、ダブルバトルでは「殴れるおいかぜサポーター」としてファイアローが環境進出を果たした。 さらにおしえわざとしてダブルウイングが出たことにより、他の優良なひこうタイプ物理技に恵まれなかったポケモンに大きな救済が与えられた。

上位禁止縛りのレギュレーションとなったシリーズ6環境では、トゲキッス、ギャラドスが使用禁止ポケモンに指定された。この環境のシングルバトルにおいてはエースバーンのリペアとしてリザードンが使用率を上げ、それまで見向きもされなかったオンバーンがドラパルト対策として需要を得た。特にリザードンはシーズン10使用率4位を記録している。ダブルバトルでもともと強力であったファイアローはモロバレルが爆発的に増加したことからそちらに刺すための打点としても需要が高まり、シーズン10には使用率2位を記録(役割対象のモロバレルはこのシーズン使用率1位)。

冠の雪原でサンダーランドロスカイリューボーマンダテッカグヤガラルファイヤーがもれなくダイジェットエースとして活躍。この頃の環境はひこうの追加組だらけとなった。

シリーズ8竜王戦ルール環境では冠の雪原通常環境で活躍していたポケモン達が概ね活躍していたが、ボーマンダはカイリューと異なりザシアンの攻撃を耐えきれないことから凋落。ガラルファイヤーも同複合タイプの禁止級伝説枠であるイベルタルに取って代わられた。上位帯の受けループではこの世代からさいせいりょくが対戦において事実上解禁されたホウオウが重宝された。

対戦におけるひこうわざ

攻撃範囲としてはがねタイプを苦手とするが、ひこうタイプの多くはほのおわざのねっぷうを覚えることができるため、他にほのおわざを覚えない場合は採用されることが多い。

物理技としては、ブレイブバードアクロバットがよく使われる。とくにファイアローは特性はやてのつばさによって先制でブレイブバードが使えることで注目されている。また、アクロバットはひこうのジュエルと組み合わせることで165もの威力になる。

特殊技としては、エアスラッシュぼうふうがよく使われる。ぼうふうはあめがふっているとき必中になるが、ひこうタイプの弱点となるかみなりも必中になるために注意したい。

変化技としては、はねやすめおいかぜがよく使われる。はねやすめはHP回復わざとしては独特で、回復のほかに自身のひこうタイプを一時的になくす効果もある。したがって、いわやこおりわざのダメージを抑えることができるが、それを読まれてかくとうわざが出されることもある。おいかぜは戦闘で重要であるすばやさを上げる効果があり、自身のみならず、味方のサポートをする面でも用いられる。

トリプルバトルでのひこうわざは、自身の位置に関係なくどの位置のポケモンにも攻撃できるので、弱点のポケモンはシングルバトルより特に注意したい。

ほのおタイプの歴史

攻撃的な能力値を持つものが多い。特に第三世代以前に登場したほのおポケモンの特徴として、こうげきとくこうの両方が高く、二刀流(物理技特殊技を両方メインに使うこと)が可能であるものが多かった。

攻撃技の威力水準も高く、フレアドライブオーバーヒートだいもんじかえんほうしゃねっぷうと選り取り見取りである。第三世代以前はほのお技がとくしゅこうげきに分類され、一部のほのおタイプはこうげきが高いにも関わらずタイプ一致のメイン技がないという状況にあった。第四世代で物理・特殊が分類されてからもフレアドライブを覚えないなど不遇に置かれたポケモンもいるが、現在ではほぼ改善されている。

相手をやけどさせることを得意とする。追加効果でやけどさせることによって、弱点の相手を押し返すこともしばしばである。同時にほのおタイプはやけどせず、相手のおにびを苦としないため物理アタッカーとしての適性が高い。

タイプ相性の面では6タイプもの攻撃を半減できる代わりにメジャーな弱点も多く、得手不得手が明確に分かれたタイプといえる。ほのお技は弱点を突きやすいうえに、ほのおタイプに限らず多くのポケモンが覚えられるため、サブ技としての需要は高い。主にはがねタイプの対策として環境によっては必須扱いされる。無効タイプこそないものの、あついしぼうのようにほのお技の威力を削ぐ手段は多い。逆に天候晴れ状態ならばほのお技が強化されるうえ、みずタイプにも対抗しやすくなる。

第一世代

第一世代ではタイプごとの優遇、冷遇がはっきりしており、優遇されていたのは事実上弱点のないエスパーノーマルタイプ、最強技のふぶきをタイプ一致で使えて絶対凍らないこおりタイプ、弱点の少ないみずでんきタイプなどがあった。これに対し、冷遇されていたのはエスパーに弱いかくとうどくタイプ、弱点の多いいわくさタイプ、何のために存在しているか不明なむしタイプ、そしてこのほのおタイプだった。当時のほのおタイプの冷遇ぶりは異常だった。同系統のポケモン同士で比べると、

と、いずれにおいても他タイプのポケモンに劣っていた。

ほのおタイプが不人気であった理由だが、弱点を突けるこおり・くさタイプはいずれも他のタイプで代用可能だったからである。くさタイプは弱点のデパートで当時はふぶきが大流行してたのでそれこそほのお技を使う意味はなかった。こおりタイプもラプラスジュゴンパルシェンはみずタイプと複合なので等倍、フリーザーも含めてでんきタイプの技で代用できた。ルージュラはかいこうせん1発で軽く死ぬので強力な物理攻撃で十分と、こうなってくるとわざわざほのおタイプを使う必要性がなかった。

そしてむしタイプはバタフリースピアーストライクカイロスモルフォン程度では使う人が存在せず、むしポケモンが使われないならほのおは無意味。これらの他のタイプ代用によりほのおポケモンを好んで使う人はいなかったので、対策の必要性自体皆無だった。当時強ポケ代表のみず系のスターミーは、ほのおタイプ対策は不要としてみず技なしというのが結構多い。「ほのおタイプは見かけだけ強そう」というのはこの世代では常識だったのだという。通常の対戦では何の役割も持たせられなかったが、99カップではひこうと複合でじしんを無効化でき、トップメタの一角にあったウツボットに強かったことから、リザードンファイヤーが活躍していた。

なお、だいもんじは当時やけどの追加効果が3割(今で言えばふんえんと同等の確率)だったので、ある程度狙ってやけどを出せたりできた。

第二世代

だいもんじほのおのうずは弱体化したが、にほんばれの追加でほのお技の威力を強化できるようになった。また、新たに登場したはがねタイプの弱点を突けることから、ほのおタイプと言うよりもほのお技の需要が高まったと言える。はがねタイプのポケモンは物理耐久の高いものがほとんどで、いくら弱点でも物理技のかくとうじめんでは致命傷を与えにくいことから注目が集められた。はがねタイプが登場したおかげで相対的な地位向上を果たしたと言える。

既存のほのおタイプではファイヤーが大幅に強化され、にほんばれ+もくたんで簡単に止められない存在となった。リザードンはらだいこ型などでそれなりの活躍を見せる。新勢力では新タイプあくと複合のヘルガーが特に優勢で、他にはバクフーンもいた。伝説ではエンテイホウオウが出たが、エンテイは当時この世代で大幅弱体化を受けたフリーザーなみに不遇だった。

第三世代

エアームドまきびしの獲得によって本格的に環境入りし、その影響でだいもんじの需要が拡大。カビゴンですらエアームドへの有効だとしてだいもんじを搭載したことからもその需要のほどがうかがえる。メタグロスへの有効打としても考慮されたとはいえ、そのカビゴンがあついしぼうを持っていたため、腐ることの方がどちらかというと多かった。よって、だいもんじの全盛期はカビゴンが未解禁であったRS期であったと言える。

シングルバトルではこらえる+きしかいせいのコンボで当時有名であったバシャーモが、ダブルバトルでは高種族値いかくを武器としたウインディが活躍。この他、ほのおタイプ初の状態異常おにびの登場もこの世代。

新規に追加されたほのおポケモンはアチャモ系統を除くと能力に癖があったり4倍弱点があったりと、扱いにくいポケモンが多かった。

ホウエン図鑑に登録されているほのおポケモンが極端に少なく、マグマッグ系統やドンメル系統、コータスロコン系統、そして御三家のアチャモ系統程度しかいなかった。アチャモを選ばなかった場合、ロコン系統を除けば能力にクセがあるポケモンが多かったため、シナリオで使うのは難しかったといえる。

第四世代

ゴウカザル系統、ヒードラン、ブーバーン以外の新規ほのおが追加されなかったという事態となり、さらに相性最悪ガブリアスの登場もあって第一世代以来となる不遇を託つかと予想された。

ところが技の物理特殊の分離の影響で多くのほのおポケモンがアタッカーとして開花。特にフレアドライブの登場はウインディを始めとして数多くのポケモンを強化し、この技の獲得によって立場が変わったポケモンも少なくなかった。おにびソーラービームがほのおポケモンの間で普及し、ダブルバトルではプラチナの発売を機にねっぷうが普及と、とにかく技に恵まれた。あまりにほのおの高火力ウエポンが対戦で多く使われたため、オッカのみ型がそれに対応するように当たり前の存在となった。

なお、ダイヤモンド・パールではシンオウ図鑑に登録されているほのおポケモンはヒコザル系統とポニータ系統しかいなかったが、プラチナではブースターデルビル系統、ブビィ系統などがシンオウ図鑑に登録された。

第五世代

ヒヒダルマシャンデラなど、対戦の歴史を塗り替えるような高火力アタッカーが登場。キュウコンひでりの獲得によって晴パの先鋒として定着。しかしそれ以上にバシャーモが配布限定で隠れ特性かそくを獲得しており、バシャーモはこれによりゴウカザルと立場が逆転。対戦環境はかそくバシャーモ必須とまで言われるようになった。

第六世代

隠れ特性遺伝仕様変更によるかそくバシャーモの本格解禁、ファイアローの登場、リザードンメガシンカ2種獲得のよってほのお全盛の時代となった。ファイアローはひこうの性質の方が強いが、おにび無効であるうえに自身も高い素早さからおにびを放てるという利点があった。ヒードランもフェアリーメタとしてシングル・ダブルを問わずに使われた。

不遇なほのおタイプの代名詞であったエンテイ、ブースターにそれぞれせいなるほのおフレアドライブが与えられるなどの変化もあった。

GSダブルではゲンシグラードンおわりのだいちを引っ提げて天候戦略の主流の1体に名乗りを上げた。

第七世代

やけどの弱体化、ファイアローはやてのつばさの仕様変更による環境落ち、あめふらしペリッパーの登場による雨パの再燃など、前世代で強すぎたほのおのパワーバランス見直しが図られた。だからといって環境でほのおが使われなくなったわけではなく、メガバシャーモメガリザードンX・Yなど、シングルバトルのフィニッシャーとしての需要は依然として高いまま。コータスが通常特性2としてひでりを獲得するなど進歩もあり、SM初期のダブルバトルではコータスはドレディアと組んで使用された。

新規のガオガエンはUSUM期に隠れ特性いかくが解禁されると、ダブルバトル使用率1位を不動のものとした。USUM期のダブルバトルにおけるパーティはガオガエンとのシナジー、ガオガエン対策を中心としたものに寄せられるようになった。

第八世代

リザードンメガシンカ没収、バシャーモの不在など、前世代で活躍したほのおの主力ポケモンが削除される格好となった。ダイアースダイロックが飛び交う環境となったためほのおには厳しい環境で、発売当初シングルバトルではシャンデラヒートロトムほど耐性が優秀なポケモン程度しか主力のほのおとしては使われなくなっていた。

ところが発売から日が経つにつれてサンパワーリザードンのダイマックス時の突破力、エースバーンのもうかアタッカーとしての破壊力などが注目され、この御三家2体が環境でよく見かけられるようになった。ウインディは当初同じほのおのいかく持ちであり複合タイプであるガオガエンの劣化のように見られ、ガオガエンが解禁されるまでの間の活躍と予想されたが、耐性の違い、取り分けかくとうが等倍であるという強みから、リベロエースバーン解禁後に頭角を現した。

ダブルバトルではコータスが依然として需要があり、じょうききかんセキタンザンも模索されている。いかくウインディも主流である。

ダイバーンを使えばその後のほのおタイプのわざをひざしがつよい状態により高める事ができるが、ほのおタイプのポケモンはひざしがつよい状態で活きる特性を持つポケモンが少ないため、他のてんきを変えるわざと比べるとやや需要が薄い。

ヒートスタンプわざレコード化により重量級ポケモンと好相性の物理サブウェポンを獲得し、さらにどくどくわざマシンから除外され習得者が激減したことにより、おにびの採用意義を大きく上げることとなった。

上位禁止縛りのレギュレーションとなったシリーズ6環境では、エースバーン、ガオガエン、コータスが使用禁止ポケモンに指定された。この環境のシングルバトルにおいてはエースバーンのリペアとしてリザードンが激増し、ダブルバトルではファイアローウインディがほのお枠の代表格となった。

冠の雪原期にはヒードランが追加され、環境に進出。その耐性もあって、トゲキッスが環境から駆逐される一因を担った。一方、バシャーモはメガシンカの削除により耐久・速度が低下し、ダイマックスのシステムにより第七世代で倒せた相手が倒せなくなったことから「つるぎのまいを絡めた耐久系に対する崩しに使えば強い」程度に落ち着いた。

対戦における代表的なほのおわざ

「今ひとつ」が4つと安定性に欠けるが、「効果抜群」も4つと優秀。特にはがねタイプに有効である点は大変注目され、対戦でははがね対策として採用されるケースが多い。特にハッサムを始めとする耐性の多いむし・はがねのポケモン、同じく耐性が多いくさ・はがねのナットレイにはとりわけほのお技が有効である。はがねに対抗できる点からドラゴンタイプの技とも相性が良い。

マシンわざであるかえんほうしゃだいもんじ、シリーズで多く教え技になっているほのおのパンチはほのおポケモンを含め、習得ポケモンが多い。ただし習得条件、威力、また大抵のはがねポケモンがぼうぎょとくぼうである都合などから物理技はあまり好まれない。

前述のとおり、もっぱらほのおわざは特殊技が主流で、マシンわざであるだいもんじ、かえんほうしゃ、オーバーヒートがよく使われる。だいもんじは威力の割に命中率が比較的安定していることから最もよく使われ、オーバーヒートは瞬間的な火力を求めるときに、かえんほうしゃは安定性を求めるときに使われる。これらに比べると中途半端な性能であるねっぷうダブルバトルトリプルバトルにおいては全体攻撃となるのでこちらでよく使われる。またこの技は教え技でもあり、一部のポケモン(≒翼を持つポケモン)は上記の技の代用に使う。

物理技で最もよく使われるのは威力の高いフレアドライブであり、ほのおタイプの物理技アタッカーなら基本的に採用される。ただし、ほのおタイプ以外(ソルロックソルガレオは除く)のポケモンは使うことができず、威力の低いほのおのパンチほのおのキバに頼ることになる。サブ技としては特別な事情がなければやはり特殊技の方が優先されやすい。

よく使われる変化技にはおにびが挙げられる。マシンわざであり、ほのおタイプやゴーストタイプのポケモンを中心に多くのポケモンが習得。やけどの効果を用いた物理技対策によく使われる。


みずタイプの歴史

ポケモンの種類が広範囲に渡るので一概には言えないが、主にHPとくこうとくぼうの耐久が高く、すばやさはやや控えめである。さらに弱点が2つと少なめで、耐性は4つと多め。大半のみずポケモンがわざマシンこおりタイプの技を習得するため、みずタイプの技を半減するくさドラゴンタイプにも対抗が可能である。多少耐久に重きを置いているが攻防共にバランスが取れており、厳しい対戦環境下でもよく使われるタイプの一つでもある。

ポケモンの種類が最も多いタイプであるために競争が激しい。技構成がみず技+こおり技+へんかわざといった形にテンプレ化しやすいことも一因か。十分な実力を持っているにも関わらず、それより優れた能力を持つポケモンがいるために使われていないというケースはしばしば見受けられる。みず単タイプではスイクンミロカロスが古くから争っている。上位禁止や特定のポケモンが制限されるルールであれば、普段見ないようなみずタイプのポケモンが活躍することも多い。

天候状態ならばみずタイプの技が強化され、比較的所持数の高い特性すいすいも発動するため、突破力が増す。

第一世代

くさタイプが冷遇タイプでマイナーだったため弱点は事実上でんきタイプのみという状態。しかも、みずタイプはコイキング以外全てのポケモンが最強技のふぶきを覚えるのでくさタイプに対抗可能であった。

環境では、エスパーと複合のスターミーが厨ポケとして君臨、こおりと複合のラプラスも優秀、二線級だがギャラドスシャワーズもいた。それらが使用禁止になった99カップではヤドランドククラゲが特に使われていた。

前述のスターミーに関しては、みずタイプの技を覚えさせず、ふぶきを優先させることが多かった。スターミーに限らずみずウエポンを切ったみずポケモンは当時の環境で珍しくなかった。

ラプラスとスターミーはみずではない方のタイプがみずより優秀であったため、一概にみず自体が強いとは言い切れないとも取れる。

第二世代

ほのおタイプの強化やバンギラスの登場などのおかげで、メインウェポンとしてタイプ一致のみず技を持つ機会が増えた。サブウェポンのふぶきは弱体化したが、あまごいの追加でみず技の火力が強化されるようになった。ただその場合自身が弱点とするかみなりも必中化で怖くなるというジレンマに陥った。ほのおに有利とは言え、にほんばれを使われると逆にみず技の威力が低下してしまう。ブーバーバクフーンなど、ほのおタイプを持ちながらかみなりパンチを持つなどの対策も可能になっているなど、厄介な向かい風も少なくない。

スターミーラプラスは弱体化したものの、前者は壁貼りやそれなりに高めの特攻を活かして雨パに組み込まれるなど、現役を張り続け、後者はねむねごつのドリルという強力な戦法を得た。パルシェンは大幅な弱体化で一度存在価値をなくしたが、クリスタル以降はまきびし習得で対策必須なほどのレベルにまで救済された。前作では冷遇されていたオムスターはみずタイプ最高の特攻とすなあらしを絡められ、タイプが合わさって表舞台に立てるようになった。そしてドククラゲつるぎのまい習得に加えどくタイプとの複合が止めにくいことが再評価され、みずポケモンの中では特に強化された。一方、前作で二線級だったギャラドスとくこうの低下により、一気に弱体化してしまった。 新勢力ではドラゴンの複合タイプや安定した能力が持ち味のキングドラ、クリスタル以降だが高い耐久力と昆布に組み込めるスイクンが特に優秀で、他を挙げるなら天敵のでんきタイプを無効化するじめんと複合のヌオーなどがいた。

第三世代

RS期の通常レギュレーションでは特性に頼らず純粋に種族値のみで勝負するミロカロスが人気であった。禁止級伝説にカイオーガが登場し、禁止級伝説が使用できるポケモンフェスタ2004環境ではカイオーガがみず枠の鉄板となった。コロシアムでまともな個体値のスイクンが手に入るようになり、FRLGシャワーズが解禁。シャワーズちょすいを獲得し、簡単にみずを完封できるようになった。コロシアムで実質的に解禁されたとはいえ、スイクンは厳選が困難なので個体値に依存しないプレッシャー耐久型がメインとなった。そのスイクンだが、展開期のオフ会環境では対策しないと対戦で勝てないとまで言われた。

ダブルバトルではルンパッパが鉄板のポケモンとなり、ルンパッパを突破したいがためにヘドロばくだんが環境において需要を集めるようになった。ギャラドスいかくりゅうのまいの獲得によって大幅強化され、ひこう持ちであることからじしんを覚えたポケモンと組み合わせられることが多かった。

この世代までにラグラージ、ヌオーがでんきに逆に強いみずとして登場しており、ルンパッパもでんきを等倍で受けることができる。このことから「みず=でんきに弱い」という図式は成り立たないケースが目立っていった。

第四世代

技の物理特殊の分離によってギャラドスが念願のみず物理技を手に入れ、ダブルバトルにおけるトップメタとなった。また、ミロカロスはかえんだまさいみんじゅつの獲得によって、本格的にふしぎなうろこを活かせるようになって耐久型として開花した。依然としてダブルバトル環境ではルンパッパが活躍しており、ルンパッパのハイドロポンプがこの世代の通常環境における耐久調整の基準となった。第三世代の禁止級伝説解禁フォーマットではそれまでカイオーガ一強であったが、パルキアがGSダブルにおけるカイオーガのお供となってますますカイオーガは手が付けられなくなった。スイクン厳選難易度が高いためミロカロスで妥協するプレイヤーがそれまでは多かったが、HGSS乱数調整が確立されてからはスイクンが主流の座をミロカロスから奪った。世代末期にスイクン (クラウン)が解禁され、「零度スイクン」と呼ばれるそのスイクンが大会で結果を残した。一方、このスイクン (クラウン)はポケモン対戦史上における「資産ゲー」を物語る配布ポケモンの代表格であり、後の世代に至るまでスイクン (クラウン)を偽装した改造ポケモンの使用が横行するなど問題も起こった。

一方で、ほのおタイプのポケモンが本格的にソーラービームを獲得したことから、みずタイプへの対策がこれまで以上に増えた。他にもほのお単タイプながら10まんボルトを覚えられるブーバーンなども警戒が必要である。

第五世代

あめふらしニョロトノの解禁によって、シングルバトルダブルバトル問わず雨パが大流行。雨パは対策必須のパーティとなった。また、新規ではおにびのろわれボディを活かした耐久型のブルンゲルが登場し、ウォッシュロトムが対戦で解禁された。さいせいりょくを得たヤドランてんねんを得たヌオーなど、この世代から確立された受けループにはみずのポケモンの活躍が目立った。

パルシェンからをやぶるの獲得によってスキルリンクエースとして開花。特にスキルリンク+つららばりがマルチスケイルカイリューに刺さったが、みずウエポン不採用型も珍しくなかった。

新規ではブルンゲルが目立ち、対面によってはおにびを撒いてからじこさいせいを連打するだけで処理できるほど強力な物理受けであった。

第六世代

なみのりハイドロポンプだくりゅう威力が下方修正され、特殊型のみずポケモンは軒並み弱体化した。

マリルリはらだいこアクアジェットの両立可能化、フェアリータイプの追加によってトップメタ入りを果たした。一方で、新顔のゲッコウガへんげんじざいによる技範囲の広さから活躍。一方、あめふらしの弱体化、フリーズドライの登場などから雨パが下火になり、特にキングドラはその影響を最大限受けたことで環境の主流から距離を置くようになった。

第七世代

ペリッパーの通常特性にあめふらしが追加され、雨パが再燃。ペリッパーはとんぼがえりで退場できるうえにひこう持ちでありじしんに対して無償降臨が効くため、あめふらしの再発動が容易。第六世代以降あめふらしのターンが有限化したことによる制約を、ペリッパーはある程度克服したと言える。カプ・レヒレはシングルバトルでしぜんのいかりによる定数ダメージを、ダブルバトルではだくりゅうによるダメージ稼ぎと妨害を活かし、トップメタ入り。

USUM期になると、ダブルバトルではみずが使用率ベスト30に5体から7体程度入るなど活躍を続けていた。ところがシングルバトルでは、使用率3位を定位置としたゲッコウガ、使用率10位以内が定位置のカプ・レヒレ、使用率15位以内の水準にあるギャラドス以外が使用率ベスト30入りに恵まれなくなり、その3体にシングルバトルのみずポケモンが集約される状況となった。

第八世代

ダウンロードコンテンツ解禁前のシングルバトル環境ではギャラドスヌオーミロカロストリトドンナマコブシウォッシュロトムあたりが主流。ギャラドス以外はアタッカーと言うよりも耐久型としての活躍がメイン。特にヌオーナマコブシてんねんにより積みを重視したダイマックスエースに強気に出ることができ、ミロカロスふしぎなうろこ+かえんだまにより状態異常物理技に備えることが可能。ギャラドスはダイジェットを中心としたダイマックスわざの獲得によりじしんかじょうエースとして開花し、癖の強い物理技をダイマックスわざ化することができるようになったことから実質的な物理の技範囲が非常に広くなった。

同じくダウンロードコンテンツ解禁前のダブルバトルではブルンゲルウオノラゴンギャラドスがみず枠の主流となっている。ギャラドスはダブルバトルでは流石にいかく型が主流。ウオノラゴンはがんじょうあご+エラがみから「エラガミットモンスター」の異名が知れ渡った。

鎧の孤島発売によりマリルリキングドラニョロトノなどの気鋭が環境に進出。マリルリはシングルバトルを中心に活躍し、キングドラ、ニョロトノはダブルバトルが主戦場となった。

ダイストリームあめにするだけで自身の火力も大きく上がるので、それだけでも十分戦える。ダイマックスわざのタイプの中でも、特に優遇されているタイプである。逆にダイストリームの存在からあめふらしの価値は相対的に低下し、引いては雨パの存在意義も若干薄れた。

上位禁止縛りのレギュレーションとなったシリーズ6環境では、ギャラドスが使用禁止ポケモンに指定された。この環境ではアシレーヌがシングルバトル、ダブルバトル両方における環境の「BIG6」となった。鎧の孤島期に減少していたガマゲロゲもシングルバトルで使用率が回復した。シリーズ6シングルバトル環境はでんき→みず→じめんの三竦みと言われていた。

冠の雪原期には起点作り役としてラグラージが、高耐久アタッカーとしてカプ・レヒレが解禁され、環境に進出。

シリーズ8竜王戦ルールではヌオーザシアン対策としてトップメタの活躍を果たした。禁止級伝説枠ではシーズン16からカイオーガが台頭し、ザシアンに次ぐNo.2禁止級伝説となった。

総合的にはこの世代でも勝ち組タイプの座を手放すことはなかった。

対戦における代表的なみずわざ

半減三つ、弱点三つと攻撃タイプとしては悪くない。ただしみずタイプの技のほとんどはみずポケモンしか習得できない。

みずタイプのひでんマシンであるなみのりたきのぼりはひでんマシンの技でありながら単純に攻撃技としても性能が高く、ストーリー攻略・対戦共にみずタイプの技に困ることはない。

主な特殊技にはハイドロポンプ・なみのりが挙げられる。前者は威力重視、後者が命中重視と言ったところである。同じくみず特殊技で、マシンわざでもあるねっとうはこれらに比べてやや威力が劣るものの追加効果が優秀で、その効果からサポートや耐久戦法に向いている。

有用な物理技にはアクアテールたきのぼりがある。こちらも同じく前者が威力、後者が命中重視で採用される。命中率を考慮した期待される威力はそれほど変わらないので、追加効果や習得のしやすさも考慮するとたきのぼりの方が使われる機会が多い。第七世代では威力・命中からこの2つの技の中間と言えるアクアブレイクが登場し、ウルトラサン・ウルトラムーンで覚えられるポケモンが増えたため、同技も使われるようになった。とくこうよりこうげきに特化したみずポケモンも少なくないが、特殊技に比べると全体的に威力が劣っているところが悩みどころではある(先述したアクアブレイク登場後は少し上方修正されたが)。また先制攻撃技であるアクアジェットも存在する。アタッカーであるならば基本的に採用されるだろう。

むしタイプの歴史

通信対戦においては出番が少ないタイプである。全体的に能力が低い傾向があり、特にHPなど耐久面は脆い。第七世代でマッシブーンが登場するまではHP種族値が100を超えているポケモンはいなかった。メジャーな弱点も抱えており、複合タイプのものはステルスロックのダメージが厳しい。さらに第三世代まではのレパートリーも少なかった。第四世代で威力80のシザークロスや90のむしのさざめきなどが登場し、ようやく扱いやすくなったと言える。

物理型のむしタイプはつるぎのまい、特殊型のむしタイプはちょうのまいを使えるものが多い。加えて、メガヤンマペンドラーかそくマッシブーンフェローチェビーストブーストと、能力アップを駆使することができ、対戦の中でも成長しながら戦うのが得意なタイプと言えるだろう。

また、むしタイプの技にはいとをはくねばねばネットなど、相手の能力を下げられるものが多い。

むしタイプの攻撃技で弱点を突ける相手はくさエスパーあくのみと少なく、反対にひこうはがねフェアリーを筆頭に多数のタイプで半減されてしまう。そのためむしタイプ以外のポケモンが使うサブ技としての出番は少ないが、攻撃と交代を兼ねたとんぼがえりは多くのポケモンに使われている。

第一世代

エスパータイプに最初から弱点を突けるタイプとして登場。しかし、当時のむし技はダブルニードルミサイルばり程度の威力が貧弱なものしかなく、そのタイプ一致の使い手はよりによって、エスパーに弱いどくと複合タイプのスピアーのみだった(他はサンダースが不一致ミサイルばりを覚えていた)。むしタイプの中でもまともな種族値を持ち攻撃が高かったストライクカイロスはというと、覚えるのはノーマルタイプの技ばかりで、肝心のむしタイプの技は何故か覚えなかった。もっとも、覚えたところで威力が威力だったので全くと言ってよいほど意味はなかったのだが。ともかく、この世代のむしは存在価値さえ疑われる始末だったのだという。

第二世代

当時強力な固有技だったメガホーンを覚える優秀な新勢力のヘラクロスが登場。狙いにくいが、めざめるパワーも追加され、ようやく存在価値が見出せるようになり少しは改善された。しかし、当時の環境で強ポケと呼べるのはヘラクロスかハッサムくらいで、全体ではまだ弱い部類。ハッサムもアタッカーというよりは、バトンタッチの要員やサポートとしての評価だった。

第三世代

新規で目立つのはテッカニンヌケニン。テッカニンは通常レギュレーションのポケモンの中では最速であるうえに強力な特性のかそくを持ち、バトンタッチ要員としての役割が与えられた。ヌケニンはふしぎなまもりを活かして雨パを完封するポケモンとしての個性を帯びた。既存組はというと、バタフリーふくがんを手に入れ、ねむりごな命中率を約97%まで引き上げられるようになった。ハッサムは特性はむしのしらせという平凡なものだが、念願のタイプ一致技であるぎんいろのかぜを獲得。

しかし真骨頂はヘラクロスこんじょうを獲得したことで強化されたことだろう。下手に状態異常で牽制できなくなり、こらえる+きしかいせいのコンボが安定化した。そのためオフ会のシングルバトル環境では対策必須のポケモンとなった。

とはいえヘラクロスを除けばせいぜいハッサムテッカニンバトンタッチ要員として使われた程度であり、後は禁止級伝説が使用可能なポケモンリーグ2004環境でヌケニンカイオーガ対策に使われるくらいであった。そのため、全体で言えば不遇であった。

第四世代

シザークロスむしのさざめきなどようやく汎用ウエポンが登場。

この世代の新規はかそくからのさいみんじゅつ、高い特攻と低くない耐久を持つメガヤンマが強力で、DP期ではねむり対策をすることでメガヤンマをどうにかしないと対戦で勝てないとまで言われた。プラチナ以降はさいみんじゅつの弱体化によってメガヤンマの勢いが収束し、かわりにテクニシャンを手に入れたハッサムが台頭。バレットパンチむしくいで攻め、とんぼがえりでサイクルを回す姿は、それまでのサポーターとしての印象を一新するものであった。ヘラクロスも念願の高火力かくとうウエポンのインファイトを獲得し、強化された。

一方、ステルスロックの登場によって、いわ弱点のポケモンが多いむしタイプ全体としてはますます動きづらくなり、総合的に見ると不遇は続いた。

それでも、GSダブルではヌケニンが強力無比な雨パ対策として結果を残した。

第五世代

この世代に登場したちょうのまいを引っ提げて登場したのは、むしの特攻の最大値を更新するウルガモスシングルバトルダブルバトルを問わず大活躍し、この世代の環境の顔となった。これ以外にも新規は粒揃いで、ハッサムを凌ぐ火力を持つ鈍足物理アタッカーのシュバルゴ、ラティオスを上回る素早さからメガホーンを放てるペンドラー、テッカニンに次ぐすばやさと低くない特攻が売りのアギルダー、俊足とはりきりを活かしたつめとぎアタッカーとしての個性を持つアイアントなどが登場した。前世代までの不遇が嘘のような厚遇ぶりであった。最もむしタイプが輝いていた世代といえる。

第六世代

むしを半減にするフェアリーの追加、ファイアローの登場とそれに伴う役割対象であったくさの激減など、前世代で優遇され過ぎたためか弱体化調整と思われる変更が多々為された。ステルスロックもファイアロー対策としてますます増えたため動きづらいという傾向が加速し、あくゴーストの技のタイプ相性見直しによってエスパーが減ったことで弱点を突きづらい環境になった。ここに来て第四世代以前の不遇ポジションに戻ってしまった。

それでも、ペンドラーの隠れ特性かそくに変更されたこと、ふくがん+ぼうふうねむりごなを武器とするビビヨンの登場、ミサイルばりむしのさざめきの強化、ねばねばネットの登場など、得るものもあった。とはいえ環境ではメガシンカを獲得したハッサムウルガモス以外のむしが使用率30位以内と無縁となり、大幅強化された他のタイプに対抗できない状況にあった。

第七世代

ファイアローの弱体化、スカイスキンの弱体化など、むしにとっては救済となる出来事があった。

新規ではすいほう+アクアブレイクマリルリ以上の火力が出せるオニシズクモききかいひによるサイクル戦を行えるポテンシャルが持ち味のグソクムシャ、超火力紙耐久のフェローチェが目立った。オニシズクモはダブルバトルで活躍し、グソクムシャは独特の動きから愛好家筋からの需要があった。フェローチェはサイクル戦全盛のこの世代においては珍しい対面向けのポケモンとしての味を出した。むしタイプ中最大の特攻種族値を更新したクワガノン、素早さの種族値124から一致フェアリーウエポンでドラゴンを叩くアブリボンなど、序盤むしポケモンにも強力なものが目立った。

技面ではとびかかるかふんだんごが登場した。

しかし、個性あるポケモンが多く追加されたからといってむしの立場が良くなったわけではなく、ひこうはがねの台頭が進むなか、シングルバトル使用率ベスト30の常連としてはウルガモスが孤軍奮闘する不毛な状況。ハッサムですら使用率ベスト30に恵まれなくなり、その立場は第六世代よりも悪くなった。ダブルバトルでも使用率ベスト30に入ることがまったくない有様であり、こおりタイプと並ぶ最弱のタイプとなってしまった。ただ、制限ルールであるWCS2017(アローラダブル)でオニシズクモフェローチェマッシブーンら新ポケモンが活躍している。

第八世代

当初、ハッサムウルガモスなどの主力級むしポケモンが削除されてさらに地味な存在となっていた(両者とも鎧の孤島で復帰)。

環境には抜群を取れるエスパーくさのポケモンがほとんどおらず、攻撃面では非常に冷遇された存在となった。また、一部のポケモンにサブウエポンとして用いられていたシグナルビームぎんいろのかぜも削除され、技面でも注目度が下がった。

そんな中、シングルバトルでは技面での強化、ダイマックスの獲得によってアイアントが飛躍している。言い換えるとこの世代のシングルバトルではアイアントがむし枠としての活躍を一手に引き受けている状況であり、特にダウンロードコンテンツ解禁前でPokémon HOME統計データ使用率シーズン別最終順位ベスト30にランクインしたポケモンがアイアントを除いて皆無という状況となっている。

ダブルバトルではダウンロードコンテンツ解禁前唯一であったいかりのこな持ち、不在であるキノガッサに代わるほぼ確定ヒットのねむり技使い、キョダイコワクによる凶悪な妨害性能、といった個性によりバタフリーが注目されるに至った。

鎧の孤島期でハッサムウルガモスが解禁され、解禁されるなりたちまちランクバトル30位以内に入った。

上位禁止縛りのレギュレーションとなったシリーズ6環境でも引き続きハッサム、ウルガモスが環境に残ったが、前者は明確な役割対象であるゴリランダーをレギュレーションにより禁止された都合で失い、後者はこの限定環境の1トップであるパッチラゴンの火力を受け切れず、といった具合に恵まれない面も目立つ。

冠の雪原フェローチェがシングルバトル環境唯一のむし枠として孤高に佇む状況となった。


エスパータイプの歴史

第一世代では弱点となるタイプのわざが弱いため、実質的にエスパータイプは最強タイプとなっていた。第二世代からは新タイプ追加および弱点わざの充実によって大幅に制限されたが、エスパータイプは高いとくこうを誇り、攻撃の前線として活躍できる。第七世代ではサイコフィールドが登場し、先制攻撃技の対策とともに火力を強化できる。とくに苦手なふいうちを無効に出来る点は大きい。

エスパータイプのポケモンの多くがとくこうに偏ったステータスをしていることからも分かるとおり大半がとくしゅわざである。第三世代までに登場したエスパーわざは、第四世代でも全てとくしゅわざ扱いとなっており、ぶつりわざはその世代以後に登場したしねんのずつきサイコカッターサイコファングハートスタンプのみ。エスパータイプの象徴といえる攻撃技がサイコキネシスで、ほぼすべてのエスパータイプが覚えられる。環境によってはぼうぎょの低い相手にダメージが見込めるサイコショックがメインとして使われる場合もある。

へんかわざのレパートリーが全タイプ随一の広さであり、リフレクターひかりのかべさいみんじゅつめいそうトリックスキルスワップトリックルームじゅうりょくサイドチェンジなど様々。これらによって戦況を変えたり味方のサポートをすることを得意とする。

また独特なとくせいを持ち、それをアイデンティティにしているポケモンも多い(マジックミラーを持つエーフィかげふみを持つゴチルゼルなど)。

このように技や特性、ステータスで恵まれているポケモンが多い代わりに、半減できる技がエスパーとかくとうの2タイプのみで耐性が貧弱という欠点がある。

第一世代

当時のエスパータイプは全タイプ中最強のタイプであった。なぜなら、まず弱点のむしタイプのわざがミサイルばりダブルニードル程度の貧弱なものしかなく、その使い手はスピアー、不一致でサンダースだけという始末で、しかもスピアーはどくタイプと複合なので先制のエスパー技で倒されるのがオチだった(仮に先制できたとしても貧弱な攻撃力では大したダメージは望めなかった)。もう一つの弱点のゴーストタイプは攻略本などではエスパーに効果抜群と書いてあったのだが、実際では効果なしで、恐らくこれは設定ミスによるバグだと思われる(もっとも抜群がとれても技が威力貧弱のしたでなめるしかなかった上にタイプ一致で使えるのがエスパーを苦手とするゲンガー系統だけだったのであまり意味はなかっただろう)。これにより事実上、エスパータイプは弱点など存在しないも同然で、さらに攻撃面でも同じエスパータイプ以外には半減されないという攻撃範囲の安定した広さを持っていた。弱点がなく半減できるのも同じエスパーだけとなれば、エスパーが最強なのは自明の理。「タイプを偏らせるな」はこの世代からセオリーだったが、エスパー(とノーマル)タイプはそのセオリーを破っても全く関係なかった。複合タイプであればもう一つのタイプの弱点を突けばよいが、エスパー単タイプだと強力な物理技で対抗するほかなかった。

当時最強だった伝説のポケモンミュウツーを始め、フーディンスリーパーナッシースターミールージュラ、99カップでヤドランバリヤード、幻でもミュウと、全てのポケモンがエスパーというだけで採用されるなどとにかく需要が高く、第一世代がエスパーだらけのエスパー最強時代になっていった。これは恐らく、スタッフの調整不足が原因だと思われるが、そもそも開発当初の『赤・緑』に通信対戦は存在しておらず、急遽突貫で実装されたため致し方がない部分がある[2]

第二世代

あまりにも強すぎたエスパータイプは、この世代で徹底的に弱体化を喰らうことになった。新しくあくタイプが登場し、エスパータイプには効果抜群でエスパー技は無効化すると、攻防ともに完璧な苦手タイプとなってしまった。さらにむしタイプには当時専用技のメガホーンを持つヘラクロスが登場し、厳選の難易度は高いが任意のタイプで弱点をつけるめざめるパワーが追加され、ゴーストタイプもようやくエスパータイプの弱点になるよう修正され、シャドーボールが追加されたことで、エスパータイプは第一世代よりも明らかに弱点を突かれやすくなってしまった。技もサイコキネシスの追加効果が弱体化されたことで、ゴリ押しもほぼ見込めなくなり、エスパータイプは攻撃面防御面いずれも弱体化され、エスパー最強の時代は終わりを告げた。

一方で、多くのエスパータイプのポケモンはいまだに強ポケ~中堅程度の地位を許されていた。ミュウツーミュウはステータスなどの問題で相変わらず強く、フーディンは補助技増加と3色パンチで器用さが増した。ナッシースターミーは別のタイプでのプラス面により、それぞれくさみずの特徴を活かした立ち回りが可能になりまだまだメジャーだった。第二世代の新勢力にはエーフィ、伝説&幻でルギアセレビィがいたが、ルギアを除けばお世辞にも強いとは言えなかった。

余談だが、当時は何故か物理のイメージが強いあく技は特殊技で、逆に特殊のイメージが強いゴースト技は物理技だった。これによってエスパーポケモンの多くが覚えるシャドーボールを活かせない事が多かった。

第三世代

弱点技にぎんいろのかぜシャドーパンチシグナルビームが出たが、ぎんいろのかぜ以外使い手が少ないことで脅威度は第二世代とあまり変わらなかった。

第二世代で空気だったソーナンスとくせいかげふみアンコールで海外では禁止扱いになるほどに強化された。新勢力では同じくとくせいのヨガパワーこうげき2倍になるチャーレム、特殊面で高く小回りが売りのサーナイトもいた。何より新600族のはがねと複合タイプのメタグロスが登場し、ステータスと耐性の優秀さからいきなりの厨ポケとして君臨していた。

ラティ兄妹も強力だが、当時は火力に恵まれなかったのでサポーターとして動かしやすいラティオスよりラティアスの方が高い評価を得ていた。まともな個体値のラティ兄妹を得ることができる手段であるむげんのチケットに関しては、対戦の資産ゲー化を懸念する声からエメラルド以前のオフ会対戦ではラティ兄妹そのものを禁止にするローカルルールが敷かれることが少なくなかった。

第四世代

最悪のタイプを併せ持つミカルゲが登場[3]、さらに各種弱点技の増加および仕様変更により以前に増して弱点を突かれるようになった。特にふいうちとんぼがえりは使い手も多かった。その一方でトリックルームじゅうりょくに加えトリックなどが使いやすくなるなど補助技に大きく長けてきたというプラス面もある。トリックルームを中心としたパーティのために、ナッシーヤドランドータクンなどに覚えさせるプレイヤーが多くいた。ダブルではメタグロスラティオスが強く、特にメタグロスはシングルとダブルの総合評価において変わらず最強を維持していた。耐久型には新勢力としてクレセリアもいた。

第五世代

この世代はローブシンテラキオンバシャーモなどが活躍するかくとう全盛の環境であったため、抑止力としてエスパーの需要が拡大。この世代の新規はランクルスムシャーナなど鈍足耐久アタッカーが多かったが、単タイプであったり複合タイプが優秀でなかったりで、ダブルバトルトリパの始動役を務める以外はそれらのポケモンの目立った活躍はなかった。既存勢はエーフィネイティオなどの隠れ特性マジックミラーを追加されたポケモンの勢いが強く、フーディン、ヤドランなども隠れ特性による強化を受けた。

世代末期にかげふみゴチミルが攻略本購入者限定の配布ポケモンとして解禁されたが、♂限定であり当時はかげふみ持ちのゴチルゼル系統の繁殖が不可能であったため、初の能動的なかげふみ持ちの解禁ということと合わせて物議を醸した。

第六世代

ミュウツーがメガシンカ形態を2種類与えられ、ランダムフリーではミュウツーがいわゆる「伝説厨」の相棒として活躍。隠れ特性の遺伝仕様変更によってゴチルゼル系統のかげふみ遺伝が可能になった他、初のほのお複合タイプを持つマフォクシーの登場、いたずらごころ先制技として変化技を撃つニャオニクス♂など、ここまで聞けばエスパーが大幅強化を受けたように見える。

しかし実際ははがねの相性仕様変更の影響で環境にあくゴーストが増え、はたきおとすの強化、ゴーストかげふみの関係の仕様変更などもあって、冬の時代を迎えたと言える。そもそもエスパーの多くが低耐久であり、上からファイアローメガガルーラに圧力を掛けられると何もできないという面が目立つようになった。かくとう対策としてはより耐性が優秀で火力にも困らないフェアリーが優先されるようになった。

一応、ダブルバトルではメガサーナイトクレセリアがアタッカー兼トリパの始動役として立場を保っていた。

第七世代

カプ・テテフの登場、メガメタグロスはがね枠としての出世、ふいうちの弱体化などによって復権。

とりわけダブルバトルでは、テテフグロスのようにサイコメイカーによって強化したエスパー2体で殴るといった力押しの戦術も見られるようになった。メガサーナイトシングルバトルではアタッカーとしての上位互換に近いカプ・テテフの存在で失墜したが、ダブルバトルでは依然としてハイパーボイストリックルームによって差別化できることから健在。クレセリアアクZによる役割破壊も受けやすくなったがサイドチェンジの獲得によって低耐久の味方をかばう壁としての個性が活きるようになった。

その他、WCS2018ルールではエスパーZ持ちのゴチルゼルラティアスが活躍した。マキシマムサイブレイカーが強いというよりは、はたきおとすのダメージを軽減するのがこの持ち物を持たせる主要な要因だったと言える。伝説ポケモンの解禁されたWCS2019ルールでは第七世代で新参の伝説ポケモンがすべてエスパータイプだったこともあり環境の中心となる。

第八世代

カプ・テテフメタグロスフーディンラティアスラティオスなど、強ポケモンの多くが未登場となってしまった。さらにこの世代にはメガシンカがシステム自体存在しない。極め付けはサイコフィールド状態の弱体化。

タイプの優秀さよりスペックの高さで勝負していたエスパーは準伝説600族メガシンカを失い、第六世代以来となる不遇を託つこととなった。

環境にミミッキュドラパルトギルガルドなどゴーストが跋扈しかくとうがほぼ死滅している中、攻防ともに恵まれないタイプであるのが現状。

それでも、新規勢ではトリパ向けの種族値をしており攻撃性能も低くないブリムオン、弱体化したとはいえサイコメイカーで先制技を防ぐことができるイエッサンがダブルバトルを中心に活躍。この2匹を合わせた「イエブリ」はダブルバトルのトリパの定番コンビ。

上位禁止縛りのレギュレーションとなったシリーズ6環境では、イエッサンが使用禁止ポケモンに指定された。ところが、ポケモンプール上汎用性の高いエスパー枠に困るようになったことから、シングルバトル、ダブルバトルを問わずブリムオンの使用率が若干上昇。シリーズ6環境ではブリムオンがエスパー枠として孤軍奮闘することとなった。

既存勢ではランクルスゴチルゼルエーフィが偶に対戦で姿を見せている。ランクルスはダウンロードコンテンツ解禁前の環境では貴重なさいせいりょく持ちとして、ゴチルゼルは実戦上唯一となるかげふみ持ちとして、エーフィは高速でサポートできるマジックミラー持ちとして、それぞれオンリーワンの個性を持っている。特にゴチルゼルの場合はドヒドイデのようなエスパー弱点の低火力耐久型をキャッチすれば一瞬で「TOD」が確定して勝ちに等しい状況になるため、ハマった時はまさしく1匹で勝負が決まる。

シリーズ8の竜王戦ルールではメタグロスイエッサンがエスパーの通常ポケモンとして残り、バドレックスはこくばじょうのすがた、はくばじょうのすがた両方が使われている。

この世代のシングルバトルはエスパーが負け組となっている環境であり、特にダウンロードコンテンツ解禁前でPokémon HOME統計データ使用率シーズン別最終順位ベスト30にランクインしたポケモンが皆無という状況となっている。

なお、発売時点で未登場だった上述のポケモンのうち、フーディンはダウンロードコンテンツの「鎧の孤島」で、メタグロス、カプ・テテフ、ラティアス、ラティオスは冠の雪原で復帰した。

冠の雪原期のシングルバトルはクレセリアが環境唯一のエスパー枠となっており、不遇は続いた。

初のむしタイプとの複合であるイオルブ、鎧の孤島より、初めてのどくタイプとの複合であるガラルのすがたのヤドランが登場し、全てのタイプとの複合タイプが存在する形になった。

ゴーストタイプの歴史

幽霊は短命というイメージのためか、HPが低めな傾向にある(種族値100を超えているのはブルンゲル等ごく一部)。代わりにとくこうが突出して高いものが多い。防御面ではノーマルかくとうの2つを無効にできる。2つのタイプを無効にできるのは全タイプの中でもこのタイプのみである。特にノーマル技のねこだましがむしゃらを受けないのはこのタイプの特権と言ってもよい。弱点も2タイプのみで、片方はゴーストタイプ自身。

ゴースト攻撃技に耐性を持つタイプは2タイプしかないので攻撃面も優秀なはずだが、攻撃技は極めて少ない。第一世代では威力20のしたでなめるしかなかったほどであり、現在でもわざマシンで覚えられるゴースト技は他のタイプの技と比べて威力の低めなシャドーボールシャドークロー程度である。もっともギルガルドシャンデラのように一部はとくこうがずば抜けて高いため、威力は低くても十分なダメージを見込みやすい。

へんかわざでは、のろいみちづれいたみわけなど相手の防御に関係なくHPを一定量削ることを得意としている。さらにおにびトリックルームはゴースト技でないにも関わらず大半のゴーストタイプが覚えられる。

第一世代

むしタイプとともにエスパータイプに弱点を突けるタイプとして登場した。しかし当時のゴーストタイプの技は、威力が貧弱のしたでなめると固定ダメージのナイトヘッドしか存在せず、しかも攻略本などでは効果抜群と書いてあったのだが、実際にはバグなのかなぜかエスパータイプには効果無しだった。

当時のゴーストタイプはどくと複合タイプのゲンガーのみで、エスパーに弱点を突けるどころか逆に弱点を突かれる事態となってしまったが、ノーマルタイプの技を無効化することから、当時猛威を振るったはかいこうせんを完全に止められる唯一の存在として活躍した(読み間違えるとケンタロスの場合はじしんで返り討ちだが)。 さいみんじゅつゆめくいのコンボも非常に強力で、下手すれば一度も行動させずに倒すこともあるほどだった。 ニンテンドウカップ'99においてはゲンガーの代わりにゴーストが活躍し、同じポジションをつとめた。

第二世代

本来の相性どおりに、エスパータイプに対し弱点を突けるようタイプ相性が変更された。そして追加されたシャドーボールわざマシンで覚えるポケモンが多く、実戦で使えるほどであり、あくむしタイプと合わせてエスパータイプに抜群を取りやすい環境になり、この3タイプによって最強だったエスパーはやっとおとなしくなった。ノーマルタイプ無効は健在で、ノーマルの多くなったこの環境の中では、ノーマル耐性を持つはがねタイプが登場してしまってもなお有用だった。環境では単タイプとして登場した新勢力ムウマがカビゴン対策などで多く使われ、ゲンガーは弱体化してしまったが高いすばやさからのみちづれなどでまだまだ現役だった。

第三世代

この世代からゴーストタイプを持つポケモンが増加した。ダブルバトルの実装により、ゴーストにはじばくだいばくはつを流すという役割が与えられるようになった。しかし依然として特殊型のアタッカーにとって物理技であるゴーストの一致メインウエポンはアンチシナジーであり、そのため高い特攻を持つゲンガーですらおにび、みちづれなどの変化技が主体であった。

新規で強力だったのは、それまでにない耐久型向けのステータスをしたサマヨールであった。当時は火力インフレ前であったため、しんかのきせきなどまだ未登場であったにもかかわらず耐久型として重宝された。他に特性が極めて強力なヌケニンが登場したのもこの世代からである。

第四世代

物理特殊の分離によってシャドーボールが特殊化し、ヘドロばくだんも同時に特殊化したこともあってゲンガーは特殊アタッカーとして開花。ダブルバトルでは物理技で攻めてよし、トリックルームを展開してよしのヨノワールが環境の主流ゴースト枠となった。ビジュアル担当としてはムウマージユキメノコが追加された。禁止級で初のドラゴン複合であるギラティナが初登場。

第五世代

ゴーストという枠にとどまらずこの世代の特殊アタッカーそのものを代表するシャンデラのろわれボディ+おにびによる耐久型で名を馳せたブルンゲルミイラによるコンボが持ち味のデスカーン、無効3つのポテンシャルが光るゴルーグなど、性能・個性の両面で優れたポケモンが新規には多かった。既存組ではサマヨールがしんかのきせきを獲得し、ロトムのフォルムチェンジ形態がインターネット対戦で解禁された。

第六世代

はがね相性仕様見直しによってゴーストの一貫性が高まった。ゴーストタイプの技はこれによって、無効1、半減1という、等倍以上の範囲が極めて広いという特色を持つようになった。にげられないを無効化するというタイプ固有の特性も追加された。新規勢ではパンプジンオーロットギルガルドが目立つ。パンプジン、オーロットは通信交換によって進化するため、その進化前をミラクル交換に放流する行為が「進化テロ」と揶揄されるようになった。ギルガルドはバトルスイッチを使いこなせば2つのフォルムの種族値をいいとこどりにできるため、「実質種族値720」と恐れられた。

既存組ではゲンガージュペッタヤミラミがメガシンカを獲得。その内ゲンガーはシングルバトルダブルバトルで共に、まともに速攻を仕掛けてよし、ほろびのうたみちづれで1:1交換に持ち込んでよしの多芸なフィニッシャーとして大活躍。

第七世代

ゴーストの歴史におけるこの世代の特筆点は、何と言ってもミミッキュが登場したこと、ゴーストZが登場したことであろう。単体では微妙な威力のシャドークローつるぎのまいとゴーストZで強化して1体を確実に仕留める動きは、従来のゴーストタイプでは考えられないほどの高火力であった。ミミッキュは開発者が「強くしすぎた」と太鼓判を押すほどのポケモンであり、レーティングバトルでは登場するなりシングルバトル使用率1位を特等席として確固たるものとした。

相性補完を活かしたサイクル船が全盛のこの世代の対戦ではゴーストの等倍範囲が評価されている。わかりやすい例を挙げれば、この世代の最強トリオと名高いカバルドンギルガルドボーマンダの3匹、通称「カバマンダガルド」の全てに等倍以上で通るのはあくとゴーストのみである。

ダブルバトルではガオガエンに苦しんだものの、ゲンガー、ミミッキュ、ギルガルドがシングルと同様に活躍している。

禁止伝説級使用可能なGSルールではルナアーラネクロズマ(あかつきのつばさ)が活躍し、ゴーストZを上回るルナアーラZで強力な火力を誇った。

第八世代

ギラティナ以来、及び一般ポケモンでは初めてのドラゴンタイプとの複合であるドラパルトが登場。現在、環境で1トップである。

ミミッキュ、ギルガルドは仕様変更により弱体化したものの依然として強力。ゴーストタイプのポケモンの相対数が多いため、この世代ではかくとうが死滅している。

ガラルサニーゴちからをすいとるを軸とした新たな耐久型として環境でそこそこ使われるようになった。

一方、ゲンガーメガシンカの削除により環境から失墜。

ダブルバトルでは最強格のタイプであり、特にトリパの始動役であるサマヨール、そのサマヨールに抜群を取れるミミッキュ、ドラパルトが環境のゴーストの中心となっている。ミミッキュ、ドラパルト、サマヨールの3匹全てを1つのパーティに搭載するケースも稀ではなくなった。シングルバトルでは活躍していないゲンガーだが、ダブルバトルではまけんきかちきなどを発動せずに済むキョダイゲンエイのおかげで独自の立場を築き上げており、シーズン6では使用率40位と健闘。

鎧の孤島配信に伴い、新技ポルターガイストの登場によって大半のゴーストタイプ物理アタッカーの高火力ウェポンを獲得し、さらにアローラガラガラが新たなダブルバトルのエースとなった。

上位禁止縛りのレギュレーションとなったシリーズ6環境では、ミミッキュドラパルトが使用禁止に指定され、その後釜のゴースト枠としてゲンガーが環境に進出した。

冠の雪原期の追加組としてはダブルバトルで使われるレイスポスが目ぼしいところか。

シリーズ8竜王戦ルールではこくばじょうバドレックスが禁止級伝説枠として需要を集めた。

ドラゴンタイプの歴史

ドラゴンの弱点はドラゴンであるため、ドラゴン同士の勝負はすばやさによって優劣関係が決まりやすい。このため、ドラゴン全盛期でお互いのドラゴン同士が衝突しやすかった第五世代では、最速で使われたりこだわりスカーフを用いるものがかなり多く見られた。

はがねこおりタイプ以外に苦手の少ない最強タイプとして長らく君臨していたが、第六世代では弱点であることに加えこちらのドラゴンタイプの技を無効化してしまうフェアリータイプが登場して、その地位が大きく揺らぐことになる。ゼルネアスの登場により、伝説戦でも多くの伝説ドラゴンが苦境に立たされた。第七世代になるとフェアリータイプの種類も多様化して対策を絞りづらくなり、さらにミストフィールドを展開されると主力技が半減されてしまうので大きく弱体化した。

かつてのようにエースとして戦えるのは、メガボーマンダジャラランガなど高いステータスと強力な能力変化技を持つものに限られている。どちらかといえばみずほのおへの耐性を活かして戦う防御的な運用をされるようになっている(天候パーティの強いダブルバトルでは特に重要である)。また、弱点が増えたことを逆に利用し、じゃくてんほけんでカウンターする戦法もある。

第一世代

この世代ではカイリュー1系統のみ3種類しかドラゴンが存在しなかった。当時のドラゴン技は特殊技に分類されていた。さらに当時はドラゴン技は第一世代ではダメージ固定技りゅうのいかりのみで、一致技が実質存在しないという不遇ぶりであった。この世代の対戦ではふぶき特殊の数値に関係なく搭載されるほど強力であったため、それを4倍弱点で受けるカイリューの立場はなかった。

第二世代

新たにキングドラが追加されるが、それでも全4種と希少種には変わりが無かった。通常火力となるドラゴン技は追加されたが、たつまきりゅうのいぶきなど威力の低いものばかりであった。一応、げきりんは存在したものの、この頃はまだ威力90であるためこんらんのデメリットを負う価値はなかった。そのため、この世代でも物理攻撃力を十分に活かすことはできなかった。それでも、キングドラが耐久性能と複合タイプの優秀さを買われてニンテンドウカップ2000決勝大会で使用された。

第三世代

安定したダメージを与えられるドラゴンクローが追加。また、この世代から、ドラゴンポケモンが増え初めた。

追加されたおもなポケモンで通常レギュレーション下において使用可能なのは、ボーマンダフライゴンチルタリスラティオスラティアス。このうちよく使われたのはボーマンダ。ボーマンダはいかくで相手に干渉できるポケモンとして高い需要があったが、クリアボディを持つメタグロス、高耐久で受けてからこおりで4倍弱点を突きに行くレジアイスなどが存在したため、そこまで猛威を振るうことはなかった。ラティアスは高い耐久性能と素早さを活かしてダブルバトルのサポーターとして活躍。一方、ラティオスは一致技の火力、範囲が微妙であったため、期待されたほどの活躍はしなかった。

この世代ではレベル51以上のポケモンがレベル50になるようにするレベル補正が無しのレベル50戦が主体であったので、レベル55で進化のカイリューが公式戦を始めとした対戦で使用不可能となった(ボーマンダはレベル50での進化なので、ギリギリ使用できる)。

第四世代

物理特殊の分離、それに伴うげきりんの威力仕様変更、りゅうせいぐんりゅうのはどうの追加などの強化によってドラゴンがアタッカーとして開花。第五世代まではほぼ攻撃面で最強のタイプとなった。600族ガブリアスが追加され、以降第六世代まで環境を支配することになる。ガブリアスの登場によってボーマンダダブルバトル特殊アタッカーとして生き残りを図るようになった。

GSダブルではシンオウ伝説ドラゴンが環境の主軸の1つとなった。特にパルキアカイオーガしおふきを4分の1で受けることができたのが大きい。

第五世代

単タイプで4倍弱点が無いオノノクス、初のあく複合でドラゴン中最高峰の火力を持つサザンドラが、主な新規組。オノノクスとガブリアスを組み合わせたパーティはBW初期には人気で、ドラゴン統一選出というのはこの世代だと趣味の領域でも何でもなく戦略として通用し、多くの対戦でりゅうせいぐんげきりんが飛び交う環境となった。

既存組ではカイリューマルチスケイルを獲得し、4倍弱点をある程度気にせずりゅうのまいを積めるようになった。シングルバトルではボーマンダをカイリューに挿げ替える例が多発。キングドラあめふらしニョロトノの登場によって雨パのエースとして需要が拡大。しかし何と言っても速攻と補助の両方をこなせるラティオスの躍進がこの世代では目覚ましい。

第六世代

フェアリーが登場したが、この世代に登場したフェアリーはサブウェポンで攻めれば対処できたため、以前としてドラゴンが幅を利かせる環境となっていた。一方、あめふらしの弱体化によってシングルバトルではキングドラがめったに見かけない存在となった。

新規にはドラゴンタイプ最速のオンバーン、初のどく複合タイプのドラミドロ、初のいわ複合タイプにしていしあたま+もろはのずつきが強力なガチゴラス600族であり特殊耐久に優れたステータスをしたヌメルゴンが登場している。

既存組では相性補完に優れるギルガルドを相方に手に入れたサザンドラメガシンカで瞬く間に需要を取り戻したメガボーマンダメガガルーラメガリザードンX・Yの上を取れるガブリアスが活躍、特にガブリアスは絶妙な素早さラインがダブルバトルでもトップメタであるメガガルーラ、メガリザードンX・Yに対して活きるため、これまでとは異なりダブルバトルでも活躍。一方エスパーの弱体化、ふいうちの積極導入を始めとして露骨に対策されたことなどにより、ラティオスラティアスが弱体化。

第七世代

カプミミッキュの登場などフェアリーの普及、それに伴うはがねの増加などにより、下手すればドラゴンであることを理由に起点にされる環境となった。ガブリアスが第六世代であまりに多かったことからなる締め付けだが、こうなったことでガブリアスはシングルバトル環境首位の座から陥落。この世代ではドラゴンは攻めのタイプの印象が薄れ、むしろ耐性を活かした相性補完枠として利用されるようになった。メガボーマンダひこう枠としての性質が強まった。

新規ポケモンはジャラランガバクガメスジジーロンアクジキングアーゴヨンUSUM)の5系統。ジャラランガはUSUMでブレイジングソウルビートを獲得して以降ダブルバトルで主流ドラゴンの座を得た。一方、アクジキングは弱小準伝説の代表格として扱われるようになった。アーゴヨンはどく枠とドラゴン枠を兼ねる、ドラゴンZ+りゅうせいぐんで速攻を仕掛けてよし、わるだくみを積んでよしのアタッカーとして活躍。

また、ピカブイではゲームシステムと登場するポケモンが限られてる関係から、天敵となるはがね・フェアリータイプが少なく、サブウェポンなどで刺さりやすい環境となった。

第八世代

前世代で猛威を振るったカプは当初存在せず、サーナイトメガシンカを没収されて弱体化したため、結果としてドラゴンが隆盛する環境となった。

中でも、新ポケモンのドラパルトが環境1トップを誇っている。他に新規で目立つ存在としては高火力アタッカーであるウオノラゴンパッチラゴン、独特の耐性と起点作り性能で役立つジュラルドン、やはりユニークな耐性を持つ耐久型のタルップルはりきりアタッカーの1体であるアップリューがある。

既存勢では弱点を突かれにくくなったサザンドラがトップメタに入り、ミミッキュ対策になるかたやぶりアタッカーとしてオノノクスが評価された。

新しい禁止伝説級としてどくタイプとの複合ポケモンであるムゲンダイナも登場。

鎧の孤島マリルリが追加されると、ミミッキュトゲキッス、マリルリに包囲されて非常に動かし辛くなったことからサザンドラが減少。

上位禁止縛りのレギュレーションとなったシリーズ6環境では、ドラパルトが使用禁止ポケモンに指定された。この環境ではドラパルトに代わるドラゴン枠としてパッチラゴンが環境の1トップとなった。レギュレーション上トゲキッス、ミミッキュが使用不能であることから、サザンドラの使用率も回復した。

冠の雪原配信開始に伴いカイリューボーマンダが環境に進出。どちらもダイジェットアタッカーとしての性質が強く、同時解禁されたカプもカプ・レヒレを除いて弱体化して環境からあまりいなくなったため動かしやすくなった。


ノーマルタイプの歴史

能力はその名の通りバランス型のものが多いが、HPが突出して高いポケモンも多く見られる。弱点となるタイプがかくとうだけであるため、耐久の高いノーマルタイプは崩すのがとても難しい。なまけるタマゴうみといった回復手段があるものも多く、持久戦を強みとするタイプと言えるだろう。

ノーマル攻撃技は威力や命中率が高くノーマルタイプ以外のポケモンも覚えることが多いが、弱点を突けないため技の優先順位としては下がる。フェアリースキンスカイスキンの特性とセットで使われる程度だろう。 そしてノーマルタイプのポケモンはタイプ一致技で敵の弱点を突くことができないという大きな欠点を持つ。その他にも物理技がメインになること、攻撃技のレパートリーなどからいわはがねのような「硬い」イメージのタイプには苦戦しやすい。ゴーストタイプとはお互いに技を無効にし合う珍しい関係にあり、泥試合になることも覚悟しなければならない。

第一世代

元々弱点はかくとうタイプのみだったが、当時はエスパータイプが実質的に弱点無し(弱点技の威力が貧弱だった)で最強だったため、この偏りを受け苦手というだけでどくかくとうタイプは徹底的に敬遠された。そしてかくとうタイプがマイナー化でほとんど使われなくなった結果、ノーマルタイプも事実上弱点無しになった。よってこの世代ではエスパーとノーマルで固めたパーティが主流となり、「タイプを偏らせるな」というセオリーは最早完全に無視されていたのである。

しかも、ノーマルタイプを半減するいわタイプすらマイナーで唯一メジャーなのはノーマルを無効にするゴーストタイプのゲンガーだけ、おまけに最強技のはかいこうせんは当時相手に当てても倒せば反動を受けない仕様で、それをタイプ一致で撃ててこうげきすばやさも高いケンタロスは当時最強クラスのポケモンとして君臨していた。また、尖り過ぎなほど高いHPと分割前で優秀なとくしゅラッキー、そしてガルーラも確認されていた。特にケンタロスの人気が絶大であったことから、エスパータイプに次ぐ座を占めていた。ちなみにこれらのポケモンが出場禁止とされた99カップでも、素早ければ絶対急所のきりさくをタイプ一致で使えるペルシアンをメインに、ピクシー、まれにラッタと、こちらも人気では偏っていたがやはりノーマルは有用なタイプだった。

第二世代

かくとうタイプが大幅強化で弱点を突かれ始めたことが気になるくらいで特に目立った弱体化は無し。はかいこうせんの弱体化はあったが、すてみタックルじばくだいばくはつが強化された。一線級もカビゴンを筆頭に、ケンタロスガルーラミルタンクハピナスポリゴン2など種類が多いことも手伝い、この世代でも相変わらずの強さを発揮できていた。

第三世代

こだわりハチマキ+はかいこうせんの組み合わせの成立、ケッキングの登場によって、ノーマル帝国は維持された。ダブルバトルはノーマル帝国を地で行くカビゴンに好き勝手させないように実装されたバトル形式という説があるが、カビゴンがXD教え技としてじばくを獲得してからはその説は実質覆り、「ダブルバトル=カビゴンによるじばくゲー」が第四世代まで続くことになった。

第四世代

ゴウカザルの登場、インファイトの実装を始めとしたかくとうの強化などから、シングルバトルではノーマルの勢いが収束。しかしダブルバトルでは上述の通りカビゴンの勢いは収まらなかった。

第五世代

ローブシンテラキオンズルズキンを始めとしたかくとうアタッカーの強化によって、カビゴンを始めとしたノーマルはシングルバトルから姿を消した。じばくの弱体化によってカビゴンはダブルバトルでも立場を弱めた。

第六世代

ガルーラメガシンカを獲得し、シングルバトルはカビゴンが活躍した第二世代よりもいびつな環境となり、ガルーラを選出されたらサイクル戦が困難となるほどであった。メガガルーラが環境を支配したからこそ、メガバシャーモを始めとするかくとうの速攻型の地位が上がり、メガガルーラ対策の当てはまる他のノーマルポケモンが使い物にならないと見做される環境であったと言える。

第七世代

メガガルーラはおやこあい弱体化によってそこそこ使われる程度のポケモンに落ち着いた。一方、ダブルバトルではフィラのみを獲得したカビゴンが環境に復帰。とはいえ、サイクル戦全盛で複合タイプ持ちによるタイプ受けが好まれるこの世代のシングルバトル環境において、ノーマル(特に単タイプ)は、攻めも守りも中途半端な面が目立つようになった。

一方、2019年1月下旬に開催された単タイプ限定戦のインターネット大会『シンプルシンフォニー』では使用率ベスト30入賞が最多の5体を記録しており、単タイプ同士ではノーマルが一番強いことが証明された。

第八世代

ダウンロードコンテンツ解禁前の環境ではカビゴンタイプ:ヌルが積極的に使われている。前者は特殊耐久型として使われており、キョダイマックス個体も強力。後者はとんぼがえりなどを始めとする技で場作りをする役割を与えられており、環境にしんかのきせき枠として競合するポケモンがガラルサニーゴ程度しか存在しないのも追い風。メタモンはダイマックスエースのランク補正上昇にかわりものによりただ乗りする手段として重宝されたが、世代初期に使われただけで廃れた。ソード・シールド発売からしばらく経過するとホルードも環境に進出した。

しかしポリゴン2ガルーラのデータが存在しないことは如何ともし難く、第七世代と比べるとかなり肩身が狭い。またおんがえしやつあたりがデータ自体削除されたことによって、多くのポケモンはメインウエポンをのしかかりで妥協せざるを得なくなった。

それでも、新規勢としてはヨクバリスが無駄のない種族値の耐久後手アタッカーとして活躍している。

鎧の孤島の追加組としてはポリゴン2の活躍が目覚ましく、シーズン8には使用率5位を記録。ハピナスも同シーズン使用率29位を記録。代わりに、ポリゴン2のようにリベロエースバーンとびひざげりを耐える物理耐久を持たず、ハピナスに特殊耐久で劣り、受けとしてどっちつかずな性能であるカビゴンが使用率ベスト30陥落を喫した。

上位禁止縛りのレギュレーションとなったシリーズ6環境では、ポリゴン2が使用禁止ポケモンに指定された。この環境のシングルバトルにおいてはポリゴン2という目の上のたん瘤が取り払われたカビゴンの需要が回復してメジャー格に戻り、ホルードもドリュウズに代わるアタッカーじめん枠として猛威を振るった。

冠の雪原期にはポリゴン2が環境で唯一のノーマル枠として孤軍奮闘することとなった。

対戦における代表的なノーマルわざ

たいあたりなきごえと言った基本動作やスピードスターなどのように「無属性」と言えるもの、さらにめざめるパワーしぜんのちからのように技の内容やタイプが様々変わるものが多くノーマル技に属しており、技タイプのベースのような位置づけにもある。それゆえにノーマル技はかなり広範で、その数は各タイプ技の中でも最も多い。

こういった経緯からほぼ全てのポケモンは習得法問わずノーマル技を数多く覚えられる。特にたいあたりひっかくなきごえなどを低レベルで覚えるポケモンは多い。またマシンわざであるおんがえしまもるひみつのちから等はごく一部の例外を除き全てのポケモンが習得する他、はかいこうせんギガインパクトは無進化系や最終進化系(旧作で無進化系・最終進化系だった場合も含む)のやはりごく一部を除く全てのポケモンが覚えられる。

攻撃技としては2タイプに半減、1タイプに無効にされ、さらに一切の弱点を付けないという理由から、タイプ一致や特別な効果を望めなければまず使われることはない。よってほとんどの場合ノーマルタイプのポケモンが使用していることになる。さらにノーマルポケモンの多くがとくこうよりこうげきに秀でてることから自然と対戦で使われやすいノーマル技も物理技に偏っている。

物理技では、最高威力が102と高くデメリットもないおんがえしが大変よく使われる。ノーマル物理技の種類は豊富であるが、おんがえしをほぼ全てのポケモンが覚えられる以上、威力がおんがえしを超えるか、低威力ながら優秀な効果を持つわざ以外は使われないというのが現状である。だいばくはつの使用率も高い。ソード・シールドではおんがえしの廃止により、すてみタックルのしかかりなどで代用せざるを得ない事態となった。

特殊技は少なく、有用な攻撃技としてはばくおんぱトライアタックハイパーボイスはかいこうせんぐらいだが、能力に見合うポケモンは限られている。ダブルバトルトリプルバトルなら味方と組んでエコーボイスりんしょうを用いる選択肢はある。また実質的にはノーマルタイプとは限らないが、使用する個体次第でタイプを自在に変えられるめざめるパワーもよく使われるノーマル特殊技である。

先制攻撃技は豊富ででんこうせっかしんそくねこだましフェイントが該当。タイプ一致で使えるポケモンはあまりいないが、ねこだましは優秀な追加効果があり、しんそくは先制技としては威力が高い。加えてしんそく・ねこだましは優先度が第五世代で上昇しており、有効に使えるポケモンもいることからこの二つはとりわけ使用される機会が多い。でんこうせっかとフェイントは一致で使えるポケモンがあまりいないのと元々のタイプの悪さ、威力の低さが祟ってきあいのタスキがんじょう潰し以上の働きはしにくく、使用率は高くない。

変化技もかなり有用な技が多いが、その中でもとりわけ使われる機会の多いマシンわざを挙げるなら、強力な積み技のつるぎのまい、様子見や行動回数の確保など応用範囲の広いみがわり等がある。シングルバトルを除くとコンボ・相手のコンボ崩しや様子見に使われやすいまもるも使用される率は高い(同じくマシンわざ)。

フェアリータイプの歴史

新しいタイプとして対戦環境のパワーバランスを大きく変えた。第五世代で猛威を振るっていたドラゴンかくとうタイプはこのタイプを弱点とするために弱体化することになった。また、攻撃面の強みが少なかったどくタイプとはがねタイプはフェアリーの弱点を突けることで見直されるようになった。第七世代ではポケモンランキング最上位の大部分をこのタイプが占めるほどになった。これは対戦で重要なフィールド展開系の特性を持つカプがすべてこのタイプに属していたためである。その他にも対戦ではメジャークラスのポケモンが多め。その強さに対するバランス調整のためか、フェアリータイプのフィールドであるミストフィールドは他のフィールドと違ってフェアリー技を強化しない。メタグロスを除く600族全てに効果抜群を取れる点もポイント。

能力としてはとくぼうに秀でている傾向がある。弱点の2タイプも他のポケモンで半減しやすいため、サイクルに組み込みやすく、特にじめんほのおタイプとシナジーを発揮する。一方、こうげきが低め。さらに物理技がじゃれつくしか存在しないため物理アタッカーには不向き、と思いきや特性ちからもちメガクチートマリルリ、専用のZワザが使えるミミッキュが存在するため見た目や数値以上のパワーがある。

第六世代

初登場した第六世代ではフェアリータイプの新ポケモンは少なく、既存のポケモンに新タイプとして追加される形で数を増やした。

フェアリー自体どく弱点とすることから、フェアリータイプの実装は第五世代で冷遇されていたどくへの救済という意味合いもあった。また、ドラゴンを無効にすることから、以前までははがね以外に耐性を持つタイプがいなかったドラゴンタイプの弱体化の意味も込めているといえる。

トゲキッスピクシーグランブルらはノーマルタイプが無くなった代わりに追加されている。マリルリをはじめフェアリータイプが追加されたポケモンの多くは攻撃範囲が広がり強化され、クチートサーナイトにはメガシンカの選択肢も増えてそれぞれの強力な特性でパワーインフレを起こした。メガシンカ以外でもニンフィアフェアリースキンで桁違いな攻撃力を誇り、ピクシークレッフィちいさくなるでんじはを利用した戦法で活躍した。フェアリータイプ初の伝説ポケモンであるゼルネアスジオコントロールパワフルハーブのコンボにより伝説戦で最強の一角となった。

第七世代

新規ポケモンとなるカプミミッキュは強力な特性も相まって汎用性が高く、ルールを問わずほとんどのパーティで重宝された。ただ、これらのポケモンがあまりにも突出していたため、他のフェアリータイプのポケモンは採用率が下がってしまったとも言える。ポケットモンスター ウルトラサン・ウルトラムーンではジャラランガブレイジングソウルビートを無効化するタイプとして重要性がさらに高まることになり、パーティに一匹はフェアリータイプを入れる形が定着した。カプの内1体とミミッキュの合計2体をパーティに採用することもざらであり、カプ2体、ミミッキュ、クチートの計4体をフェアリー枠に採用した構築すらも立派な厨パの1つとして使われた。

第八世代

発売当初は猛威を振るったカプが不在だったり、ミミッキュのばけのかわが弱体化されるなどの調整がされ、全体的には弱体化はしている。とはいえ、ばけのかわの弱体化は「1/8のダメージを受けてから剥がれる」程度にとどまっており、依然としてミミッキュは猛威を振るい続けている。新ポケモンにして初のあくタイプとの複合タイプであるオーロンゲは、発売当初の環境トップだったドラパルトを止められるポケモンとして評価されているなど、価値自体は失われていない。

環境で一番使われていたのはトゲキッスである。耐性、技範囲がダイマックスと噛み合い、ダイマックスわざにより火力不足が解消された他、種族値合計も配分もダウンロードコンテンツ解禁前では理想的であった。デバフ系ダイマックスわざにも強固な耐性があるのもその要因であった。

Pokémon HOME解禁によりアシレーヌが、鎧の孤島発売によりマリルリが環境に進出。

上位禁止縛りのレギュレーションとなったシリーズ6環境では、トゲキッス、ミミッキュが使用禁止ポケモンに指定されたが、却って同じフェアリー枠としてそれらと競合するアシレーヌマリルリの使用率を伸ばす結果になり、そればかりかアローラキュウコンの台頭も促したため、フェアリーが勝ち組である状況は変わらなかった。

前述通り、発売当初は前世代で猛威を振るったカプも存在しない状態だったが、冠の雪原解禁後は皆復活した。しかし、カプが展開できるフィールド系の弱体化などの調整は致されている。

脚注

  1. とは言ってもハッサムメタグロスにおけるバレットパンチ、メタグロスにおけるコメットパンチは極めて優秀であり、第五世代以前から使用者は多かった。
  2. 『ゲームフリーク 遊びの基準を塗り替えるクリエイティブ集団』(とみさわ昭仁・著、メディアファクトリー刊) 128頁-131頁
  3. 一応前世代にも同じタイプを持つヤミラミがいたが、種族値と特性の問題からかあまり話題にならなかった。

関連項目

対戦考察ページ
ポケモン考察 タイプの歴史 - 対戦におけるステータス
その他考察 対戦におけるわざ - 対戦における状態異常 - 対戦における場の状態 - 対戦におけるダイマックス