ステータス/対戦
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この記事では攻略・対戦におけるステータスについて考察している。
対戦におけるHP
HP調整
最大HPの特定割合分のダメージの影響を最小限にするため、もしくは特定割合分の回復効果を最大限発揮するためにHPを特定の値にすることをHP調整と呼ぶ。割合ダメージは小数部切り捨てで計算されることを考慮した調整が多い。
例として、最大HPが4nと4n+1の時を比較する (nは任意の整数で、4nは4×nという意味。例えばHP200は4×50なので4n、HP201は4×50+1なので4n+1となる) 。この場合みがわりを1回使った時のHP消費量は双方ともにnであるので、みがわり3回目終了時点で両者の残りHPはn、n+1となり、後者はみがわり4回目を出すことができるが前者はHPが足りずに出すことができない。逆に、残りHPが最大HPの1/4以下で発動するカムラのみを持たせていた場合、前者では3回目のみがわりで発動できるが後者では4回使わないと発動できない。よってみがわりを4回使いたいのであれば4nにしてはいけないし、カムラのみを戦術に組み込むなら4n以外にすると1ターン余計にかかってしまう。
以下は代表的なHP調整の例。
- 偶数 (2n)
- はらだいこを1回使用すればオボンのみが発動する。いかりのまえば・しぜんのいかりを1回受ければオボンのみが発動する。
- 奇数 (2n±1)
- とびひざげりを2回失敗してもHPが残る。いわが4倍弱点のポケモンがステルスロックを2回受けてもHPが残る。
- 「他にダメージ補正が無ければ、抜群技のダメージは偶数になる」という観点からHPを奇数に調整する場合もある。
- 3n
- さいせいりょく・ほおぶくろの回復効率最大。
- 6n-1
- ゴツゴツメットの割合ダメージを最小限にする。
- 8n-1
- どく・しおづけ状態、さめはだ・てつのトゲの割合ダメージを最小限にする。
- 10n-1 (1の位が9)
- いのちのたまの反動ダメージを最小限にする。
- 16n-1
- もうどく・やけどやすなあらしなどで受ける割合ダメージを最小限にする。8n-1でもある。
- 16n
- たべのこし・くろいヘドロによる回復効率を最大にする。みがわりを併用する場合は+1する。
- 50n+1
- ちきゅうなげ・ナイトヘッドの攻撃を多く耐えられる(レベル50ルール前提)。
- 実数値204
- ちきゅうなげ・ナイトヘッドの攻撃1回をみがわりが耐える(レベル50ルール前提)。
なお、場合によっては複数のHP調整を同時に満たすことも可能である。例として実数値191は奇数、6n-1、8n-1、16n-1を同時に満たす。
16n-1調整がよく行われるポケモンとしてポリゴン2がいる。ポリゴン2にHPの努力値を252振った場合は実数値が192 (16n) になって、1/16の定数ダメージは12になる。努力値を244で止めて実数値を191 (16n-1) にした場合は、1/16の定数ダメージは11になる。同じ定数ダメージを2回受けた後の残りHPを比較すると、前者は168だが後者は169となり、努力値が少ない側のHPが多く残る。
対戦におけるこうげき
変化技|/特殊技/イカサマ/ボディプレス/ダメージ固定技のいずれかしか覚えていないポケモンのこうげきは、以下の影響を考えると個体値や性格で最小にした個体が理想である。Lv.50での使用が前提の場合、個体値は0でも1でも実数値に差は出ない。最遅調整と併用する場合は、こうげきよりもすばやさが下降する性格が優先される。
- こんらんで自分を攻撃するときのダメージ (特にぼうぎょが低いポケモンは影響が大きい)
- イカサマを受けたときのダメージ (特にあくタイプが弱点のポケモンは確定数が変わるなどの影響が出やすい)
- ちからをすいとるを受けたときの相手の回復量
- パワーシェアを受けたときの相手のステータス上昇
反対に、以下の影響を重視する場合は、上記のポケモンでもこうげきは高い方がよい。
- わるあがきで相手に与えるダメージ
- パワーシェアを味方から受けるときや、味方に使用するときのステータス上昇
- パワートリック状態により変動した後のぼうぎょのステータス
- イカサマ/ボディプレス/物理のダメージ固定技をZワザやダイマックスわざに変えたときのダメージ
分類が変わる技の場合、通常は特殊技として使用する場合でもとくこうランクが下がったときなどは物理技に変わり、こうげきの値がバトルに影響する可能性がある。
現実的には、厳選にかかる時間と、上記状況の発生頻度やバトルに与える影響を考慮し、各自で妥協点を決めることになる。ニドクイン (てんさいピィ) (個体値5) 、トリトドン (カ・エール) (個体値2) 、ゴルダック (ルイ) (個体値30) などの公式大会を優勝した個体を再現した配布個体から分かるように、大会で結果を残したプレイヤーであっても特殊型の攻撃の個体値は妥協することがある。
第二世代までの努力値の仕様ではどうしても攻撃に努力値が入るため、正規プレイでは攻撃の努力値が最小値で他の努力値が最大値の個体というものは存在しない。可能な限り攻撃の努力値を抑える場合、コイキング、ラッキー、ケーシィなど攻撃種族値の低いポケモンを選んで倒すことになる。
めざめるパワーを使用するポケモンの場合も理想の最低個体値が異なる。あくは攻撃個体値1が理想、第三世代から第五世代で威力70と両立する場合は個体値2が最低となる。
対戦におけるとくこう
特殊技を覚えていないポケモンのとくこうは、以下のときを除くとほとんどバトルに影響が出ない。そのため、こうげきの場合と比較して意識されることは少ない。
- パワーシェアを受けたとき、または使用したとき
- 分類が変わる技を使う際、分類が変わる条件を満たしたとき
- とくこう実数値が一番高いときにビーストブーストが発動したとき
- とくこうが一番高いときにこだいかっせい・クォークチャージが発動したとき (ランク補正も考慮して一番高い能力が上がるので、ビーストブーストと比べると影響が出やすい)
対戦におけるすばやさ
すばやさ以外の能力値は、少し違ったところでダメージ計算中の乱数補正などが原因でバトルの結果に結び付くとは限らない。一方で、相手とのすばやさは1違うだけで先攻と後攻が確定する。それによって攻撃回数は左右され、勝敗に直結するといえる。仮想敵より1速いすばやさに調整することを"○○抜き調整"と呼ぶ。具体的な仮想敵がいないのであれば最速にしておくのが無難であることが多い。
自分と相手が優先度が異なる技を使う場合はすばやさの影響は無いが、相手も同じ優先度の技を使ったことを考慮するとすばやさ調整の意義はある。
同じすばやさで同じ優先度を使うポケモンとはランダムで先攻後攻が決まる。逆に言えば、お互いのすばやさ補正と技の優先度が変化していないにも関わらず、前のターンとは先攻のポケモンが異なった場合、相手のすばやさが自分とであることが判別できる。
以下のように、状況次第ではすばやさが低い方が有利になるケースもある。そのため個体値や性格ですばやさを最小に調整されることがある (最遅調整) 。最遅ではないが、特定の仮想敵より1遅いすばやさに調整することを"○○抜かれ調整"と呼ぶ。
- ジャイロボールを使用する場合
- トリックルーム状態で戦う場合
- スピードスワップを相手のすばやさを下げる目的で使う場合
- 場に出たときに天候を変える特性を持つ場合 (同じく天候を変える特性を持つ相手と同時に場に出たとき、後発の天候に上書きできるため)
- 使うと交代する技を使用する場合 (相手が行動した後に交代すれば、交代先が相手の攻撃を受けずに済む (無償降臨ができる) ため)
- ギルガルドである場合、または相手のギルガルドを意識する場合 (「特性バトルスイッチでブレードフォルムになると、後攻で受ける攻撃のダメージが増える」という観点に基づく)
同じすばやさ種族値を持つポケモンはまとめて○○族と呼ばれることがある。例えばすばやさ種族値が130のポケモンは130族と呼ばれる。
対戦におけるせいかく
ステータス計算において性格の効果は乗算によって補正される。加算される個体値/努力値の効果と比べて、高い能力に性格補正をかけたときほど効果が大きい。
基本的には一番使うステータスが上がり、一番使わないステータスが下がる性格を選ぶとよい。例えば物理アタッカーであれば特攻にマイナス補正をかける、耐久型なら攻撃か特攻にマイナス補正をかけるなど。突出した種族値がある場合、合計実数値で得するように努力値を振らなくとも性格補正をかける場合がある。
第八世代以降では、トリックなどで混乱木の実を手にしたときのことも考慮すると、こんらんしないまじめなどの無補正の性格のポケモンにミントで補正箇所だけを変える方が理想となる。
対戦における性別
第二世代のみ、攻撃の個体値によって性別が決定する。♂:♀比率によって基準値は異なるが、基本的に攻撃の個体値が一定より高いと♂になる。よって、性別不明、♀のみのポケモンを除くと、物理型ポケモンの理想個体は♂になる。
第三世代以降では、性別と個体値は関係しない。基本的に性別を厳選する必要は薄いが、性別によって種族が変わるポケモン (ニドキング/ニドクイン/バルビート/イルミーゼ)、性別で種族値/特性/習得技などが異なるポケモン (ニャオニクス/イエッサン/イダイトウ/パフュートン)、特定の性別でしか進化できないポケモン (ミノマダム/ガーメイル/ビークイン/エルレイド/ユキメノコ/エンニュート) の場合は性別が育成の前提になるほど重要になり得る。
メロメロを使う場合、またはメロメロを使われることを想定する場合、仮想敵に合わせて性別を厳選することがある。例えばクレセリアやラッキーへの対策としてメロメロを覚えさせるなら♂の方が良いし、逆に♀だけしか存在しないポケモンにメロメロを使われることを想定するなら♀の方が良い。同様に、特性とうそうしんのポケモンを使う場合は仮想敵と同じ性別を、とうそうしんのポケモンを仮想敵とする場合は異なる性別の方が良い。特定の仮想敵を想定せずとも、パーティ内の性別はメロメロやとうそうしんが一貫しないようにばらけさせた方が良いという見方もある。
対戦におけるタイプ
タイプ相性によるダメージ倍率は、性格・努力値・個体値などによるステータスによる影響より比重が重い。
対戦におけるレベル
レベル50未満のポケモンはそのままのレベルで出場できるフラットルールなどでは、あえて低レベルのポケモンを使った戦法も存在する。レベル1戦法を参照。
関連項目
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