受けループ
受けループとは、パーティ全体を耐久力の高いポケモンで固め、サイクルを回しながらちきゅうなげやゴツゴツメットなどの定数ダメージでジワジワと削り競り勝つことを目的とした戦法のこと。また、その戦法を主軸としたパーティ。
概要
概念自体はバトレボ時代から存在していたが、確立はブラック・ホワイト発売から約半年後になってからであった。
ブラック・ホワイト発売当初は火力インフレによって耐久戦法が成り立たないとされていたが、しんかのきせきやゴツゴツメットなどの新規の持ち物、さいせいりょくなどの持久戦に役立つ特性などから、受けポケモンが再評価され、そこから受けループが誕生した。環境当初は受けループという構築として受けループ適性のあるポケモンが使われていたわけではなく、スタンダード構築に受け枠として単採用されることが専らであった。
受けループには再生回復技を全員が持っている「純正受けループ」、全員が再生回復技を持っているわけではないが反無限かそれ以上のサイクルができる「受けループ」、有限サイクルだがその分技範囲や構築に幅を持たせた「受けサイクル」が存在する。
主な構成
受けループの基本選出としては、物理受け、特殊受けを最低でも各1体以上用意する。両受けも投入されることが多い。この表選出は受けポケモン3匹だけで組むのが基本。
環境にあるどのポケモンが出てきやすく、また出てきにくいかを把握し、自身の勝ちパターンをインプットしておくことが重要。
どくどくで瓦解しないように、タイプにどくやはがねを持つポケモン(ドヒドイデ、エアームド)、どくどくに耐性のあるポケモン(ラッキー、グライオン)を投入するのが鉄則。
そこに相手に潰しを掛けられる速攻型、メガシンカエースなどを加えて完成する。
受けループに使うポケモンは耐久指数も重要だが、時には耐性の独自性も重視される。その耐性の組み合わせ、いわゆる相性補完も重要であり、他で真似できない相性補完を形成出来ればそれが受けループになる余地がある。
受けループの長所と短所
潰しを掛けられるポケモン、ちょうはつやとんぼがえり、かげふみなどでこちらの戦法を妨害するポケモンを裏選出3匹で対処できるのが長所。
安定行動さえとれば無対策の相手を安全に処理できるのも強み。
反面、根本的に戦いが長引くため、対戦に相当の時間を取れないとレート上位を目指せないという難点がある。
耐久が高い分素早さに優れないポケモンが少なくないため、素早さ調整を誤るとみがわりを絡めたハメ戦法で詰む恐れもある。
また、切断に対するペナルティの無かった第五世代までは切断される危険性があり、第六世代まではTODに対する批判を受けるという心理的負担もあった。
備考
- トリパや天候パなどでは専用構築用のポケモンのみで固めることは「それ以外の戦い方をできなくする」として望まれないが、受けループの場合は一概にその限りとは言い切れない。というのも、高耐久のポケモンで固める中で自然と火力の高いポケモン(バンギラス、カプ・ブルルなど)が組み込まれることがあるためである。
- 受けループはレート上位を目指すなら対策必須であり、受けループでよく使われるエアームドやテッカグヤを基準とした素早さ調整などはそれを如実に表す例である。
- 初心者が陥りがちな構築のミスとして、1匹のポケモンに役割を持たせすぎることが挙がる。そうなるとそのポケモンへの負担が過剰になり、いわゆる「過労死」状態となる。あらゆるパーティに言えることだが、受けループは特に分業制の下に成り立つのである。
- 「受けループ」という単語はライバロリの寄稿記事でも使われており、半ば公式用語である[1]。
脚注
- ↑ 【寄稿記事】ライバロリバトル講座 第6回「受けループ対策のすゝめ?」 ポケモンだいすきクラブ 2018.01.17(2019年8月27日閲覧)