ポケットモンスター 金・銀
ポケットモンスター 金・銀 | |
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ジャンル | RPG |
プレイ可能人数 | 通常は1人、対戦時2人 |
発売元 | 任天堂 |
開発元 | ゲームフリーク |
発売日 | |
日本 | 1999年11月21日 2017年9月22日(VC) |
アメリカ | 2000年10月15日 2017年9月22日(VC) |
イギリス | 2000年7月7日 2017年9月22日(VC) |
ドイツ | 2001年4月6日 2017年9月22日(VC) |
韓国 | 2002年4月24日 2017年9月22日(VC) |
公式サイト | |
ポケットモンスター 金・銀とは、任天堂が発売したポケットモンスターシリーズ第二世代のゲームソフトのこと。また、このソフトのマイナーチェンジ版としてクリスタルバージョンがある。
目次
概要
本作は、赤・緑・青・ピカチュウの後継作品として発売された作品である。ストーリー上、金・銀は赤・緑・青・ピカチュウバージョンの3年後という設定である。この様子はロケット団の行動やカントー地方の随所で垣間見られる。
当初1998年をめどに開発されていたソフトであったが、開発が遅れたため、発売予定日が数度となく変更された。また、出荷時に台湾大地震の影響で予約本数より出荷本数が下回り、一時強い品薄状態に陥った。
前作と[1]通信交換での互換性を保っている[2]。第三世代との通信はプロトコルの違いなどの理由により不可能である。
度重なる発売延期の間に任天堂の協力で第一世代対戦環境のモニターを取った結果として本作、引いては第二世代の絶妙な対戦環境が出来上がったという評価がある。
CMには加藤あいが出演した。
2017年9月22日、ポッ拳 POKKÉN TOURNAMENT DXと同時にVC版が発売された。2017年11月20日にポケモンバンク・ポケムーバーに対応するようになった。
システムなどの変更点
- 曜日・時間の概念
- ROMカートリッジの内蔵電池を利用した時計システムがある。冒険の最初に曜日と時刻の設定を行う(以降変更ができない)。それにより、朝(4:00-9:59)、昼(10:00-17:59)、夜(18:00-3:59)で野生のポケモンの出現パターンが異なっている。また、フィールドのグラフィックは朝だと黄色ががった色になり、昼の場合は明るくなり、夜の場合は暗くなる。またむしとりたいかいやおつきみやまのピッピなど曜日や時間に関係するイベントも存在する。さらに朝・昼と夜で一部BGMのアレンジが異なるものがあり、後に第四世代以降で本格的に採用された。
- なお、第四世代以降と異なり現在の時間を修正する方法がない。そのため何年もプレイしていると時間がかなりずれてしまう場合がある。
- とくこうととくぼうとの分割
- 第一世代ではとくしゅとして一体であったため、とくしゅの能力値の高い傾向があるタイプ(特にエスパータイプ)が優遇され、逆にかくとうタイプなどは冷遇されていた[3]。分割されたことによりタイプによる有利不利はある程度是正された[4]。
- 相性の変更、はがねとあくの登場
- 若干の相性の変更がされた。優遇されていたエスパーに対して天敵となるあくタイプ、冷遇されていたほのお、かくとうが有利なはがねタイプの登場で、タイプそのものの有利不利はかなり是正された。これによりタイプは全部で17種類となった。また、ゴースト→エスパーの、本来の意図とは違う相性に設定されてしまっていた相性の修正も行われた。本作から第五世代までタイプの種類と数、相性は全く変更されなかった。
- どうぐをもたせる
- イベントアイテムを除くすべてのアイテムの中から1つだけ、もちものとしてポケモンに持たせることができるようになった。またターン終了後にポケモン自身が使ってHPや状態異常を回復するようなきのみや、1種類のタイプのわざの威力を高めるような道具も登場。道具をもったポケモンを交換することで(旧作との交換時、道具を持った状態に関わらずそのまま次の手順に進むことができ、交換先で持ち物の有無やその効果は反映されない[5])、道具の交換も可能になった。これによりパーティの構成にポケモン、技のみならず道具もかかわるようになり、より緻密なパーティ構成が可能となった。
- がくしゅうそうちの使い方
- 本作以降第五世代まで、ポケモンに道具として持たせることで効力を発揮するよう、システムが変更された。
- 性別の登場
- 第一世代では性別の概念がなかった(ニドラン♂とニドラン♀は別ポケモン扱い)が、本作以降全てのポケモンに性別が導入された。本作での性別の判定は、第一世代と互換性を保つためこうげきの個体値を用いる仕様(高い個体が♂、低い個体が♀)となっており、ポケモンの種類によって、オスとメスの比率が決まっている(ほとんどが1:1だが、片方の性しか存在しないポケモン、また一方の性別が多めに存在するポケモンもいる。また、せいべつふめいのポケモンもいる)。ずかんにはどちらの性別のポケモンを捕まえても記録される。性別の登場により下記のとおりタマゴの概念が登場した。
- ポケモンのタマゴ
- 34ばんどうろにいる育て屋に、タマゴグループの共通する2匹のポケモンの♂と♀を預けると、タマゴが発見されるようになった。タマゴは手持ちに入れた状態である歩数歩く(じてんしゃ、なみのりでもよい)ことで、預けた♀の最も進化していないポケモン(レベルは5)が手に入るようになった。また、♂のポケモンから一部のわざを遺伝させることもできる[6]。
- 16個のバッジ
- 本作での目標はジョウト地方の8つのバッジを集めてセキエイこうげんにあるポケモンリーグを制覇することであるが、クリア後に旧作の舞台であるカントー地方全体に行けるようになる。一部の変更があるもののジムリーダーたちも健在であり、こちらで8個のバッジを集められるため、最終的なバッジの数は16個となる。本作でのカントー地方は第一世代で存在していた多くの施設・ダンジョンが閉鎖、消滅しているなど簡略化されている[7]。
- ポケモン図鑑の並び
- 「新しい」(進化順)[9]と「古い」(番号順)[10]、そしてアイウエオ順の中から選べる。この世代から検索機能もついた。
- ぼんぐり
- ヒワダタウンにいるガンテツにぼんぐりを預ける事で、1日に1個だけ特殊なボールを作ってもらうことができる。
- ただし第2世代までは捕まえたボールの種類が記録されないため、VC版で捕まえたポケモンを第7世代へ送ると全てモンスターボールで捕獲したことになる。
- アイテムの分類
- どうぐ、ボール、たいせつなもの、わざマシンの4種類が「バッグ(本作ではリュック)」の中で分類されるようになった。
- ポケギア
- デジタル時計、電話、ラジオの機能が搭載されている。一部のトレーナーを登録することができ、再戦を求めて電話をかけてくることがある。(登録できるのは10人。)以後ルビー・サファイア・エメラルドではポケナビ、ダイヤモンド・パール・プラチナではポケッチ、第五世代ではライブキャスターとCギア(C-GEAR)、とその性格は若干の変更はあるが進化している。
- 新しいポケモン
- 旧作の151種類に加え新たに100種類のポケモンが登場した。また、一部の旧作のポケモンの進化前後のポケモンも19種存在する。#新進化のポケモン一覧を参照。これによりずかんの完成に必要なポケモンの数は249(幻のポケモンを含むと251)となった。
- 旧作同様に金・銀どちらか一方のバージョンにしか登場しないポケモンが存在することをはじめ、旧作での最初の3匹や伝説のポケモンなど(フシギダネ、フシギソウ、フシギバナ、ヒトカゲ、リザード、リザードン、ゼニガメ、カメール、カメックス、オムナイト、オムスター、カブト、カブトプス、フリーザー、サンダー、ファイヤー、ミュウツーの17種)は、旧作から通信しないと手に入れられない。従って、図鑑の完成には金・銀および旧作のいくつかのバージョンが必要である。
- マップ上を逃げ回る伝説ポケモン
- ライコウ、エンテイ、スイクンの3種の伝説のポケモンは、あるイベント以降ジョウト地方の草むらを転々とし、運良く遭遇してもすぐに逃げ出してしまう。自分のポケモンがくろいまなざしなどの技があっても、大抵の場合は相手がほえる使って自分から逃げてしまう。ただ、こおり技によるこおり状態及びねむり状態にする技でなら可能。遭遇の場合、場所はエンカウントした後にずかんで確認できるが、主人公が移動するに伴ってこれらも移動するため、捕獲は非常に困難である。
- バトルのルール
- 今まではトレーナーが一方向を向いていたが、今作より方向転換をしてバトルを仕掛けるようになり、バトルを避けることが困難になった一方で余所見をしている隙に通り過ぎることも可能。また、上記のポケギアの項にも記載しているが、登録相手の再戦も可能となったが、登録上限数が限られている。
- てんきの概念
- バトル中に特定のわざを使うことで、通常の状態から天気を変えられるようになった。にほんばれ、あまごい、すなあらしが該当し、それぞれ天気が5ターンの間ひざしがつよい、あめ、すなあらしに変わる。
- レベルアップ
- 今作から、2以上レベルアップするけいけんちを貰った際、1レベルずつレベルアップするようになった。これにより、レベルアップ技をもれなく覚えることができるようになった。(第一世代では直接2つ以上レベルアップしてしまう場合があり、レベルアップ技を取りこぼすことがあった。)
- ふしぎなおくりもの
- 今作では通信ケーブルでの通信対戦・交換のほかに、ふしぎなおくりものとよばれる赤外線通信をサポートしている。ふしぎなおくりものをするとアイテムやもようがえグッズが手に入るほか、トレーナーハウスで戦うトレーナーが最後にふしぎなおくりものをした相手に変化する。
新進化のポケモン一覧
ここでは、第一世代のポケモンに新たな進化が加わったポケモンを一覧にする。
- クロバット
- ピチュー
- ピィ
- ププリン
- キレイハナ
- ニョロトノ
- エーフィ
- ブラッキー
- ヤドキング
- ハガネール
- ハッサム
- キングドラ
- ポリゴン2
- バルキー
- カポエラー
- ムチュール
- エレキッド
- ブビィ
- ハピナス
ソフト単独では入手できないポケモン
金
銀
両方
ハードなどのデータ
- 金
- 型番:DMG-AAUJ-JPN
- 発売日:1999年11月21日
- 対応機種:ゲームボーイおよび互換機
- 新品価格:3,800円+税
- ROM容量:8Mbit(1MB)海外版は16Mbit(2MB)
- 銀
- 型番:DMG-AAXJ-JPN
- 発売日:1999年11月21日
- 対応機種:ゲームボーイおよび互換機
- 新品価格:3,800円+税
- ROM容量:8Mbit(1MB)海外版は16Mbit(2MB)
あらすじ
注意:以降の記述には、作品の内容やあらすじ、登場人物などのネタバレが含まれます。ご理解の上ご利用ください。
時系列的には第一世代から三年経っている。
ジョウト地方のワカバタウンに住む主人公は、ある日ウツギ博士に呼ばれ、ポケギアを持って研究所に向かう。するとウツギはポケモンじいさんの家に行き、ふしぎなタマゴを貰ってくるようおつかいを頼んだ。そこで主人公はウツギ博士にチコリータ、ヒノアラシ、ワニノコのうちどれか1匹を貰った。しかし、研究所の外で赤い髪の毛の少年が中の様子をうかがっている。怪しいので声をかけると「人のことじろじろ見てんなよ」と乱暴に突き飛ばしてきた。それはさておき、ヨシノシティの北にあるポケモンじいさんの家を目指した。
ポケモンじいさんの家に着くと、オーキド博士もおり、オーキドはポケモン図鑑を作ることも勧めてきた。そこで主人公はポケモン図鑑作りも引き受け、オーキドからポケモン図鑑をもらった。しかし、帰ろうとすると、ウツギから電話が。しかしウツギは慌てており「大変だ」としか言わない。とにかく大変なので急いで戻ってきて欲しいと言われた。そこで急いでワカバタウンに帰ろうとすると、ヨシノシティで先ほどの赤い髪の少年が。やはり彼は主人公がポケモンを貰うところを見ていたのだ。そして「弱いくせにもったいない」とけちをつけ、とまどう主人公にポケモンバトルを仕掛けてきた。勝負後、彼は世界で一番強いトレーナーを目指すと言い残し、去った。
ワカバタウンの研究所に到着すると、警察がいた。ポケモンが1匹盗まれたのだ。赤い髪の少年がウツギ博士の研究所でポケモンを貰うところを見ていてそれにけちをつけたことや、自分が貰わなかったポケモンを使ってきたことから、彼が犯人だという結論になった。一方、ウツギ博士はタマゴを受け取ると、神妙な顔をして研究をすると言い出した。そして主人公はオーキドからポケモン図鑑を貰ったことを話すと、旅に出ていろいろなポケモンをゲットしながら、各地のポケモンジムに挑戦することを勧められた。そこで、主人公は冒険に出ることにした。
ヨシノシティを過ぎてキキョウシティに入ると、さっそくジムがあった。挑戦してジムリーダーのハヤトに勝ち、ジムバッジを貰った。そこへウツギから電話が。タマゴの研究でわかったことがあるという。ポケモンセンターで博士の助手が待っており、主人公にタマゴを託したのだった…。
バージョン間の違い
- パッケージは金ではホウオウ、銀ではルギアが描かれている。タイトル画面は金が羽ばたくホウオウのシルエット、銀が海底を泳ぐルギアのシルエットとなっている。
- ポケモン図鑑の説明文・グラフィックやポケモンの出現率
- ホウオウ・ルギアに関するイベント
その他
- 一部トレーナーの勝負を仕掛けるBGM、カントー地方での勝負中のBGMは赤・緑系のアレンジされたものがある。この2つはカントー地方の登場しないほかのソフトではまったく違うBGMとなる。
- 第一世代についてはファイアレッド・リーフグリーンの形でリメイクされていたが、本作がハートゴールド・ソウルシルバー発売以前は唯一、第四世代シリーズと互換性のないシリーズ[11]となっていたため、本作の非公式リメイク[12]を取り扱っている非公式サイトがいくつか存在する。
- 時計機能のために電力消費が大きいこともあり、発売から10年以上経過した現在、セーブデータ用の内蔵電池[13]が切れているソフトがほとんどである。セーブデータが消えないようにするためには、電池切れを起こす前に任天堂サービスセンターに電池交換を依頼する必要があった。現在、バックアップ用電池の交換は取り扱いを終了している[1]。バーチャルコンソール版では3DS本体の時計で時間経過を計測しているため、電池切れを考慮する必要はない。
- 第一世代ほどではないが、コピーバグなど、いくつかの有名なバグが存在する。
- ジョウト地方で野生ポケモンと戦闘する際のBGMが朝・昼と夜で微妙に異なっていた。
- 本来なら戦闘画面でポケモンが技を繰り出す際、HP表示のゲージが一時的に消えるようになっているが、バーチャルコンソール版では一部の技を除きゲージが消えないバグがある。プレイ自体に影響はない。VC版クリスタルでは解消されている。
- ポケットモンスターシリーズで最初に韓国語版が発売されたソフトである。ポケットモンスター クリスタルバージョンおよび第三世代のゲームは発売されず、第四世代以降発売されている。
- 同時発売の二作で、ポケモンのグラフイックが異なる唯一の作品である。
関連項目
リメイク
脚注
- ↑ 前作に登場する151匹で、尚且つ金銀で新登場した技を覚えていないものに限る。ただし、第一世代側からに限り、バグ技等を使用して作った前作のけつばん等のポケモンの送信は可能である。この場合、金・銀での該当番号のポケモンに変化する。
- ↑ 違う世代と双方向でポケモンをやり取りできるのは赤・緑・青・黄と金・銀・クリスタル間のみで、第三世代以降は一方向移動のみである。
- ↑ 攻撃側ではこうげき、防御側ではぼうぎょのステータスがダメージ判定に使われるが、とくしゅは攻撃側、防御側で同じステータスが使われるため、とくしゅが大きいポケモンがダメージ判定上有利となる。
- ↑ ただし、第一世代との互換性のためとくこう、とくぼうにかかわる個体値、努力値等は分離されておらず、完全に分割されるのは第三世代になってからである。
- ↑ 実際は第一世代のみが個体別に持っていた(第二世代以降は種類別で決定される)捕捉率に反映されるため、そのポケモンを金銀に戻した場合はその道具を持った状態で戻ってくる。
- ↑ なお、制作者側がタマゴが実際に預けた♂と♀の子供であるかどうかは明らかにしておらず、あくまでもゲーム中ではタマゴは「産まれる」のではなく「発見される」とされている。
- ↑ なお、リメイクであるハートゴールド・ソウルシルバーではDSソフトの性能の関係のためか、ゲームボーイソフトより若干改善されている。
- ↑ ベータ版と思しきサファリゾーンのマップは存在する。
- ↑ 後発作品に倣ってジョウトずかんとよばれることもある。
- ↑ ふるいずかんは第三世代以降ぜんこくずかんと呼ばれている。
- ↑ ポケモンの移動ができないなど
- ↑ ROMイメージを改造したもの、改造ポケモン (ソフト)なども参照。
- ↑ CR2025などのコイン型電池が内蔵されている。