テラスタル
テラスタルは、ポケモンが結晶化するパルデア地方特有の現象。
概要
ポケモンが全身を結晶化させて、タイプを「テラスタイプ」に変化させる現象。テラスタルしたポケモンのことを「テラスタルポケモン」と呼ぶ。
オーリム博士S/フトゥー博士Vが研究しており、発見・命名を行っている。パルデア地方の地中から出てくる「テラスタルエネルギー」による現象ではないかとされている。テラスタルエネルギーには、生物の能力を変化させたり、機械の性能を向上させる効果を持つ。エリアゼロ内部に生える虹色の結晶体はこのテラスタルエネルギーを持つ。博士の研究記録によれば、テラスタルの発生要因についても研究が行われており、発生要因と考えられる特定の何かに対し仮称を与えているが、ゲーム中のテキストでは黒塗り(■■■)で表されており、実際に研究記録でも黒塗りになっているか解読不能であるかと思われる。そのものは「六角形が多層的に組み込まれている構造の殻」を持っており、これによってエネルギーが結晶化されている、と推察している。この正体については明かされていないが、スカーレットブックS/バイオレットブックVには同じく「六角形の殻を持つ」物体に関する記述がある。オーリム博士/フトゥー博士は、テラスタルの機械の性能を上げる性質を利用して、エリアゼロの結晶体でゼロラボの表面を覆わせ、さらにラボ内部に搭載することで、現代の科学力では不可能な、自身の記憶や知識をもとに演算して動く人工知能を搭載したロボット「オーリムAI/フトゥーAI」、古代・未来にマスターボールを転送し、違う時代のポケモン「パラドックスポケモン」を捕獲し、現代にボールごと呼び出す「タイムマシン」などを作成している。
テラスタルには「テラスタルオーブ」が必要で、パルデア地方において一部の認められたトレーナーのみ所有することができる。ネモのセリフ等から、普通は学校の授業などでその資格を得るのが一般的であると思われるが、主人公は初めから実力が非常に優れていたためにそのようなプロセスを飛ばし特例で認められた。一度テラスタルを行うと内部のテラスタルエネルギーが空になるが、フィールド上にあるテラスタルエネルギーの結晶に触れることや、ポケモンセンターに行くことでチャージすることができる(#チャージも参照)。
テラスタルしたポケモンには「テラスタルジュエル」と呼ばれる王冠のような宝石が頭部に発生し、体がカットした宝石のように輝く。テラスタルジュエルの形状と体表の輝きの色はテラスタイプによって変化する。テラスタルを行う際は、まずポケモンの頭上に長い六角形の角にトゲが付いた内側が空洞のクリスタル型のマークが現れる。その後、ポケモンが無数の虹色の結晶体の柱に飲み込まれ、柱が砕け散ってテラスタルしたポケモンが現れる。砕け散る際、破片はテラスタイプの色に輝いている。テラスタル後、鳴き声を上げてテラスタイプの色の光を放ち、光の線と粒を放出する。元の姿に戻る際は、白い光の粒が周囲に放出され、5つの虹色の光がポケモンの周りを回りながら上へと飛んでいく。
テラスタルしたポケモンが倒されると白く輝いた後、結晶の破片を周囲に撒き散らして元の姿へと戻る。この時、まれに砕けたテラスタルジュエルか結晶化して「テラピース」となることがある。チャンプルタウンジムリーダーのアオキに勝利した後なら、宝食堂の店主にテラピース50個を渡すことでポケモンのテラスタイプを変更できる。
テラスタルしたポケモンがテラスタイプと一致するタイプの技を使用する際、技を使う前にテラスタルジュエルからテラスタイプに合わせたエフェクトが発生する。ほのおテラスタルの場合は炎が吹き出し、いわテラスタルの場合は岩が飛び散る。相手に技が当たるとテラスタイプ色の光の粒が撒き散らされる。
テラスタイプは1匹1匹のポケモンそれぞれに設定され、同じ種族のポケモンであっても異なるテラスタイプを持つものがいる。野生ポケモンの多くや、タマゴから産まれたポケモンは自身と同じタイプのテラスタイプを持つ。タイプが2つある場合どちらかランダムになる。進化してタイプが変わったり追加されたりしてもテラスタイプは変化しない。テラスタイプは遺伝しない。テラレイドバトルで出現するポケモンや、テラスタルする野生ポケモンは、ポケモンのタイプと異なるテラスタイプを持っていることが多いが、同じであることもある。
チャージ
ポケモンセンターや、結晶以外でもテラスタルオーブがチャージされるタイミングがいくつかある。コサジタウンの自宅、アカデミーの自室、エリアゼロのベッドで休んだときや、NPCから回復を受けたとき、ジムリーダー戦の開始時など、ポケモンの体力が回復するイベントでならエネルギーもチャージされる。四天王との連戦ではポケモンの体力は回復しないが、1戦ごとにテラスタルを使用できる。
1度触れてLPを得た結晶に再度触れてもエネルギーはチャージされない。
テラレイドバトルではチャージの有無に関係なく、自分のポケモンを最初からテラスタルさせることができない。攻撃技を3回成功させることでチャージが溜まり、テラスタルが使用可能になる。
バトルにおける仕様
- 1回のバトルで1度だけ使用できる。
- ターン経過や交代では解除されない。
- ひんしになるとテラスタルは解除される。その戦闘中に復活したとしてもテラスタルは解除されたままとなる。
- ひんしにさえならなければ、テラスタルはバトル終了するまで持続する。トレーナーの任意で解除することもできない。
- ただし野生のテラスタルポケモンのテラスタルのみ、HPが一定割合まで減ると解除される。
- 技の入力画面がパスされるターンではテラスタルを発動できない。以下の状況などが当てはまる。
- テラスタルしたポケモンはテラスタルにより失ったタイプ (以下、元のタイプと呼ぶ) の技を使用したときもタイプ一致ボーナスが発動する。
- 元のタイプかテラスタイプのどちらか片方と一致している技の場合、タイプ一致ボーナスは1.5になる。
- 元のタイプとテラスタイプの両方と一致している技の場合、タイプ一致ボーナスは2.0になる。
- 特性てきおうりょくのポケモンが元のタイプとテラスタイプの両方と一致している技を使用すると、タイプ一致ボーナスは2.25になる。てきおうりょくの効果はテラスタイプと一致した技を使用したときのみ発動し、元のタイプの技を使用しても発動しなくなる。
- 合体技は、アタッカーの元のタイプ・テラスタイプ・合体技のタイプが全て一致していればタイプ一致ボーナスが2.0になる。選んだ誓い技のタイプではなく、合体技のタイプが一致している必要がある。いずれか1つでも一致していなければタイプ一致ボーナスは1.5になる。
- 攻撃技を使用したときを除けば、テラスタルしたポケモンはテラスタイプ単タイプのポケモンとして扱われる。これにより4倍弱点を消すことが可能になる。
- どくどくの必中効果は、テラスタイプがどくタイプのときのみ発動する。テラスタルによってどくタイプを失った場合は発動しなくなる。
- 使用するぜったいれいどの命中率は、テラスタイプがこおりのポケモンのみ基本命中率が30になる。テラスタルによりこおりタイプを失った場合は基本命中率は20になる。
- ぜったいれいどを受けるときは、テラスタイプがこおりであれば無効化する。テラスタルでこおりを失えば無効化できない。
- 天気による補正やダメージはテラスタイプによって変化する。例えば、テラスタイプがいわタイプであればすなあらし状態によるとくぼう補正が得られ、いわ・じめん・はがねタイプであればすなあらしによるダメージも受けない。また、テラスタイプがこおりタイプであればゆき状態によるぼうぎょ補正が得られる。逆にテラスタルでこれらのタイプを失った場合は補正を得られなくなるし、すなあらしのダメージも発生する。
- のろいの効果はテラスタイプがゴーストタイプであれば「呪い」に、ゴーストタイプでなければ「鈍い」になる。
- めざめるダンスのタイプはテラスタイプになる。
- 特定の状態異常・状態変化になるかどうかや、くろいヘドロの回復効果などはテラスタイプによって判定される。例えば、元々どくタイプを持たないポケモンがどくタイプにテラスタルした場合はどく状態にならず、くろいヘドロの回復効果も得られる。逆にテラスタルでどくタイプを失えばどく状態になるし、くろいヘドロでダメージも受ける。ただし、状態異常・状態変化になった後にその状態異常を予防するタイプにテラスタルしても、その状態異常・状態変化は治らない。
- にげられない状態になった後にゴーストタイプにテラスタルした場合、にげられない状態は治らないが交代することはできるようになる。
- テラスタルポケモンのタイプは、タイプを変える技やタイプを変える特性などで変えることができない。
- テラスタルポケモンがでんこうそうげき・はねやすめを使用しても自分のタイプが消える効果は無い。
- テラスタルポケモンがミラータイプを使用しても失敗する。
- テラスタルする前にタイプが変更されていた場合、タイプ一致ボーナスを受けるのはテラスタル直前に持っていたタイプになる。
- タイプ変更は交代すると消えるため、それ以降は元々持っていたタイプでタイプ一致ボーナスが得られる。
- へんしんやフォルムチェンジでは元のタイプが変化する。
- テラスタルしたポケモンがタールショットを受けた場合、素早さは下がるがタールショット状態にならない。
- すでにタールショット状態のポケモンがテラスタルしても、タールショット状態が治ることはない。
- テラスタルポケモンがテラバーストを使用すると、技のタイプがテラスタイプに変わり、技の分類が攻撃と特攻のステータスが大きい方に対応したものになる。
- テラスタルポケモンがテラスタイプと一致した技を使用し、その技の最終的な威力が60未満だった場合、威力60に底上げされる。ただし、一部の技にはこの補正が乗らない。
- 威力が上がらない技
- 連続攻撃技
- 優先度が+1以上に設定されている攻撃技 (先制攻撃技)
- 威力が変わる技の内、威力欄に数字ではなく「-」と書かれている技の多く (エレキボール・ジャイロボール・きしかいせい・じたばた・くさむすび・けたぐり・ヒートスタンプ・ヘビーボンバー・なげつける・ ふくろだたき)
- ふんか
- 元々は威力60未満の技だが、特性・持ち物・状態などの効果で威力60以上になった技
- テラスタイプではなく、元のタイプにのみ一致している技
- 威力60に上がる技
- 威力が変わる技の内、威力欄に数字が書かれている技の多く (アシストパワー・ころがる・れんぞくぎりなど)
- 技の効果で威力60以上に上がったときは補正が乗らなくなる。
- ただし、ふんかは例外となる。
- プレゼント (最低威力が60になる)
- 100%の確率で追加効果が発動する技 (ほっぺすりすり・アシッドボムなど)
- 元々は威力60以上の技だが、特性・状態などの効果で威力60未満になった技
- 優先度が0以下の攻撃技 (ゆきなだれ・ともえなげ・ドラゴンテール)
- いずれも通常で威力60以上なので、とうそうしんで威力が下がったときのみ補正を受ける。
- はやてのつばさの効果で優先度+1にした威力60以下のひこう技
- いたずらごころの他の技が出る技により、優先度+1で出した威力60以下の攻撃技
- わるあがきはノーマルタイプにテラスタルしたポケモンが使用してもテラスタイプ一致と見なされず、威力も50のまま上昇しない。
- みちづれ状態のときにテラスタルした場合、みちづれ状態が解除される。
- テラスタルを挟んだとしてもみちづれを連続で使ったときは失敗する。
- テラスタルを発動した直後、行動する前に特性がなまけに書き変えられた場合、そのターンはなまけの効果で行動できない。
野生のテラスタルポケモン
テラレイドバトルでは、テラスタルした野生ポケモンとレイドバトルを行い、勝利するとそのポケモンを捕まえるチャンスが得られる。
テラレイドバトル以外でも、マップ上で光っている野生ポケモンが出現することがあり、このポケモンはバトルが始まるとテラスタルする。この野生ポケモンはテラスタル中に捕まえることはできない。攻撃技でHPを最大HPの1/5まで減らすとテラスタルが解除され、捕獲できるようになる。テラスタルしている間は残りHP1/5で攻撃を食いしばるので、一撃で倒してしまうことはない。連続攻撃技は全ての攻撃を耐えてからテラスタルが解除される。この野生ポケモンに対する一撃必殺技は「全然 効いてない!」というメッセージが出てダメージを与えられない。ただし、状態異常や状態変化のダメージでHPが1/5以下になってもテラスタルは解除されず、解除されないままひんしになることもある。状態異常や状態変化でHPが1/5未満になったポケモンは、攻撃を受けたときに食いしばるHPがそのバトルで一番減らされたときのHPになる (途中で回復を挟んでも同様)。テラスタルが解除されるとタイプも本来のものに戻る。そのターン行動する前にテラスタルを解除した場合、行動しないままターンが終わる。このポケモンは固定シンボルであり、捕まえたときや倒したとき、相手に逃げられたときでもしばらく経つと復活する。
テラレイドバトルで出現するポケモンやテラスタルする野生ポケモンの中には、タマゴわざやわざマシンでしか覚えられない技、進化前でしか覚えられない技を覚えたポケモンもいるが、これらは一度忘れると思い出すことができなくなる。
ポケモンカードゲームにおけるテラスタル
ポケモンカードゲーム スカーレット&バイオレットにおいて、ポケモンのカードの持つ効果として登場。「テラスタル」のポケモンは、ベンチにいるかぎりダメージを受けない。イラストはポケモンにテラスタルジュエルが乗り、体表が光り輝くテラスタルをイメージしたものとなっている。
各言語版での名前と由来
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脚注
外部リンク
- ポケモンたちが宝石のように光り輝く「テラスタル」 | 『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』公式サイト
- テラスタルを使いこなしバトルを制そう! | 『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』公式サイト