ポケットモンスター ブラック・ホワイト
ポケットモンスター ブラック・ホワイト | |
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ジャンル | RPG |
プレイ可能人数 | 1人 (対戦・交換など:2〜5人) |
開発元 | ゲームフリーク |
発売元 | 株式会社ポケモン |
販売元 | 任天堂 |
発売/配信日 | |
日本 | 2010年9月18日 |
アメリカ | 2011年3月6日 |
オーストラリア | 2011年3月10日 |
ヨーロッパ | 2011年3月4日 |
韓国 | 2011年4月21日 |
香港 | 2010年9月18日 |
台湾 | 2010年9月18日 |
公式サイト | |
pokemon.co.jp (日本語) | |
pokemon.com (英語) |
ポケットモンスター ブラック・ホワイトは、株式会社ポケモンが2010年9月18日に発売したニンテンドーDS用ソフト。
概要
2006年のポケットモンスター ダイヤモンド・パール以降およそ4年ぶりに発売された新世代(第五世代)の作品である。本作はニンテンドーDS用ソフトであるが、ライブキャスターがニンテンドーDSiのカメラ機能に対応しているため、DSi対応ソフトでもある。また、本作にはリージョンコードが設定されており、DSi、DSi LL(XL)、3DS、3DS LL(XL)、New 3DS、New 3DS LL(XL)では本体から見た国外版をプレイすることはできない。DS、DS Liteはリージョンコードを無視するためプレイ可能である。
本作はハートゴールド・ソウルシルバー同様、赤外線通信に対応している。
パッケージに描かれているポケモンは、ブラックがレシラム、ホワイトがゼクロムである。
ゲームシリーズにおいては初めて日本国外が地方のモデルとなった。
2012年には、続編としてポケットモンスター ブラック2・ホワイト2が発売された。
『ファミ通』クロスレビューは40点満点を獲得したが、これはポケモンシリーズ初の快挙。「日本ゲーム大賞 2011」優秀賞・ベストセールス賞[1]、「日本ゲーム大賞 2012」グローバル賞 日本作品部門を受賞[2]。
2022年3月時点の世界売上は1564万本[3]。日本国内の出荷本数は2022年12月時点で554万本[4]。
発売までの経緯
- 2010年1月29日 - ポケットモンスター公式ホームページにて開発中であることを発表。この時点ではまだタイトルが公表されていない。
- 2010年2月15日 - ポケットモンスター公式ホームページと同日発売のコロコロコミック誌上にて新ポケモン「ゾロア」、「ゾロアーク」の2体を公開。
- 2010年4月9日 - ポケットモンスター公式ホームページにてタイトルを発表。
- 2010年4月15日 - ゲーム画面を一部公開。より3D感を増したフィールド画面やポケモンの後姿が全身映っているバトル画面を公開。
- 2010年5月14日 - 最初のパートナーとなる三匹のポケモン「ツタージャ」「ポカブ」「ミジュマル」、ならびに冒険の舞台となる地方名「イッシュ地方」を発表。
- 2010年5月29日 - 伝説のポケモンとなる「ゼクロム」「レシラム」を発表。さらに「舞台」「最初の三匹」の動画を公開。
- 2010年6月15日 - 新ポケモン「ムンナ」「マメパト」「チラーミィ」「シママ」「メグロコ」「ヒヒダルマ」「ギアル」、イッシュ地方におけるポケモン研究者のアララギ博士、新ポケモン図鑑、バトル画面、ならびに新通信機能の「Cギア」「ランダムマッチ」「Webで広がる遊び」を公開。
- 2010年6月27日 - ポケットモンスター公式ホームページにて発売日を発表。
- 2010年7月8日 - ポケットモンスター公式ホームページにて予約開始日(7月31日)と商品情報を発表。赤外線通信に対応することが明らかに。
- 2010年7月15日 - 新ポケモン「キバゴ」、「コロモリ」、「ミネズミ」、「ゴチルゼル」、「ランクルス」、「ウォーグル」、「ムシャーナ」、バージョン間の違い、幼馴染「チェレン」、「ベル」、アララギ博士の同級生「マコモ」、謎の青年「N」、通信機能「ワイヤレス」、「ハイリンク」、「ライブキャスター」、「ゲームシンク」、「IR」、「フィーリングチェック」、システム「漢字モード」、Web連動「ポケモングローバルリンク」公開。また、トリプルバトルのいくつか詳細も公開。
- 2010年7月25日 - 幻のポケモン「ビクティニ」を公開。
- 2010年8月2日 - プロモビデオ2公開。トレーナー「アロエ」、悪の組織「プラズマ団」、Cギア詳細、ハイリンク詳細(紹介中に地名7ばんどうろ、タワーオブヘブン、アイテムデルダマ、やすうりパワー S確認可能)、今までのポケモンコンテストに匹敵する「ポケモンミュージカル」(紹介中にスワンナの姿、シキジカの姿確認可能)、フィーリングチェック詳細、IR詳細(紹介中にシキジカの名前、ギガイアス、ママンボウ、わざほのおのちかい、ニトロチャージ、くさのちかい、グラスミキサー、みずびたし確認可能)、ポケモングローバルリンク詳細、ポケシフター、フィールドが季節ごとに変化する点、ミネズミの進化ミルホッグ、バトルサブウェイが公開された。
- 2010年8月11日 - 新ポケモン「シキジカ」「スワンナ」「モグリュー」「ママンボウ」「ギガイアス」「クルミル」「ミルホッグ」、システム「季節による違い」、登場人物「プラズマ団」「サンヨウシティジムリーダーデント」、「シッポウシティジムリーダーアロエ」、通信機能「デルダマ」「すれ違い調査」、新機能「ポケシフター」、「色の濃い草むら」、「ローテーションバトル」、「ミラクルシューター」、「バトルサブウェイ」、「ポケモンミュージカル」、PGL詳細公開。
- 2010年8月23日 - 新ポケモン「ヤナップ」を公開。
- 2010年9月12日 - 新ポケモン「チョロネコ」、「デスカーン」、「デンチュラ」、「オノノクス」を公開。
- 2010年9月15日 - PGLの新コンテンツ、プラズマ団メンバー「ゲーチス」、デントと同じサンヨウシティジムリーダーの「ポッド」と「コーン」、新ポケモン「バオップ」、「ヒヤップ」、アロエの専門タイプを公開。
- 2010年9月16日 - 新ポケモン「ジャノビー」、「チャオブー」、「フタチマル」、「バスラオ」、「ヨーテリー」、「チュリネ」、「ドリュウズ」、「エモンガ」、「タブンネ」、「モンメン」、「タマゲタケ」、「ダンゴロ」、「バッフロン」、「メブキジカ」公開。
- 2010年9月18日 - 発売。PGLのアクセス集中によるシステム障害発生。
- 2010年9月19日 - 前日のアクセス集中に伴うPGLのシステムメンテナンス。
- 2010年10月4日 - PGLサーバー復旧。毎週火曜日16時~20時は定期メンテナンスで、全サービスがストップする。
- 2010年10月13日 - ポケモンドリームワールド(PDW)の再開。ただし、遊べる時間は1日1時間のみで、利用開始から1時間経過した後は24時間経たないと再び利用できなくなる制限がかけられた。
システム
新たに追加されたシステム
- 季節
- 1か月に1度季節が変化するようになった。季節が変わるとまわりの風景が変わり、地形も変化する。場合によっては特定の季節にしか行けない場所も存在する。
- 現実世界と同じサイクルで季節を変えていては悠長すぎるためか、この世界では毎月の周期で季節が変わる。1,5,9月が春、2,6,10月が夏、3,7,11月が秋、4,8,12月が冬である。
- トリプルバトル
- ダブルバトルの発展形。大きな特徴として「原則として向かって二つ隣の相手に攻撃ができない」という点が挙げられている。
- ローテーションバトル
- シングルバトルとトリプルバトルの変則形。ポケモンを一度に3匹場に出すが実際に行動するのは1匹だけで、毎ターン自分と相手はモンスターの位置を変更しながらバトルを進めていくというもの。最大の利点は先頭、そして上から2番目までの育てたいポケモンを並べておけば、ポケモンを入れ替えて1ターンむだにすることなく対戦できることである。
- 色の濃い草むら
- 通常の草むらとは異なる色の濃い草むらがあり、こちらでは別のトレーナーとタッグを組んでいなくても野生ポケモンが2体出現することがある。また、近くの通常の草むらと比べて比較的レベルが高いポケモンが出現する。
- ミラクルシューター
- 通信対戦の新ルール。従来は通信対戦ではトレーナーは道具を使うことができなかったが、このルールではある一定のターンが経過するごとにポイントが貯まっていき、このポイントを利用することでいろいろな道具が使えるようになるというものである。
- バトルサブウェイ
- これまでのシリーズにおけるバトルタワーのような施設。
- 戦闘BGM変更
- 戦闘中、自分のポケモンのHPが21%未満(HPゲージが赤)、もしくはジムリーダーの最後のポケモンが出るとBGMが変更される。また、前者は後者を含め例外なく、その条件になればどの戦闘状態で同じBGMである。
- また、道路などは季節によってフィールドのBGMが変わる場所がある。
- イベント演出の強化
- 今作ではイベント中に画面がイラストに切り替わり、そのままイベントが進行するというアドベンチャーゲームのような仕様がみられる。
- 隠れとくせい(夢特性)、ポケモンドリームワールド
- ポケモングローバルリンクを介して、これまでとはまったく違うとくせいを持ったポケモンを出会うことができる。ただし、本作初登場のポケモンに関してはムシャーナ、ヒヒダルマなど一部を除いてブラック2・ホワイト2との通信交換やイベント配布なしで入手ができず、第四世代までのポケモンでもポケモングローバルリンクで出会えるものとそうでないものがいる。
今作で仕様が変更されたシステム
ここでは、大きな変化があった・影響が大きいと思われるもののみを記している。
- 経験値の算出方法
- 相手よりレベルが低ければ、より多くの経験値が貰えるようになった。
- レポートについて
- レポートが青以来、「はい」を1度押すだけでレポートに復活。
- レポート中、下の小さい点が待ち時間を表すようになった。
- わざマシン
- 使い捨てでなくなり、ひでんマシン同様何回でも使えるようになった。その代わりに、どれも1つしか手に入らず、購入するものも高額になった。例えばわざマシン15(はかいこうせん)は90000円[5]である。また、ポケモンに持たせることはできなくなり、通信では交換できない。当然、四天王戦でPPを満タンにするような対策はなされており、覚えさせる前のPPのままわざを変えることになる[6]。
- ひでんわざ
- バッジを1つ持っていれば、それ以上バッジを持っていなくてもフィールド上で自由に使用できるようになった。そのため、該当するひでんマシンを入手する前でも、そのひでんわざを覚えているポケモンを通信交換で連れてくれば、すぐにでもそらをとぶやなみのりなどが使用できる。そのため、今作では「ひでんわざが使えるようになるまで次の町へは進めない」といったことがない。代わりに、ひでんわざとは無関係のイベントにより道が塞がっていて、1つ1つバッジを入手しないと次の場所へ行けず[7]、なおかつ殿堂入りするまでは1本線のルートのためバッジを無視して別経由で次のシティやタウンへ向かうこともできないため、他の本編に比較するとストーリーの進め方が限定される。
- どうぐの並び順
- 本作のみ持ってないどうぐを入手するとバッグの一番上に入る。
- どうぐが増えるとカーソル位置が上にずれるため、カーソル記憶に頼っていると予定と違うどうぐを使ってしまうことが起こり得る。なお、ブラック2・ホワイト2以降は古い順に戻った。
- おこづかいの上限
- 前作まではおこづかいの上限が999,999円であったが、9,999,999円に変更となった。
- トレーナー戦における道具の奪取について
- NPCトレーナー戦でどろぼうやトリックを使って道具を奪った場合、戦闘終了後に元のトレーナーに返却される仕様となった。きあいのタスキ等有用な道具を持つトレーナーも登場しているが、奪って持ち帰ることはできない。野生ポケモンの場合は従来通り永続的に奪取できる。
- 外国語で話す人物が登場
- これまではGTSの自己紹介でしか見ることがなかったが、外国語で話すNPCが登場した。
ブラックとホワイトの差異
- 登場する街が一部異なる。ブラックでは近未来的な雰囲気の都会ブラックシティ、ホワイトでは自然に囲まれたホワイトフォレストが登場する。
- 同一の街であってもバージョンでその雰囲気が異なる(ソウリュウシティ設計やBGM)。
- 出現するポケモンが異なる。たとえば、ブラックなら「バルジーナ」が、ホワイトなら「ウォーグル」が出現する。
スペック
ブラック
- 型番
- TWL-P-IRBJ
- 発売日
- 2010年9月18日
- 対応機種
- ニンテンドーDSおよび互換機(ニンテンドーDSi、ニンテンドー3DSのカメラ機能に対応)
- 新品価格
- 4,571円+税
- ROM容量
- 2Gbit(256MB)
ホワイト
- 型番
- TWL-P-IRAJ
- 発売日
- 2010年9月18日
- 対応機種
- ニンテンドーDSおよび互換機(ニンテンドーDSi、ニンテンドー3DSのカメラ機能に対応)
- 新品価格
- 4,571円+税
- ROM容量
- 2Gbit(256MB)
- 一部のBGM、SEはハートゴールド・ソウルシルバーのものを流用している。
あらすじ
詳細はポケットモンスター ブラック・ホワイト 攻略ページを参照のこと。
ブラック・ホワイトに関する総情報
- ニューヨーカーの反戦思想を取り入れたと、2011年1月号のダ・ヴィンチで増田順一が発言している。
- シナリオの制作期間はプロット込みで約1年半[8]。
- 旧世代ポケモンの図鑑説明は「ポケットモンスター プラチナ」のものが流用されている。
- 今作はひでんわざの重要度が低く[9]、いあいぎり(ゆめのあとちで1回だけ使う必要あり)のみでエンディングを迎えることも可能となっている。ジムバッジなしでひでんわざが使えるのもこの理由である。なお続編のブラック2・ホワイト2では従来のシリーズ通りひでんわざがないとストーリーが進められない場面が復活している。
- 一部のポケモンの進化レベルが非常に高く設定されている。今まではカイリュー・バンギラスのレベル55が最高であったが、今回はサザンドラのレベル64が最高であり、ウルガモスもレベル59での進化となっている。そのほか、レベル50台で進化するポケモンも多い。おそらく公式戦でフラットルールが採用されたのも理由の一つである。
- 日本版をプレイしていても、トレーナーのなかには英語、ドイツ語、スペイン語などの外国語で話す者がいる。
- 本作以降、戦闘中に何らかのとくせいの効果が発動した場合、とくせいの名称が書かれたバーが表示されるようになり、とくせいによる効果とわかりやすくなった(例:ふゆうのとくせいを持つポケモンにじめん技を放った場合、「<ポケモン>のふゆう」と書かれたバーが表示されて無効化する)。ただし、あまのじゃくなど、バーが表示されずに効果を発揮するものも存在する。
- 「ポケットモンスターブラック2・ホワイト2公式ガイドブック 完全ストーリー攻略ガイド」には「2年前の物語」として、ブラック・ホワイトのストーリーを物語風にまとめた文章が載っている。
スタッフ
ポケットモンスター ブラック・ホワイトのスタッフクレジットを参照。
音楽
ニンテンドーDS ポケモンブラック・ホワイト スーパーミュージックコレクションを参照。
各言語版での名称
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脚注
- ↑ 日本ゲーム大賞2011 > 受賞作品 > 年間作品部門、2022年9月22日閲覧。
- ↑ 日本ゲーム大賞2012 > 受賞作品 > 年間作品部門、2022年9月22日閲覧。
- ↑ 任天堂株式会社 主要タイトル販売実績、2022年7月28日閲覧。
- ↑ 一般財団法人コンピュータエンターテインメント協会『2023 CESAゲーム白書』、186頁。
- ↑ BW以前では7500円だった。
- ↑ 例えば現在PPが5のわざを忘れさせて10まんボルトを覚えさせた場合、その10まんボルトのPPは5/15となる。
- ↑ 本編お馴染みの最初のバッジ入手前の「ジムリーダーに勝利しないとこの先大変になる」があるのはもちろん、工事中であったりなどさまざまな理由で道が塞がれることとなる。なお、過去作と異なり、進捗により障害物が消えることがあり、人による通せんぼと異なりどこが進捗により解放されるルートであるか予測しにくい。
- ↑ » 「ポケットモンスターブラック・ホワイト」のつくりかた 2:ゲームフリークスタッフボイス (Webアーカイブ)
- ↑ ただし、ひでんわざを使用しないと行けない場所も少なからず存在するため、移動要員が不要になったわけではない。