ポケットモンスター ソード・シールド
ポケットモンスター ソード・シールド | |
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ジャンル | RPG |
プレイ可能人数 | 1人(対戦・交換など: 2〜4人) |
開発元 | ゲームフリーク |
発売元 | 株式会社ポケモン |
販売元 | 任天堂 |
発売/配信日 | |
日本 | 2019年11月15日 |
アメリカ | 2019年11月15日 |
オーストラリア | 2019年11月15日 |
ヨーロッパ | 2019年11月15日 |
韓国 | 2019年11月15日 |
香港 | 2019年11月15日 |
台湾 | 2019年11月15日 |
公式サイト | |
pokemon.co.jp(日本語) | |
ポケットモンスター ソード・シールドは、2019年11月15日に発売されたNintendo Switch用ソフトである。
概要
ポケットモンスター サン・ムーン以来の完全新作である。舞台はガラル地方。2019年2月27日のポケモンダイレクトで発表された。
初週の売上本数が136.5万本を記録し、Nintendo Switch用ソフトの初週販売本数として歴代1位(当時)となった[1][2]。世界売上は2021年12月時点で2390万本[3]、2022年3月時点で2427万本[4]、2022年6月時点で2450万本[5]、2022年9月時点で2537万本[6]、2023年3月末時点で2582万本[7]、2023年6月末時点で2592万本[8]、2023年9月末時点で2602万本[9]、2023年12月末時点で2617万本[10]、2024年3月末時点で全世界2627万本[11]、2024年6月末時点で全世界2635万本[12]。日本での出荷本数は2022年12月時点で595万本[13]。
シリーズ本編で初めてとなる、既存のポケモンや技の中にデータ自体が存在しないものがあるソフト。後にバージョンアップによって一部が追加されたものの、すべてのポケモンや技が使えるわけではない。これに対し巻き起こった反対運動について、英語版公式サイトでは増田順一のメッセージが掲載され釈明が行われている[14]。
2020年1月10日よりシリーズ初となる追加ダウンロードコンテンツ『エキスパンションパス』が発売された[15]。2020年11月6日にはエキスパンションが最初から同梱されている『ポケットモンスター ソード・シールド+エキスパンションパス』が発売された。
『ファミ通』クロスレビューは40点満点中38点[16]。「日本ゲーム大賞 2020」優秀賞・ベストセールス賞・グローバル賞 日本作品部門を受賞[17]。
新要素・変更点
本作は本編の完全新作の中で初めてのNintendo Switchソフトであるため、これまでの完全新作以上に様々な変更点が存在する。そのため、新要素・Let's Go! ピカチュウ・Let's Go! イーブイとの比較・ウルトラサン・ウルトラムーン以前との比較で分ける。
新要素
- ダイマックス
- 特定の場所の対戦でほとんどのポケモンがダイマックスと言う現象が起き、強力な力を手に入れることができる。中には姿やわざがまるっきり変わるキョダイマックスもある。
- ワイルドエリア
- ガラル地方南部に広がる、野生ポケモンが多い大平原。YY通信に対応し、マックスレイドバトルなどもできる。
- マックスレイドバトル
- 通信で募集した4人でダイマックスポケモンを倒す。人数が集まらなかった場合はコンピュータがサポートに入る。
- ポケモンキャンプ
- ポケモンとおもちゃで触れ合ったり、カレーライスを作ったりできる。
- 追加コンテンツの導入(エキスパンションパス)
- 本編作品では初となるダウンロード形式の追加コンテンツが配信され、購入後のゲームにマップを追加して更なるシナリオをプレイできるようになった。
ウルトラサン・ウルトラムーン以前からの変更点
- 対戦用のポケモン育成の難易度減少
- 以前は努力値を252(限界)まで振るには100に達したらポケモンとの戦闘やスパトレなどを使うしかなかったが、今作では限界までえいようドリンクで努力値が振れるようになった。またミントの登場により性格の厳選の必要性も減少した。すごいとっくんは引き続き存在する。
- 預かり屋に同種のポケモンを預けるとタマゴわざを後天的に覚えることができるようになった。
- 進化前でのみ覚えられるわざがほとんど思い出せるようになる
- しんかのいしで進化したポケモンが進化前に覚えられた技をわざおもいだしで思い出せるようになった。その他進化前でのみ覚えられる技というものが少なくなり、技構成を気軽に変更しやすくなった。
- 進化前の技を全て思い出せるようになったわけではなく、たとえばルリリは進化するとはねるを思い出せなくなる。
- わざおもいだしが無償になった
- 前作まではわざを思い出すのにはハートのウロコを特定の人物にあげる必要があったが、本作では各地のポケモンセンターにいる喫茶店の男性から無料でわざを思い出させてもらうことができる。一方で現在のレベルより習得レベルが高い技を教えてもらうことはできなくなった。
- 一部ポケモンの進化法の変更
- リーフィアなどをはじめ、一部のポケモンの進化方法が変更された。場所による進化がアイテムによる進化に変更された。後述するなつき度がなかよし度に統合されたことによる変更もある。
- 連れて行けるポケモンの制限
- ウルトラサン・ウルトラムーンまでは旧作のポケモンもデータが収録されており旧作から転送することで使用することができたが、今作ではポケモン数の増加なども考慮され、ガラル図鑑に載らないポケモンは一部しか収録されていない。したがって、Pokémon HOMEが登場し第七世代以前のポケモンが連れていけるようになっても転送できないポケモンが存在する。上記のエキスパンションパスの配信に伴うバージョン更新により、エキスパンションパスを購入していないプレイヤーでも対応するポケモンを連れていけるようになる。
- ガラル図鑑に載っているポケモンのすがた違いは、ソード・シールドで直接入手不可能な種類も含めて全て転送可能で、対応する図鑑説明も用意されている。
- 本作に送れるポケモンはシナリオクリア前であっても過去作からPokémon HOMEを介して送ってくることは可能。
- 一部の技が未登場
- めざめるパワーなど、第七世代までに登場した一部の技が登場しない(わざ一覧 (第八世代)#使用できないわざ参照)。そのような技を覚えているポケモンを技のフラグを維持したままソード・シールドに連れてくることができるが、技を使うことはできない。未登場技を覚えているとゲーム上ではその技がグレーアウトした状態で表示される。
- メガシンカ・Zワザの消滅
- メガシンカ・Zワザのシステムが無くなり、これらに関するアイテムも入手できなくなった。
- なつき度の、なかよし度に統合吸収される形での廃止
- なつき度で進化するポケモンはなかよし度で進化するようになった。カンポーやくはなかよし度を下げる効果になった。
- ポケモングローバルリンク廃止・レーティングバトル廃止
- 第五世代より続いてきたPGLが廃止された。ハードがSwitchに移行し、ゲーム機本体の性能が向上したことや、外部ユーティリティとの連動機能が充実したことに伴うものである。PGLの廃止と共にレーティングバトルのシステムも見直され、代替としてランクバトルというものが登場した。
- GTSの機能をPokémon HOMEに移行
- GTSの機能がオミットされ、クラウドストレージを兼ねた外部ユーティリティのPokémon HOMEを介するようになった。
- パッケージ伝説入手の前に第三の伝説のポケモン入手
- これまでのシリーズではパッケージに載った伝説のポケモンと戦闘した後でないと第三の伝説は入手できなかったが、今作では先に第三の伝説であるムゲンダイナを捕獲するストーリーになっている。パッケージ伝説のザシアン・ザマゼンタはエンディング後に入手する。
Let's Go! ピカチュウ・Let's Go! イーブイからの変更点
- 野生ポケモンとの戦闘形式の変更
- ピカブイではJoy-Conを使ってモンスターボールを投げることで戦闘していた(Pokémon GOに近い戦闘)が、今作はウルトラサン・ウルトラムーン以前の仕様に戻っている。
- わざの性能の変更
- ゴッドバード・すいとる・ソーラービーム・メガドレインの威力とPPはウルトラサン・ウルトラムーン以前の仕様に戻った。テレポートの仕様のみソード・シールドでも続投する。
発売までの経緯
- 2019年2月27日 - ポケモンダイレクトにて発表。舞台のガラル地方や、御三家のサルノリ・ヒバニー・メッソンが公開。
- 2019年6月5日 - ポケモンダイレクト公開。
- 2019年6月12日 - 増田順一が「モデリングが納期に間に合わないためガラル図鑑に載らないポケモンはデータ自体が用意できない」という趣旨の発表を行った。
- 2019年7月8日 - 新ポケモン「マホイップ」「ワンパチ」「タンドン」「ジュラルドン」、新要素「キョダイマックス」、登場人物の「ローズ」「オリーヴ」「サイトウ」「オニオン」の情報が公開。
- 2019年7月12日 - 予約の受付を開始。予約者用公式ファンクラブ「ポケモンひみつクラブ」活動開始。
- 2019年8月7日 - 新ポケモン「モルペコ」「タチフサグマ」、ガラルのすがた及びガラルのすがたのマタドガス、ジグザグマ、マッスグマ、新要素「ポケジョブ」、組織「エール団」、登場人物の「ビート」「マリィ」の情報が公開。
- 2019年8月16日 - マックスレイドバトルで隠れ特性のポケモンを入手できること、新要素「バトルスタジアム」、新道具「ルームサービス」「だっしゅつパック」の情報が公開。
- 2019年9月5日 - Nintendo Direct 2019.9.5にて、新ポケモン「ウッウ」「ポットデス」、新要素「ポケモンキャンプ」、「リーグカード」の情報が公開。
- 2019年9月13日 - 新ポケモンの情報が公開。ただし、姿や情報の一部がモザイクで伏せられており、名前も「?????????」になっていた。
- 2019年9月18日 - 情報が伏せられていた新ポケモンの正体が「ネギガナイト」と判明した。
- 2019年10月9日 - ガラルのすがたのポニータの情報が公開。
- 2019年10月16日 - キョダイマックスのすがたのリザードン、バタフリー、ピカチュウ、ニャース、イーブイの情報が公開。
- 2019年11月6日 - 新要素「おまかせレポート」、新道具「ミント」「けいけんアメ」の情報が公開。
バージョン情報
バージョン | 配信日 | 公式の変更 | その他の変更 |
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1.0.0 | 2019/11/15 | - | - |
1.1.0 | 2020/1/10 |
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1.1.1 | 2020/3/18 |
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1.2.0 | 2020/6/17 |
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1.2.1 | 2020/7/8 |
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1.3.0 | 2020/10/23 |
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1.3.1 | 2020/12/22 |
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1.3.2 | 2021/5/12 |
スタッフ
ポケットモンスター ソード・シールドのスタッフクレジットを参照。
音楽
Nintendo Switch ポケモン ソード・シールド+エキスパンションパス スーパーミュージック・コレクションを参照。
備考
- ソード・シールド各バージョンのメインカラーはソードはシアン、シールドはマゼンタとなっており、ゲーム内で見られるガラルマークもこの2色で構成されている。これらは従来作のようにゲームタイトルに使われてはいないが、伝説ポケモンの「ザシアン」と「ザマゼンタ」の名前の由来になっている。
- マイナーチェンジ版は発売されず、ダウンロードコンテンツ『エキスパンションパス』で購入済みのソフトにシナリオや登場ポケモンを追加する形式になった。
- 準伝説ポケモンは本編では登場せず、エキスパンションパス『鎧の孤島』で初めて登場した。
- 御三家は進化しても複合タイプが付随しない。第二世代以来となる最終進化系まで単タイプの御三家である。
- 最終進化の御三家の名前が全て6文字となったのは本作が初である。
- これまでのシリーズでは販売前に新ポケモンをゲーム情報、アニメなどのメディア問わず多く公開していたが今作では「ゲームプレイを通して新ポケモンを知ってほしい」という観点から公開される量が絞られており[18]販売前に公表されることが定番だった伝説のポケモンのタイプおよび特性も発売するまで伏せられていた。
- これに加え「今作に登場しない(または追加されない)ポケモンも他ゲームや様々なメディアで登場、活躍させる」ことをスタンスにしていたため発売前および発売直後は、ゲーム雑誌やセブンイレブンフェアのキャンペーンイラストなど一部の商品を除いてガラル御三家とザシアン、ザマゼンタに絞られており逆にソードシールドに登場しない既存ポケモンは玩具や商品に数多く登場している。
- これまでのようにマイナーチェンジ版を発売するのではなくダウンロードコンテンツによりデータを追加する方式が取られたことについて公式は「過去作では、新バージョン発売時にポケモンをゼロから集め直したり育て直さなければいけなかった」と言及し「これまでの作品では、ポケモンそのものを旧作から新作へと移動させることは可能とはいえ、新しい主人公と物語を始めれば、体験のリセットは免れなかった」とマイナーチェンジ版方式のデメリットを挙げた[19]。
- ソード版のタイプ:ヌルのポケモンずかんの説明から、サン・ムーン、ウルトラサン・ウルトラムーンより後の時系列であることが仄めかされている。
- 「ソード・シールド」というタイトルについて、大森滋は一般的なRPGの象徴である「剣と盾」と虫取りなどの日常の延長線にある冒険を描いた「ポケットモンスター」シリーズのミスマッチを出したかったとしている[20]。
- ストーリー終盤で伝説のポケモンが主人公の味方をするが、そのまま捕獲される展開にはならないという点について、大森はこれまでのシリーズで終盤に伝説のポケモンが手に入るとそのまま手持ちを入れ替えてしまうプレイヤーが多く、それを避けるためとしている。また、主人公のポケモンがライバルのポケモン、伝説のポケモン2匹と共闘してムゲンダイナと戦うという展開にするためにマックスレイドバトルの仕組みを利用したとしている[20]。
- 発売前に未出版の公式ガイドブックの情報をリークしたとして、アメリカの印刷会社の社員が株式会社ポケモンに訴えられ、15万ドル(約1500万円)の示談金を支払うことで示談に至ったと報じられた[21]。
- Let's Go! ピカチュウ・Let's Go! イーブイ、ポケモンクエストとの連動特典がある。前者のセーブデータがあればキョダイマックスできるピカチュウとイーブイを受け取ることができる。いずれもセーブデータがあればリーグカードで使用できる背景とフレームが増える。
各言語版での名称
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脚注
- ↑ 『ポケモン ソード・シールド』発売3日間で136.5万本販売! Switch&Liteは国内累計1000万台突破! ファミ通 2019.11.20 13:30(2019年11月24日閲覧)
- ↑ 『ソード・シールド』が更新するまでは『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』の123.8万本が歴代1位であった。なお、この『ソード・シールド』の記録は、2020年3月に発売された『あつまれ どうぶつの森』の188万本に更新されている。
- ↑ 任天堂株式会社 主要タイトル販売実績(2021年12月時点)
- ↑ 任天堂株式会社 主要タイトル販売実績(2022年3月時点)
- ↑ 任天堂株式会社 主要タイトル販売実績(2022年6月時点)
- ↑ 任天堂株式会社 主要タイトル販売実績(2022年9月時点)
- ↑ 任天堂株式会社 主要タイトル販売実績(2023年3月時点)
- ↑ 任天堂株式会社 主要タイトル販売実績(2023年6月時点)
- ↑ 任天堂株式会社 主要タイトル販売実績(2023年9月時点)
- ↑ 任天堂株式会社 主要タイトル販売実績(2023年12月時点)
- ↑ 任天堂株式会社 主要タイトル販売実績(2024年3月時点)
- ↑ 任天堂株式会社 主要タイトル販売実績(2024年6月時点)
- ↑ 一般財団法人コンピュータエンターテインメント協会『2023 CESAゲーム白書』、186頁。
- ↑ A Message for Pokémon Video Game Fans | Pokemon.com、2019年6月28日掲載。
- ↑ シリーズ初!『ポケットモンスター ソード・シールド』の有料追加コンテンツの発売が決定! 本日より販売開始! _ トピックス _ Nintendo 任天堂(2020年1月10日閲覧)
- ↑ 『週刊ファミ通』1618号、2019年12月5日発売、KADOKAWA Game Linkage
- ↑ 受賞作品|日本ゲーム大賞、2022年9月16日閲覧。
- ↑ 『ポケモン ソード・シールド』先行プレイレビュー。シリーズ完全新作の手触りはどうなっている?【動画有り】 - ファミ通.com ファミ通 2019.10.25 11:00(2021年1月3日閲覧)
- ↑ 『ポケットモンスター ソード・シールド』では、なぜ3バージョン目の販売ではなくDLC方式がとられたのか。公式が回答 AUTOMATON -2020-11-12 10:51(By Minoru Umise、2020年12月2日閲覧)
- ↑ 20.0 20.1 「『ポケットモンスター ソード・シールド』公式クリエイターインタビュー」『ポケットモンスター ソード・シールド 公式ガイドブック 完全ストーリー攻略+ガラル図鑑』、2019年12月7日初版、元宮秀介&ワンナップ、404頁
- ↑ 『ポケットモンスター ソード・シールド』の情報を発売前にリークした人物、株ポケと1500万円相当で示談解決へ。工場でガイドブックの中身を撮影 | AUTOMATON、AUTOMATON、2021年6月23日配信(2021年6月24日閲覧)。