ポケットモンスター ルビー・サファイア
ポケットモンスター ルビー・サファイア | |
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ジャンル | RPG |
プレイ可能人数 | 1人 (対戦・交換など:2〜4人) |
開発元 | ゲームフリーク |
発売元 | 株式会社ポケモン |
販売元 | 任天堂 |
発売/配信日 | |
日本 | 2002年11月21日 |
アメリカ | 2003年3月19日 |
オーストラリア | 2003年4月3日 |
ヨーロッパ | 2003年7月25日 |
公式サイト | |
pokemon.co.jp (日本語) | |
pokemon.com (英語) |
ポケットモンスター ルビー・サファイアとは、株式会社ポケモンが2002年11月21日に発売したゲームボーイアドバンス用ゲームソフト。
概要
ポケットモンスターシリーズにおけるゲームボーイアドバンス最初の作品である。完全新作としては金・銀から約3年ぶりに発売されたもので、いわゆる世代としては第三世代にあたる。本作の開発は2001年3月7日に発表され、その当時から2002年発売が告知されていた。
対応ハードの変更等に伴い、前作までと比較し様々な要素が変化している。バトルシステムにおける代表的な例としては、ダブルバトルなどの新バトルシステムの追加、せいかく・とくせいの追加、努力値・個体値のシステムが大幅に変更されたことが挙げられる。これにより各ポケモンの育成方針や、バトルでの利用方法が大幅に変化することとなった。
GBA版はそのプロトコル上の理由により、GB版と通信ができなくなった。そのためルビー・サファイアで出現しない過去作のポケモンを手に入れるためには、ファイアレッド・リーフグリーン、エメラルドやポケモンコロシアム、ポケモンXDなどのソフトと通信交換することが必要である。なお、GBA版以降のポケモンは間接的で一方通行ではあるが、第九世代まで(第七世代までは全てのポケモンが送れるが、第八世代、第九世代では一部のポケモンのみ)通信で送ることが可能。
増田順一は製作のテーマとしてバトルに特化するのではなくポケモンコンテストなどの要素を通じて1種類ごとのポケモンの個性を出していくことを掲げ、杉森建はグラフィックをアニメや公式イラストに近付けつつ複雑な色や造形になり過ぎないように注意した[1]。
パッケージはルビーではグラードン、サファイアではカイオーガが描かれている。タイトル画面にもルビーではグラードン、サファイアではカイオーガがそれぞれ登場する。
本作のマイナーチェンジとして2004年にエメラルドが発売した。
本作のリメイクとして2014年にオメガルビー・アルファサファイアが発売した。
「第7回 CESA GAME AWARDS」優秀賞・ベストセールス賞を受賞[2]。
日本国内の出荷本数は2022年12月時点で540万本[3]。
主な変更点・新要素
詳細は各リンク先を参照のこと。
システム
- 過去作との互換性がなくなり、過去作から通信でポケモンを連れてくることができなくなった。
- わざ、アイテム、ポケモンの種類が増えた。
- ダブルバトルのシステムが追加された。
- とくせいが追加された
- ステータスの算出方法が大きく変化した。
- 新しい遊び方としてポケモンコンテストが加わった。
- それに関連して、ポロック作りという協力プレイ型のミニゲームが用意された。
- やりこみ要素としてリボンの追加。本作から最新作にまで引き継がれる。
- ポケモン預かりシステムの大幅改善。セーブを挟まずに複数のボックスにアクセスでき、ポケモンのアイコンによって1ボックスの中身が1画面で表示できるようになった。
- プレイヤーのステータスを表すトレーナーカードが登場。条件を満たすと色が変わり、星の数が増える。
- 新しいてんきのあられが登場。
- わざマシンの見直し。
- きのみのシステムが大きく変わり、きのみを自分で植えて育てて増やすようになった。
- ルビー・サファイアのゲーム中には200体のみのポケモンしか出現しないとされた[4]ホウエンずかんが、後に発売されたファイアレッド・リーフグリーン・エメラルド[5]との通信交換でホウエン図鑑外のポケモンを初めて受け取ることによってぜんこくずかんにパワーアップされることが判明した。これらソフトとの通信により、それまでに登場した386種類全てのポケモンがデータとして登場・使用できるようになっている[6]。
- 今作より経験値や賞金がもらえないバトル(ここではバトルタワー)が通信を介さなくても、プレイができるようになった。
- ゲームキューブやカードeリーダー+といった外部ハードウェアや、イベント会場の機器との連動を前提としたふしぎなできごとという特殊な通信モードの追加。
- レコードを混ぜる、ポロックをつくるなどの対戦・交換以外の新しい通信の追加
- 海外版との互換性が確保され、お互いに通信プレイができるようになった。
- ただしいくつか軽微な問題や不自然な挙動が確認されている。
- 「」→‘’など文字化け
- 海外版の10文字のポケモン名・7文字のトレーナー名は日本語版で5文字までしか表示されない(内部的にはデータは保持されている)
- 同種のナゾのみが言語の違いで別扱いになる
- これもあってか、公式にはほぼ公表されていない[8]。本格的に宣伝するようになったのは第四世代になってからである。
- 第二世代までは互換性がなかったため、海外版との通信はデータを壊す可能性があった。
- ただしいくつか軽微な問題や不自然な挙動が確認されている。
演出面
- フィールド上でのポケモンが従来は簡易的なグラフィックだったが、今作からより鮮明に描写されるようになった。
- 能力値の変化で、上昇と下降のグラフィックが登場。
- アイテムのたべのこしやラムのみなどの発動時にエフェクトが追加。
- フィールド上において、今いるエリアに生息するポケモンの鳴き声が聞こえてくる。
- 水溜りや波などを通ると、効果音が鳴る。
- 砂浜などでは、1秒程度だけ跡が残り、徒歩では足跡、自転車では線となる。
その他
- 前作の金・銀では、パッケージに描かれていない方の伝説のポケモン(金ならルギア、銀ならホウオウ)は殿堂入り後に入手可能だったが、本作ではパッケージに描かれている伝説のポケモン(グラードンとカイオーガ)しか入手できない。代わりに初代におけるミュウツーのような立場のレックウザが殿堂入り後に入手できる。
- 過去作品では対戦時のテキストにおいて「てきの~」と表示されていたものが「あいての~」に変更された。また野生ポケモンは「やせいの~」になっている。
- 第二世代にあった一部のポケモンが一定確率で逃げ出す仕様は、徘徊系の伝説ポケモンおよびサファリゾーンのポケモンを除いてなくなった。
- ライバルが今までは上から目線であったり主人公を馬鹿にするような口調だったが、今作より温和な口調で友達に近い関係として描かれるようになった。ただし、「トレーナーとしては先輩」「負けるはずがない」と言い主人公と張り合おうとする描写は見られる。
- 変更点というよりはシナリオ自体の違いではあるが、金銀までのような性格のライバルは以降の作品ではほとんど見られなくなった。ただし、ライバルに相当する人物が複数いる作品では、相手を小馬鹿にするような言動を取る人物が登場する場合もある。
ハードなどのデータ
- ルビー
- 型番:AGB-AXVJ-JPN
- 発売日:2002年11月21日
- 対応機種:ゲームボーイアドバンスおよび互換機
- 新品価格:4,800円+税
- ROM容量:64Mbit(8MB)海外版は128Mbit(16MB)
- サファイア
- 型番:AGB-AXPJ-JPN
- 発売日:2002年11月21日
- 対応機種:ゲームボーイアドバンスおよび互換機
- 新品価格:4,800円+税
- ROM容量:64Mbit(8MB)海外版は128Mbit(16MB)
なぜか金・銀、クリスタルの一部のBGMがデータとして書きこまれている。
ルビー・サファイア間の違い
- 出現する野生ポケモンやその出現率が異なる。
- ポケモンずかんの説明文が異なる。
- ルビーはマグマ団が敵対として登場するのに対し、サファイアはアクア団が敵対として登場する。逆にルビーのアクア団、サファイアのマグマ団はその組織の目的を阻止するために主人公の味方になる。
- 登場する伝説のポケモンがルビーはグラードンであるのに対し、サファイアはカイオーガである。
- バージョン間で出現率が対になっているポケモンは以下の通り。左がルビーの方が高く、右がサファイアの方が高い、または片方にしか出現しない。(太字は片方にしか出現しないポケモン、斜体は進化前のみ両バージョンに出現するポケモン)
スタッフ
ポケットモンスター ルビー・サファイアのスタッフクレジットを参照。
音楽
GBA ポケモン ルビー&サファイア ミュージック・スーパーコンプリートを参照。
備考
- 隠しステータスや性格などのシステムが変更されたため、情報を持っているプレイヤーと持っていないプレイヤー間の育て方、対戦には大きな差が出るようになった。
- 発売から1年後に、ゲーム開始から実時間で365日が経過したプレイデータでは、カートリッジ内蔵の時計機能が正常に働かなくなるという不具合が明らかとなった(詳細はこちらを参照)。メーカーはこれを重く受け止め、ゲームソフトどころかソフトウェアのバグ対策としても異例の非常に大規模なキャンペーンを全国展開した。ポケモンセンターをはじめとした各種店舗では、バグ修正と同時に珍しい「チイラのみ」を持った色違いの「ジグザグマ」をプレゼントするなど、積極的なアップデートをプレイヤーに促した[10]。さらに後に発売された『ファイアレッド・リーフグリーン』[11]『エメラルド』には、この不具合を通信により修正する機能が付けられている。また、その環境がなくても、ポケモンセンターの店頭や、任天堂サービスセンターへの送付によって修復することができた。2016年9月に部品確保が困難となり修理対応を終了した[12]が、ソフトを使った修正は現在でも問題なく行える。なお、修正はセーブデータの一部を書き換えるだけなので、これによって今までのプレイデータが失われることはない。時計機能とセーブデータのエリアは別なので、時計機能が正常に働いていない状態では一部のイベントが制限されるが、その他のプレイに支障はない。なお、時計用内蔵電池が切れた場合は、任天堂サービスセンターで有償で電池交換を依頼することが可能だったが、現在では電池交換のサービスは終了しているため[13]、自分で交換するしかない。
- 時計用内蔵電池が切れていると、タイトル画面からスタートした直後に「でんちぎれの ために とけいが うごかなくなりました とけいに かんけいする できごとは おきませんが ゲームを つづけて あそぶことは できます」と表示される。
- このゲームのデータに、同じゲームフリークが手掛けたゲーム『クインティ』の敵キャラクターの「プランプ」のグラフィックが入っている。
- ルビー・サファイア・エメラルド・ファイアレッド・リーフグリーンの第三世代のみ、全386匹とは別に25体の空きデータが存在する。グラフィック正面・背面共に「??」。また、種族値は全てデオキシス(ノーマルフォルム)と同じ。
- 技のエフェクトの角度が対象となるポケモンによって異なる。例えばれいとうビームは浮いているエフェクトのチルタリスに向かって放った場合、着地しているエフェクトのボーマンダに向かって放った場合よりも急な角度のエフェクトになる。浮いているエフェクトのポケモンを倒した際に影が消える演出もある。これらの演出はエメラルドにも引き継がれたが、第三世代限定となっている。
- エンディングのスタッフロールには捕まえたことのある種族のポケモンのグラフィックが登場するが、色違いを捕まえたことがあるか否かは考慮されない。例えば、色違いのポケモンしか捕まえたことのないロムであっても、スタッフロールで表示されるポケモンは通常色のみである。また、捕まえたポケモンが一匹だった場合はそのポケモンだけしか表示されないことが確認されている。なお、最後に長時間表示されるポケモンは101ばんどうろで選択したポケモン(キモリ・アチャモ・ミズゴロウのいずれか)で固定。
- ダイヤモンド・パール・プラチナの内部データには、本作及びエメラルドのオープニングBGMが存在する。
シーケンスデータは殆ど全て同じだが、ルビー・サファイア・エメラルドとは楽器の配置が若干異なる関係でまともに鳴らないパートが複数存在する。[14]。 - このゲームには相当数の未配信の没リボンが存在する。中には、2003年の公式大会の構想があったと窺わせるものもある。
- 松宮稔展によれば、ストーリーの時系列としては赤・緑と同時期だという[15]。
各言語版での名称
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脚注
- ↑ 1-5 開発者よりみなさまへのメッセージ、任天堂マガジン・2002年11月号(No.52)、2022年12月26日時点のInternet Archive。
- ↑ CESA GAME AWARDS 受賞作品詳細、2022年9月16日閲覧。
- ↑ 一般財団法人コンピュータエンターテインメント協会『2023 CESAゲーム白書』、186頁。
- ↑ 改造ツールの利用や解析により、ルビー・サファイア発売直後に幻のポケモン2体ならびに従来の全ポケモンのデータが存在することが確認された。単体ではぜんこくずかんを完成させることができないにもかかわらずデータが用意されていたのは、のちに出荷される予定であったファイアレッド・リーフグリーン・エメラルドなどのルビー・サファイアでは登場しないポケモンの通信に対応するためと思われる。なお、後に発売されたソード・シールドではデータ自体が存在していないポケモンが存在し、これらは過去作品から連れてくることができない。
- ↑ 厳密には当ソフトの1年後に発売されたポケモンコロシアムにおいてホウエン図鑑外のジョウト地方のポケモンが入手可能になった。
- ↑ しかし、このように既存のポケモンを隠していた行為は、旧ポケモンを利用したいという需要に応えることができないため、改造ツール蔓延のひとつのきっかけとなった可能性がある。
- ↑ 第二世代でのふしぎなおくりものでは、ふしぎなおくりものをした相手1人のみとトレーナーハウスで戦うことができただけである。
- ↑ 増田順一のブログである増田部長のめざめるパワーの2004年8月6日付の投稿にて言及されている。
- ↑ この2匹に関しては、配布アイテムのむげんのチケットで行けるみなみのことうで野生で出現しない方が出現する。
- ↑ 『ポケモン ルビー・サファイア』を修正して「ジグザグマ」をゲット! | インサイド
- ↑ 「ポケットモンスター ルビー・サファイア」の不具合が「ファイアレッド・リーフグリーン」で修理可能に - GAME Watch(インプレス) (2004.01)
- ↑ きのみの成長に関するご案内 (任天堂) (2003.12)
- ↑ 【その他】バックアップ電池が内蔵されたゲームソフトの電池交換修理はできますか? (2021年9月20日閲覧)
- ↑ ポケットモンスターダイヤモンドパールプラチナ 未使用曲集 Pokémon Diamond/Pearl/Platinum Unused Music leon yammar 2016/02/01 (YouTube、2021年3月22日閲覧)
- ↑ マツミや [@matsumiyan] (2014年5月7日). "赤緑≒RS→金銀≒DPPt→BW→BW2≒XY" (ポスト). Xの2014年5月10日時点のオリジナルよりアーカイブ. 2023年8月20日閲覧。