ガオガエン/対戦
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ガオガエンの歴史
第七世代
ねこだましや一貫性の高いあくタイプの高火力専用Zワザが使えることから、隠れ特性のいかく解禁前からある程度ダブルバトルでは評価されていた。SMリーグダブルバトルシーズン5で最終レート2010(4位)を達成したプレイヤーがガオガエンZ型を使用している。
USUMの教え技でははたきおとす・ばかぢから・けたぐりなどを獲得して攻撃の幅を拡げた。とくに(メガ)サーナイトの相性補完サポート役としていわゆる「サナガエン」を構成した。この2体は、USUMリーグシーズン7ダブルバトルで一時期ともに使用率ベスト30入りを果たしている。この頃のガオガエンはDDラリアット、フレアドライブ、ねこだましまでがテンプレートで、トレーナーの好みに合わせてまもる、クロスチョップ、はたきおとすなどが残り1枠に選ばれていた。2018年1月下旬に開催されたレート上位者がJCS2018ライブ大会に出場できるインターネット大会『2018 International Challenge January』(全国ダブル)では同じく隠れ特性解禁前にもかかわらずジュニアカテゴリ30位、マスターカテゴリ18位の使用率を記録。
その後、2018年に隠れ特性いかくの個体がポケモンバンクで配布されると、爆発的人気を獲得する。特性いかくとねこだましを両立する貴重な存在となった上、とんぼがえりによるいかくサイクル戦法にも対応していたことから、シングル・ダブルともに大注目を浴びた。とくにランドロスと組んでのいかく二段構えが流行し、ここにカプ・レヒレを加えたいわゆる「ランドガエンレヒレ」が鉄板となったほか、かちきゴチルゼルやかちきミロカロスの抬頭を促した。いかく解禁から3ヶ月ほど経過すると、フィラのみをはじめとした回復きのみを持たせた型が増え始めた。フレアドライブによる自傷できのみ回復圏内に入りやすい点が好相性であった。JCS2018以降、ガオガエン+カプ・レヒレ+カミツルギの組み合わせ、いわゆる「IFK」が流行。ガオガエン同士のねこだましの打ち合いに強くしつつバンギラスを上からけたぐりで叩くための、攻撃と素早さ全振りのようきとつげきチョッキ型も広まった。WCS2018マスターカテゴリではベスト8進出者中5人が使用しており、その内ベスト4進出者は全員使用していた。決勝戦では、いかくサイクルもさることながら、相手のみがわりメガゲンガーをバークアウトで突破して勝利に貢献した。
このように、いかく解禁を機にダブルバトル使用率1位を特等席としたものの、弱点が多い上に素早さが低いため対策手段は充実しており、トップメタのポケモンとしては良調整といえる。
いかくの強力さからシングルバトルでもそこそこ見かけるポケモンとなり、レート2000以上の上位構築に度々入るようになった。特にメガシンカ型でないヤドランをつるぎのまい+はたきおとすで突破できるのが大きい。受けループははたきおとすが有効なポケモンを中心としており、レート上位に挙がりやすい受けループに対して刺さりが良いということからガオガエンはレート上位を目指すならシングルバトルでも十分使えるポケモンと言える。
GSダブルでは全国ダブル以上に猛威を振るう。2018年9月に開催されたインターネット大会『アンリミテッドトライアル』(GSダブル)では、使用率1位を記録。同じくGSダブルのWCS2019がサンシリーズ、ムーンシリーズ、ウルトラシリーズとルールが移り変わっていくなかでも常に使用率一位を維持し続けた。JCSライブ大会、及び世界大会のマスターカテゴリではどちらもベスト8進出者中7人が使用とやはり圧倒的な使用率を記録している。型としては特殊耐久をひたすら高め、ゼルネアスのジオコントロール対策としてほえるを持たせた型が主流化。Zワザ、メガシンカ、ゲンシカイキ全てが解禁されたGSダブルウルトラシリーズではてんこがすめつぼうのひかりを流すポケモンとしての個性が生まれた。同ルールでは、あく技を撃ちたいウルトラネクロズマ、ルナアーラ、メガゲンガーがはたきおとすで落とせる道具を持っていないことから、DDラリアットやバークアウトの使用が目立つ。伝説枠でもメガシンカ枠でもないガオガエンは早期に失っても痛手が少ないポケモンとして積極的に捨てるような立ち回りが見られた。逆に言えばガオガエンは狙われにくいとも言え、最後に残ったお互いのガオガエン同士でとんぼがえりを撃ち合うのもこのルールではよく見られた光景である。
第八世代
発表は一切無かったが、データ上に存在している事が判明。その後、2020年2月12に配信されたPokémon HOMEにより、解禁された。新たにわざレコードでインファイトを獲得した。タマゴわざとしてはすてゼリフを習得している。登場当初から使えたDDラリアットはダイマックスわざによるランク補正上昇への対策になる。一方、かつての専用技であったそのDDラリアットは多くのポケモンに大安売りされている。また、ねこだましがダイマックスポケモンに効かない、はたきおとすが没収された、仕様変更によりいかくを無効化する特性が増えた、など弱体化した面も存在する。
ガオガエンがランクバトルで解禁されたシリーズ3シーズン4シングルバトルでは、キョダイラプラス対策としてドラパルトの特性の主流がすりぬけに移行したため、ドラパルトが有利対面になった。また、ミミッキュやカビゴンもいかくを入れれば怖くなく、とつげきチョッキ型なら特殊型ドラパルトも見ることができる。このシーズン流行の型としてはおにびサポーターとしての毛色が目立った。音技が環境に多くなったためじごくづき型も一定の需要を得るに至った。この世代のポケモンの中では独特の耐性をしており、サイクルを回して発動機会にありつくことができるため、混乱木の実型の需要も依然根強い。
つるぎのまいで攻撃を積み、アクロバットをダイジェット化して素早さを積む構成のいのちのたまAS振りアタッカー型もこの世代に成立。
すてゼリフを獲得したことから上からすてゼリフを放って交代するだけのこだわりスカーフ型も確立を見た。すてゼリフこだわりスカーフ型で起点を作り、とつげきチョッキマジカルフレイムニンフィアでキョダイラプラスを処理するというのはシリーズ3シーズン4における戦術として考慮された。ただし、ガオガエン自体特性がいかく一択である事からかたやぶりドリュウズに素早さ判定されてこだわりスカーフを見抜かれるのが欠点。それでも、インファイトや一致メインウエポンのおかげでこのこだわりスカーフ型をアタッカーとして運用することが可能。尤も、こだわりスカーフ最速型の実数値184は準速ドラパルトの194に及ばないため、ひかえめ特殊アタッカードラパルトにりゅうせいぐんを撃ち込まれるケースはマズい。
とつげきチョッキ型の場合、技構成は一例として、フレアドライブ、DDラリアット、かわらわり、とんぼがえり、というものがある。かわらわりはキョダイセンリツ対策として使われる。
ガオガエンのいかくとおにび、とんぼがえりで起点を作り、たべのこしドラパルトでみがわりを貼りつつりゅうのまいを積んで全抜きを狙う「ドラパガエン」も強力で、シーズン4最終2位構築にもこのコンビが使用された[1]。
シーズン6になるとすてゼリフ、とんぼがえりを活かしたクッション以外の役割が無いことから数を減らした。
ただ、シーズン7にリベロエースバーンが解禁されると一致とびひざげりを抜群で受けることからあくが邪魔になり出し、ウインディと入れ替えるケースもまま見られるようになった。
シーズン7途中でしっとのほのおを獲得し、同シーズン最終100以内の構築としてのんきしっとのほのお型がそこそこ報告された。しっとのほのおは主につるぎのまいミミッキュ、アーマーガア、リベロによりほのお以外のタイプとなったエースバーンへの対処として役立つ。このシーズンに流行したスピンロトムとの相性補完を活かした「ストムガエン」も一定数確認され、スピンロトムのボルトチェンジとガオガエンのすてゼリフでサイクルを回す型も確認された。
しかし鎧の孤島で天敵のマリルリ、ウーラオスが解禁され、他にドラミドロ、ハピナス、ポリゴン2、ジバコイルなどの特殊型が環境に進出すると立場は一変。いかくを持つほのお枠として役割を持てなくなった。特にタイプにあく持つことでマリルリのばかぢからやウーラオスのかくとうウエポンが受からなくなり、ここに来て本格的にあくが邪魔をするようになった。これにより、Pokémon HOME配信開始以降守り抜いた使用率ベスト30の座をシーズン8で手放すことに(最終39位)。
この世代のシングルバトルではミミッキュ、ドラパルト、ギルガルドなどゴーストの物理アタッカーが役割対象として目立つ。物理耐久に長けるガオガエンにとって環境的な追い風となっている。
ダイマックスわざのダメージを軽減しつつ混乱木の実の発動タイミングを調整するためのまもるを採用した型も一定数存在しており、シーズン9の最終3位構築もまもるフィラのみ型を採用していた。
主流技構成は、DDラリアット、フレアドライブ、おにび、とんぼがえり/すてゼリフ。解禁当初はこの世代におけるガオガエンでのサイクルの回し方が確立されておらず混乱木の実の発動条件を満たしづらかったためかオボンのみ型が主流であったが、シーズン6あたりからフィラのみ型が増加。
素早さ調整に関しては、性格を素早さ下降補正にした上で個体値を22か23に調整することで、なるべく後攻ですてゼリフを放てるようにしつつ無振りカバルドンを抜いて上からちょうはつを浴びせることができるようにした型が一定数存在する。
ダブルバトルでも定番ねこだまし要員として前世代と変わらずに使われる。ただ、シリーズ3シーズン4には自身と同時期に解禁されたフシギバナがようりょくそによる素早さ上昇を活かしてねむりごなを無造作に放ってくるケースがそこそこ多くなったため、ぼうじんゴーグルを持たせないと低い素早さが祟って上からねむりを撒かれて足手まといになるというケースが目立った。この世代では素早さに努力値を36振って残りをHPと特防に236ずつ振ったしんちょう型がメインであり、ガオガエン同士のねこだましの打ち合いに強くなるようにそこから耐久を削って素早さのいたちごっこをするプレイヤーもいる。WCS2018期に一定数存在した前述のようき最速とつげきチョッキ型はインファイトの獲得により強化を受けている。シーズン5辺りになるとドサイドンやドリュウズを見るためのシュカのみ型が目立つようになった。
ただ、シーズン6あたりになると、まけんきウォーグル、かちきミロカロスで徹底的に包囲され、ミロカロス、アシレーヌ、ドサイドン、ドリュウズなどに一致で抜群を取られることが目立っていったため、1トップとは言い難い状況となった。汎用性の高いいかくサポーターではあるものの、選出しないケースも珍しくなくなった。
鎧の孤島期にはゴリランダーにとつげきチョッキの枠を譲ることが多くなり、しんちょう型が性格の2番手となり1番手はいじっぱり型となった。
『ポケモン日本一決定戦2020』王者決定戦マスターカテゴリベスト4進出者全員が使用していた。優勝パーティにエントリーされていたのはイトケのみ型であった。
竜王戦ルールで行われたシリーズ8ではトップメタとなり、シーズン15ではカイオーガが使用率8位を記録した中で使用率1位を記録。この頃の環境では、ガオガエンのねこだましでレジエレキやゴリランダーなどの上からカイオーガを叩くメタポケモンを通す構築が主流である。
一般的な育成論
数少ないほのお・あくの複合タイプを持つポケモン。高い攻撃を持ち、耐久面も高めだが、素早さは低い。性格をいじっぱりにして、物理アタッカーに育成するとよいだろう。
通常特性のもうかは、耐久は高めなので発動はさせやすいが素早さの低さが仇となり維持しながら戦い続けるのは難しい。もしもうかを維持しつつ戦いたいなら、カプのフィールドメイカー特性とシード系アイテムの組み合わせによって耐久を底上げしつつビルドアップを積む、みがわりで上がったHPを削るなどの工夫が必要。
一方、隠れ特性のいかくは優秀な耐久から生かしやすい。とんぼがえりも覚えるため、攻撃を繰り返し下げられる点でもかなり優秀な部類である。「(特性)いかく+(技)ねこだまし+(技)とんぼがえり」のコンボができる唯一のポケモンであるのも大きな魅力。
専用技としてDDラリアットがある。あくタイプの技としてはスタンダードな威力80でありながら、相手の能力変化に関係なく攻撃できる効果を持ち防御や回避率のランク上昇を気にせず使える優秀な技である。また、ガオガエンZを持たせると専用Zワザハイパーダーククラッシャーを使用することが可能で、タイプ一致ボーナスを含めて威力270の強烈な一撃となる。
攻撃技の候補としては他にもフレアドライブ、げきりん、じしん、クロスチョップなど多彩。下記変化技とあわせてドレインパンチやきゅうけつでの回復戦法も可能。なお、ストーンエッジやいわなだれといったいわタイプの技は覚えない。
特殊通常火力はオーバーヒート、あくのはどう、きあいだま、だいもんじ、かえんほうしゃ、しっとのほのお、ねっさのだいちと一通り存在する。ダブルバトルで考えるならいかくを受けた時のことを考えて、交代戦術と相性の良いオーバーヒートを仕込むのも悪くない。
変化技の候補としては、おにび、ビルドアップ、つるぎのまいなどが挙げられる。自身の素早さが低いことから対面で上から積むのは簡単ではないので、いかくや複合タイプを活かしてサイクルを回すことで相手の交代の隙に積むのが重要。
特攻はそれほど高くないが、わるだくみを遺伝で習得できるので、それを併用した特殊型としての採用もあり。その場合攻撃技はだいもんじ、かえんほうしゃ、あくのはどうをメインに、きあいだまやめざめるパワーなどをサブとして入れたい。バークアウトで相手の特攻を下げて特殊方面を受けやすくするのもよい。特殊型の利点として、フレアドライブを使わないのでHPを温存しやすいというものが挙がる。
もちものはねこだましを打ってからとんぼ返りで帰還、いかくを繰り返す戦法の補助として耐久をあげるとつげきチョッキが好まれる。変化技をいれる場合はフィラのみなどの混乱木の実か。
めざめるパワーに関しては、物理型だと技の枠がカツカツになりがちであり、ダブルバトルだと味方のミロカロスなどでこおりタイプの攻撃手段を元々用意できるため、シングルバトル用の特殊型に採用することが適切である。
サン・ムーンの新技じごくづきは、威力こそDDラリアットより低いが、苦手とするむしのさざめきやフェアリースキンによるハイパーボイスなどを2ターン封じる事ができる(前述の技はタイプの関係で弱点ではないが、威力が高めなので封じる効果は優秀)。アシレーヌのうたかたのアリアにも有効だが、相性上基本的に不利なので相手はしない方が無難。
なお、ダブルバトルでは、ガオガエンとの相性を考慮してパーティを組むと素早さが足りなくなりがちであり、ハマる素早さラインが広がってしまうこともある。
ニャヒート
基本はガオガエンに進化させてから使うものだが、敢えてニャヒートのまま使う場合ガオガエンより高い素早さをこだわりスカーフで増強した型が考えられる。
特性に関して言うと、アタッカーだと種族値的にバクフーンの劣化になる[2]のでもうかは論外。いかくだと比較対象として同じほのお単タイプのウインディが立ちはだかるが、ねこだまし、とんぼがえり、ちょうはつ、すてゼリフで差別化しよう。
性格はおくびょうがメイン。これは通常火力無し、ないしほのお4倍弱点持ち向けのオーバーヒートのみが前提となるためである。
脚注
- ↑ 【剣盾S4使用構築】ドラパガエンミトム鬼火コントロール【最終2位】 - 日本の伝統調味料
- ↑ 厳密には攻撃の種族値でニャヒートの方が1勝るが、誤差の範囲である。