パルシェン/対戦
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パルシェンの歴史
第一世代
タイプ一致で放てるふぶきやこおりタイプで唯一覚えられただいばくはつ、特殊が85あり特殊技にもそこそこ強かったなど、それなりの実力を持ち合わせていた。種族値は第二世代基準で換算すると合計が565だったポケモン。しかしこおりタイプやみずタイプにフリーザー、スターミー、ルージュラ、ラプラスとライバルが多く、通常環境ではあまり高くない特殊や素早さなどから敬遠されてあまり活躍しなかった。サンダースあたりに簡単に落とされるのもマイナス。そもそも防御に無駄に偏っており、HPの低さから物理耐久はサイドンの方が上だった。
98カップでは対戦ツールがポケモンスタジアムに変わったこともあってふぶきが実質的に弱体化、こおりタイプの優位性も薄れた。それでも99カップでは圧倒的な防御力から物理受け、およびこおりタイプとしてそこそこの需要があった。戦法としてはどくどく+からではさむのコンボが有名だった。
第二世代
特殊が特攻と特防に分かれたため特防が大幅に削られ、特殊耐久は何とフーディンの物理耐久以下とあんまりな仕打ちになってしまった(ちなみに防御の種族値はツボツボ、ハガネールの登場により全ポケモン中3位に下降)。ふぶきおよびこおり状態の弱体化、最高威力の拘束技からではさむの仕様変更なども痛い。とはいえみずタイプで唯一のだいばくはつの使い手である点は変わらず、そのだいばくはつが強化されたのは追い風。そしてこの世代で猛威を振るっていたガラガラに強いこともあり、対ガラガラでも特殊耐久及び火力でより優秀なスイクン、補助技が充実したくさタイプのナッシーやメガニウムに汎用性でこそ劣るものの、一定の活躍は可能であった。ともに理想個体という前提なら、ピンクのリボンを持ったレベル52パルシェンがレベル50カビゴンをだいばくはつで確定1発に仕留める。
とはいえ本格的に使われるようになったのは、クリスタルの発売後にまきびしを習得してからである。いわゆる「昆布」の始動要員として高評価された。それまでまきびし使いの代名詞であったフォレトスにHPと特防以外の種族値で勝る点もあって再び需要が高まり、ほえるライコウやサンダースとは互いの弱点を庇い合うため相性が良く、第一世代でリフレクターを覚えさせれば補助役としての性能に磨きがかかった。どくどくやまきびしを撒いて用が済めばこの世代で強化されただいばくはつで場から離しつつ相手に大ダメージを与えられるのも利点で、他にはこごえるかぜなどと、主にサポートとしての役割に回るようになり、その後にまきびしの対策としてこうそくスピンを覚えたスターミーが現われるなど、環境に大きな影響を与えた。まきびし使いとしてははがねタイプ対策のほのおタイプの技に強いのも大きかった。持ち物としては、低HP物理高耐久である点からおうごんのみとの相性が良かった。
第三世代
第二世代までとの互換切りによるリフレクターの消滅、努力値仕様変更によるさらなる特殊耐久の低下、エアームドのまきびし習得、フォレトスのリフレクター、ひかりのかべ獲得などライバルの強化が重なり、 これまでにない苦境に立たされることとなる。 物理受けとしてもバリアーを積まなければ弱点を突かれて簡単に倒されるようになった。特性シェルアーマーの獲得もむなしく、結果としては金・銀期と同様に使用率が激減。同じ防御種族値のボスゴドラが登場したが、タイプが違っているので差別化は容易。
第四世代
特性スキルリンク、どくびし、こおりのつぶてを獲得し、てっぺきを自力習得。それに加え、ガブリアス、ドダイトス、グライオン、マンムーに有利であったことから間接的に強化。ただしインファイトやばかぢから、ストーンエッジなど高威力の弱点の物理技の登場により、第三世代以上に物理技で突破される危険性が増した。HGSSでロックブラストを獲得したが、この世代では強化にはつながらなかった。
第五世代
きあいのタスキの仕様変更とからをやぶるの獲得によって一気に強化され、対戦環境でも十分戦える性能を手に入れた。単体性能の向上も然ることながら、起点役のキノガッサとの相性補完の良さに注目され、これにウルガモスを加えた積みサイクル「ウルガパルガッサ」が強力なパーティとして環境で活躍した。
ただ、特殊技に対するきあいのタスキはステルスロックで潰されるうえに、からをやぶるを積んだ後は先制攻撃技に弱くなるため、対策すれば何とかなるポケモンではあった。
BW期にはパルシェンでどくびしを撒いてから後続のけしんボルトロスでまもる+みがわりを繰り返す「パルボルト」が流行した。BW2期にはきあいのタスキではなくいのちのたまを持った、バンギラスに強い型が一定数使われた。これは、バンギラスとの対面ではすなおこしできあいのタスキが潰される上に、相手がHPに努力値252振りの防御に4振り程度ならいのちのたまを持てば確定1発にできたためである。
第六世代
先制技の蔓延、ファイアロー対策のステルスロックやでんきタイプの技、メガガルーラ対策の高火力かくとうタイプの流行などから、第五世代で見られた流行は終息。第五世代で獲得したぼうじんは仕様変更されたが、ぼうじんで流せるポケモンは大抵くさタイプのポケモンなので強化らしい強化にはなっていない。特殊技の威力が軒並み下方修正されているが、元々致命的に特殊耐久が低いパルシェンにはあまり影響がない。しかしからをやぶる読みでファイアローに交代されて返しにはやてのつばさ込みのブレイブバードで下がった耐久を狙い撃ちにされる恐れが大きくなったのはいかんともしがたかった。
PGLレーティングバトル統計データを見ると、この世代における技構成のテンプレはつららばり、ロックブラスト、からをやぶる、こおりのつぶてであることが分かり、持ち物はきあいのタスキやおうじゃのしるしが需要を伸ばしたが、ORASリーグでは高耐久の準伝説やメガシンカ勢を攻め切れない時のためにおうじゃのしるしでひるみを狙う戦略がメインになり、おうじゃのしるしがおおむね50%を超える採用率となった。性格は物理アタッカーの定番であるいじっぱりが最大母数となり、特性はスキルリンクほぼ一択となった。
第五世代に流行した「ウルガパルガッサ」は、キノガッサの枠がボーマンダに変わっており、どのポケモンからでも潰しを行える攻撃性とより優秀なタイプのポケモンに入れ替えたことによって増した耐久性を活かした「ウルガパルマンダ」が誕生した。
第七世代
登場以来トップメタに君臨するミミッキュの強さの源であるばけのかわに強いことからシングルバトルでは使用率が回復した。シーズン2ではいわゆる「押し付け能力」を持つポケモンの人気が高かったためレート戦シングルバトル使用率が17位を記録している。
相性補完に優れる新たな相方としてはカプ・テテフが登場しており、これはカプ・テテフで場を荒らしつつサイコフィールドを展開し、カプ・テテフが倒れた後はサイコフィールド状態の中でパルシェンのからをやぶるから制圧を行うという構築である。前提としてはカプ・テテフがサイコフィールド状態が終了する前にひんしになって退場する必要があるが、そのままカプ・テテフのサイコフィールドの補正が乗ったサイコキネシスで押せればまた美味しい。
ただ、シーズン4を境に、ギルガルドに対する攻撃の通りの悪さ、ガブリアスの使用率低下などを受けて使用率が低下。トップメタをひた走るミミッキュにきあいのタスキを搭載する分パルシェンにきあいのタスキを割く余裕がなくなったのも大きい。さらにUSUMではガブリアスの使用率がベスト30当落線上まで落ち込んだため、ガブリアスに対する潰しとして活躍する機会がますます減った。そんな中でもUSUMの教え技としてアクアブレイクを獲得している。USUMリーグシングルバトルではロックブラストをカットしてアクアブレイクを入れるケースも目立ってきた。
持ち物の二番手であるミズZはからをやぶる→ミズZ+ハイドロポンプによってギルガルドを突破するために使われる。これを行いたいがためにうっかりや両刀型にするケースもある。
時期によって攻撃と防御に努力値を厚く振って素早さに振らないいじっぱりミミッキュが流行していたため、きあいのタスキを持たせないなら無振りミミッキュ抜かれに調整しないときつい場合もあった。
シーズン13からからをやぶるを使って下がった防御のランク補正をバリアーで元に戻しつつ、上がった素早さのランク補正を活かしてからをやぶるを上から積むという構成が伸びていった。実際、シーズン13以降バリアーが搭載率ベスト10にランクインしている。バリアー型の場合、性格はわんぱく、持ち物はフィラのみがメイン。
こおりのいぶきは等倍でぜったいれいどは無効とオニゴーリに対する耐性は上々でロックブラストという弱点を突く手段はあるが、ムラっけオニゴーリへの対策としては完璧ではない。というのも、からをやぶるを積まなければHPに特化した個体がスキルリンク+ロックブラストを高乱数耐えするためである。
持ち物、特性無しで行われるピカブイの対戦では、きあいのタスキもスキルリンクもないのにもかかわらず火力と速度を同時に上げることができるからをやぶるがあるというだけでそこそこ使われるポケモンとしての立場を築き上げた。ピカブイでは連続攻撃技が事実上没収されているため、性格をひかえめかおくびょうにして特殊技を中心にするとよい。
第八世代
ミサイルばりを獲得。これにより、エスパー、あくへ攻撃がより通りやすくなった。ロックブラストを使えることからコオリッポ対策ができる1体として名乗りを上げ、つららばりできあいのタスキドラパルトを処理できることからも需要が拡大。もともと防御が非常に高いため、上からドラパルトにドラゴンアローを放たれてもからをやぶるを積む前なら安心して受けられる。きあいのタスキを持たせたいじっぱりパルシェンならからをやぶる→スキルリンク+つららばりにより対面でHP252振り・防御4振りでダイマックス状態のひかえめトゲキッスを倒せる。
ただ、一致ダイロックを受けると砂ダメージ込みできあいのタスキを潰されて確定1発となってしまうケースが多いためいわタイプには滅法弱くなった。いわタイプ以外にもパッチラゴンも苦手で、たとえばいじっぱりパッチラゴンのはりきり込みダイロック(ロックブラスト)はHP4振りいじっぱりパルシェンが最低乱数で103.9%のダメージ。
シリーズ3に入ってキョダイラプラスが解禁されたあたりから、単に同じ複合タイプの枠が取れないことから10位台をキープしていた使用率が20位台に低下。そうでなくともダイマックスすれば多くのポケモンがパルシェンの攻撃を十分耐えることができる。さらにダイマックスわざは連続攻撃技ではない点でパルシェンのスキルリンクとアンチシナジーであり、こうしたところからも使用率が下がってしまったのである。シーズン5には使用率ベスト30圏外になった。
その後冠の雪原期に入ったシーズン13になると、激増したサンダー、ミミッキュ、ウオノラゴンに強いことから再注目された。このシーズンは使用率55位を記録。ただ、冠の雪原で追加されたレジエレキは最速同士ならパルシェン側が1回からをやぶるを積んでも抜けないため天敵と言える。
一般的な育成論
高い物理耐久からからをやぶるで高速高火力アタッカーとなり、スキルリンクでつららばり・ロックブラストなどの連続攻撃技を放つことができるポケモン。第八世代のダイマックス環境では、相手のダイマックスのHP倍増によって耐えきれる場面が増え、こちらのダイマックスはスキルリンクとアンチシナジーと環境的には逆風。相手のダイマックスにこちらのダイマックスを合わせるなど戦略が重要となる。からをやぶる+スキルリンク+つららばり・ロックブラストはほぼ確実に相手に読まれる点、特殊アタッカーには滅法弱い点も注意。
特性は前述のとおりスキルリンク一択。他のシェルアーマー・ぼうじんは基本的に候補外。
攻撃技はスキルリンクの対象となる連続攻撃技のつららばり・ロックブラストは必須。この2つを半減で受けれるのははがねタイプまたはみず・かくとうタイプのみ。ミサイルばりも対象ではあるが範囲が微妙。その他アクアブレイク/ハイドロポンプ/なみのり、こおりのつぶて、どくづき、マッドショット、じばくなど。
補助技はからをやぶるは必須。からをやぶるで下がった防御を元に戻してさらに積む余裕を生むてっぺきも候補。元々低かったとくぼうが更に下がり、こちらはフォローすることが出来ないため、使用後の特殊技には注意すべし。
持ち物はきあいのタスキで特殊アタッカー相手でも1回積む機会を得ることができる。この場合、先制技に弱い点に注意。連続攻撃技と相性の良いおうじゃのしるし・するどいキバは、ひるみ無効のダイマックスの登場により採用率は下がった。また、あえてからをやぶるを採用せずこだわりスカーフで積むと見せかけて即攻撃することも可能だが、火力不足の点は注意。