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スイクン/対戦

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このページは、スイクンの対戦での扱い、および育成論を記述するところである。

スイクンの歴史

第二世代

主役ではないが、脇役で一応映画出演経験のあったスイクンは三犬の中では耐久に優れ、防御キングラー並の序列9位、特防スリーパー並の序列8位、HPもかなり高いので物理・特殊両面で硬く、みずタイプ故弱点も少ないため両受けとして極めて優秀。反面、火力面はイマイチで攻撃はやや低く、特攻は悪くはないが物足りず、素早さは平均並。ライコウエンテイ同様、徘徊伝説なので個体値厳選の難しさから不人気だったが、クリスタルの専用イベントでシンボルエンカウントになったおかげで、厳選が比較的楽になり人気が上がった。

攻撃技はなみのりハイドロポンプ)、れいとうビームミラーコートおんがえしだが、ハイドロポンプとミラーコートはポケスタ金銀ニンテンドウカップでは習得レベルの関係で使用できない。補助はほえるどくどくのろいあまごい、更にはねむる+ねごとができるだけの耐久も十分すぎるぐらいある。不足気味の火力を補強するあまごい型や、ねむねご型、のろい+ほえるの物理型の変わり種までいる。ウルトラカップ限定だが、ミラーコートがあればくさやでんきも返り討ちにできる。だが、めざめるパワーむしくさほのおでんき)がないと同じみずで止まりやすいのは単一みずタイプの宿命か。

ニンテンドウカップ2000全国大会決勝トーナメントでは使用されていなかったが、当時からどくどくを絡めた耐久型が使用されていた。攻撃性能と技のレパートリーではシャワーズに劣っていたが、耐久性能では勝っていた。カメックスオーダイルと異なり物理技に恵まれないため、単純なセミフルアタではそれらの劣化になりがちであった。性別不明なのでメロメロ無効という利点もあったが、同じことは複合タイプでありより技範囲の広いスターミーにも当てはまった。

第三世代

めいそうリフレクターを習得し、耐久にさらに磨きがかかった。みずタイプ高耐久仲間としてミロカロスが登場。ライコウエンテイと同じ理由でコロシアムでの厳選は困難を極めるため、ミロカロスやシャワーズに比べて使用率は低かった。みがわり+まもる+プレッシャーの組み合わせによる構成、いわゆる「ノイクン」がスイクンの主流であったが、こだわりハチマキを持たせたいじっぱりケッキングはかいこうせんを確定2発に抑えるには防御に性格補正を掛けた上で防御に努力値を全振りしてHPに132振りする必要があったためみがわりは必須であり、油断は禁物であった。素早さも実数値135以上が無ければ最速メタグロスに対して上からみがわりを張ることができないため、メタグロスに努力値配分を歪められた1体とも言える。

単体でも強かったが、カビゴン、スイクン、ライコウの3匹で耐久戦法を行う「カビスイライコウ」がこの世代では強力で、特にカビゴンとスイクンを突破する術がなければこの世代での対戦では安定して勝つことができないと言われていた。

第四世代

シングルにおいて、DPではさいみんじゅつの強さと厳選難易度から、ミロカロスよりも随分と評価が低かったが、Ptでさいみんじゅつが弱体化したことによりミロカロスとスイクンの評価の差が縮まり、HGSSで厳選難易度が下落したことによりスイクンの評価がミロカロスの評価を逆転した。ダブルバトルではフラットルールがなかった関係で、まともな一致技がしおみずしかなく(厳密には事実上のコロシアムとしてハイドロポンプが使えるスイクン (コロシアム)がいたがほとんど知られていなかった)ミロカロスよりかなり評価は低かった。2010年WCS日本大会中学生以上の部では大会数日前に配布された色違いスイクンを投入したパーティが優勝を果たしている。世代末期のバトレボ環境ではガブリアス、スイクン、サンダーバンギラスメタグロスゲンガーという最も安定した勝率を叩き出せるとされたパーティ「結論パ」が成立した。そのパーティおけるスイクンは主流技構成がなみのりどくどくこごえるかぜまもるとなっており、持ち物はたべのこしがテンプレであった。

第五世代

みずタイプの耐久型としてブルンゲルママンボウが登場。 特にブルンゲルはのろわれボディおにびじこさいせいが非常に強力で、一時期影が薄くなってしまったこともあった。耐久型としてはナットレイが目の上のたんこぶになり、特にどくどくを勝ち筋としている場合はナットレイで詰むこともあった。それでもねっとうの獲得、ドリュウズとの対面が有利であることなどから相対的に地位は向上した。尤も、相対的に地位が向上したと言っても、火力インフレなどによって耐久型としては突破されるリスクが高まった。実際のところ、BW終期からBW2初期にかけては交代に頼らずコンボも使用せず対面のみで勝ちに行く「無天候スタン」で利用されるなど、種族値を活かしたパーティ構築では愛用されていた1体である。

努力値防御振りベースが主体であったがこれはスイクンに限らず当時のみずタイプでは一般的であり、主に当時猛威を振るっていたかくとうじめんローブシンガブリアスなど)を受けるという意味合いがあった他、こおりほのおといったみずで半減できる特殊技を放ってくるポケモンはみずタイプに弱くないポケモンが多かった(ユキノオーウルガモスなど)という事情を考慮してのことでもあった。素早さを、カイリューマンムーを意識した最速80抜きに調整した型もメジャーであった。他にも、HPをみがわりが50ダメージ固定技耐えの205に調整した上で防御を無補正4振りの136に調整した「205-136スイクン」も火力調整の指標となった。

めざめるパワーに関しては、この世代で最強を誇るキノガッサに対面で勝てるようにひこうが考慮された。世代末期に多かったポイズンヒール型にはなかなか刺さったが、きあいのタスキを持たせたテクニシャン型には返り討ちに遭う危険性もあったため、めざめるパワー(ひこう)型は一長一短であった。

あめふらしニョロトノシングルバトルで誰もが使うポケモンとなったため、相手のあめふらしにただ乗りするために敢えてスイクンを先発にするケースも見られるようになり、相手のニョロトノが交代する隙にめいそうを1回積んで2体以上を処理するつもりで使うことが実際の対戦では目立った。

WCS2013オンライン予選ではスイクン (クラウン)を偽装した不正個体を始めとした改造ポケモンが蔓延していた。バトルビデオの解析によって裏IDや性格値が不一致であることから改造は発覚したが、改造ポケモンの使用により1500人のプレイヤーが失格処分を受ける事態に陥り、スイクンは対戦性能以外の面で負の印象を受けることとなった。

総じて、第五世代におけるみずタイプ最強の名をほしいままにしたと言える。あめふらしニョロトノですらスイクンには及ばなかったことを考えると、如何に凄い存在であるかが分かるだろう。

第六世代

メガシンカ環境に入り、スイクンでは受け切れないケースがざらになった。特に、ORASのレート戦は第六世代で入手したポケモンでなければ出場不可能であったため、そのフォーマットではぜったいれいどのできるスイクンが消滅した。それでも弱点が少ないことから、やや相手を選ぶが受けとしては未だに優秀なスペックを持っていた。X・Yリーグではレート戦シングルバトル使用率30位以内にランクインすることが多かったが、X・Yリーグ終盤のシーズンではシングルバトルの30位入りの常連となった。シーズン12のORASレート戦では第六世代以前のポケモンも解禁されたため、シーズン12ではシングルバトルでの使用率5位という結果となった。第六世代が終わってみればORASレート戦ではシングルバトル使用率15位以内がざらであった。PGL統計データから察するに、人気の構築はねっとうれいとうビームねむるめいそう。性格はずぶといが、持ち物はゴツゴツメットがメインであった。ORASリーグ末期には、とつげきチョッキを持たせてでんきに対して突っ張る型がわずかに流行。その時は、こごえるかぜを撃ってかられいとうビームで仕留めることでオボンのみを発動させないという動きがよく取られた。

ORASリーグダブルバトルではねっとうれいとうビームバークアウトおいかぜが主流技構成であった。性格はずぶといがメインであり、物理に不利なはずのダブルバトルでずぶとい型がメジャーになるあたり、この世代の環境における物理偏重のほどがうかがえる。持ち物はオボンのみたべのこしがメインであり、時にバークアウトを駆使して両受けし、時間切れ判定に持ち込むようにしたのだと推測される。

素早さ実数値を113に調整しつつ残りをほぼ耐久に振り切り、こごえるかぜ連打でげきりんを連打してくるこだわりハチマキようきガブリアスに対面から勝てるようにしたオボンのみ型も存在していた。

第四世代末期ほどORASリーグはバランスの悪い環境ではなく、そこまでそのようなパーティが明確に謳われているわけでもなかったが、シングルバトル結論パ(厨パという意見もある)と呼ぶべき構築は遅くともORASリーグシーズン12には成立しており、その結論パはガブリアスガルーラゲンガーけしんボルトロス、スイクン、バシャーモという構成であった。実際同シーズンでは使用率1位から6位(順同)がそれらのポケモンであったことから裏付けられている。単体では力が落ちたポケモンだが、構築次第ではまだまだ一線級であったことが証明されたと言える。

第七世代

今までは過去の配布個体限定技だったぜったいれいどがレベル技に加わり、個体を問わず一撃技を使えるようになった。しかし、そのぜったいれいど自体は仕様変更により大きく弱体化している。また対戦環境はというと、メガシンカに続きZワザが登場したことで火力インフレが更に加速。加えて、メジャーどころとなっているカプ全般に対して不利なこともあって、スイクンの置かれた立場は第六世代と比べてさらに厳しくなった。ねっとうへの依存度が高かったため、ねっとうの弱体化の影響をモロに受けた部分もある。ただ、環境に蔓延するヘビーボンバーアイアンヘッドジャイロボールといったはがねの攻撃技が半減である点は耐久型としてカプ・レヒレとの差別化点になる。火力インフレの影響でねむるやめいそうの採用率が相対的に低下し、かわりに起点技としてこごえるかぜ、奇襲技としてミラーコートが採用率を伸ばした。USUMリーグシングルバトルでリザードンが使用率5位以内の常連になりいわゆる「晴れスタン」が主流になっている中、ねっとうが攻めの基本であるスイクンを運用するにはメガリザードンYを他のポケモンで処理したり天候を書き換えたりしないとキツイ。

それでも、SMリーグシングルバトルシーズン3で最終1位(レート2211)を達成したパーティに投入されていたことが報告されており、そのスイクンはとつげきチョッキ型であった。

USUMリーグシングルバトルでは、ねっとうほえるみがわりめいそうorこごえるかぜという技構成の昆布戦法スイクン、いわゆる「酢昆布」が主流化。代わりにこの世代では共通時間制から持ち時間制に移行したため、時間切れ判定を狙う戦法、いわゆる「TOD」が事実上廃止となり、火力インフレもあってねむる型は勢いが衰えた。持ち前の物理耐久で試行回数を十分稼げるため、弱体化したにもかかわらずぜったいれいど型も一定数環境に残っていた。

USUMリーグダブルバトルではORASリーグにおけるれいとうビームの枠をこごえるかぜに替えてサポートに特化した型が多くなった。性格も前世代のずぶとい一択の状況からひかえめおだやかも程よく増えた状況となり、型が読みづらいという強みが生まれた。

WCS2018(全国ダブル)ジュニアカテゴリベスト8の実績を残している。

第八世代

冠の雪原で追加。

配布技限定であったしんそくが基本技、エアスラッシュマシンわざ化したことが判明。これにより、アクアリング以外の配布技を全て覚えたことになる。うずしお第四世代以来となる再習得。他にもてだすけを獲得している。

この世代では「TOD」が復活しているため、非ダイマックス耐久型としてはそういう意味で救済されたと言える。ただ、元々素の特攻があまり高くない上に耐久特化が主流なので、ダイマックスによって相手がHPを強化したらビクともしない。

ダメージソースの1つであるどくどくを没収されたのは大きな弱体化だが、この点はねっとうによるやけどで代用するなど、用いる他の手があるのでそういった手段がないポケモンよりは使い道がある。

一方、バトルレギュレーションマークとくせいパッチの登場によって、レーティングバトル方式のランダムマッチで初めてせいしんりょく個体が使えるようになった。これは、ダブルバトルねこだましに妨害されずにおいかぜバークアウトてだすけといったサポート技を使えるようになったという意味である。

シングルバトルではミラーコートサンダーフォルムチェンジロトムに役割を持てるため、とつげきチョッキ型が流行。とつげきチョッキ型はねっとうでの撃ち合い、こごえるかぜでの起点作り、ぜったいれいどの連打を行っても強い。

一般的な育成論

伝説の三聖獣の1体であり、三犬の中では防御特防に秀でており、HPも高い。みず単一タイプであり物理受けしやすいため、基本的には物理耐久型に育成することになる。なので、性格をずぶといにすると良いだろう。

通常特性はプレッシャーであり、PP削りに役立つ。一撃必殺技による運ゲーを迫れるスイクンにとってPPの少ないそうした技の使用を制限できる上に耐久寄りのためにジワジワ減らせるという点もあり、プレッシャーは優秀。素早さ判定にプレッシャーを使用するのも美味しい。

攻撃技の候補としては、ねっとう/ハイドロポンプぜったいれいどれいとうビーム/こごえるかぜめざめるパワー炎等が挙げられる。ただし、特性こんじょうを持つローブシン等に対してはねっとうの使用を躊躇させられる。変化技の候補としては、ねむるまもるみがわりめいそうおいかぜ等が挙げられる。

持ち物は、ねむると相性が良いカゴのみが基本だが、メガガルーラの対策になるゴツゴツメットや、まもみがタイプではたべのこしも候補となる。

戦術としては、まもる+みがわり+プレッシャーによるPP削り型、ぜったいれいどで一撃必殺を狙う型、耐久型のイメージの意表を突いて特殊アタッカーとして攻める型など様々である。

配布限定のスイクン (クラウン)が存在するが、性格がのんきで固定され素早さが削られている。限定技であったぜったいれいど第七世代ではハートのウロコで思い出せるようになっている。