パーティ
パーティとは、チーム・団体や仲間のことを指す、RPGゲーム用語。ここでは、対戦で使われるポケモンの組み合わせについて説明する。
概要
しばしばパと略され、そのパーティの主軸となる戦略の下につき、造語成分のような働きをすることがある。特にパーティ全体にある一つの要素(活かすてんき、とくせい、タイプなど)が共通している場合、そのようにして名を冠しやすい(例:雨パ、いかくパ、ひこうパなど)。
対戦、特に通信対戦を目的としてパーティを編成する場合、ある一定の戦略を基にそれぞれのポケモンに役割を持たせて、それを遂行させるように組むことが不可欠である。ストーリー攻略上の一時的なパーティ(いわゆる旅パ)など、通信対戦を想定してないものをバトル施設や通信対戦に流用するとあまり戦力を奮わないため、しっかりとパーティ構築を講じることが望ましい。
対戦に勝つことを最優先としない使い手の場合、対戦用パーティであっても、何かしらの遊び心を持たせることも多い。好きなポケモンだけ、タイプ統一、見た目が似ているもので揃えるなど、使い手のアイディアによってそのパターンは多岐に渡る。これに加え、実用性の低い戦略で組んだ、ある種ロマン性の強いパーティはまとめて「ネタパ(ーティ)」と呼ばれ、強さを優先する「ガチパ(ーティ)」と区別されることがある。
とりわけ対戦で注目される特徴的なパーティとは、以下のような天候パを筆頭とした一定の場の状態を活かすものである。いずれのパーティも前提条件からのアドバンテージが大きく、それを最大限活かすよう構成されるので、戦術が崩されなければ一方的な試合ができる。第五世代では伝説のポケモン以外にも天気が半永久的に持続できる特性を持つポケモンの登場により、天候パが流行した。第六世代にはてんきに調整が入り数が減ったが、依然強力で、注意するべきものである。
パーティ構築の仕方
前に述べている通り、ポケモンそれぞれに役割を持たすのが重要である。役割が被るポケモンが多いと、苦手なタイプのポケモンが登場した時に苦戦することが多い。そのため、タイプや弱点は被らないようにするのが一般的。
パーティを構築する場合、まずエースとするポケモン1を一体選び、次にエースポケモンの弱点をカバーするポケモン2を入れる。さらに、2の弱点をカバーするポケモンを入れ、これを6体埋まるまで繰り返し、弱点やタイプが被らないようにするのが良い。
ただし、以下の特徴的なパーティならば、タイプが一部被ったとしても十分に強力となる。しかし、そのようなパーティは天候などを崩されるとこちらがかなり不利になるので注意。
素早さの高いポケモンで固めるのも鉄則の1つであり、そのためにこだわりスカーフ持ちをエントリーするのも1つの手である。ただ、あまり素早さの高いポケモンばかりだとトリパへの返し手がなくなる。また、交代には原則素早さが関係ないため、交代戦が主になるポケモンは素早さに努力値を振ったり性格補正を掛けたりしないという育成法も考慮される。
パーティに採用する個体の育成として間違いであるのは、個体を個体単位で育成することである。誰で誰を崩すか、自分のどのポケモンでどの相手のポケモンを受けるか、というパーティ単位で役割を明確にした育成方法が勝つためには欠かせない。
個体を育成してから構築を決め、環境に合わせるというのも、初心者の犯しがちなミスであり、環境を読んでから構築を決め、そこから育成するという順番を辿るのが適切。
「種族Aの補完には種族B」という決め付けも良くない。同じ種族でも技、持ち物、性格、努力値などの型によって相方となるポケモンが違ってくるためである。
パーティ構築の際に初心者がやりがちなのが、1体のポケモンに役割を持たせすぎることである。例えばポリゴン2に受けの役割を集中させると、はたきおとすからのかくとう火力でパーティ全体の受けが崩れてしまう。また、有名なギミックがどう回すものであるかばれていないか、対策されていても問題なく立ち回れるか、ということに気を配るのも重要である。
出し勝ち、交換読みに依存するリスキーなパーティ構築、立ち回りも避けるべきである。
初手が安定するように工夫するのが勝てるパーティのセオリーであるが、初手が安定している状態というのは相手の初手に対して選択肢がある状態であり、初手が不安定な状態というのは相手の初手に特定のポケモンが来たら勝利が絶望的になる状態である。初手を安定させるためには、初手性能が高いポケモンを初手に出す、出し負けた際の交代先を用意する必要がある。初手性能が高いポケモンとは多くのポケモンに対して一定の仕事ができるポケモンを指し、行動保証がある事が初手性能を上げる要因となる。初手からの交代先は相手のポケモンに対する有利対面にしておくことがセオリーとなる。有利不利のはっきりしない対面が出来上がることが多いパーティを極力作らないのも構築の鉄則である。
やってはいけないパーティ構築の変更として、補完が取れていないのに1体だけポケモンを変えてしまうこと、周囲のポケモンを残してパーティの軸だけを変えてしまう事が挙がる。そのようなことをすると相手から見たこちらのパーティの見え方が変わってしまい、相手の選出が変わってしまうためである。こうなるとそれまでのパーティで想定した相手の動きも変わってしまう。
一致メインウエポンを覚えさせてから一致技との相性補完になる不一致サブウエポンを覚えさせ、最後にパーティに合わせて何かを覚えさせる、という技構成の決め方は誤りである。特に耐性特性などによってタイプ通りとは異なる役割を持つポケモンならなおさらである。最初に何のために技を採用するのかを考え、倒すべき相手を意識し、倒すべき相手を倒せる技を採用する、という手順を守るのが基本である。
ダブルバトルでは600族や準伝説でパーティを固めるのが間違ったパーティ構築となる。なぜならそれらのポケモンだけでは、ねこだまし、このゆびとまれ、トリックルーム対策、いかくといったダブルバトルに必要な要素を取り入れ切れないためである。
一般的なパーティ
スタンパ
メタや相性を抜きに性能の高いポケモンで固めたパーティ。いわゆる「パーティパワー」の高さで相手を制圧する構築であるため、致命的に何も出来ない相手というものがない。天候パやバトンパなどの「ギミックパ」と比べるとプレイング力が高く爆発力に欠けるため、適当に回していると低レート帯へ真っ逆さまとなってしまう。
サイクルパ
相性補完とそれを活かした交代による受け戦術に主眼を置いたパーティ。耐久ステータスに厚く努力値を振り、素早さは一定水準まで抜けるように調整するのが一般的で、後手で動くことが前提になるのも少なくない。いかく、とんぼがえり、ボルトチェンジ、こだわりアイテム、とつげきチョッキ、ゴツゴツメットはほぼパーティに導入すると思ってもよい。
構成、プレイングなどがスタンパを防御寄りにしたものになる場合が多く、プレイング要求値はスタンパ以上に高く、攻撃力も低い。交代を頻繁に行う都合上時間切れとの戦いにもなり、持ち時間制が導入された第七世代以降は序盤に長考していると終盤に思考時間が足りなくなって自滅に陥ることもある。交代読みによる戦術を火力を活かしたサイクル崩壊に寄せた、ある意味での近縁パーティが「役割論理パ」である
対面パ
目の前の敵を倒すことに主眼を置いたパーティ。限定状況下を除いて最低1回は行動してくれる「行動保証」、タイプや数値で受ける相手を攻撃性能で突破する「崩し」、相手の攻撃を受けて突破できない相手に自分の行いたいプレイングを行う「受け」、この3つの役割が重視される。行動保証としては、きあいのタスキ、がんじょう、ばけのかわ、マルチスケイル、高い素早さの種族値、素早さの実数値を上げる特性や技、といった手段が存在する。崩しの手段としてはメガシンカ、Zワザが挙がり、自分の勝ち筋を持つという意味ではこの「崩し」が最も重要。受けとしては弱点が少なく耐久面の種族値に優れたポケモンが好まれるが、第六世代以降の火力や速度のインフレによって年々受けには不利な環境となっているため、相手によっては見せ球程度と割り切るのが吉。
行動保証は受けに弱く、受けは崩しに弱く、崩しは行動保証に弱いという三竦みが存在する。そのため攻め志向の相手には先発が行動保障、控えに崩しと行動保障という選出が望ましく、その他の相手には、初手崩し(または崩し要素を持った行動保障)、裏に崩しと行動保障、と選出するのがベスト。
天気を利用したパーティ
晴れパ
ひざしがつよい状態を前提とする。ほのおタイプの攻撃技は勿論、くさポケモンや多くのほのおポケモンも覚えるソーラービームが1ターンで放てるようになるためほぼ必ず採用する。その他特性しゅうかくの発動率が100%になったり、技のせいちょうが攻撃、特攻2段階上昇するようになる。また、あさのひざし、こうごうせい、つきのひかりのHP回復量が最大HPの2/3まで増える。にほんばれ始動役は特性ひでりを持つキュウコンが有力候補。また、第七世代からひでりを獲得したコータスは天候始動役最遅のすばやさによりほぼ確実に天気を勝ち取れるという強みがある。
特性ならようりょくそを筆頭にサンパワー、フラワーギフト、リーフガードなど、くさタイプが持つ特性の多くが効力を発揮。このような特性を持つくさポケモンは必須となる。強化されるほのお・くさポケモン中心だと、習得する攻撃技のタイプや自身の防御タイプから他の天候パの主軸ポケモンに比べ、みず、ドラゴンポケモンなど対応しにくいタイプが多い。霰パ以外の天候パに弱いのも欠点。
サンパワー・フラワーギフトからのほのお技の火力は高いが、ほのお技をタイプ一致で使えるほのおポケモンには、特性ようりょくそのような素早さを強化する特性がないので雨パよりも突破力は劣る。しかしワタッコを始めとするようりょくそ持ちのくさポケモンからの、ねむりごなといった補助技は強力であり、他の天候パにない強みである。
雨パ
あめ状態を前提とする。特性すいすいを持つみずポケモンを基本とし、必中になるかみなりもここで真価を発揮できるためでんきポケモンも候補となる。他にもぼうふうが必中となる。
特性あめうけざら持ちやかんそうはだ持ちのポケモンがHP、うるおいボディ持ちのポケモンが状態異常をそれぞれ回復できるため、入れられることもある。すいすい持ちのほとんどはみずポケモンなので、メインウェポンを強化でき、天候パの中では最も突破力が大きいと言える。
あまごい始動役は特性あめふらしを持つニョロトノ、また第七世代からはペリッパーもあめふらしを持つ。採用されるアタッカー役としてはキングドラが有名。
砂パ
砂パを参照。
すなあらし状態を前提とする。特防が強化されるいわタイプや、同じくすなあらしによるダメージを受けないじめんタイプとはがねタイプが入ることが多い。
特性はすなかき、すながくれ、すなのちからが効果を発揮。強化される技はウェザーボールのみ。HPを削る効果、特防強化や耐久の強いいわ・じめん・はがねポケモンの存在から持久戦が得意である。長期戦になりやすい6対6ルールでは特に強力。
霰パ
あられ状態を前提とする。あられによるダメージを受けないこおりタイプを基本に組み、必中になるふぶきは必須。あられ始動役には特性ゆきふらしを持つアローラキュウコン、ユキノオー、バイバニラ、アマルルガからパーティ構成に合わせて選ぶのがよいだろう。
特性はゆきがくれ、アイスボディ、ゆきかきが効果を発揮。HP削りを無効化できるポケモンは少なめなので、相手のきあいのタスキ・がんじょうを潰したり、耐久の高いポケモンを落としやすくできたりするなど、相手のHP絡みの計算を崩しやすい。
第七世代から、天気があられの時のみ使える、ひかりのかべとリフレクターを合わせた効果のオーロラベールが登場し、耐久面が強化された。登場当初はゆきふらしと両立できるものがアローラキュウコンしかいなかったが、第八世代では他のポケモンにも解禁された。
こおりタイプが偏ると防御面が不安になる他、ふぶきとウェザーボール以外に攻撃面では強化されないのが欠点。ほのお・いわにはまとめて弱点を突かれる上にみずポケモンが場に出ると止まり、攻防両面で不遇。スリップダメージを承知でふぶきを覚えるポケモンを中心にタイプをばらけさせて組むことも考えたい。
ゆきかき持ちはいずれも物理型であり素の素早さも低いため、ほぼ攻撃と素早さに努力値を極振りしないといけないのが難点。冠の雪原ではパッチルドン・ウオチルドンのゆきかきが解禁され、先手時に威力が上がる専用技と組み合わせると強力。
その他のパーティ
バトンパ
つるぎのまい、ビルドアップなどの積み技を使用してからバトンタッチでそのランク補正をエースに引き継がせ、ランク補正の上昇による圧倒的な速度と火力で圧倒して全抜きを狙う構築。
構築としては、ステルスロック、ほえるやあくびなどの交代を誘う手段、おにびやでんじはなどの状態異常を撒く技などで起点を作るポケモン、積み技とバトンタッチでエースを降臨させるためのポケモン、攻めに転じるためのエースとなるポケモンの3体が必要。
第一にバトンパの長所は、自分の勝ち筋を持てることである。特に初心者の場合は下手にメタを張ることよりも自分の勝ち筋を持つことが勝つために重要であり、バトンパはそういう意味では悪くない。
一方、バトンパの短所は、何と言っても強制交代技に弱い点である。折角エースを降臨させてもきあいのタスキやがんじょう、耐久調整などで持ちこたえられ、返しのターンにほえるなどを受けると引き継いだランク補正がリセットされてしまう。強制交代技でなくとも、あくびやほろびのうたなど、受けてから居座るデメリットがあまりにも大きくて事実上の強制交代技になる技も要注意。変化技を使い、同じ技を複数回繰り返し使うことから、ちょうはつなどのメンタル攻撃にも弱い。
トリパ
トリパを参照。
トリックルーム状態を前提とする。基本的に素早さの低いポケモンで構成される。それゆえ種族値の配分上、パーティ全体の耐久面は高くなる傾向がある。素早さ以外は高水準な能力を持つポケモンは短所を克服できる上、相手の素早さを上げる要素も全て無力化できるので一方的に戦えるのが強み。
重力パ
じゅうりょく状態を前提とする。ばくれつパンチやさいみんじゅつなど命中率の低く、強力な技を有効に活用できる。全てのポケモンに通じるようになるじめんタイプの技やまきびし・どくびしなども有用。
旅パもどき
いわゆる旅パに見せかけたパーティ。相手を油断させ、奇襲をかけることが目的。その性質上フリーバトルでしか機能せず、レート戦やお互いを知り合う身内でのバトルではほぼ無意味。
御三家を始めとして、コラッタなど序盤で手に入るポケモンで構成する。それぞれがむしゃら+きあいのタスキ+先制わざや、みちづれ、いかりのまえばなどレベル50で無くても活躍が期待できる構成となっている。
統一パ
6匹全員をなにかしらのテーマに沿って統一する。メジャーなものではタイプ統一、世代統一など。あるトレーナーの手持ちを再現するのもある意味統一パといえる。
特定の相手に全員が弱くなることも多く、統一しつつもそれを克服していくのにプレイヤーの知識・技量がかかってくる。