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スターミー/対戦

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このページは、スターミーの対戦での扱い、および育成論を記述するところである。

スターミーの歴史

第一世代

ポケモンリーグでも初期から使われていた第一世代を代表する強ポケであり、エース級のケンタロスと双璧。HP以外が安定して高く、特にみずタイプで群を抜いた素早さは序列4位、特殊も序列9位、次いで防御が平均並。速攻型特殊アタッカーにしては珍しく物理耐久が高く特殊耐久とともにそこそこの硬さを持つ。急所率は当時の仕様上22.46%であり、火力を底上げしていた。自力でじこさいせいを覚えるため、速攻型特殊アタッカーでありながら耐久もできる。攻撃技が多彩で、サイコキネシスなみのりハイドロポンプ)、ふぶき10まんボルトまで覚え、特に最速のふぶき使いというのが大きい。補助のじこさいせいと攻撃技3つのセミフルアタが殆どで、その場合みず技を覚えていることは少ない。第一世代ではこおりでんきで全ポケモンに等倍が取れる上、冷遇タイプのほのおとは遭遇自体想定されていなかった。稀にじこさいせいを覚えていないフルアタ型やちいさくなるかげぶんしん)+じこさいせいの耐久型もいた。これは当時の仕様上全ステータスに努力値を全振りすることができたためで、アタッカーか耐久型かを見分けるのは初見では難しく、そうしたところも強かったと言える。もれなくどくがついてくる初代のくさにはサイコキネシスかふぶきで対応可能なため、弱点はほぼでんきのみ。ケンタロスに比べ、若干火力は物足りないが、先制率・安定感・汎用性と三拍子揃ったエース級(しかも当時最強のエスパーと複合)として注目を集めた。

97カップの155ルールとも相性が良く、レベル55個体の素早さはレベル50に換算すると種族値131相当となり、これは苦手となるサンダースにも先制できる水準。そうしたことから実際の対戦では先制ちいさくなるでタイプ相性さえも乗り越えてしまうことがままあった。

トップメタの一角を担い、ニンテンドウカップ'97では決勝進出者15人中12人が使用、ニンテンドウカップ'98では決勝進出者7人中6人が使用。97カップ優勝者の個体はルージュラに対して大きな打点を持てるようになみのりを採用し、ふぶきを切った型であったが、当時としては革新的な構成であった。98カップ決勝大会では10まんボルト、サイコキネシス、ふぶき、じこさいせいという型が最大母数であった。

98カップ地区予選7大会ではベスト8進出者全56人中41人が使用と、39人使用のケンタロスを押さえてベスト8進出実績トップ[1]

イエローカップでも環境の1トップであるウインディの上を取れる素早さをしている上になみのりで抜群を取って確定2発にすることができることから対策として需要があるが、ラッキーに受けられてしまうのが難点。

第二世代

特殊の分離で特殊耐久が落ちたが、他のエスパータイプに比べるとダウン幅は控えめ。更にあくタイプやむしゴースト技の追加など、他のエスパー同様の弱体化で弱点を突かれやすくなった。メインのサイコキネシス、サブのふぶきはいずれも弱体化。急所の仕様変更、ハピナスカビゴンなどの特殊受けの台頭などから火力不足に至り、速攻が止まる場面も多くなった。すてみタックル強化やのろいの追加で落ちやすくなったりと耐久面に関しても不安が出てくる。万能と称されたが、火力も耐久も物足りず、万能もランクダウンすればただの中途半端・器用貧乏・微妙な評価となった。

技の面ではあまごいの追加があり、なみのりハイドロポンプ)やかみなりなど恩恵を受ける技を強化できる。はがねタイプへの対策としてほのおタイプやバンギラス、そしてガラガラが台頭し、それらに対する返しとしても最適であったことから、第一世代から充実した技のレパートリーにみずタイプの技も選択肢として加わった。アタッカーを見限り、(ちいさくなるだけで補助技が十分であった頃とは異なり)ひかりのかべリフレクターなどの壁貼り、でんじはあやしいひかりのようなサポートもこなすように。特にみがわりとあやしいひかりを両立できるポケモンの中で火力、速度、補助性能のバランス、いわゆる汎用性が高いところが再評価された。物足りなくなったアタッカーとしても現役で、みずタイプとしては珍しい速攻型であることから素早いサポート役にもなり、器用さと多芸で生き残った。

こうそくスピンまきびしほえるのコンボ対策として採用されることもあった。性別不明なのでメロメロ無効という長所もあった。サポーター型スターミーの場合はレベル55にすることが必須である関係上「155ルール」におけるいわゆる「レベルコスト」の消費が大きく、きせきのみが確定なのできせきのみ枠を食うという難点もあった。

ニンテンドウカップ2000の各地の地区大会ではひかりのこなを持たせた運ゲー構成が大人気で、地区大会上位のプレイヤーの多くはひかりのこなスターミーの回避に助けられた。

ニンテンドウカップ2000全国大会では決勝進出者11人中6人が使用するなど、大型大会での活躍の場には恵まれた。

「モバイルカップ2001」環境ではレベル30戦である都合上、レベル差でスターミーに先制できたケンタロスに苦しめられずに済むようになった。

第三世代

努力値の仕様変更によって耐久力が低下したが、それは他のポケモンにも共通することであり、結果的に速攻が決まりやすくなった。依然として特殊受けには分が悪いものの、みずタイプのアタッカーとして活躍した。

当時はまだ火力インフレ前であり環境全体においてどくどくへの依存度も高かったため、しぜんかいふくを獲得した点は侮れなかった。

大会実績としては、ポケモンリーグ2005東京大会小学生の部でジュカインプテラなどとともに速攻に寄せた構築で採用され、優勝した実績がある。ダブルバトルにおけるひらいしんガラガラとの組み合わせ「スタミガラ」はスターミーの攻撃性能をフルに活かすための並びとして有名であった。ポケモンリーグ2005中学生以上の部では決勝進出者9人中1人が使用していた。

ダブルバトルでは味方のケッキングの上からスキルスワップを掛けるための要員としても使われた。スターミーの場合、高速アタッカーとして潰しが効く点も大きかった。

第四世代

ゴウカザルガブリアスなどの強力な速攻アタッカーへの対抗勢力として注目を浴び、火力増強アイテムの増加によって苦手としていた受けの突破も可能になった。プラチナで使い手が増えたふいうちには苦しまされたが、自身も新技トリックを習得したことによりハピナスを突破できる可能性が生まれた。

物理と特殊の技の分類が大胆に変更されたが、このポケモンが覚える技は殆ど特殊技に分類されたため、さほど影響は無かった。

第五世代

ちいさくなる回避率上昇幅が第一世代のそれに戻ったことなどから、第一世代時に流行した「ちいさくなる回避型」に回帰した技構成が多く見られた。

新規に登場したサザンドラとは相性補完に優れていたが大幅に強化されたむしタイプの一貫性が痛く、素早さでスターミーを上回る速攻アタッカーの増加や、天敵となるナットレイの登場など逆風が強い。

第六世代

新規のみずタイプ御三家ゲッコウガによって、みずタイプの最速特殊アタッカーの座を奪われた。さらにゲッコウガは隠れ特性へんげんじざいにより、どの攻撃技でもタイプ一致ボーナスを受けることができ攻撃性能・攻撃範囲でも勝る。これによりスターミーはしぜんかいふくによる状態異常耐性とちいさくなるで差別化する必要が生まれた。ちいさくなる型にしても、流行していたタネマシンガンが弱点、フェアリースキン+ハイパーボイスシャンデラベトベトンと異なり等倍と、あまり環境的にはその型には向かない面があった。

2016年3月に開催されたカントー図鑑限定戦の「カントークラシック」ではジュニアカテゴリで使用率18位、マスターカテゴリでは15位という結果を記録している。

PGLレーティングバトル統計データを見ると、主流技構成はれいとうビームサイコキネシス10まんボルトねっとうであることがうかがえ、ねっとうの枠をハイドロポンプに変えて、第一世代と変わらない技構成であるいわゆる「生きた化石」構成にするケースもままあった。XYリーグ初期にはちいさくなるとみがわりで持久戦を行う構成がスターミーの型としては流行した。特性はメガシンカポケモンが比較的苦手とする状態異常に強いしぜんかいふくがメインであり、性格は速度を重視したおくびょうが多くのシーズンで90%台の割合を記録していた。

第七世代

攻撃技に限っては必中であるZワザの登場により、ちいさくなるの価値が暴落。新技としてスポットライトを獲得するが、味方のまもるなどが前提となり、結局は耐久型パーティの時間稼ぎにしかならないため、SMリーグダブルバトルシーズン6で搭載率30%台を記録した程度で、新たな搦め手として定着したとは言いがたい。状態異常は実質的にもうどくを除いて弱体化したうえに、もともとスターミー自体耐久が低く、どくどくを受けるようなこともないため、しぜんかいふくの有用性が低下。環境面でもカプ・コケコミミッキュなど相性の悪い新勢力が猛威を奮っていたため厳しかったと言える。

その一方、2017年7月に行われた、弱点が5つ以上あるポケモンのみが出場できる大会フォーマット『ポケモン危機一髪!』のマスターカテゴリで使用率30位内を記録。

ピカブイでも対戦ではZワザはおろか持ち物特性も存在せずほぼ第一世代のポケモンだけ戦うことになるため、速攻とちいさくなるによる害悪戦術が1体でできるポケモンとして環境上位の活躍をしている。ノーマルルールでは覚醒値が反映されないので相対的に耐久性能も低くはなく、おくびょうメガゲンガーシャドーボールでさえ最大乱数で97.7%の確定2発。ただ、ピカブイの対戦は20分の共通時間制であり、残機によってはTOD(時間切れ判定による勝利を狙う戦法)をされるとキツイため、ちいさくなるをある程度積んだらすぐに攻撃して制限時間内に勝負を決める必要がある。

第八世代

ダウンロードコンテンツ『鎧の孤島』で解禁。

ライバルのゲッコウガは不在なので、上位互換の存在に苦しむことはなくなった。一方、Zワザ同様に必中でありそれが3ターンも続くダイマックスわざの登場により、相変わらずちいさくなる型が苦境に立たされ続けることとなった。実用性のある特性がどれもサイクル戦向けなので、その点ダイマックスとはアンチシナジー。

ヨロイじま教え技としてはメテオビームを獲得。因みに鎧の孤島時点では特殊型が実用的なみずタイプとして唯一のメテオビーム持ちであり、パワフルハーブ型が差別化構成として存在する。

一般的な育成論

素早さ特攻が高いみずエスパータイプの速攻アタッカー。ただし現在の環境ではやや物足りない値となっており、インテレオンにはいずれも劣る。メイン・サブウエポンの範囲で差別化を図りたい。

ダイマックスはこちらの火力や耐久を底上げする一方で、わざが必中になることからちいさくなるの価値を下げており、アタッカーにフォーカスが向けられている。

特性はしぜんかいふく、隠れ特性のアナライズのいずれもサイクル戦で効果を発揮する。ダイマックスとはやや相性が悪い。はっこうはバトルでの効果を持たず論外。

攻撃技は一致技にハイドロポンプ/なみのり/ねっとうサイコキネシス/サイコショック/ワイドフォースがある。サイクル戦意識でクイックターンも候補。その他れいとうビーム/ふぶき10まんボルト/かみなりくさむすびマジカルシャインメテオビームなど幅広く揃える。メテオビームはパワフルハーブと組み合わせて火力をブーストできる。

変化技はちいさくなるじこさいせいスキルスワップトリックなどがある。ちいさくなるはみがわりと組み合わせれば凶悪であるが、前述のとおりダイマックスには注意が必要。高いすばやさを活かしたこだわり系アイテムのトリックは優秀。

脚注

  1. ポケモンリーグ予選結果速報! ポケモンバトルツアー'98夏 予選大会結果レポート(任天堂、2019年1月31日閲覧)