ケンタロス/対戦
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ケンタロスの歴史
第一世代
当初はゲーム内での出現率が低いこと、そして捕獲が非常に難しいことから影の薄い存在であったが、1997年6月のマリスタで大阪大会が中継された際にケンタロスがテレビ初登場を果たし、その強さが全国に知れ渡った。
そして1997年7月末から8月初頭にかけて札幌、東京、大阪、福岡の全国四大都市による大会が行われた際に転機が訪れた。
高い攻撃と素早さを活かしてタイプ一致ではかいこうせんを打てたうえに当時は(高くも無いが)低くなかった特殊火力でふぶきや10まんボルトを放てたため、通常環境では最強の名をほしいままにした。レベル55ケンタロスの素早さはレベル50で換算すると種族値126相当であり、これをレベル50で抜ける環境上のポケモンはサンダース、マルマイン程度であった。このことから、ケンタロスは97カップで採用された155ルールを味方につけたポケモンであったと言える。素早さの種族値110はふぶき使いとしては全ポケモン中2位の数値。
弱点もかくとう1タイプだけと非常に少なく、当時としては耐性も優秀であった。そんなケンタロスに一致で弱点を突けるまともなかくとう枠はカイリキー程度であり、そのカイリキーですら97カップから98カップにおいては予選で使われる程度で決勝大会には1体もエントリーされなかった。ケンタロス対策となるカイリキーが決勝大会に姿を見せなかったのは、当時エスパータイプが最強タイプの座を獲得していたためで、ある意味ケンタロスは当時のポケモンプールも味方に付けていたと言える。
97カップ決勝進出者15名のうち13名が、98カップでは実に決勝進出者7名全員が採用している。さらに言えば地区予選でも優勝者7人全員が使用、九州予選に至ってはベスト8全員が使用。98カップ地区予選7大会のベスト8進出者全56人中39人が使用[1]。当時は典型的な速攻環境であり、ダグトリオやルージュラ、フーディンなど、努力値を全ステータスに振れたことを考慮しても物理耐久力が悲惨なポケモンが多かったことも活躍の要因と言えよう。その活躍ぶりから当時のとある攻略本では「闘神」と呼ばれていた。
97カップ決勝大会の決勝戦では、優勝者がはかいこうせんを連続で決めて日本一を勝ち取ったと、コロコロコミック1998年2月号で伝えられている[2]。
98カップ決勝大会の個体はその全てがじしん、はかいこうせん、10まんボルトorかみなり、ふぶきorれいとうビームという技構成であった。98カップ決勝大会終了後、のしかかり型がマリスタ環境で流行。
実機版当時の環境においては、あくまのキッスでラプラスをハメることができるルージュラ、そのルージュラをレベル差をつけることではかいこうせんにより確定1発にできるケンタロス、そのケンタロスのはかいこうせんをレベル55同士で確定3発に抑えつつ実質3割でひんしのふぶきを連打するラプラスの3すくみが成り立っていた。
ちなみにこの世代は物理アタッカー不遇の時代であり、全国大会クラスの物理アタッカーはダグトリオ、ケンタロス、ゴローニャ程度なものであった。その中でもトップメタに限定すればケンタロスが唯一の物理アタッカーであった。
第二世代
はかいこうせんの弱体化、新タイプはがねの登場、特殊が特攻と特防に分離したことによって特攻が40に下げられたことなどから、速攻型は失墜した。かくとうタイプの普及も向かい風の一つ。タイプがニンテンドウカップ2000ではハッサムのバトンタッチで火力を補う戦術を決勝進出者11人中3人が採用しており、決勝戦でもコンボを決めている。サブウェポンはほぼじしん固定となってしまったが、エアームドとプテラ以外全てに対応できるだけでも十分ありがたかった。後に環境が低速化すると一撃必殺技を中心にした型(特に通常攻撃手段を放棄したつのドリル・じわれ・ねむる・ねごとが有名)や、はかいのいでんしによるハイリスクな速攻型も見られるようになった。
苦手なかくとうに関して言えば、環境パーティへの採用範囲内での最速となるヘラクロス(当時の全かくとうポケモン中ではオコリザルが最速)より自身の素早さが高く、出落ちになりにくかった。
第三世代
いかくを獲得し、ダブルバトルでの需要を集めた。一方で、過去作との連動の廃止により、前述の一撃必殺技は使用不可能になった。さらにこの世代ではめざめるパワーを考慮しなければゲンガーで止まること、バシャーモなどかくとうタイプが猛威を振るっていたこと、流行していたみがわりで受けられるとはかいこうせんは行動不能のデメリットが浮き彫りになることに注意する必要があった。全国大会のポケモンリーグ2004ではこだわりハチマキを持たせてはかいこうせんで攻めるようきケンタロスが流行しており、それを意識した耐久調整が考案された。ケンタロスのいかくで起点を作り、ルンパッパのねこだましで相手のエース級のポケモンを足止めし、ケンタロスがすてみタックルで1体を処理する流れは、ポケモンリーグ2004ルール(禁止級伝説あり)の対戦では定番の流れとなった。ポケモンリーグ2005中学生以上の部では決勝大会進出者9人中3人が使用しており、その大会の準優勝メンバーにもケンタロスの名前があった。ただ、決勝戦では序盤にカビゴンのじばくで処理されてしまった。
世代展開期の関西のオフ会ではラグラージとともに主流であった。
第四世代
特性いかりのつぼを獲得。ストーンエッジやしねんのずつきなどの優秀なサブウェポンも取得した。しかしこの頃から火力インフレに置いて行かれた感が否めず、影が薄くなった。単純なところで言えば、ゴウカザルは性格によって抜かれずに済むという点を差し引いても、相性と火力の関係上厳しく、環境に対抗するのは難しかった。
ただ、メジャーポケモンとマイナーポケモンが混在するバトレボのダブルバトル環境では弱点僅少かつ俊足であり地雷耐性を持っている点で他のいかく持ちとは差別化可能であった。
ダブルバトルのいかりのつぼ型に関しては、ラッキーパンチを持たせたラッキーのおうふくビンタで急所に当てて発動する構築があった。
第五世代
隠れ特性ちからずくを獲得し、火力と一貫性が両立可能になったためシングルバトルでも使いやすくなった。一方でナットレイやブルンゲルなどの強力な受け、ローブシンやキノガッサなどの弱点を突くアタッカー、レパルダスやエルフーンなどいたずらごころでスピード勝負を制するポケモンなどが環境に蔓延し、それまで以上にケンタロスを使うメリットについて考えさせられるようになった。
第六世代
単体としてはこれといった変更点はなし。2016年3月に開催されたカントー図鑑限定戦のシングルバトル「カントークラシック」ではいずれのカテゴリでも使用率30位以内を逃すなど、シングルバトルではかつての威光は見る影もなかった。ただ、ORASリーグシーズン11からダブルバトルで「ミミドーケンタ」がそれなりに注目された。この構築ではまず、ミミロップのねこだまし、フラフラダンス、ドーブルのダークホールで起点を作る(ドーブルはマイペースで混乱無効)。それからアッキのみを持たせたケンタロスに対してドーブルがやまあらしを打ち、いかりのつぼとアッキのみの両方を発動させる。この構築は2016年11月下旬の時点ではWCSアメリカ予選「Premier Challenge」で3度の優勝実績があり、PGLレーティングバトルORASリーグダブルバトル統計データを見るとシーズン10を除いていかりのつぼが特性の割合1位を記録しておりなおかつ同時採用トップ10にミミロップとドーブルがランクインしていたため、このことからORASリーグでケンタロスを使用するならほぼ「ミミドーケンタ」構築であったことがうかがえる。同構築では十分な火力を出せたため性格はようき一択であった。
第七世代
スマートホーンを覚えるようになったが、以前からアイアンヘッドを使えたので実質的には強化とは言えない。「ミミドーケンタ」構築もドーブルがダークホールを使用しても失敗するという仕様変更により消滅した。
「ミミドーケンタ」の代用としてはケンホロウのおいかぜでサポートしつつきょううん+つじぎりでいかりのつぼを発動する構築が成立した。
ピカブイの対戦では同じノーマル単タイプ枠でより素早さの種族値が高いペルシアン、基礎スペックの高いメガガルーラが競合するライバルになるが、前者とはいわなだれ、じしん、てだすけを覚える点で、後者とはメガシンカ枠を食わない点で差別化可能である。全体攻撃とてだすけによる取り回しの良さからどちらかというとダブルバトル向けである。
第八世代
ダウンロードコンテンツ『鎧の孤島』で解禁。
おんがえし、やつあたりを削除されたのみならず、マイペース、きもったま、せいしんりょく、どんかんがいかくを無効化するように仕様変更されて弱体化。一応アイアンテール、じしんを覚えてダイスチル、ダイアースを使えることから耐久のバフには困らない。
ダブルバトルではいかりのつぼ採用率が8割を超える。チームメンバーランキングではユキメノコやトゲキッスが入っており、こおりのいぶきやきょううんで発動させていることが窺える。もちものはこのときのダメージを抑える目的もあるのか、とつげきチョッキの採用率が高い。
一般的な育成論
素早さ・攻撃・防御の高いノーマルタイプのアタッカー。特性はいずれも優秀である一方、耐性の貧しさ、やや物足りない攻撃を相性で補えない点などタイプがネック。同じタイプ、合計種族値のバッフロンに比べて、HP・攻撃・特防で劣り素早さで優る。
特性はいかく、いかりのつぼに隠れ特性のちからずく。いかくは物理耐久の底上げ、後続へのサポートに役立つ。いかりのつぼはシングルバトルでは活かしづらいが、ダブルバトルでは味方のサポートで発動可能。ただし、タイプ耐性がないことから発動方法には検討が必要。ちからずくは火力補強のほか、いのちのたまとの組み合わせも。
攻撃技はすてみタックル/のしかかり/ギガインパクト、じしん/じだんだ/10まんばりき、インファイト、ストーンエッジ/いわなだれ、アイアンヘッド/アイアンテール、しねんのずつき、ワイルドボルト、げきりん、じごくづき/うっぷんばらしがある。ちからずくといのちのたまの組み合わせであれば、かえんほうしゃ/だいもんじ、10まんボルト/かみなり、れいとうビーム/ふぶきといった特殊技も役割破壊として候補になる。
脚注
- ↑ ポケモンリーグ予選結果速報! ポケモンバトルツアー'98夏 予選大会結果レポート(任天堂、2019年1月31日閲覧)
- ↑ 月刊コロコロコミック1998年2月号 レビュー ゾイド総合ランド (2021年3月7日閲覧)