劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲
劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲(げきじょうばんポケットモンスター ミュウツーのぎゃくしゅう、英題:Pokémon: The First Movie - Mewtwo Strikes Back)は、1998年7月18日に日本で公開されたアニメ『ポケットモンスター』の劇場版アニメ映画作品第1作目。キャッチコピーは「最強のポケモンは誰だ!?」。上映時間は75分(完全版は85分)。
注意:以降の記述には、作品の内容やあらすじ、登場人物などのネタバレが含まれます。ご理解の上ご利用ください。
概要
1998年7月18日に日本で公開された劇場版ポケットモンスター第1作目で、短編映画『ピカチュウのなつやすみ』と同時上映された。日本国内の観客動員数は650万人、興行収入は72.4億円 (興行通信社調べ)[1]、配給収入は約41.5億円を記録した[2]。1998年に公開された国内映画としては『踊る大捜査線 THE MOVIE』に次いで2番目に年間興行収入が高く、アニメーション映画としては1位であった[1]。その後、全世界で順次公開された。1999年11月12日には北米で公開され、興行収入約8574万ドルを記録した[3]。この記録は、2020年時点でも北米における日本映画の興行収入として歴代1位を保持している[4]。フランスでは2000年に公開されて22万人以上の観客動員数を記録した[5]。ドイツでは、2000年度ドイツ・ボギーアワード賞、ドイツ・ゴールデンスクリーン賞を受賞した。
地上波では1999年7月8日に初放送され、冒頭にミュウツーが誕生した経緯が詳しく説明される約10分間のサイドストーリー「ミュウツーの誕生」が追加されるなどいくつかの変更が加えられた「完全版」が放送された。翌2000年には、新たにサトシとピカチュウの出会いや旅立ちの経緯が描かれた「サトシの旅立ち」が「完全版」に追加されたバージョンが改めて放送されている(詳細については「完全版」節を参照)。同年末に続編『ミュウツー! 我ハココニ在リ』が年末特番として放送された。2019年には3Dアニメ映画としてリメイクされ、『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』として上映された。
公開に先駆けて『月刊コロコロコミック』1998年7月号にはおのとしひろによる『電撃! ピカチュウ』ミュウツーの逆襲編が掲載されている。ストーリーでは本編の前半まで描かれ、実際の映画と設定が異なる箇所はあるものの、作品の過去にあたるミュウツーに関するエピソードが描かれている。また、1998年6月から同年7月にかけて、ミュウツーの過去を描いたラジオドラマ『ミュウツーの誕生』が犬山犬子のポケモンアワー内で放送されている。
あらすじ
登場キャラクター
人物
ポケモン
- ピカチュウ (トレーナー: サトシ)
- ニャース (ロケット団)
- トゲピー (トレーナー: カスミ)
- フシギダネ (トレーナー: サトシ)
- リザードン (トレーナー: サトシ)
- ゼニガメ (トレーナー: サトシ)
- ヒトデマン (トレーナー: カスミ)
- コダック (トレーナー: カスミ)
- ロコン (トレーナー: タケシ)
- マタドガス (トレーナー: コジロウ)
- ニドキング (トレーナー: シゲル)
- ウインディ (トレーナー: シゲル)
- ペルシアン (トレーナー: サカキ)
- ドンファン (トレーナー: レイモンド)
- カイリキー (トレーナー: レイモンド)
- ゴローニャ (トレーナー: レイモンド)
- モルフォン (トレーナー: レイモンド)
- カイロス (トレーナー: レイモンド)
- ギャラドス (トレーナー: ウミオ)
- シードラ (トレーナー: ウミオ)
- ニドクイン (トレーナー: ウミオ)
- ゴルダック (トレーナー: ウミオ)
- ドククラゲ (トレーナー: ウミオ)
- シャワーズ (トレーナー: ウミオ)
- ピジョット (トレーナー: ソラオ)
- ストライク (トレーナー: ソラオ)
- サワムラー (トレーナー: ソラオ)
- フシギバナ (トレーナー: ソラオ)
- サンドパン (トレーナー: ソラオ)
- サイホーン (トレーナー: ソラオ)
- ジュゴン (トレーナー: スイート)
- プクリン (トレーナー: スイート)
- カメックス (トレーナー: スイート)
- ラフレシア (トレーナー: スイート)
- キュウコン (トレーナー: スイート)
- ギャロップ (トレーナー: スイート)
- フシギダネ (トレーナー: フジ博士、完全版のみ)
- ヒトカゲ (トレーナー: フジ博士、完全版のみ)
- ゼニガメ (トレーナー: フジ博士、完全版のみ)
- ケンタロス (トレーナー: ロケット団員)
- ミュウツー (アニメ)
- オニドリル (トレーナー: ミュウツー)
- カイリュー (トレーナー: ミュウツー)
- ミュウ
- ゲンガー (トレーナー: 無名のトレーナー、完全版のみ)
- イワーク (トレーナー: 無名のトレーナー)
- フーディン (トレーナー: 無名のトレーナー)
- レアコイル (トレーナー: 無名のトレーナー)
- キャタピー (トレーナー: 無名のトレーナー)
- ビードル (トレーナー: 無名のトレーナー)
- ラッタ (トレーナー: 無名のトレーナー)
- オニスズメ (トレーナー: 無名のトレーナー)
- アーボ (トレーナー: 無名のトレーナー)
- ライチュウ (トレーナー: 無名のトレーナー)
- サンド (トレーナー: 無名のトレーナー)
- ニドリーノ (トレーナー: 無名のトレーナー)
- ナゾノクサ (トレーナー: 無名のトレーナー)
- ラフレシア (トレーナー: 無名のトレーナー)
- コンパン (トレーナー: 無名のトレーナー)
- ガーディ (トレーナー: 無名のトレーナー)
- ニョロゾ (トレーナー: 無名のトレーナー)
- マダツボミ (トレーナー: 無名のトレーナー)
- ヤドン (トレーナー: 無名のトレーナー)
- スリープ (トレーナー: 無名のトレーナー)
- キングラー (トレーナー: 無名のトレーナー)
- エレブー (トレーナー: 無名のトレーナー)
- ピカチュウ (コピー)
- フシギバナ (コピー)
- リザードン (コピー)
- カメックス (コピー)
- フシギダネ (コピー)
- ゼニガメ (コピー)
- コダック (コピー)
- ロコン (コピー)
- ニャース (コピー)
- ギャラドス (コピー)
- シードラ (コピー)
- ニドクイン (コピー)
- ゴルダック (コピー)
- ドククラゲ (コピー)
- シャワーズ (コピー)
- ピジョット (コピー)
- ストライク (コピー)
- サワムラー (コピー)
- サンドパン (コピー)
- サイホーン (コピー)
- ジュゴン (コピー)
- プクリン (コピー)
- ラフレシア (コピー)
- キュウコン (コピー)
- ギャロップ (コピー)
主題歌
- オープニングテーマ「めざせポケモンマスター'98」
- 作詞 - 戸田昭吾 / 作曲 - たなかひろかず / 編曲 - 渡部チェル / 歌 - 松本梨香
- 本作のために新たに編曲された。アニメ本編のものとはキーが異なる。
スタッフ
- 原案 - 田尻智
- スーパーバイザー - 石原恒和
- アニメーション監修 - 小田部羊一
- エグゼクティブプロデューサー - 久保雅一、川口孝司
- キャラクターデザイン・総作画監督 - 一石小百合
- 音響監督 - 三間雅文
- 音楽 - たなかひろかず
- アニメーションプロデューサー - 奥野敏聡、神田修吉
- プロデューサー - 吉川兆二、五十嵐智之、盛武源
- 監督 - 湯山邦彦
- 脚本 - 首藤剛志
- 制作 - 小学館プロダクション
- 製作 - ピカチュウプロジェクト98(小学館・テレビ東京・メディアファクトリー・任天堂・トミー・クリーチャーズ・ゲームフリーク・ジェイアール東日本企画・OLM・小学館プロダクション)
完全版
本作には劇場公開後、シーンの追加や修正など改変が行われた「完全版」が存在する。完全版についても、サイドストーリー追加の有無に応じて2種類に分けられる。
- 劇場公開版
- 劇場で上映された初期バージョン。映画の長さは75分。初期の映像ソフトにのみ収録された。
- 完全版
- 劇場公開版の冒頭にサイドストーリー「ミュウツーの誕生」が追加されている。このほか、複数のシーンが描き直されたりCGに差し替えられたりするなど修正が加えられている。冒頭に約10分間のシーンが追加されたため、劇場公開版と比較して10分長くなり、映画の長さは85分になっている。
- 完全版 (サトシの旅立ち編込み)
- 完全版に約5分間のサイドストーリー「サトシの旅立ち」が追加されている。映画の長さは90分。
テレビ放送
- 1999年7月8日 - 完全版を放送
- 2000年3月31日 - 完全版(サトシの旅立ち編込み)を放送
- 2004年8月16日 - 完全版(サトシの旅立ち編込み)を放送
- 2007年7月23日 - 完全版を放送
- 2013年5月3日 - 完全版(サトシの旅立ち編込み)を放送、HDリマスター版[6]
関連商品・グッズ
映像ソフト
- 劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲 (VHS版、ZMVS-502) - 1999年2月12日発売、税抜3800円、発売元:小学館、販売元:メディアファクトリー[7]
- 劇場公開版が収録されている。予告編付。
- 劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲 (LD版、ZMLD-102) - 1999年7月17日発売、税抜7800円、発売元:小学館、販売元:メディアファクトリー
- 劇場公開版が収録されている。予告編、ピカチュウのなつやすみ、劇場版ポケットモンスター99 劇場予告、監督を務めた湯山による製作秘話付。
- 劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲 完全版 (VHS版、ZMVS-505) - 1999年11月12日発売、税抜4800円、発売元:小学館、販売元:メディアファクトリー
- 完全版 (サトシの旅立ち編込み) が収録されている。外箱に「全米公開記念」と銘打たれている。
- 劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲/ピカチュウのなつやすみ (DVD版、ZMBP-550) - 2000年6月23日発売、税抜4300円、発売元:小学館、販売元:メディアファクトリー[7]
- 完全版が収録されている。サトシの旅立ち編は収録されていない。2011年8月24日に再販された。
- 劇場版ポケットモンスター ピカチュウ・ザ・ムービーBOX 1998-2002 (DVD、ZMSS-956) - 2007年9月21日発売、税抜12000円、発売元:小学館、販売元:メディアファクトリー
- ミュウツーの逆襲を含む5作品が収録されている。完全版が収録されている。サトシの旅立ち編は収録されていない。
- PIKACHU THE MOVIE PREMIUM BOX 1998-2010 (Blu-ray版、ZMAS-6200) - 2012年11月28日発売、税抜36800円、発売元:小学館、販売元:メディアファクトリー
- ミュウツーの逆襲を含む13作品および短編映画作品群のHDリマスターが収録されている。完全版が収録されている。サトシの旅立ち編は収録されていない。
書籍
- 『月刊コロコロコミック特別増刊 劇場版ポケットモンスター 超特集号 ミュウツーの逆襲』小学館、1998年8月20日発行、税抜410円。
- 『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲・ピカチュウのなつやすみ大全集』小学館〈キッズ・ポケット・ブックス 34〉、1998年8月、税抜660円。ISBN 978-4092800342。
- 『えいがポケットモンスター ミュウツーの逆襲』小学館〈小学館のテレビ絵本〉、1998年8月、税抜400円。ISBN 978-4091146717。
- 首藤剛志、園田英樹『劇場版ポケットモンスター ピカチュウのなつやすみ・ミュウツーの逆襲』小学館〈This is Animation〉、1998年9月、税抜953円。ISBN 978-4091015457。
- 田尻智 原作、石原恒和 監修『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲/ピカチュウのなつやすみ』小学館〈てんとう虫コミックス・アニメ版〉、1998年10月、税抜762円。ISBN 978-4091494214。
- 田尻智 原作、石原恒和 監修『劇場版ポケットモンスター 新装版 ミュウツーの逆襲/幻のポケモン ルギア爆誕』小学館〈てんとう虫コミックス・アニメ版〉、2006年6月28日、税抜619円。ISBN 978-4091402127。
- 田尻智 原作、石原恒和 監修、小学館プロダクション『ミュウツーの逆襲/ピカチュウのなつやすみ』小学館〈ポケットモンスター えいが超ひゃっか 1〉、1998年10月、税抜800円。ISBN 978-4097506218。
その他
- ポケモンスタンプ ムービースペシャルシート (劇場前売券特典)
- 劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲 劇場パンフレット
備考
- 上映前に公開された予告編には、本作に登場しないシーンや登場人物が描かれている。予告編には、小林幸子の『ポケットにファンタジー』が流れる中、ボイジャーとカスミに似た女性と作中に登場しない少女がともにいるシーンやサトシとピカチュウが爆発から逃げるシーン、ロケット団が軍艦のようなものの上に立つシーンが含まれていた。
- 予告編の最後には、タイトルや上映時期のほか「劇場版ポケットモンスターは過激な映像表現をおさえて製作いたします。」と付記されていた。
- ゲーム『ポケットモンスター』シリーズに先駆けてドンファンが登場した作品である。ドンファン自体は『月刊コロコロコミック』1997年5月号で新作『ポケモン2』(のちの『金・銀』)に登場するポケモンとして公開されていた。
- ワンシーンだけ、ウミオのニドクインがニドキングのカラーになっている作画ミスが見られる (リメイク版では本来の色になっている) 。
脚注
- ↑ 1.0 1.1 "『ミュウツーの逆襲』19日にYouTubeで公開 98年アニメ映画の年間興収1位の名作". ORICON NEWS (2020年11月13日). 2024年3月8日閲覧。
- ↑ "過去興行収入上位作品 (1998年)". 一般社団法人日本映画製作者連盟. 2024年3月8日閲覧。
- ↑ "Pokémon: The First Movie - Mewtwo Strikes Back". Box Office Mojo. 2024年3月8日閲覧。
- ↑ Gueed (2020年11月13日). "「劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲」がYouTubeで11月19日21時よりプレミア公開へ". 4Gamer.net. 2024年3月8日閲覧。
- ↑ フランス大使館 [@ambafrancejp_jp] (2019年8月7日). "…フランスでは2000年公開で、22万人以上の観客動員数を記録しました。…". X (Twitter). 2024年3月8日閲覧。
- ↑ ポケモン映画スペシャル 劇場版ポケットモンスター「ミュウツーの逆襲」完全版(テレビ東京、2013/5/3 08:00 OA)の番組情報ページ | テレビ東京・BSテレ東 7ch(公式)
- ↑ 7.0 7.1 "ミュウツーの逆襲 DVD". ポケモン映画公式サイト. 2024年3月8日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 1998年 ミュウツーの逆襲 同時上映:ピカチュウのなつやすみ | ポケモン映画 プレイバック・ザ・ヒストリー
- 1998年 ミュウツーの逆襲|ポケットモンスターオフィシャルサイト
- シナリオえーだば創作術 - 首藤剛志のコラム。第166回から第184回にかけて本作について記載している。