ゴチルゼル/対戦
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ゴチルゼルの歴史
第五世代
世代後半に解禁された隠れ特性かげふみによって、めいそうやうそなきによる耐久戦術を成立させてよし、こだわりメガネによる攻撃を逃がさずに打ち込んだりこだわりメガネを物理アタッカーに押し付けてよしと、器用な動きが可能であった。
トリプルバトルではニョロトノとルンパッパの雨パ定番コンビ「トノルンパ」にゴチルゼルを挿した雨パとトリパの複合である「トノゴチルンパ」が成立。この「トノゴチルンパ」はルンパッパがすいすいを持っているおかげで途中で非トリパとしての動きにシフトすることが可能であるのが特徴。
世代終盤のダブルバトルではナットレイと組み合わせて雨パに縛りをかける「ゴチルナット」が成立。単純に、ナットレイの苦手なかくとうをゴチルゼルで処理できるのが強かった。
世代末期のシングルバトルではバンギラスのすなおこしとドリュウズのすなかきのシナジーを活かしつつ、バンギラスの苦手なかくとうタイプをゴチルゼルのかげふみで縛って仕留める「バンドリゴチル」が成立。
WCS2011(イッシュ図鑑限定ダブルバトル)マスターカテゴリ優勝メンバーの1体となっている。当時はかげふみ個体が未解禁であったのでおみとおし個体が使われ、でんじはとしんぴのまもりで味方をサポートする型であった。
第六世代
ローキック、なかよくする、いやしのはどう、ないしょばなしを獲得。ないしょばなしは物理受けするのに使えるには使えるが、同じことを実質くすぐるでもできるのでゴチルゼルにとっては微妙な技の追加である。ローキックは相手の素早さを下げて受けループを補助するのに使っても良いと言える。この世代は物理偏重の環境なので、特殊耐久型のゴチルゼルにはつらいものがある。メガゲンガーはかげふみを持っているため、ここに来てかげふみ同士がかち合ったらかげふみが無効になるという仕様が現実的に活きるようになった。トリプルバトルではかげふみが強力であるためORASリーグではどのシーズンでも使用率30位以内に入っており、20位台が定位置であり最高位はシーズン11の15位。同じトリプルバトルでもXYリーグではゲッコウガが人気であり、特にシーズン後半になるとゲッコウガが使用率トップ5の常連となったため、使用率ベスト30とは縁が無かった。
PGLレーティングバトル統計データからは、ORASリーグトリプルバトルではトリックルームといやしのはどうで味方をサポートしつつ隙あらばサイコキネシスで攻撃するポケモンであったことがうかがえる。性格は特殊耐久を上げつつトリパでの立ち回りで有利になるなまいきが、持ち物は居座り性能を高めるオボンのみかたべのこしが好まれた。「トノゴチルンパ」もトリプルバトルでは健在。
シングルバトルではゴチルゼルで耐久型を処理してミミロップでアタッカーを上から叩く「ごちうさ」構築が成立。因みに「ごちうさ」という言葉は漫画『ご注文はうさぎですか?』の略称でもある。実際、ORASリーグシングルバトル統計データを見ると、シーズン7以外どのシーズンもゴチルゼルとの同時エントリー率1位にミミロップが挙がっており、シーズン7ですら同時エントリー率2位であった。当時のレーティングバトルの時間切れ判定は、手持ちのポケモンの数が同じであれば残りHPの最大HPに対する割合で勝敗を決定する仕様であった(これを活かした戦術がTOD)ため、適当にダメージを与えてからでんじはで妨害し、終盤にちょうはつで相手の回復技を縛ってから最後にねむるでこちらが高速回復すればそれだけで勝つことも比較的容易であった。
WCS2014(全国図鑑ダブルバトル)マスターカテゴリ優勝者で韓国のプレイヤーであるパク・セジュンがくすぐるサポーター型のゴチルゼルを優勝メンバーとした。
2016年1月末から2月初頭に開催された、WCS2016の予行演習という性質を持つインターネット大会『2016 インターナショナルチャレンジ January』(GSダブル)ではジュニアカテゴリ使用率29位を記録。ただ、JCS2016オンライン予選では蔓延するあくによって徹底的にメタを張られたため、各カテゴリ使用率ベスト30圏外。
第七世代
主戦場のトリプルバトルが廃止されたことで弱体化。それでもニョロトノがほろびのうたで相手の交代を誘って隙を作ることでニョロトノのあめふらし発動とゴチルゼルのかげふみ仕様が両立できるため、ダブルバトルに舞台を変えた型として「トノゴチルンパ」は残っている。シングルバトルでも物理一辺倒であった第六世代環境から特殊型が増えた環境にシフトしたことで特殊耐久型として若干立場が回復。ただ、持ち時間制への移行によりTODが事実上消滅したため、そういう意味で「ごちうさ」は弱体化。それでも、ゴチルゼルをシングルバトルで使うなら依然として「ごちうさ」が主流であり、実際のところ元々めいそうやかげぶんしんを積めば全抜きも可能であり、ゴチルゼルの一致メインウエポンが効かない相手はメガミミロップで処理できる。
WCS2018ルール環境では、味方の他のポケモンとんぼがえりやボルトチェンジなどで一度にゴチルゼルとカプ・コケコを並べ、相手のかちきミロカロスを確実に仕留める、という試合運びもある。
WCS2018では期待されたほど入賞実績には恵まれず、マスターカテゴリベスト4に進出したプレイヤーが1人使用していた以外は、各カテゴリベスト8進出者は誰も使っていなかった。ゲンガーにはかげふみが効かず、ガオガエンはサイコキネシスが無効であるため、よく考えずに先発させるとキツイものがある。
第八世代
ねこだましを獲得。これによってダブルバトルでのサポート性能が向上。 リサイクル/かげぶんしん/ミラクルアイなどが使えなくなったが、コスモパワー/わるだくみ/アシストパワー/ふういん/さいみんじゅつなど、ねこだましの他にも有用な技を多数獲得した。
シングル
ねむる/コスモパワー/アシストパワーの技構成のかげふみ型が一般的。こだわりスカーフかこだわりメガネ+トリックの型も存在する。カシブのみとダイマックスで相手のドラパルトのダイホロウを逆にかちき発動のチャンスに変える型もこの世代に成立するが、いずれのシーズンも特性の採用率はかげふみが97%付近。
ランクバトルシリーズ2シングルバトルでは時間切れ判定による戦略、いわゆる「TOD」が復活し、ゴチルゼルが一定数「TOD」要員として使われるようになった。低火力の受けポケモンが先発することに合わせてこちらも先発で出し、ねむるで回復しながら攻撃技で相手のHPを削り、ちょうはつで回復技を封じてHP割合の優位を保って時間切れまで粘ればそのまま「TOD」が成立する。
シリーズ3シーズン4ではPokémon HOMEの解禁により相方としてガオガエンが参戦。ガオガエンのいかくとすてゼリフで起点を作り、そのままとんぼがえりでゴチルゼルに交代して無力化した物理アタッカーを相手に「TOD」での勝利を狙う「ゴチルガエン」がこのシーズンに成立。このシーズンにキョダイラプラスが解禁されたことで、キョダイラプラスを起点にする形の「TOD」戦術も見られるようになったが、環境に最速ラプラスが多いので自身も最速ラプラス抜きに調整しないとキツイ場合が目立つ。
シーズン8にポリゴン2が解禁された時も対策として散見された。
シリーズ8(シーズン15~17)の竜王戦ルール(禁止級伝説一匹採用可)になると受けポケモンが増加した影響でその対策として一定数見られるようになった。主にザシアンとキョダイラプラスのコンビ「ザシラプ」にプラスする受け対策枠として使われる。特に、ザシアンを受けにきたヌオーをキャッチする役割を持つ。
シリーズ10(シーズン21~23)のダイマックス禁止版竜王戦ルールでは受けループが増加したこともあり数を増やした。第八世代の中で最も高い使用率となった。
使用率は、シーズン1から順に95,100,111,119,125,104,106,96,101,122, 108,圏外,135,111,69,100,104,105,119,101, 52(シーズン21まで)。
ダブル
ダイマックスの獲得によってかげふみを強制交代技で解除されないようになり、ダブルバトルのほろびのうたを中心としたいわゆる「滅びパ」が強化された。ただ、かげふみ無効のポケモンとしては新たにドラパルトが追加されており、依然としてシャンデラやギルガルドも多いため、メガゲンガー不在も相まってソード・シールド環境では「滅びパ」自体が未開拓な面もある。
ダウンロードコンテンツ解禁前のダブルバトルでは使用率が概ね30位台から50位台を推移していた。解禁前環境のダブルバトルの相方としてはバンギラスがメジャーであり、バンギラスが苦手なかくとうに対して一致で弱点を突く、ねこだましで相手を足止めするかてだすけで強化することでバンギラスのいわなだれで手堅く削りを入れるというのがこのコンビの主な運用法であった。ただし、ねこだましとトリックルームは当然同じターンには放てないため、この2つを使いこなすプレイングはシビアであった。ゴリランダーのグラスメイカー解禁後はゴチルゼルのねこだましとゴリランダーのグラスメイカー+グラススライダーという優先度に物を言わせた集中砲火が、ゴチルゼル入りの構築における主流となった。
シーズン13最終2位構築にはニョロトノとのセットで採用されていた。どちらも特殊耐久特化かつさいみんじゅつ持ちであり、受け切れる有利対面でゴチルゼルを投げてキャッチしてからニョロトノでほろびのうたを歌い、さいみんじゅつで足止めしつつ3ターンを凌いで相手を処理するというのがコンセプト[1]。
使用率は、シーズン1から順に49,38,32,35,47,53,54,67,66,50, 64,102,98,68,99,87,93,60,61,47, 48 (シーズン21まで)。全体的にシングルバトルよりも使用率が高い。
一般的な育成論
高い特防とそこそこの防御・特攻を持つが、攻撃・素早さは低い。特殊アタッカーや耐久型に育成すると良いだろう。同じエスパー単一タイプで似た種族値を持つポケモンとしては、ランクルスやムシャーナが存在するが、それらより素早さは高い。
通常特性はおみとおしとかちきであり、おみとおしは相手の持ち物の判別という情報アドバンテージを得ることができ、かちきはかいでんぱやいかく等の弱体化効果に強くなる。隠れ特性はかげふみであり、一部のポケモンを除いて交代を禁止することができる。ゴーストタイプはかげふみの効果を受けないが、霊攻撃は自身の弱点であり交代ではなく攻撃されることが多いため、問題にはならない。特性としてはかげふみの採用率が最も高い。
最速アイアントのなかまづくりでなまけを押し付け、だっしゅつボタンで退場し、かげふみゴチルゼルを出し交替を封じ、相手が行動するターンは守り、なまけのターンはめいそうなどを積んで無双する、というパターンがある。かげふみが効かないゴーストタイプや、きれいなぬけがらなど弱点もあるが、決まればかなり強力である。
めざめるパワーは基本的には不採用。ゴチルゼルの役目は主にかげふみで有利なポケモンをキャッチして処理することであり、不利な相手に突っ張ることではないためである。
攻撃技の候補としては、タイプ一致のサイコキネシス/サイコショック、それ以外ではシャドーボール、あくのはどう、エナジーボール、10まんボルト等が挙げられる。変化技の候補としては、でんじは、めいそう、トリックルーム等が挙げられる。