捕獲処理
捕獲処理(ほかくしょり)とは、ボールを投げたときにポケモンが捕獲できるかどうかを判定する処理のこと。
処理
第一世代
以下の手順に沿う。
- マスターボールが使われたなら、捕獲成功。この場合以降の手順は全て無視。
- モンスターボールが使われたなら0~255の乱数を、スーパーボールが使われたなら0~200の乱数を、それ以外なら0~150の乱数を発生。
- 乱数-状態補正を計算。この値が0未満のとき、捕獲成功。この場合以降の手順は全て無視。この値が被捕獲度より大きいとき、捕獲失敗。0以上被捕獲度以下のとき、さらに0~255の乱数を発生。
- この乱数がF以下のとき、捕獲成功。Fより大きいとき、捕獲失敗。
いずれかの段階で捕獲失敗となった場合、以下の手順に沿ってボールの揺れる回数の判定を行う。
- D>255のとき、ボールは3回揺れる(ただし、通常プレイではDの最大値は170)。
- D×F÷255+状態補正を計算。この値が10未満のとき、ボールは当たらない。10以上30未満のとき1回、30以上70未満のとき2回、70以上のとき3回ボールが揺れる。
- ※状態補正はねむり・こおりの場合10、まひ・やけど・どくの場合5。
手順で出てきた変数は以下のとおり計算する。
- D=被捕獲度×100÷ボール係数
- ボール係数は、モンスターボールの場合255、スーパーボールの場合200、それ以外の場合150。
- F=最大HP×255÷ボール係数÷(現在HP÷4)
- 割り算が終わるたび、小数点以下切り捨て。ただし、この過程で分母が0となった場合、分母は1とする。
- ボール係数は、スーパーボールの場合8、それ以外の場合12。
- F>255のとき、Fは255とする。
これより、以下のことが言える。
- 捕獲の状況(被捕獲度、残りHP・状態異常、投げるボールの種類)が一定である限り、捕獲失敗時にボールの揺れる回数も一定。
- より捕まりやすい状況になればなるほど、捕獲失敗時にボールの揺れる回数は増える。
- 捕獲失敗時にボールの揺れる回数から、そのときの状況におけるだいたいの捕獲成功率が分かる。
- ある状況において、捕獲失敗時にボールがK回揺れたとする。同じ状況において、ボールが(K+1)回以上揺れたら、その時点で捕獲確定。
- 特定の状況では、スーパーボールの方がハイパーボールより効果が良い。特に、被捕獲度が高く、状態異常にかかっておらず、HPが半分以上残っている場合、スーパーボールの方が効果的である。
- 被捕獲度が低いほど、HPを減らすことで得られる効果は少ない。また、被捕獲度が高いほど、状態異常にかけることで得られる効果は少ない。被捕獲度にかかわらず、スーパーボールの場合はHPの1/2以下、その他の場合は1/3以下においてHPを減らすことで得られる効果はない。
- 残りHPにかかわらず、状態異常にすることで、捕獲成功する確率が十分にある。
第二世代
まずBを求める。
B=(最大HP×4-現在HP×2)×捕捉率×捕獲補正÷最大HP+状態異常補正+1
0~255の乱数を発生させて、B以下なら捕獲成功。
第三世代・第四世代
普通の場合
まずBを求める。
B=(((最大HP×3-現在HP×2)×捕捉率×捕獲補正)÷(最大HP×3))×状態異常補正
Bが255(FF)以上なら捕獲確定。
- 捕捉率:捕獲するポケモンの捕まえやすさ。捕捉率一覧を参照。
- 捕獲補正:ボールの捕まえやすさ。捕獲補正率を参照。
- 状態異常補正:
- こおり・ねむりなら2(第四世代以降では2.5)
- どく・まひ・やけどなら1.5。
捕獲が確定しなかった場合、次にGを求める。
G=65535÷(4√(255÷B))
0~65535の乱数を発生させて、それが4回ともG以下なら捕獲成功。 Gより大きい乱数があった時点で失敗が確定し、それ以降揺れ判定は行われない。
サファリゾーンの場合
まずSを求める
S=(捕捉率×100)÷1275×石補正÷餌補正
- 捕捉率:捕獲するポケモンの捕まえやすさ、各ポケモンを参照。
- 石補正:石を投げた回数×2
- 餌補正:餌を投げた回数×2
次にBを求める。
B=(S×1275)÷100
※但しBは3~20の間
後はBを普通の場合のGに入れて計算。
第五世代
第五世代の計算式は基本的に第四世代と共通であるが、係数の計算に3つの変更点がある。
- ほかくパワーの効果
- 捕獲率に以下の倍率が適用される
- ほかくパワー: 1.1
- ほかくパワー+: 1.2
- ほかくパワー++: 1.3
- 濃い草むら
- (最大HP×3-現在HP×2)の部分に、図鑑の完成度に基づく以下の倍率を適用する
つかまえたかず | 倍率 |
---|---|
> 600 | 1 |
451-600 | 3686/4096 (90%) |
301-450 | 3277/4096 (80%) |
151-300 | 2867/4096 (70%) |
30-150 | 2048/4096 (50%) |
< 30 | 1229/4096 (30%) |
揺れの判定では、以下の値が使用される。
G = 65536 / (255/B)^0.25 |
捕獲クリティカルが発生する場合、揺れ判定は1回しか行われない。それ以外の場合は、0000~FFFFの乱数を3回生成し、すべてG以下なら捕獲成功。
捕獲クリティカル
捕獲クリティカルの発生確率はポケモン図鑑の完成度に依存する。上記B値を計算後、以下の倍率を適用し、6で割った後に小数部を切り捨てる。この値をCとする。無作為に0~255の値を生成し、これがCより小さければ、捕獲クリティカルが発生する。
つかまえたかず | 倍率 |
---|---|
> 600 | 2.5 |
451-600 | 2 |
301-450 | 1.5 |
151-300 | 1 |
30-150 | 0.5 |
< 30 | 0 |
捕獲クリティカルでは、揺れのチェックを1回しか行わないため、通常の捕獲よりも捕まえやすい。
第六世代・第七世代
基本的に第五世代と同様であるが、通常の捕獲時の揺れ判定が4回行われる仕様に戻ったほか、G値の計算式とほかくパワーの倍率が異なる。
G = 65536 / (255/B)^0.1875 |
主人公が最初に野生ポケモンに遭遇する道路(カロス地方の2ばんどうろ、ホウエン地方の101ばんどうろ、アローラ地方の1ばんどうろ)では必ず捕獲成功となる。
ウルトラビーストを捕獲する場合、ウルトラボール以外のボールの捕獲補正は410/4096(約0.1)に上書きされる。
- ロトポンの効果(ウルトラサン・ウルトラムーン)
- 捕獲率に以下の倍率が適用される。
- つかまえポン: 2.5
第八世代
ワイルドエリアでストーリー進行よりも高いレベルの野生ポケモンと出会えるようになったため、捕獲できるポケモンのレベルがジムバッジによって制限されるようになった。バッジ0個の時点で捕獲できる最高レベルは20で、ジムバッジを1個入手するごとに5ずつ上がっていく。
主人公が最初に野生ポケモンに遭遇する道路(ガラル地方の1ばんどうろ)では必ず捕獲成功となる。
新たにレベルに関する2つの補正率(L, Dとする)が導入された。
Lは、野生ポケモンのレベルが30以下のときに適用され、
L = (30 - レベル) / 10
が掛けられる。レベル30以下のポケモンの捕まりやすさが通常よりも上がる。
Dは、通常の野生ポケモンとの対戦かマックスレイドバトルかによって定義が異なる。
- 通常の対戦時では、シナリオクリア前で、野生のポケモンが自分が出しているポケモンよりレベルが高いとき、D=410/4096となる。すなわち、相手のレベルが高いと捕獲率が通常のおよそ10分の1になる。ムゲンダイナを捕まえた後は適用されず、通常の捕獲率となる。
- マックスレイドバトルでは、プレイヤーが主催者か参加者か、レイドバトルの難易度によって決まるが、現時点で詳細は不明。
マックスレイドバトルでは、野生のポケモンのHPは1、状態異常はかかっていないものとして捕獲率が計算される。さらに、かかったターンに1加算される。これにより、1ターン目に倒したとしてもクイックボールの補正はかからない。
第八世代では図鑑に登録されるポケモンが(エキスパンションパス込みで)600種類に満たないことから、「濃い草むら」の補正が捕獲率に適用されるかどうかは判明していない(ただし、つかまえたかずは捕獲クリティカルの判定には使用される)。
第八世代で新しく登場したゆれないおまもりはCの計算で使用される。ゆれないおまもりを所有している場合、Cの小数部を切り捨てる前の値に2倍の補正がかかる。
脚注
- ↑ プログラムミスにより、本来5にするはずの処理が無効になっている。"BRN/PSN/PAR do not affect catch rate"、PRET、2022年3月10日閲覧。