マタドガス/対戦
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このページは、マタドガスの対戦での扱い、および育成論を記述するところである。ガラルのすがたについても記述する。
マタドガスの歴史
第一世代
どくタイプの最高威力のわざヘドロこうげきを習得できる数少ないポケモンだが、それでもその威力が65しかない。更にエスパータイプが全盛を極めていたなどの理由から対戦では非常に肩身の狭い思いをしていたが、当時は現在よりも優秀だったくろいきりやだいばくはつを覚えられるポケモンとしての貴重さはあった。
第二世代
あくタイプ・はがねタイプの登場によりエスパータイプがやや減り対戦でも居場所が少しは見つかるようになり、またヘドロばくだんの登場で火力不足も改善された。どくタイプのわざが効かないはがねタイプに刺さるだいもんじも覚えられる。高い防御とどくタイプの相性からかくとうタイプには強いが、じめんタイプには弱く当時はガラガラがトップメタだったので、まだまだ耐久型としての性能は獲得していなかった。ベトベトンとは種族値の合計で逆転されたばかりか攻撃性能や耐久性能でも後れを取るようになり、ベトベトンもくろいきりを覚えるようになったことから、マタドガスはベトベトンの下位互換のようになった。
第三世代
特性ふゆうの獲得、更に当時は貴重だった新わざおにびの習得により、物理受けとしての道が開き始めた。エスパータイプに有効なシャドーボールも習得。使用できるポケモン・技のバリエーションが少なかったルビー・サファイア期では、だいばくはつを使えるうえにじしんを流せる弱点1つのポケモンというだけで十分強力であった。
第四世代
ヘドロばくだん、シャドーボールがとくしゅわざとなった。更にどくタイプぶつりわざは覚えることができず、特攻よりも攻撃の方が高いマタドガスにとって残念に見えるが、ほぼ同じ程度であるため大したマイナスではない。むしろだいもんじやかみなりを扱うマタドガスにとってはせいかくを決定しやすい上にきそポイントを注力させやすく、特殊アタッカーとしての道が開けたと言える。しかし火力インフレによってゴウカザルあたりに突破されるようになり、かくとうタイプ対策としてもグライオンと比べれば分が悪かった。弱点が少ないとはいえ、クレセリアやUMAトリオなど新規のエスパータイプにかち合うときつい部分もあった。
第五世代
効果だけ見ればくろいきりの上位互換であるクリアスモッグを習得。この世代ではかくとうタイプやくさタイプがこれまでになく強化されていたため、これはどくタイプのポケモンにとっては相対的な強化であった。新規に登場したキリキザンはマタドガスとの相性補完に優れている。
単体としては依然として二線級であったが、砂パの始動役として出世したバンギラスとの相性補完を活かした「バンギドガス」が成立。
ただ、地面にいないポケモンであるため、場のどくびしの除去は務まらなかった。どくびしが流行するなかで、この点は残念に見られた。
第六世代
フェアリータイプが登場したことによってフェアリータイプを受ける役割をこなせるようにはなったが、特防があまり高くないのでそこまで安定しない。ゲップを習得したため、オボンのみとのコンボが成立。どくびしを習得したため物理受けとしての性能が向上。また、サイコウェーブとたくわえるを同時遺伝することが可能になっている。
PGLレーティングバトル統計データを参考にすると、この世代ではおにびの採用がほぼ確定であり、メインウエポンはヘドロばくだん、サブウエポンはほのおタイプだと火力を重視してかえんほうしゃよりだいもんじが好まれた。他のサブウエポンは10まんボルトが比較的採用率を伸ばした。補助技は他にいたみわけ、クリアスモッグが母数を伸ばし、性格は圧倒的な物理偏重環境を鑑みてずぶといが需要を高めた。
第七世代
カプやミミッキュの登場などフェアリータイプの普及によってどくタイプで一致弱点を突くチャンスが増えたようにも見えるが、元々耐久型がメインのマタドガスにとってこの点は強化とは言い切れない。それどころか対となるベトベトンがリージョンフォームを獲得したことでベトベトンに見劣りするようになった。かたやぶりアタッカーが環境上位にしばしば見られる中、ふゆうというアローラベトベトンとの差別化点も過信できなくなっている。
単体では落ち目であったが第五世代に流行した「バンギドガス」が一時期再燃を見せており、USUMリーグシングルバトルシーズン7では同時エントリー率1位にバンギラスが挙がっている。
第八世代
ガラルのすがたを獲得。どちらの姿もふゆうの他にかがくへんかガスの特性が加わっており、隠れ特性も追加されている。技は新たにねっぷうと、第五世代のポケモンドリームワールド産の個体限定だったヘドロウェーブを習得可能になった。
ガラルのすがたは、シングルバトルではサザンドラとの相性補完コンビ「サザンドガス」が注目された。サザンドラの弱点の内かくとう、むしを4分の1で受け、ドラゴンを無効にする点が特筆される。おにびを撒くことができる物理受けという点からバンギラス対策にもうってつけ。
シングルバトルでは上位ポケモンが使用禁止となったシリーズ6環境で活躍。パッチラゴンのはりきりなどをかがくへんかガスで消せることから需要が増し、シーズン10には使用率26位を記録。このシリーズのルールではひかえめたつじんのおび型が主流であり、ワンダースチーム、ヘドロウェーブ、おにび、かえんほうしゃという技構成がメイン。
ダブルバトルではかがくへんかガスが切れると登場時発動特性が再発動する仕様を活かした、ガオガエン、ギャラドス、ウインディなどのいかく持ちとの同時採用が目立つ。
冠の雪原で新たなサポート先のレジギガスが解禁。出してすぐにレジギガスのフルスペックを発揮できる。但し、イエッサンなどのような明確な不利も環境におり、狙い撃ちにされると脆いため、このコンビの狙いもわかりやすい上に対策自体も容易。
一般的な育成論
もとのすがた
高い防御と特性ふゆうにより実質的に弱点がエスパーのみという耐性、おにびを習得することから物理受けとしての適性が強い。ただし、HPの種族値は低めであり、やけどの補助がなければ厳しいものがある。特殊耐久の低さ、低い素早さや回復技に乏しいのもネック。
特性はじめん無効化のふゆうが基本。かがくへんかガスは特性を軸としたポケモンの戦略を大きく崩すことができる。汎用性は高いとは言い難いが、強力な特性のポケモンが流行していたり、明確な仮想敵が定まっていたりするのであれば優先される。登場時に発動し、相手にも明らかになる点は注意。隠れ特性のあくしゅうは低い素早さとアンマッチで候補とならない。
攻撃技は、一致技に物理耐久型と相性の良いクリアスモッグのほか、ヘドロばくだん、ヘドロウェーブなどがある。その他にだいもんじ/かえんほうしゃ/ねっぷう、10まんボルト/かみなり、シャドーボール、あくのはどうがある。はがね対策としてほのおわざは優先度高め。物理技だが自主退場技のだいばくはつも一考。ちなみに特攻よりも攻撃の方がわずかに高いが、第四世代でわざごとにぶんるいが分けられてからは、現在でもどくタイプぶつりわざを覚えることはできない。
変化技は、物理耐久型の要となるおにび、ほぼ唯一の回復技になるいたみわけのほか、ちょうはつ、たくわえる、くろいきり、おきみやげ、みちづれ、どくどく、どくびしなど。前述のとおり回復技に乏しいのでくろいヘドロでカバーしたい。
ガラルのすがた
種族値はもとのすがたと同じで、タイプにフェアリーが加わる。あくの半減やドラゴンの無効化などを得られる一方で、はがねが弱点に加わる。
特性の選択についてももとのすがたとほぼ同じことが言える。隠れ特性のミストメイカーは状態異常を戦略に組み込むことが多いマタドガス自身とはアンマッチであるから、ダブルバトルや起点作りとするのでなければ候補となりづらい。
攻撃技の候補はもとのすがたのわざに加え、フェアリータイプのワンダースチーム/マジカルシャイン/ミストバーストが加わる。
変化技についてももとのすがたと同様。回復技に乏しい点も共通であり、くろいヘドロの優先度は高め。
ドガース
しんかのきせきを持たせればマタドガスに耐久指数で勝るようになるが、特防がギリギリな上に物理耐久はおにびでカバーできるので性格は特防に補正を掛けるべきである。他にも、マタドガスより低い素早さで後攻いたみわけができる点を活かし、なまいき最遅に仕上げるケースも想定される。