グレイシア/対戦
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グレイシアの歴史
第四世代
高い特攻から繰り出される一致れいとうビームで、たとえヤチェのみでダメージを軽減してもこおりタイプが4倍弱点のポケモンを1撃で倒せるため、ガブリアスやボーマンダのメタとしては最適であった。後手で行動するための最低限の耐久力を持っているのも旨味であった。当時はマシン技として覚えるみずのはどうがサブウエポンとして存在していたのではがねにもそこまで苦労せず、さらにシグナルビームをプラチナの教え技で覚えたため技範囲はそれほど狭くなかった。実際ポケモンリーグ2007中学生以上の部福岡地区準優勝のパーティにエントリーされるなど、使用実績を残しており、WCS2008静岡県予選優勝という実績も残した。WCS2009日本大会グループBのFINALステージでは8人中1人が使用しており、そのプレイヤーが準優勝を果たしていた。
ダブルバトルではてだすけとこだわりメガネ込みなら後出ししたメタグロスが受け切れないほどの火力を発揮した。
第五世代
ガブリアス、ラティオスなどの既存のドラゴンポケモンが第四世代と変わらず勢いを保っていた他、オノノクスやサザンドラといった新規のドラゴンも台頭し、メタを張る相手が増えた。一方、ウルガモス、ヒヒダルマ、シャンデラなどの強力なほのおタイプのアタッカーが増え、後手から強力な一致れいとうビームを打つというグレイシアの強みを発揮することがしづらい場面が増えた。隠れ特性としてアイスボディを獲得するが、より耐性と種族値配分が優秀なトドゼルガに及ばなかったのが難点。この世代のダブルバトルは霰パ全盛期であったため、相手のゆきふらしにただ乗りしてふぶきやゆきがくれを活かすのもアリであった。
第六世代
ゆきふらしの仕様変更により、アイスボディによる受けループは実質上消滅。また、特殊技の威力下方修正によっても弱体化。何よりファイアローやバシャーモ、リザードンに上から叩かれるケースが激増したのが痛い。そうでなくとも素早さの種族値65というのはこちらが先手を取られるとキノコのほうしでねむりを撒かれるキノガッサよりも低く、こちらが先手を取るとシールドフォルムで受けてくるギルガルドよりも高い、という環境的に絶妙に恵まれないライン。その2体には抜群を取られるのでなおさらキツかった。この世代になるとメガシンカの登場などもあって、相対的に見てもグレイシアの一致れいとうビーム程度では弱点を突ける対面でもなければ大きなアドバンテージとは言えなくなり、単純なところではメガシンカを獲得したユキノオーにドラゴンメタとしては見劣りした。一方、霰パで見ると、そのメガユキノオーや隠れ特性のアマルルガなどが登場していることで、霰状態を作ることは第五世代よりも自由になった。弱点が多く鈍足なグレイシアに適したじゃくてんほけんも登場しており、特にダブルバトルでは上を取った相手の攻撃を耐えてから、上がった特攻で下からふぶきを打って大ダメージを与えることができるようになった。
PGLレーティングバトル統計データからは、XYリーグシングルバトル前半シーズンだとれいとうビーム、こおりのつぶて、めざめるパワー、ミラーコートが主流技構成であり、後半はミラーコートがシャドーボールに代わった構成がメインであったとうかがえる。ORASリーグシングルバトルでは概ねXYリーグシングルバトル前半シーズンの技構成が踏襲されていた。持ち物は違和感なくフルアタック構成にできることからとつげきチョッキが好まれ、性格は火力が出るひかえめが最大母数となった。
カロスダブルではメガユキノオーとのコンビで使う霰パのエースとして一定数使われたが、安易にこだわりメガネを持たせてふぶきを打つとギルガルドのワイドガードで詰んでしまうため、必ずしもこだわりメガネを持たせるという訳ではなく、のんきのおこう+ゆきがくれによる運ゲー型、とつげきチョッキ型なども比率を伸ばしていた。ふぶきとれいとうビームの同時採用もざらであった。
第七世代
アローラキュウコンの登場やバイバニラへの通常特性ゆきふらし追加などから、ゆきふらし自体がゆきふらし持ち自身へのサポートとして利用される風潮が漂い、霰パ自体が時代遅れになっていった。さらにカプやミミッキュの登場などフェアリータイプの普及によりドラゴンメタとしても顧みられなくなった他、何よりフェアリーによるはがね技の需要増加とZワザ登場により役割破壊されるケースがさらに増加したことで、防御面がますます悪化した。種族値、特性、単体構成などグレイシア自身どれを取っても後手に回りやすいこともあって、第六世代よりも立場は悪くなった。この世代になるとカプの超火力に対処できるようにきあいのタスキ型が増え、奇襲性を上げるためにZワザ型を使用するケースも多く見られるようになった。代わりにとつげきチョッキは採用率に陰りが見えている。その他の単体構成は特に変わっていない。
第八世代
オーロラベールが技マシンから削除された代わりに、念願のみず対策であるフリーズドライを獲得。これによって天敵であるギャラドスやヌオーに4倍弱点をつけられるようになった。 更にダイマックスを用いてメインウェポンを使用すれば、攻撃しつつあられ状態を作れるため、どちらの特性も天候役なしで生かすことが出来る。 天候の上書きに注意は必要だが、環境にドラゴンが多いこともあって総じて大きく強化されたと言える。
主流技構成としてはふぶき、フリーズドライ、ミラーコート、こおりのつぶてというものがあり、第七世代で廃れかけていたとつげきチョッキ型が勢いを取り戻した。環境で流行するヌオー、ドヒドイデには強い。また、ミラーコートの枠をこごえるかぜに替えてこおり火力のみの構成にするケースも珍しくなく、そのような技構成とシナジーの強いとけないこおり型もこの世代では有用。
これらの技以外にも、シャドーボールを用いるケースもある。単に安定した技であり、攻撃範囲が広がるからという理由もあるが、ダイマックスして使えば、防御を下げることが出来る。これを利用して、耐久型のポケモンの耐久力を削いで場から追い出したり、3ターン耐え切られても後続の物理型ポケモンのためのサポートになるなど、何かと役に立つ。
Pokémon HOME解禁前は使用率40位台から50位台にあり、健闘を果たした。じゃくてんほけんを発動した、あるいはわるだくみを積んだトゲキッスだけを見るならHPに特化したきあいのタスキ+ミラーコート型も強力であった。
一般的な育成論
特攻種族値に優れており、こおりタイプの中では禁止伝説やメガシンカを含めてもホワイトキュレム(170)、メガユキノオー(132)に次いで3番目に高いとされる。それらを除けば初登場して以来現在も特攻が最も高いポケモンである。防御・特防種族値も高めなものの、HPが低いために物理耐久&特殊耐久は高くなく、こおり単体故に耐性が少ないなど基本ステータスは余り良くない。覚える特殊技もそれほど多くなく、高い特攻をあまり活かしきれないのも難点か。霰パやイーブイ及びその進化形のみで構成されたパーティでの採用が普通。霰パの場合は回避率が上がる特性のゆきがくれを有効活用できる。それ以外のパーティに入れるなら、ドラゴン、ひこう、くさタイプなど、こおりタイプに弱いポケモンをカバーする形で採用したい。
第七世代まで
攻撃技はふぶきかれいとうビームがメイン。鋼タイプに有効なめざめるパワーの炎・地面も有効。ふぶきをメインにする場合これだけで十分なことも多い。技スペースが余ればシャドーボール・みずのはどうが採用されるくらいか。他にはミラーコート、シグナルビーム、先制技のこおりのつぶてや相手の素早さを下げて先手を取りやすくするこごえるかぜなど。グレイシアは攻撃がかなり低いので、こおりのつぶては基本的に相手のきあいのタスキ潰し。
補助技はあまえる・ねがいごと・まもる・あくび・うそなき・バリアー等候補は多い。特性のゆきがくれとの相性が良いみがわりも有効。
シングルバトルの場合は火力を追求したひかえめが性格のメインだが、ずぶとい、おだやかにして耐久面を充実させるのもアリ。努力値は素早さが低いので、耐久力を底上げかつ高い特攻で攻めるために基本HPと特攻に極振りするパターンが多い。耐久型にする場合は、HPに極振りして物理面か特殊面のどちらかに対応するかに応じて調整すると良いだろう。
性格をおくびょうにして、最速にするパターンもある。その場合のすばやさはLv50で128で、こだわりスカーフを持たせると192まで跳ね上がる。性格をすばやさに振っていない相手ならほぼ追い抜けるので、意表をつける。ただし、ふぶきを使うなら、あられによるサポートを他のポケモンにお願いしなければならない。ダブルバトルならおいかぜ込みで上から動けるおくびょう、比較的遅い素早さを活用してトリックルームによって下から動けるれいせいが性格としては二番手クラスの地位にある。
隠れ特性はあられのとき体力を最大の1/16回復できるアイスボディ。持ち物のたべのこしと合わせると1/8もの回復が望めるが、同じ特性を持つトドゼルガと比べるとHPの低さや耐性の少なさが目立つ。
第八世代以降
念願のフリーズドライを獲得したことでみずタイプの弱点をつけるようになり、動きやすくなった。さらにこれによってギャラドスやヌオーに4倍弱点をつけられるようになったのも大きい。
メインウェポンはれいとうビーム、ふぶき、フリーズドライのうち2つを選ぶ。この理由は後に解説する。
サブウェポンはみずのはどう、シグナルビームを没収されたため、実用性があるのはシャドーボールのみとなってしまった。そのためメインウェポンを2つ選ぶ理由がこれである。ただし、ダイマックスを使用する場合は意外にもどろかけも採用候補になる。ダイマックス時の威力は90とそれほど高いとは言えないものの、弱点であるほのお、はがね、いわタイプに対抗できるため、採用の余地がある。
ミミッキュのばけのかわを剥がす目的で尚且つダイマックス前提であれば、かみつくも候補に入る。ダイアークの特防のランク補正ダウンの効果だけでも使えればよいためである。