カメックス/対戦
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このページは、カメックスの対戦での扱い、および育成論を記述するところである。
カメックスの歴史
第一世代
対戦ではスターミーという鉄板がおり、速度と火力で劣るカメックスの立場は厳しかった。みず単タイプとして見ても、技や種族値が耐久戦法とより噛み合っているシャワーズというライバルの存在が重かった。
それでも、1996年頃の公式戦という体で行われた対戦など、黎明期の環境では、御三家であり旅パとして育てたのでレベルが上がっているという程度の理由で採用されていた。当時はルールすら未整備、インターネットも普及前で、対戦ノウハウもまるで成立しておらず、このような採用法も珍しくなかったためである。
99カップでは、物理耐久の高さ、ふぶき、じしんを覚えることからみず単タイプとしてそこそこの需要を得た。
第二世代
特防が20上昇したことと遺伝技でミラーコートを覚えられるようになったことで強化されたが、みずタイプで耐久寄りのポケモンならスイクンやキングドラなどがいたため、じしんなどでの差別化が必要になるぐらいと相変わらず対戦では地味な立ち位置であった。この世代でのみのろいを覚えるようになり、そこそこのこうげきに加え高めの物理耐久、すばやさは低めのカメックスとは相性が良かった。でんきタイプに対しては急所率の弱体化ととくぼうの上昇により、じしんを覚えることもあいまって第一世代よりは返り討ちにしやすい。
第三世代
タイプ一致でじしんを放てるうえにカメックスと同じくミラーコートも覚えるラグラージに食われた感があった。この世代でアタッカーとして使う場合はラグラージより速い点を活かす必要があった上、10まんボルト耐え等、特殊耐久を意識しないとオーダイルに劣る可能性もあった。
第四世代
インフレするみずタイプに置いて行かれたようにも見えるが、アクアリング、アクアジェットなど地味ながら強化されてきており、カウンターとミラーコートの両立も健在。地味にいわなだれもこの世代に獲得していた。プラチナでてっぺきもレベルアップ技として習得。
第五世代
対ほのおポケモンとしてはスターミーやフローゼルなどの速攻型にその役目を譲り、パルシェンやアバゴーラと違ってからをやぶるを覚えないので、隠れ特性あめうけざらを活かした持久戦でも終盤の爆発力ではいま一つ。この世代でも器用さと安定性を活かした戦い方が主軸となり、豊富な耐性を持つアタッカー、猛威を振ったドラゴンタイプへのストッパーなど、役割は第四世代と変わらなかった。
単体では地味であったが、カメックスによるドラゴンタイプへの役割破壊、ガブリアスによるステルスロック、がんせきふうじ撒きとげきりん、じしんによる攻めを行い、この2匹にとって不利な相手をナットレイで処理するという「カメガブナット」が使われていたものの、この世代で流行はしなかった。
第六世代
メガシンカを獲得。トリプルバトルでは、隣のポケモンでおいかぜ、いかりのこなまたはこのゆびとまれを発動することでしおふきの火力を最大限活かす「おいかぜカメックス」が流行。一時期はトリプルバトルの環境で、使用率トップ10にランクインするほどであった。メガカメックスの特性メガランチャーに合わせる形ではどうだん、あくのはどう、りゅうのはどうを習得。特にはどうだんはメガシンカ獲得以降のカメックスの十八番となり、実際のところこの世代以降はソフトを問わずほとんどのシーズンではどうだんがレート戦における搭載率1位を記録している。
シングルバトルの「カメガブナット」も強化され、カメックス入りの構築としては一般化。
また、ORASリーグ以降互換切りによりカウンター型が消滅。
WCS2014(カロスダブル)シニアカテゴリベスト4入賞を果たしたパーティの1体となっている。
第七世代
トリプルバトルの廃止によって相対的に弱体化。素早さの種族値が110を超えるポケモンがこだわりスカーフを持ち、フィールドメイカー特性で超火力を発揮する環境の中、耐久力に任せて受けながらはどうだんで刻むというメガカメックスの勝ち筋が通用しなくなりつつある状況となった。特に、カプ・コケコの10まんボルトはカメックスにとって悩ましい役割破壊であり、先手を取られたらまず勝ち目はない。主力技がことごとくフェアリーに半減以下で受けられるのも痛かった。そのような中、素早さの種族値79というのはこの世代になると相手は選ぶがトリパ向けとも言える水準となってしまったため、トリパでの運用が主体となった。
単体では弱体化を見たが、ミミッキュという自ら攻めてよし、トリックルームやのろいで起点を作ってよしという新たなトリパの核を手に入れた。これに加えて第五世代の頃から変わらずみずタイプとの相性補完として利用されているナットレイを入れた構築が成立。少なくともSMリーグシーズン5までのシングルバトルでは同時エントリーランキング3位以内にミミッキュとナットレイが挙がっていた。サイクル全盛環境において刺さりが良い場面が少なくない「カメガブナット」もカメックス入りの構築としては未だ主流の座を守り抜いている。
ダブル環境においては当初目立たなかったものの、USUMリーグシーズン7では最終1位の構築がランドロスからエルフーン、カプ・コケコを守るためにカメックスを採用している。USUMが発売されガオガエンが台頭してくると、ガオガエンにすばやさ・相性面で圧倒的優位に立てるカメックスの立場は多少向上した。この時代にはお互いの相性補完が良いカミツルギとペアを組み、ねこだましでカミツルギのおいかぜをサポートしながら、どちらかの火力を押し付ける「カメツルギ」が開発された。カミツルギは同時使用率ランキング1位の常連となり定着こそしたものの、この構築はサンダーが非常に辛いなどの弱点もあったため、環境の主流に入り込むことはできなかった。
WCS2018(全国ダブル)世界大会ではマスターカテゴリではベスト16進出はならなかっただが日本人選手がメガカメックスを使用していたことが報告されている。その選手はオオスバメも使用しており、パーティを若干マイナーポケモンに寄せていた。
ピカブイでは高耐久からドラゴンテールを放てる「昆布戦法」の要員として独自の地位を築き上げ、2019年3月頃から使用率が伸びた。ピカブイでドラゴンテールを放てるみずはカメックスのみ。高評価の背景には、ピカブイにわずかしかフェアリーの種類が存在しないという事情がある。
第八世代
メガシンカは廃止となったが、からをやぶるを習得した。さらにダイマックス時はHPが倍加するため、ステータス面でカメックスには好都合となっている。ただ、同じくからをやぶるを覚えるパルシェンと異なり複合タイプではなくみず単タイプであり攻撃も中途半端なため、火力は微妙。こちらは素早さの種族値で勝っていることとじしんを覚えてはがねに強いどころかでんきも返り討ちにできることが売り。
ただ、Pokémon HOME解禁後は目立った活躍はない。というのも、同じくシリーズ3で解禁されたキョダイラプラスがみず枠の代表となり、単純に枠が取れないためである。また、タイプ相性上不利なパッチラゴンのきあいのタスキ所持率が高く、折角きあいのタスキを頼りにからをやぶるを積んでも仕留め損なって返り討ちに遭うケースが非常に目立つ。
それでも、ダブルバトルシーズン18では使用率50位と健闘。
一般的な育成論
防御や特防が高いので、耐久型が種族値に合っている。からをやぶるを利用した積み型アタッカーとしての運用も可能であり、攻撃と特攻の高さがほぼ同じなので、物理アタッカー・特殊アタッカーのどちらにもできる。
特性はげきりゅうと隠れ特性のあめうけざら。あめうけざらは、ダイストリームで能動的に発動でき、耐久寄りの種族値と相性が良い。一方で回復量は微妙であり、他に回復手段に乏しいため、やや効果が実感しづらいか。しおふきを採用する場合はげきりゅうとの相性が悪いため選択肢となる。
キョダイマックスはスリップダメージを与えるキョダイホウゲキかダイストリームの選択。2発以上打つ場合は天候変化のダイストリームが強く、あめうけざらとの相性も良い。割合ダメージのキョダイホウゲキも、攻撃性能がそこまで高くないカメックスとの相性が良い。
物理技ならたきのぼり/アクアブレイク、れいとうパンチ、じしん、アイアンテール、しねんのずつき、いわなだれ、かわらわり、げきりんが候補に挙がる。ダブルバトルではねこだましも有用。
特殊技は、ハイドロポンプ/なみのり/ねっとう/しおふき/ハイドロカノン、れいとうビーム/ふぶき、きあいだま/はどうだん、ラスターカノン、りゅうのはどう、あくのはどう、だいちのはどうが候補に挙がる。サポート型ではこごえるかぜも有用。
どちらの型でも先制技のアクアジェットを入れておくのも良い。また、覚えるポケモンの少ないクイックターンもいずれの型でも有効。耐久型なら高い防御力を攻撃に転用できるボディプレスも有用。