アーゴヨン/対戦
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アーゴヨンの歴史
第七世代
種族値だけで見れば最終形態のウルトラビースト中最弱だが、実際は能力にムダがないため種族値の差を感じる場面は思いのほか少なく、むしろレート戦での使用率は登場初期はウルトラビーストの中で最も高かった。その後テッカグヤの方が多用されるようになったが、それでも使用率が高いことに変わりはなく、一定の強さが保証されているということに変わりはなかった。
USUMで追加されるなり、素早さの種族値121という速度(これは同じドラゴンタイプを持つボーマンダやガブリアスよりも高い数値)、わるだくみという火力積み技、ビーストブーストという様々な型を作るのに役立つ特性など、ドラミドロにはない長所をいくつも持っておりドラミドロより使い勝手の良いポケモンとして期待された(一応ハイドロポンプなど、ドラミドロにしか使えないような技も中にはあるが)。
実際、USUMリーグシーズン7ではカプやメガボーマンダへの解答として活躍し、使用率9位を記録。ただ、直後のシーズン8からじめんとこおりの一貫性を作ってしまう点が響き、カバルドン、へんげんじざいゲッコウガに弱い点が露呈。以降は使用率20位台が定位置となった。因みに、ゲッコウガは素早さの種族値が122とアーゴヨンに1勝っており、実際の対戦では先発でかち合ってアーゴヨンが引くという事態が多発。寧ろこのように種族値を調整してバランスが取られたのだと推測される。どく、ドラゴンというタイプが技としては抜群範囲が極めて狭く火力増強が必須な上に、簡単に交代で無効化されやすいため、プレイング難易度は高め。また、クチートは一致メインウエポン両方を無効にする天敵。
PGLレーティングバトル統計データからは、ヘドロウェーブ、りゅうせいぐん、わるだくみ、だいもんじが主流技構成であることがうかがえ、性格は最速を意識したおくびょうが大半であった。持ち物は瞬間火力を追求したドラゴンZが一番手。
単体でも一線級だが、この世代ではれいじゅうランドロス、ギャラドスのいかくとアーゴヨンとの3匹を合わせた相性補完でサイクルを回しながら、アーゴヨンのわるだくみかギャラドスのりゅうのまいで全抜きを狙う「アゴギャラランド」が人気構築となり、構築にも恵まれた。霊獣ランドロスの枠をハッサムに替えて積みサイクルの性格を強めた「アゴギャラハッサム」も同様に人気。
アーゴヨン入りのパーティで、レート上位プレイヤーのハンドルネームをそのままパーティ名に組み込んだ「なごしパ」というのが界隈で有名になった。カビゴンで特殊を受け、エアームドで物理を受け、グライオンで上からハメる「カビグライムドー」に、物理の攻め枠のメガミミロップ、特殊の攻め枠のシャンデラ、こだわりスカーフ持ちである攻め枠のアーゴヨンを入れたパーティであり、攻め枠で相手の受け枠を崩す枠を処理してから受け枠で受けループして詰ませるのがコンセプト。これはUSUMリーグシーズン8で最終1位(レート2182)を記録した由緒正しき構築である[1][2]。
この世代でアーゴヨンを使ってレート上位を目指すなら、ラッキーへの対策は重要。即ち、ラッキーのちきゅうなげを3回耐えできるようにHPに20努力値を振って実数値を151に調整すると良いということである。
ダブルバトルでは素早さの種族値が110を超えるポケモンもトリックルーム状態で下から動くために素早さに性格補正を掛けずに素早さへの努力値を削ったケースが多いため、シングルバトルのアーゴヨンでは1割台程度しか見かけられないひかえめ型も3割前後見かけられる。ヘドロばくだん、おいかぜ、まもる、かえんほうしゃorりゅうせいぐんがUSUMリーグダブルバトルにおける主流の技構成で、カプなどフェアリーに通らないりゅうせいぐんをカットしてかえんほうしゃを入れるケースが上級者の中で多いことから、ダブルバトルのアーゴヨンは「ほのお/どくのポケモン」と揶揄されることも。トリトドンと一緒に並べてトリトドンにくさの役割破壊が飛ぶところをサイドチェンジで守る型も存在し、PJCS2018シニア部門ベスト8にこの型のアーゴヨンが採用されていた。
第八世代
冠の雪原で追加。
第七世代での天敵であったクチートはメガシンカを没収されて実用外となったため相対的に強化された。また、ダイジェットを獲得しているため、この世代で盛んな素早さレースにも参加できる。
この世代のシングルバトルではれいじゅうランドロスで起点を作り、アーゴヨンやエースバーンで畳み掛ける「アゴランドエスバ」がアーゴヨン入りの構築として主流となっている。
ただ、ダイドラグーンもダイアシッドも無効にできるタイプが存在するため、それらの内どの技が来るか予想が付けば交代によってダイマックスターンを1ターン枯らせることは難しくない。とはいえ無効タイプの存在しないダイジェットもあるため、はがねやフェアリーの引き先を作るだけでは完璧なアーゴヨン対策にはならない。
シーズン12には最終使用率13位を記録したが、シーズン13になるとウツロイドにどく枠を取られることが多くなり使用率24位まで低下。わるだくみを積む隙を見つけないとサンダーとのダメージレースに弱く、ミミッキュ相手でも止まりやすいのが痛い。ダイアースでの特殊耐久バフやダイマックスでのHP増強により、前世代では倒せた敵が今世代では倒せないケースが目立った。
冠の雪原期の環境では全抜きアタッカーというより受け崩しとして使われることが多く、ダイジェット不採用がざらである。
シリーズ9環境ではりゅうせいぐんを高火力とんぼがえりのように使えるだっしゅつパック型が流行。また、どくどくで場作りしてからとんぼがえりで退場する型も見られるようになった。
一般的な育成論
数少ないどく、ドラゴンタイプを併せ持つ、ウルトラビーストの一種。特攻と素早さが高く他は並程度で、同タイプのドラミドロの速攻アタッカー版と考えてよい。
ウルトラビースト特有の特性ビーストブーストは、努力値を特攻、素早さに252振ると想定すれば、突破した際に性格がひかえめなら特攻、おくびょうなら素早さが上がる。前者の場合はこだわりスカーフを持たせてビーストブーストを利用し突破力の向上を図ることができ、後者なら持ち物いのちのたまや積み技わるだくみと組み合わせて特にこだわりスカーフを持つ相手の抜き性能を高めるのに向いている。
羽があり浮いているように見えるが、ふゆうではないのでじめんタイプの技で弱点を突かれやすい点に注意すること。
技構成はメインウエポンならヘドロウェーブ/ヘドロばくだん、りゅうせいぐん/りゅうのはどう。サブウエポンはだいもんじ/かえんほうしゃ、エアスラッシュ、10まんボルトなど。
主力技を半減以下で受けられるヒードランやジバコイルなどに対し、じめんタイプのめざめるパワーを採用することもある。だが、技スペース的にヘドロウェーブ、りゅうせいぐん、わるだくみ、だいもんじ/かえんほうしゃで埋まってしまうことがままあり、USUMリーグシングルバトルにおける採用率は各シーズン概ね1割台にとどまる。
補助技に積み技として突破力を向上させられるわるだくみ、味方の素早さを(次のターンより)3ターンの間2倍にするおいかぜなどがある。耐久が高く突破が難しそうな相手には、必中になるどくどくを入れても悪くない。
持ち物に関しては前述のいのちのたま、こだわりスカーフの他、ビーストブーストを発動させやすく、主にりゅうせいぐんの火力を大幅に増強しつつ、1度だけだがディスアドバンテージを避けられるドラゴンZや、低耐久を補うきあいのタスキなど候補は多め。パーティに応じて選択しよう。
カプ・テテフとガブリアスは先にこちらが動けば有利で、後手に回れば不利。言い換えるとこちらがこだわりスカーフを持っていない場合は相手がこだわりスカーフを持っているか否かで有利不利がガラリと変わるため、そうした対面におけるプレイングの安定を求めるならこだわりスカーフを持たせるのが良策。