スピアー/対戦
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スピアーの歴史
第一世代
ダブルニードルという実質的に唯一のむしタイプの技の使い手。第二世代基準で言うと合計種族値350と、進化なしのポケモンと特殊な仕様のヌケニンを除けば歴代最低の合計種族値。第三世代初出から低種族値の申し子として名前が知られているエネコロロの380よりさらに30低い数値であった。
当時猛威を振るっていたエスパーポケモンにタイプ一致で弱点を突けるほぼ唯一のポケモンだったと言えるが、レベル50同士の場合主要なエスパーポケモンのサイコキネシスで確定1発ないし中乱数1発に仕留められることが多かった。また、ナッシーやフシギバナをダブルニードルで攻めても確定2発がざらであった。
公式大会でも数合わせとして入れるケースがまるでないこともなく、98カップ北海道予選では2位の実績を残している[1]。
第二世代
特殊分割で特防が45から80へと大幅アップするが、エスパーが弱体化で減ったとはいえスターミーやフーディンなどの速攻型のエスパーポケモンにはそのような強化も焼け石に水であった。ヘドロばくだんやめざめるパワーの獲得は追い風ではあったが、ヘラクロスやハッサムなどの強力なむしポケモンの存在を考えれば低ステータスで単調なスペックであるスピアーの居場所はなかった。むしタイプを半減してどくタイプを無効化するはがねタイプの存在も痛かった。ちなみにではあるが、当時のダブルニードルははがねタイプもどく状態にすることが可能であった。
第三世代
特性むしのしらせを獲得するも、実戦的なむしタイプの技がめざめるパワー程度しかなく、耐久力が低いため特性を発動する以前に倒れる心配の方が大きかった。また、ダブルニードルではがねタイプをどく状態にできなくなり、唯一の個性も失われてしまった。新たにがむしゃらを習得し、こらえる+がむしゃらのコンボが可能。XDの個体はバトンタッチを使用できる。テッカニンの方が優秀であるが、このポケモンを使う意味はあるかどうかはともかくつるぎのまいとこうそくいどうと合わせることで味方の強化を行う役割としての道が開けた。
第四世代
どくづき、シザークロス、とんぼがえりなどのタイプ一致の攻撃技を手に入れ、火力はそれなりになった。先制技の普及によるこらえるとがむしゃらのコンボの弱体化、既存のむしポケモンの強化やメガヤンマなどの新規の強力なむしポケモンの存在などから、スピアーを真剣勝負で使う機会はまったくといってよいほどなかった。
第五世代
ウルガモスやシュバルゴをはじめとした新規の強力な虫ポケモンの数々に押され、さらに立場が厳しくなった。なにより専用技であったダブルニードルを他の多くのポケモンが獲得し、その点ではアイデンティティが崩壊。カジュアル対戦での需要も下がった。幸い弱体化から復活したおいかぜ、1回かぎりだが高火力を叩き出せるアクロバットの獲得など、豊富な技で他の虫ポケモンとの差別化は可能。だが同タイプにもラティオスに先制メガホーンが撃てるペンドラーが登場したため、単純な火力と速度で見れば、実質的なペンドラーの下位互換とも言える。
第六世代
メガシンカを獲得。相手を選ぶがようやく環境に対抗するレベルの力を手に入れた。上位互換の存在によって実戦から退いたバタフリーとは対照的である。レート戦ORASリーグではどのシーズンでも技の搭載率1位がどくづきであり、同リーグではシーズン7、シーズン9を除いてどのシーズンも採用された技の順位が1位から4位まで順にどくづき、まもる、とんぼがえり、ドリルライナーとなっていた。同時に手持ちに入れられているポケモンとしては、XYリーグではスピアー自体耐久力に優れない関係上ゲッコウガやガブリアスなどの速攻向けのポケモンが好まれる傾向にあったが、ORASで準伝説が普及するようになるとサンダーのボルトチェンジとスピアーのとんぼがえりでサイクルを回す構築が主流となった。性格はメガシンカ後の素早さの種族値145を活かせるようにようきが主流となり、特性は元々メガシンカせず居座ることがほぼ有り得ないため、隠れ特性にこだわらず通常特性のむしのしらせを採用するケースがメインであり、ようき、むしのしらせ共におよそ9割の採用率であった。
第七世代
メガシンカの仕様変化、はやてのつばさの仕様変更によるファイアローの弱体化、とどめばりの強化やフェアリータイプの大量増加により、一見強化を果たしたように見えるが、サブウエポンの火力が乏しく相手を選ぶ点については前世代と全く変わらない。相方としてはサイコフィールドでスピアーが手を焼く先制攻撃技に対処できるカプ・テテフが登場。
何と言っても、むしタイプの速攻型としては火力指数も速度も上回るフェローチェが登場しており、攻撃特化でも両刀可能なうえになによりメガシンカ枠を消費しないフェローチェと比較すると総合力では太刀打ちできないため、フェローチェが覚えないはたきおとす、ミサイルばりで差別化する必要がある。USUMリーグ初期のシーズンではシーズン11からはどくづき、ドリルライナー、とんぼがえり、はたきおとす/とどめばりが主流技構成であったが、一致ウエポンの一貫性が低く全抜きに向かないことが浸透したシーズン11あたりからはとどめばりが廃れ、かわりにみがわり対策になるミサイルばりが選択枠に入った。
2017年9月に行われたメガシンカ可能なポケモンのみによる限定戦『メガランブル』ではジュニアカテゴリで使用率30位を記録しているが、43体が出場可能というポケモンの選択肢が狭いレギュレーションであったため、メガシンカポケモンの中でもどちらかというと下層に位置することを証明してしまった。
覚醒値を反映しない仕様となっているピカブイのノーマルルール環境では、ただ単にとんぼがえりを連打するだけでもアドバンテージを取れるポケモンとなっている。ただし、同環境でよく使われるメガフーディンには速度で負けるため相手を選ぶ。
一般的な育成論
ソード・シールドのVer.1.3.2時点で未解禁であるため、第七世代における育成論を記す。
ゲーム序盤に登場するだけあって、あまり能力は高くない。こうそくいどう、つるぎのまいと2段階能力を上昇させる技を習得できるのでその技で自身を強化していく戦法が理想である。他に、確実に急所がつけるようになるきあいだめも候補にあがる。しかし耐久は脆いため、それらの技を使う暇がないのが現状である。
攻撃技は攻撃がややあるのでシザークロスやどくづきなど、物理技を中心にするといい。教え技のドリルライナーはほのお・はがねタイプに有効。アクロバットもあるが、能動的にアイテムを消費しつつ攻撃するのは難しい。
がむしゃらを習得できる。こらえるやきあいのタスキを併用して相手のHPを1することは割と容易にできる。しかし先制技を習得できないため、相手を倒すところまで戦えないのが残念である。
強いて言えば特防がやや高いので、対特殊アタッカー用として使うこともできる。
隠れ特性のスナイパーは特性を生かせる技がほとんどなく、生かせるのはドリルライナー程度である。しかし第六世代からは急所率補正+3だと確実に急所に当たる仕様になり、きあいだめを覚えさせれば他の技でも生かすことができる。
メガスピアー
こうげきとすばやさが上がり、特性もてきおうりょくなので火力不足だと言われなくなった。とどめばりを使うことでこうげきが3段階上がるので、こうそくいどうと使い分けることで無双も夢ではない。だが、とどめばり自体の火力は低めなうえ、むし技ということもあり半減されやすいので、その技1回で倒せない場合は相手に1度行動を許してしまう。メガシンカ前同様、とんぼがえりやどくづきで攻撃するほうが無難。また、はがね対策のドリルライナーもてきおうりょく対象外というのもあってそこまで火力が高いわけではないので過信は禁物。とくこうは壊滅的に下がるが、元が物理アタッカーだったため、これについては影響は無い。
メガシンカしても耐久は変わらず、特に物理耐久はワーストクラスで低い。メガスピアー自身は先制技を覚えないので、タイプ上弱点でなくても物理攻撃の多い先制技、特に火力の高いポケモンの使う先制技には非常に弱い。出落ちを防ぐため、耐久調整も行いたいところ。ただし耐久を厚くすると火力または素早さが落ちるのでバランス良く行おう。
脚注
- ↑ ポケモンリーグ予選結果速報! ポケモンバトルツアー'98夏 予選大会結果レポート(任天堂、2019年1月31日閲覧)