カイオーガ/対戦
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このページは、カイオーガの対戦での扱い、及び育成論を記述するところである。ゲンシカイオーガについても記述する。
カイオーガの歴史
第三世代
登場するなり、無制限バトルではミュウツーを凌ぐアタッカー性能を持つポケモンとして猛威を振るった。対策はヌケニン程度しか存在せず、そのヌケニンもきあいのタスキが当時ないうえに補助技の使い勝手がこの世代の仕様上どれもあまり良くなかったため実際にはそれほど役に立つわけではなかった。
禁止級伝説が使用できるフォーマットであったポケモンリーグ2004優勝メンバーとなっており、使用率は1位であった。
第四世代
ダブルバトルでのしおふきのダメージが上がり、50レベルでも使用可能となったため第3世代以上の決定力を持てるようになった。 またこだわりスカーフの登場により先手を取りやすくなり、こだわりスカーフ+しおふき の組み合わせは以降の世代でも定番の型となる。 自身を主軸とした雨パのお供としてパルキアを獲得。また、トゲキッスと並べて弱点技を吸収させながら戦う「キッスオーガ」や、モルフォンのスキルスワップでいろめがねをカイオーガに渡し、カイオーガのこだわりメガネ込みのしおふきで制圧する「モルオーガ」などがGSダブルで成立。ただ、ユキノオーのゆきふらしに雨をかき消されることもあったので、対策としてふぶきであられにただ乗りするケースも少なくなかった。
WCS2010(GSダブル)カテゴリーB(中学生以上の部)優勝の実績を残しており、同カテゴリーベスト4進出者全員がカイオーガを投入していた。同世界大会での使用率はやはり1位であった。環境には最遅のカイオーガ・グラードン対策として素早さ実数値を84にしたメタグロスなどが増えていたが、優勝メンバーのカイオーガはきょうせいギプスを持たせてそのさらに下を行っており、同時エントリーされていたグラードンもやはりくろいてっきゅうを持たせてあった。
第五世代
かいていいせきに出現するかと思われたがそのようなことはなく、この世代の作品には登場しない。ルビー・サファイアの発売10周年記念として、2012年11月21日から2013年1月10日までの間配布が行われた。
この世代にはWCSでもGSルールはなかったが、2012年末に開催されたインターネット大会『クリスマスカップ』に参加できた。同大会では使用率1位をミュウツーに明け渡した。
第六世代
特殊技の威力見直しが行われ、ハイドロポンプ・かみなり・ふぶきが120から110に、なみのり・だくりゅう・れいとうビームが95から90に下方修正された。
リメイク作品であるアルファサファイアにてパッケージを飾り、新形態としてゲンシカイキを獲得。ただ、物理攻撃を使わないカイオーガにとって攻撃が40もプラスされるのは無駄であり、あいいろのたまよりもこだわりスカーフを持たせて上からしおふきで制圧する方が戦術としては強い。しかし、同じくゲンシカイキを手に入れたグラードンがおわりのだいちでみず技を無効にしてくるため、対抗策としてはじまりのうみでそれを打ち消せるゲンシカイキを使わざるを得なかった。それでもなお、ゲンシグラードンに天候を取られると何もできない事態になるため、メガレックウザと協力しエアロック、デルタストリームを絡めてグラードンを突破する「オーガレック」が一つの構築タイプとして成立するが、カイオーガの天候をも打ち消してしまうアンチシナジーも抱えていた。総じて、ゲンシカイキの登場により火力を発揮するのが難しくなるよう調整されたと言える。
JCS2016(GSダブル)オンライン予選ではジュニアカテゴリ使用率4位、シニアカテゴリ4位、マスターカテゴリ5位となっている。特にマスターカテゴリでは使用率1位にグラードン、2位にガルーラ、3位にゼルネアスが鎮座しており、カイオーガはこの3匹によるトリオ「グラガルゼルネ」の後塵を拝していたと言える。しかしWCS2016世界大会ではドータクンやメガゲンガーとの組み合わせで「グラゼルネ」にメタを張る戦術が流行。ベスト8進出者中5人が使用しており、グラードンの3人使用を上回っていた。そして優勝を飾ったのも「オーガレック」であった。
PGLのインターネット大会統計データからは、しおふき、こんげんのはどう、れいとうビーム、まもるがGSダブルでの主流技構成であったことがうかがえる。ゲンシカイキ型が大半であったが、3%ほどこだわりスカーフ型が使用されていた。性格は火力を活かせるひかえめが一番手で、次いで最速を意識したおくびょうが、その次にトリパで下から動かせるれいせいが多かった。この頃になるとHPと防御に努力値を多く振った型が見られるようになり、これはメガレックウザのこだわりハチマキ込みガリョウテンセイを耐えるためであった。ガルーラやファイアローといったポケモンにも強くなれるため、物理耐久特化型は人気があった。この世代に得たこんげんのはどうは強力だが命中不安を抱えているため、ねっとうを持たせたり、かみなりでミラーマッチ対策をするケースもあった。
第七世代
ぜったいれいどがこおりタイプ以外が使用したときに命中率が20に下がり、かつこおりタイプに無効化される仕様変更を受け、実用に耐えうるものではなくなった。
WCS2019(GSダブル)サンシリーズではゲンシカイキの使用が禁止され、久しぶりにこだわりスカーフ型が猛威を振るうことになる。レーティングバトルUSUMリーグシーズン12からシーズン13では使用率1位を記録。ゲンシカイキなしの環境ではグラードンに使用率1位の座を渡さないことを見せつけた。アマージョとの組み合わせも強力であり、フェイントとじょおうのいげんでワイドガードやねこだましを封殺してしおふきを通すことができた。Zワザが解禁されたムーンシリーズではしおふきをミズZに変えて威力200を叩き出すことができた。
ウルトラシリーズになるとゲンシカイキが解禁され、再びあいいろのたまを持たせるのが主流になる。ゲンシグラードンが前世代ほど流行していないことを見てこだわりスカーフ型を継続して使われることもあった。JCS2019(GSダブル)ライブ大会ジュニアカテゴリベスト8進出者中5人が使用し、その内4人がかみなり搭載型を使用した。8人中5人使用は同カテゴリベスト8進出者中ではガオガエンと並んで1位タイの使用率。マスターカテゴリではややグラードンに人気が劣り、世界大会決勝もグラードンミラーでカイオーガの活躍はなかった。グラードンは新しく登場した伝説ポケモンであるソルガレオやルナアーラとも組みやすかったのに対し、カイオーガはグラードンが重い都合上どうしても「オーガレック」に落ち着いてしまう節があり、この世代ではカイオーガを加えた新しい組み合わせがなかなか実績を残せなかったと言える。
第八世代
メガシンカが廃止され、現地点ではあいいろのたまによるゲンシカイキは不可能。
禁止級伝説が使用できるレギュレーションで行われたシングルバトル方式のインターネット大会「ポケモン竜王戦2020」予選では対策必須級の禁止級伝説枠として活躍。ただし、ゴリランダーやトリトドンなどで対策自体は十分可能。サンダー、レジエレキなども苦手である。また、こだわりスカーフ型だとダイマックスを相手に切られた場合倒し切れないことが心配されるようになり、如何にカイオーガの火力と言えども安心し切れなくなった。
この世代にアタッカーとして大出世したサンダーと組んであめふらしでサンダーのかみなりの命中率を強化する型も強力。
ところが竜王戦ルールで行われたランクバトルシリーズ8シーズン15のとなると、カイオーガ対策が充実したため通すことが難しくなり、トップメタは掴めなかった。このシーズンは使用率17位とそれほど伸びなかった。それでも、最終5位と最終9位がこだわりスカーフカイオーガ、たべのこしナットレイ、オボンのみサンダーでサイクルを回し、こだわりスカーフカイオーガでスイーパーの役割を遂行する「オーガナットサンダー」構築を使用していた[1][2]。最終3位のパーティにはHPと特攻をベースに努力値を振ったしおふきねっとう両採用のとつげきチョッキ型が採用されていた[3]。研究が進むにつれてカイオーガの通し方が周知され、シーズン16には使用率が9位まで上昇。ナットレイがなまいきHDベースの個体を増やすに至った。
一方、ダブルバトルではあめふらしで自分だけでなく味方をサポートできることから、第七世代のGSダブルと立場は概ね変わらず、ザシアンと並ぶ代表的な禁止級伝説枠の座を維持した。この環境ではトルネロスのおいかぜでカイオーガを通し、カイオーガのあめふらしでトルネロスのぼうふうをサポートする型が主流。レジエレキやゴリランダーで露骨に狙い撃ちにされるようになったことからまもる型が第七世代のGSダブルと比べて増え、そのことから撃ち分けができるしんぴのしずく型が激増。
一般的な育成論
伝説のポケモンゆえ、高い能力値をもつ。特にとくこうととくぼうが高く、特殊耐久もあることから、攻めと受けが優秀なポケモン。相性の良いくさ、でんき技でも特殊技が多いため、耐久力の高さゆえに致命的なダメージを受けることは少ない。
とくせいのあめふらしによって、わざのターンを割くことなくあめが ふりつづいている状態にもちこめる。これにより、タイプ一致補正と雨の効果によって、みずタイプのわざの威力が単純計算で2.25倍になるほか、かみなりが相手に必ず当たるようになる。命中率がネックであったかみなりを、ほぼノーリスクで使うことができるので採用率が高い。みずタイプの技も威力110×1.5×1.5=247のハイドロポンプまたはこんげんのはどう、威力150×1.5×1.5=337のしおふきなど主力になりえる、優秀かつ高威力な特殊技を覚える。その威力に恵まれた攻撃技と高いとくこうから純粋な特殊アタッカーとして努力値はとくこうに252振られることが多い。この場合、残りの努力値はHPもしくはすばやさに割り振られるのが一般的。
特に代表的な型としてはすばやさを最大限に伸ばし、雨が降り止む前にしおふき・ハイドロポンプ・こんげんのはどうで相手を倒せるだけ倒してしまうものが多く、この型の場合はこだわりスカーフを持たせて素早さを増強する場合が殆ど。
他に候補になる技としては、特殊技はれいとうビーム、ふぶきを覚える。ふぶきはユキノオーとパーティに同時採用する場合は体力に依存しない、あられ時限定だが必中の複数攻撃技となる。一撃必殺技はぜったいれいどを覚えられるが、第七世代にてこおりタイプ以外が使うと命中率が20に下がる上にこおりタイプに無効化されるよう修正されたため、採用率は減少した。
弱点として挙げられるのはあめ状態で戦うことを前提にして育てられることが多く、他の天候で威力を発揮するわざも少ないために天候が変化すると弱体化することが多いこと。具体的にはグラードンの主力技がじしんなどの天候に依存しない技が基本であることに対し、カイオーガは一致みず技、こおり技、かみなりが中心であり、特にみず技が半減になるはれ状態は致命的である。
ゲンシカイオーガ
オメガルビー・アルファサファイアで登場。タイプの変更はないが、攻撃、特攻、特防が大幅に上昇する。特性ははじまりのうみへと変化し、場に出ている間は永続で大雨状態になり、さらに強い雨によってほのおタイプの技が無効になり、天気の変化もできなくなる。なお、一度引っ込んだり倒されたりした場合は強い雨の効果がなくなる。
アイテムが固定となるため、アイテムによって素早さや火力に特化してしおふきを使う戦術は取れない。このためしおふきだけでなく専用技こんげんのはどうを覚えさせることも検討される。サブにはくさタイプに抜群を取れるれいとうビームや、雨のため必中になるかみなりも候補に上がる。なお、ゲンシカイオーガがいる限り基本的にあられ状態にはならないため、ふぶきは推奨されないことが多い。
攻撃が大きく伸びるため物理を織り交ぜた両刀も見受けられる。苦手としているでんきタイプや下記ゲンシグラードンの対策にじしんを覚えさせるのもいいだろう。
ゲンシグラードンと比べると自身の弱点の変更はなく、ほのお技は元々が半減であるため、天候の効果である「ほのおタイプの技無効化」は恩恵が小さい(さかさバトルでは炎が抜群になるので、それを無効化できるという恩恵はある。ただし水も抜群になるため、それを強化された状態で受けてしまう)。ゲンシグラードンに対し後出し交代することで天候を変更でき、相手のみず無効を打ち消すことはできるが、相手の一致技のうちじめんタイプの攻撃は弱体化しないため交代のタイミングは見極める必要がある。
このように、ゲンシグラードンに比べると固有特性の恩恵を受けにくいので、敢えてゲンシカイキせずに、すばやさに特化してこだわりスカーフを持たせて戦うという戦法も残っている。ゲンシカイキする場合は、基本ダブルバトルでの採用が見込まれる。ほのおタイプが弱点となるポケモンと組ませることで、ゲンシカイオーガ自身では恩恵が低めの特性をしっかりと有効活用することができる。先の交代出しも「味方のみず技をゲンシグラードンに通す」という戦術のために行うことができる。
脚注
- ↑ 【剣盾S15】オーガスタンダード【最終5位】 asyu (note、2021年3月3日閲覧)
- ↑ S15 最終9位 オーガナットサンダー デデンネ (note、2021年3月3日閲覧)
- ↑ s15 - roseli1