いうことをきく
いうことをきく(言うことを聞く)とは、ポケモンがポケモントレーナーの指示を聞いてくれること。ゲームやキャラクターによってはお願いをきいてくれると表現されることもある。
概要
バトル中のポケモンは、通常はトレーナーの指示に従ってくれるが、それが他人から貰ったポケモンの場合、指示に従ってくれない場合がある。
ゲームにおいて
プレイヤーが別のソフトから高レベルのポケモンを通信交換で手に入れて、簡単にゲームをクリアしてしまうのを防ぐ為のシステムと言える。基本的にシナリオを終盤まで進めれば自ずと全てのポケモンが言うことを聞いてくれるようになる。
発生条件
通信対戦、経験値を入手できない対戦施設、マックスレイドバトル、テラレイドバトルではレベルやバッジに関係無く言うことを聞く。
第八世代まで
他人から貰ったポケモンの現在のレベルが高すぎる場合、ジムバッジやスタンプがないと言うことを聞いてくれなくなる。ここで言う「他人から貰ったポケモン」とは、通信交換(ゲーム内NPCを含む)で交換して手に入れたポケモン、ポケモンバンクやPokémon HOMEなどを使って他のカートリッジから送ってきたポケモンなど、IDと親の名前が主人公と一致しないポケモンのことである。ゲーム内で博士から貰うなど、交換ではなく譲って貰う形で仲間になったポケモンは、通常は親ID等が主人公と一致する為、該当しない(例外は金・銀、ハートゴールド・ソウルシルバーのタンバシティで預かるツボツボ)。
第八世代までは自分が親のポケモンならレベルに関係なく言うことを聞く。そのため、自分で捕まえたポケモンを他のソフトに送り、レベルを上げてから元の親に送り返されたときは規定レベルより高いポケモンでも言うことを聞いてくれる。
ファイアレッド・リーフグリーン・エメラルド・ポケモンコロシアム・ポケモンXDでは、運命的な出会いをしていないミュウ・デオキシスはバッジが全部揃っていても指示を聞いてくれない。
第四世代まででは、言うことを聞かなくても命令を無視して別の技で攻撃するなどしてくれたが、第五世代以降は、ポケモンが言うことを聞いてくれなかった場合はほとんど攻撃してくれなくなった。
対象のポケモンのレベルが、シナリオの進行上で言うことを聞いてもらえる最大レベルに近ければ近いほど、指示に従う確率が高くなる。
第三世代・第四世代のダブルバトルで命令を無視した場合、別の相手を選択することがある。
なお、ポケモンが言うことを聞いてくれるかどうかの判定はジムバッジ・スタンプ・団員ランクのみで、ポケモンとの絆や信頼度を示すはずのなつき度やなかよし度は一切関係がない。その為、ポケパルレやキャンプで遊ぶときではトレーナーに懐いているように見えるポケモンでも、戦闘で言うことを聞くとは限らない。逆に、なつき度やなかよし度が低いからといって戦闘の指示に従わなくなることはない。
なお、通常プレイではあり得ない現象だが、バグ技などでレベルが100を突破している場合、バッジを全て集めていても言うことを聞かなくなる。
Pokémon LEGENDS アルセウス
Pokémon LEGENDS アルセウスではそのポケモン現在のレベルではなく、捕獲時のレベルが高すぎると自分で捕まえたポケモンであっても言うことを聞かない。
例えば、団員ランクが「ゼロボシ」(初期状態)のときは捕獲時のレベルが10を超えているポケモンが言うことを聞かない。レベル10以下で捕獲したポケモンならいくらレベルを上げても言うことを聞いてくれる。
本作では序盤からオヤブンなどレベルが高いポケモンが出現するが、団員ランクに合わないポケモンを捕まえても戦闘の役には立ちにくい。
第九世代
スカーレット・バイオレットでは、「入手時のレベル」が高すぎると自分で捕まえたポケモンであっても戦闘で言うことを聞かない。自分が親のポケモンの「入手時のレベル」はプロフィール画面に表示される「出会ったレベル」と同じだが、他人が親のポケモンを通信交換によって入手した場合はその時点のレベルが「入手時のレベル」となる(一度入手したことのあるポケモンであっても、現在のレベルで入手したと上書きされる)。タマゴから孵ったポケモンの場合、出会ったレベルは1扱いになる。入手時のレベルがジムバッジによる上限レベル以内のポケモンであれば、それ以上にレベルを上げても言うことを聞かなくなることはない(他人のポケモンであっても同様)。プロフィール画面には親のトレーナーと「出会ったレベル」しか表示されないので、親以外が「入手時のレベル」をゲーム内で確認することはできない。
Ver.1.2.0以降では、自分が親のポケモンが交換で戻ってきたときはプロフィールに表示される「出会ったレベル」で入手したことになるため、交換によって言うことを聞かなくなることはない。
他人が親のポケモンをPokémon HOMEから輸送してきたときは、親以外の1人分だけ「入手時のレベル」が記録される。以下、あるポケモンの出身データ (親のロム) をAロム、それ以外のデータ2つをそれぞれBロム、Cロムと呼ぶことにする。Bロムに一度輸送してレポートをした後は、HOMEに預け直してからAロムの元でレベルを上げて、再度HOMEからBロムに戻したときも、Bロムが初めて入手したときのレベルで言うことを聞くかが判定される。ただし、Bロムに輸送後、HOMEに預け直してから親以外であるCロムに送っていた場合、「Bロムが入手時のレベル」の記録は「Cロムが入手時のレベル」の記録に上書きされて消え、再度Bロムに送り直しても現在のレベルが「Bロムが入手時のレベル」と見なされる。上記にあるように、他人が親のポケモンを通信交換で入手したときは現在のレベルが「入手時のレベル」になるため、HOMEからの輸送とは仕様が異なる。
言うことを聞く上限レベルはジムバッジの個数により引き上げられる。ヌシバッジやダンバッジはカウントしない。
また、プロフィール画面に書かれている「出会ったレベル」が高いポケモンは、ジムバッジの数が足りないとレッツゴーのRボタンによる指示を受けなくなる。レッツゴーの指示を聞くかは「入手時のレベル」の高さと関係せず、親が誰であるかも関係しない。これは初期バージョンからVer.1.3.1現在まで変わっていない。Pokémon HOMEで他のソフトから連れてきたため「時間と 空間を こえて はるばる やってきたようだ。」と表示されて「出会ったレベル」が分からないポケモンであっても同様に、最初に手に入れたソフトに表示されていた「出会ったレベル」の高さによりレッツゴーの指示を受けるかが決まる。出会ってからレベルが上がったポケモンを交換で入手した場合、レッツゴーの指示は聞いておまかせバトルもできるが、通常の戦闘の指示は聞かないというケースがある。
例えば、バッジ1つのときはLv.25以下で入手したポケモンが言うことを聞くため、以下のようになる。
所持ジムバッジ | レベル | 親 | 言うことを聞くか | |||
---|---|---|---|---|---|---|
出会った時 | 入手時 | 現在 | 通常戦闘 | レッツゴー | ||
1個 | 5 | 5 | 26 | 自分 | ○ | ○ |
他人 | ○ | ○ | ||||
1個 | 5 | 26 | 26 | 自分 | ○[1 1] | ○ |
他人 | × | ○ | ||||
2個 | ○ | ○ | ||||
1個 | 26 | 26 | 26 | 自分 | × | × |
他人 | × | × | ||||
2個 | 自分 | ○ | ○ | |||
他人 | ○ | ○ |
- ↑ Ver.1.1.0以前に交換で入手した個体の場合は×
Ver.1.1.0以前
Ver.1.1.0以前では自分が親のポケモンが交換で戻ってきたときも、そのときのレベルが「入手時のレベル」として上書きされる。そのため元々言うことを聞いていたポケモンであっても、出会ったときからレベルを上げたポケモンを交換に出した場合や、交換先でレベルが上がっていた場合は自分の元に戻ってきたとき言うことを聞かなくなるケースがあった。Ver.1.1.0以前で交換したため言うことを聞かなくなった親が自分のポケモンは、バージョンを更新するだけでは言うことを聞くようにならないが、バージョン更新後に再び交換に出してすぐに返して貰えば言うことを聞くようになる。
ジムバッジ
主人公が持っているジムバッジの種類や数がポケモンの行動に影響する。ジムに挑む順番が決まっているソフトではストーリーで後にもらうバッジほど最大レベルは高くなる。シンオウ地方では一部の、パルデア地方では全てのジムの攻略順が自由なので、バッジの種類ではなく個数により最大レベルが決まる。
言うことを聞く 最大レベル |
カントー地方 | ジョウト地方 | ホウエン地方 | シンオウ地方 | イッシュ地方 | カロス地方 | ガラル地方 | パルデア地方 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Lv.10 | バッジなし | バッジなし | バッジなし | バッジ0~1個 | バッジなし | |||
Lv.20 | バッジ1個LPLE | ウイングバッジHGSS | ストーンバッジORAS | トライバッジBW ベーシックバッジB2W2 |
バッジなし | バッジなし | バッジなし | |
Lv.25 | バッジ1個 | |||||||
Lv.30 | ブルーバッジ バッジ2個LPLE |
インセクトバッジ | ナックルバッジ | バッジ2~3個 | ベーシックバッジBW トキシックバッジB2W2 |
バグバッジ | くさバッジ | バッジ2個 |
Lv.35 | バッジ3個 | |||||||
Lv.40 | バッジ3個LPLE | ダイナモバッジORAS | ビートルバッジ | ウォールバッジ | みずバッジ | バッジ4個 | ||
Lv.45 | バッジ5個 | |||||||
Lv.50 | レインボーバッジ バッジ4個LPLE |
ファントムバッジ | ヒートバッジ | バッジ4~5個 | ボルトバッジ | ファイトバッジ | ほのおバッジ | バッジ6個 |
Lv.55 | バッジ7個 | |||||||
Lv.60 | バッジ5個LPLE | バランスバッジORAS | クエイクバッジ | プラントバッジ | かくとうバッジSw ゴーストバッジSh |
|||
Lv.70 | ゴールドバッジ バッジ6個LPLE |
ショックバッジ金銀ク スチールバッジHGSS |
フェザーバッジ | バッジ6~7個 | ジェットバッジ | ボルテージバッジ | フェアリーバッジ | |
Lv.80 | バッジ7個LPLE | マインドバッジORAS | アイシクルバッジBW レジェンドバッジB2W2 |
フェアリーバッジ | いわバッジSw こおりバッジSh |
|||
Lv.90 | サイキックバッジ | あくバッジ | ||||||
全てのポケモン | グリーンバッジ バッジ8個LPLE |
ライジングバッジ | レインバッジ | バッジ8個 | レジェンドバッジBW ウェーブバッジB2W2 |
アイスバーグバッジ | ドラゴンバッジ | バッジ8個 |
スタンプ
アローラ地方ではトレーナーパスに押されるしまめぐりのスタンプの数がポケモンの行動に影響する。
言うことを聞く 最大レベル |
スタンプ名 | 入手条件 |
---|---|---|
Lv.20 | スタンプなし | - |
Lv.35 | メレメレのしれんたっせいのあかし | メレメレじまの大試練でハラに勝利する |
Lv.50 | アーカラのしれんたっせいのあかし | アーカラじまの大試練でライチに勝利する |
Lv.65 | ウラウラのしれんたっせいのあかし | ウラウラじまの大試練でクチナシに勝利する |
Lv.80 | ポニのしれんたっせいのあかし | ポニじまの大試練でハプウに勝利する |
全てのポケモン | しまめぐりたっせいのあかし | 殿堂入りする |
団員ランク
ヒスイ地方ではジムバッジの代わりに、主人公のギンガ団の団員ランクが上がると、言うことを聞いてくれるレベルが引き上げられる。
シナリオクリアに必要な最低ランクは純白の凍土が解禁されるイツツボシなので、シナリオをクリアしていても全てのポケモンが言うことを聞くとは限らない。
言うことを聞く 最大レベル |
団員ランク | 必要なポケモン研究ポイント |
---|---|---|
Lv.10 | ゼロボシ | - |
Lv.20 | ヒトツボシ | 500ポイント |
Lv.30 | フタツボシ | 2000ポイント |
Lv.40 | ミツボシ | 3500ポイント |
Lv.50 | ヨツボシ | 6000ポイント |
Lv.65 | イツツボシ | 8500ポイント |
Lv.80 | ムツボシ | 11000ポイント |
全てのポケモン | ナナツボシ | 15000ポイント |
命令無視
表示されるメッセージ | 効果 | 世代 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | ||
「○○は めいれいをむしして (わざ名)!」 | 別のわざを使う | ○ | ○ | × | × | × | × | × | × | × |
「○○は めいれいを むしした!」 | わざを使わない | ○ | ○ | × | ○ | × | × | × | × | × |
別のわざを使う | × | ○ | ○ | ○ | × | × | × | × | × | |
「なまけている!」 | 攻撃しない | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
「そっぽを むいた!」 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
「いうことを きかない!」 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
「しらんぷりした!」 | × | × | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
「○○は ひるねを はじめた!」 | ねむり状態になる | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
「○○は いうことを きかない! わけも わからず じぶんを こうげきした!」 |
こんらん状態と同様に自分を攻撃する | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
「○○は ねむったまま めいれいを むしした!」 | わざを使わない (ねむり状態でねごと・いびきを指示した場合) |
× | ? | ○ | ○ | ○ | ? | ? | ? | ○ |
仕様
ポケモンが言うことを聞くかどうかの判定は第一世代から第八世代まででは本質的には変わっていないが、仕様としては第二世代と第三世代の間で大きく変更された。
交換したポケモンであるかどうかの判定についてはおやの記事も参照。
第二世代
経験値が得られるバトルでは、交換したポケモンはレベルがプレイヤーのジムバッジの効果の上限よりも高い場合、従わないことがある。
従わない可能性があるポケモンにわざを指示すると0~Tまでの整数の乱数が生成される。Tは以下の式で決まる。
- M=プレイヤーのジムバッジで言うことを聞く上限レベル
- T=(ポケモンのレベル)+M-1
生成された乱数がM以上であれば、ポケモンは従わずアンコール状態も解除される。
ポケモンがねむり状態でいびき・ねごとを指示していた場合に、ポケモンが従わない判定になるとポケモンは何もしない。それ以外の場合、0~Tまでの整数の乱数が(命令を無視するかどうかの判定に使われたのとは別に)もう1個生成される。この生成された乱数がM未満であれば、ポケモンは指示されたわざとは別のわざを選択して使用する(PPが残っていないわざ・かなしばり状態で使えないわざは除く)。生成された乱数がM以上であれば、0~255までの整数の乱数Rが生成される。
- Rが(ポケモンのレベル-M)未満の場合、ポケモンは昼寝を始めねむり状態になる。
- Rが(ポケモンのレベル-M)以上・((ポケモンのレベル-M)×2)未満の場合、ポケモンはわけもわからず自分を攻撃する。(こんらんによるダメージと同じ)
- ((ポケモンのレベル-M)×2)以上の場合、ポケモンは何もしない。
数ターン行動するわざ・溜めわざ・がまんを使っている最中は言うことを聞くかどうかの判定は行われず自動的に成功する。
第三世代・第四世代
経験値が得られるバトルおよびトレーナータワー・トレーナーヒルでのバトルでは、交換したポケモンはレベルがプレイヤーのジムバッジの効果の上限よりも高い場合、従わないことがある。
- M=プレイヤーのジムバッジで言うことを聞く上限レベル
- ファイアレッド・リーフグリーン・エメラルドでは、運命的な出会いをしていないミュウ・デオキシスはジムバッジに関係なく常に
M=0
(たとえ自分が親であっても同様)
- ファイアレッド・リーフグリーン・エメラルドでは、運命的な出会いをしていないミュウ・デオキシスはジムバッジに関係なく常に
従わない可能性があるポケモンにわざを指示すると0~255までの整数の乱数R1
が生成され、以下の計算が行われる。
A=((ポケモンのレベル) + M)*R1/256
A≧Mであれば、ポケモンは従わずいかり状態は解除される。
ポケモンがねむり状態でいびき・ねごとを指示していた場合に、ポケモンが従わない判定になるとポケモンは何もしない。それ以外の場合、0~255までの整数の乱数R2
が生成され、以下の計算が行われる。
B=((ポケモンのレベル) + M)*R2/256
B<Mであれば、ポケモンは指示されたわざとは別のわざを選択して使用する(PPが足りないなどの理由で他に使用できるわざがなければ何もしない)。B≧Mであれば、0~255までの整数の乱数R3
が生成される。
R3
が(ポケモンのレベル-M)未満の場合、ポケモンは昼寝を始めねむり状態になる。- 上記に当てはまらない場合、
R3
が((ポケモンのレベル-M)×2)未満なら、ポケモンはわけもわからず自分を攻撃する。(こんらんによるダメージと同じ) - 上記に当てはまらない場合、ポケモンは何もしない。
第三世代では交代するポケモンに対するおいうちには言うことを聞くかどうかの判定は行われず常に成功する。
アニメにおいて
サトシのピカチュウは最初はポケモントレーナーに心を開いておらず、サトシに対して敵対的であった。
サトシのヒトカゲはリザード・リザードンに進化してからはサトシの命令を無視しするようになり、バトル中に昼寝を始めたりサトシにかえんほうしゃを浴びせたりすることもあった。無印編第44話で、「サトシのトレーナーとしてのレベルがまだ低いから」リザードが指示を聞かないとキヨミの祖母が話していた。
マンガにおいて
ポケットモンスターSPECIAL
- 他人と交換したポケモンがトレーナーに従わない場合があった。
- 言うことを聞かないのは交換したポケモンに限らない。トレーナーが経験不足である、ポケモンが人間不信に陥っているなどの理由で言うことを聞かなかったケースがあった。