ガラル地方
ガラル地方は、ポケットモンスター ソード・シールドの舞台となる地方。
概要
田園風景や草原、雪山などが地理的な特徴。
ポケモン勝負がエンターテインメント的に扱われている面が濃く、地方ぐるみで盛り上げるスポーツとして位置づけられている節がある。ジムやチャンピオンを支援するスポンサーの存在、ジムリーダーやジムトレーナーはユニフォームを着用すること、ジムには上位リーグ・下位リーグのランク付けがなされていること等が特徴。ポケモンジムなどでのバトルはスタジアムで観衆を集めて行われ、テレビ中継もされるなど大掛かりなイベントとなっている。
ソード・シールドディレクターの大森滋は特徴として、「ポケモンと人間が共に産業を発展させているところ」を挙げており[1]、人間とともに仕事をしているポケモンの姿が描かれた、ポケジョブなどの要素が盛り込まれている。
カレーライスを作ることが流行している。
この地方にはダイマックスという現象が確認され、リージョンフォームとしてはガラルのすがたが確認される。
「シティ」よりも「タウン」が多い。なお、英語版では、これまでに登場した地方の地名に "City" や "Town" が付いていたが、ガラル地方の地名には付いていない。
ワイルドエリアはガラル地方の自然環境、生態系における最たる特徴である。一方ダンジョンが非常に少なく、複雑なダンジョンはルミナスメイズのもり程度である。
イッシュ地方と同じく鉄道が発達しており、さらにアーマーガアを利用した「そらとぶタクシー」も住民の移動手段となっている。
ホウエン地方、イッシュ地方、アローラ地方とは遠く離れている[2]。
寒冷な地域らしく、増田順一はソード・シールドに連れて来られるポケモンの種類を絞ることについて説明を行った際「『この地方は寒いから、お留守番しているね』という感じですね」とガラル地方の気候に触れていた[3]。
ドガース系統のポケモンずかんの説明から、ソード・シールドの物語開始から見た「昔」のガラル地方は空気が汚かったようであり、それがマタドガスがリージョンフォームを得るきっかけとなったと示唆されている。
世界観
街
名称 | 詳細 |
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ハロンタウン | ガラル地方の南部の外れに位置する小さな街。昔から牧場を営み、ウールーが放牧されている。主人公の家とホップの家(ダンデの実家)がある。 街の西側にはまどろみの森と呼ばれる森林地帯があるが、普段は立ち入り禁止になっている。 |
ブラッシータウン | ガラル地方の南部に位置する街。エンジンシティ行きの電車が走る駅があり、南部から中部へ向かう際の交通の要になっている。小さい街ながらもポケモンセンターやブティックといった基本的な施設に加え、マグノリア博士のポケモン研究所も存在している。 |
エンジンシティ | ガラル地方の中部に位置する大きな街。蒸気機関によって急激な近代化に成功し、現在でも工場や倉庫などが多く建ち並んでいる。 街のシンボルであるエンジンスタジアムでは、ジムチャレンジの開会式が行われる。 |
ターフタウン | ガラル地方の中西部に位置する小さな街。段々畑が広がる長閑な街で、農業が発展している。 宝のありかを示すとされる巨大な石碑や、かつてガラル地方で発生したブラックナイトを示した地上絵など、かなり古い時代の人工物が残っている。 |
バウタウン | ガラル地方の中東部に位置する比較的大きな街。海に面した開放的な雰囲気の街で、市場やレストランなどで賑わっている。 街の東側の岬には2匹のストリンダーによって守られたと言い伝えられている灯台がある。 |
ナックルシティ | ガラル地方の中部に位置する大きな街。中世の城壁をそのまま残す歴史的価値の高い街であり、宝物庫にはガラル地方の伝説についての書物が大切に保管されている。 街の中央の巨大なタワーは発電装置であり、ねがいぼしを吸収・利用して地下のプラントに送ることで、発電を行ってガラル地方全土に電気を供給している。 |
ラテラルタウン | ガラル地方の中西部に位置する小さな街。6番道路を抜けた先にある乾燥地帯の街で、ガラルの王族が描いた壁画が有名となっている。 |
アラベスクタウン | ルミナスメイズの森の奥地にある街。森と一体になった神秘的な街並みが特徴で、街には野生のポケモンも訪れている。 |
キルクスタウン | ガラル地方北東部に位置する雪国の街。『英雄の湯』というポケモン専用の湯治場が中央にあり、そこを訪れる人たち向けのホテルも併設されている。ステーキハウス『ボブのお店』も街の名物。 |
スパイクタウン | ガラル地方の中東部に位置する街。寒気から町を守るために巨大な建物の中に形成されている。パワースポットが無い場所に建てられているため、ダイマックスバトルが行われていない。 |
シュートシティ | ガラル地方の最北端に位置する大きな街。古典的な様式の建物と現代的な高層ビルが並ぶ計画都市で、ポケモンリーグの委員長ローズによって設計・開発された。 この街で年に1回開催されるチャンピオンカップを一目見ようと、世界中から観光客が集まる。 |
道路・水道
名称 | 詳細 |
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1ばんどうろ | ハロンタウンとブラッシータウンを結ぶ小さな道路。 |
2ばんどうろ | ブラッシータウンから北東の湖の方面へ伸びる道路。畔にマグノリア博士の家がある。 |
3ばんどうろ | エンジンシティから西のガラルこうざんへ伸びる道路。 |
4ばんどうろ | ガラルこうざんとターフタウンを結ぶ道路。 |
5ばんどうろ | ターフタウンとバウタウンを結ぶ道路。 |
エンジンシティはずれ | エンジンシティ東側からだいにこうざんへ伸びる道路。 |
6ばんどうろ | ナックルシティとラテラルタウンを結ぶ岩場の道路。 |
7ばんどうろ | ナックルシティ、8ばんどうろ、ルートナイントンネルを結ぶみつまたの道路。 |
8ばんどうろ | 7ばんどうろとキルクスタウンを結ぶ道路。南側は遺跡の道路、北側は雪の積もる「湯けむり小路」になっている。 |
9ばんどうろ | キルクスタウンから南のスパイクタウンへ伸びる長い道路。西側はルートナイントンネルがあり、中央は「キルクスの入り江」という水路になっている。 |
ルートナイントンネル | 7ばんどうろと9ばんどうろを結ぶトンネル。 |
10ばんどうろ | ホワイトヒル駅とシュートシティを結ぶ山道。ホワイトヒル側は常に雪が降っている。 |
自然・ダンジョン
名称 | 詳細 |
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まどろみのもり | ハロンタウンの西に位置する、常時霧に覆われた不気味な森。奥地に古いアーチ状の建造物が残されている。 |
ワイルドエリア | ガラル地方の南部から中部にかけて広がる広大な平原地帯。地形や気候によって18のエリアに分かれており、多種多様なポケモンが生息している。 |
ガラルこうざん | エンジンシティとターフタウンの間にある内陸部の鉱山。マクロコスモスが運営している。 |
だいにこうざん | エンジンシティとバウタウンの間にある沿岸部の鉱山。マクロコスモスが運営している。 |
ルミナスメイズのもり | 発光するキノコが生育する神秘的な深い森。木々が生い茂り、昼間でも暗い。奥地にアラベスクタウンがある。 |
ヨロイじま | ガラル地方東部の海域に浮かぶ巨大な孤島で、元ガラルチャンピオンマスタードの私有地になっている。立ち入りにはそらとぶタクシー用の特殊なチケットが必要。 |
カンムリせつげん | ガラル地方南部にあるエリア。険しい雪山がそびえ立つ極寒の地で、立ち入りには特殊なチケットが必要。 |
歴史・伝説
- 2万年前、ムゲンダイナを含む隕石が落下する。
- 3000年前、ブラックナイトと呼ばれる黒い渦が出現し、剣のポケモン・ザシアンと盾のポケモン・ザマゼンタによって止められた。その後、ザシアンとザマゼンタはまどろみの森で眠りにつき、2匹の活躍と眠りを見守った2人の若者が王となり、ガラルが建国された。
- 次第にザシアン・ザマゼンタの存在は歴史の影に埋もれ、現代に至るまでにブラックナイトは剣と盾を持った一人の若者によって鎮められたとされていた。作中においては、ラテラルタウンの遺跡に隠されていた2人の英雄とザシアン・ザマゼンタの像や5枚目のタペストリーの発見、ザシアンとザマゼンタが目覚めたことなどから、ブラックナイトを鎮めた真の英雄は剣と盾のポケモンだったと明らかになった。
- ソッドの発言によると、ラテラルタウンにある像を隠すように描かれていた壁画は、ガラルの王族が描いたもの。
- 70年前、ポプラがジムリーダーに就任する。
- 約50年前、マスタードがチャンピオンカップで優勝する。
ガラルリーグ
ジムリーダーなど特定の人物から推薦状を受け取ったトレーナーはガラル地方各地にあるポケモンジムに挑戦する「ジムチャレンジ」に参加できる。8つのジムバッジを集められたジムチャレンジャーはシュートスタジアムで1年に一度開催されるチャンピオンカップへの出場権を得られる。
- ガラルリーグの詳細についてはポケモンリーグ (ガラル地方) を参照。
備考
- イギリスのグレートブリテン島がモデルとなっている(→詳細はゲーム内の地名のモデル一覧#ガラル地方を参照)。
各言語版での名称と由来
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脚注
- ↑ 1.0 1.1 「『ポケットモンスター ソード・シールド』公式クリエイターインタビュー」『ポケットモンスター ソード・シールド 公式ガイドブック 完全ストーリー攻略+ガラル図鑑』、2019年12月7日初版、元宮秀介&ワンナップ、403頁
- ↑ エンジンスタジアムのNPCが「遠く ホウエン地方から 来た 炎の スター」、バウタウン駅の男の子が「遠い イッシュ地方では 地下鉄で 戦えるらしいけど」、エンジンシティの女性が「はるばる アローラから 来ました」と述べている。
- ↑ 『ポケットモンスター ソード・シールド』の“いま聞きたいこと”について増田順一氏、大森滋氏を直撃。「連れて来られるポケモンの話」にも言及!【E32019】 ファミ通 2019.06.13 06:45(2019年10月27日閲覧)
- ↑ 「ポケットモンスター ソード・シールド見どころガイド 増田順一氏×大森滋氏インタビュー」『週刊ファミ通』2019年11月28日号、KADOKAWA Game Linkage、49-53頁
- ↑ Pokémon UK Twitter (ポケモンイギリス版公式アカウント)、2020年1月13日投稿