ジェイムス・ターナー
ジェイムス・ターナー (James Turner、1978年[1] - ) は、イギリス出身のグラフィックデザイナー。元ジニアス・ソノリティ社員、元ゲームフリーク社員。
人物
ポケットモンスターシリーズにおいて、ポケモンのデザインを行った人物のひとりとして知られる。増田順一やゲームフリークがかつて運営していた公式ブログでは「ジェイミー」と呼ばれており[2][3]、過去のスタッフクレジットでも「Jamie Turner」名義となっている作品がある。
元々ゲームが好きで、多種多様な作品があるゲームという媒体に「自分のクリエイティビティが発揮出来る」可能性を感じ、イギリスにある大学に入学して美術や3Dグラフィックについて学ぶ[4]。大学卒業後は、「アメリカ大陸を見てみたい」と感じて1年ほどアメリカ合衆国に行き、ニューヨークやロサンゼルス、ノースカロライナなど各地で暮らした[4]。その後、イギリスに戻ってロンドンにあるゲーム会社に就職した[4]。だが、小規模な会社ゆえにプロジェクトの頓挫などトラブルも多く、2年ほど働いたのち転職を考えるようになった[4]。
そうした折、日本を旅行していたとき、試しに複数の日本のゲーム会社に書類を送ったところ数社からオファーが来たため、最初にオファーが来たジニアス・ソノリティの面談に向かい、採用されて3Dデザイナーとして入社した[4][5]。ジニアス・ソノリティには8年間在籍し、リーダー、アートディレクター、ゲームディレクターを務めた[4]。この時期、『ポケモンコロシアム』で初めてポケモン関連作品の開発に携わり[6]、その後も『ポケモンXD 闇の旋風ダーク・ルギア』ではアートディレクターのヒロモト森一が起こした案を基にダーク・ルギアのデザインを担当し、『ポケモントローゼ』・『ポケモンバトルレボリューション』ではアートディレクターを務めた。
2009年10月、ジニアス・ソノリティを退社してゲームフリークに入社した[3]。その時期、ゲームフリークは『ポケットモンスター ブラック・ホワイト』の開発が終盤に差し掛かっている時期で、3Dグラフィックデザイナーとしてポケモンのデザインやマップデザイン、デモムービーを担当した[3]。ポケモンのデザインを担当した人物としては、最初の西洋人となった。
その後もポケットモンスターシリーズの開発に携わり、ポケモンやデモムービーのデザインを担当した。『ソード・シールド』では、舞台となるガラル地方がイギリスをモデルとしていることもあり、出身者としてアートディレクターに抜擢された[7]。アートディレクターとしては、ガラル地方を描く上でイギリスの美しさや魅力を落とし込むことを心掛け、ポストカードに描かれるようなイギリスではなく実際に現地を訪れたり住んだりしたときに見たり感じたりすることを落とし込むことを意識した[7]。
2022年6月9日、自身のゲームスタジオであるAll Possible Futuresを設立し、ゲームフリークを退社したことを発表した[8][9]。
作品
ポケモンデザイン
- ポケモンXD 闇の旋風ダーク・ルギア
- ポケットモンスター ブラック・ホワイト
- ポケットモンスター X・Y
- ポケットモンスター サン・ムーン
- ポケットモンスター ウルトラサン・ウルトラムーン
- ポケットモンスター ソード・シールド
- ポケットモンスター スカーレット・バイオレット
ポケモン以外のデザイン
- ポケモントローゼ
- キャラクターデザイン、全ポケモンのアイコン、ロゴ、アートワークを担当[27]。
- ポケットモンスター サン・ムーン
- ポケットモンスター スカーレット・バイオレット
カードゲーム
- ポケモンカード (カテゴリ)
クレジット
本編作品
- ポケットモンスター ブラック・ホワイト (2010) - ポケモン デザイン、3D グラフィック デザイン、デモ ムービー デザイン
- ポケットモンスター ブラック2・ホワイト2 (2012) - ポケモン デザイン、ポケモンBW グラフィック デザイン
- ポケットモンスター X・Y (2013) - ポケモン デザイン、デモムービー デザイン リーダー
- ポケットモンスター サン・ムーン (2016) - Digital Movie Design Section Director / Effect Design Section Director、Pokémon Characters Design
- ポケットモンスター ウルトラサン・ウルトラムーン (2017) - Pokémon Characters Design & Concept
- ポケットモンスター ソード・シールド (2019) - アートディレクター、ポケモンデザイン
- ポケットモンスター スカーレット・バイオレット (2022) - ポケモンデザイン、じんぶつデザイン
外伝作品
- ポケモンコロシアム (2003) - Special Effect Art、Camera Animation
- ポケモンXD 闇の旋風ダーク・ルギア (2005) - Art Chiefs
- ポケモントローゼ (2005) - Art Director
- ポケモンバトルレボリューション (2006) - Art Director
備考
- 好きなポケモンとして、ヤトウモリ、デオキシス、ヤドン、エレブー、デンジュモク、モクロー、ライボルト、ゼクロム、ミズゴロウ、ダルマッカ、メガヤミラミ、メタモンを挙げたことがある[30][31]。また、吉田宏信がデザインしたポケモンのほとんどが好みだとしている[30]。デオキシスについては、好きな理由として「SFが好きなので、宇宙から来たのがよい。動きもカッコイイ!」と回答している[32]。
- ゲームフリーク時代の名刺には、エレブーが描かれていた[30]。
脚注
- ↑ 【公式】イラストメイキング第二弾 ジェイムス・ターナー × ハーモナイト【#ゲームフリーク ひみつきち#11】 - YouTube
- ↑ James Turnerのツイート、2022年8月22日投稿。
- ↑ 3.0 3.1 3.2 「ポケットモンスターブラック・ホワイト」のつくりかた 4 -晴れたり時々曇ったり、2010年10月22日公開(2013年4月14日時点でのInternet Archive)
- ↑ 4.0 4.1 4.2 4.3 4.4 4.5 社員紹介 グラフィックデザイナー ジェイムス ターナー | 社員紹介 | 採用情報 | GAME FREAK、2013年8月16日時点でのInternet Archive
- ↑ James Turnerのツイート、2019年4月26日投稿。
- ↑ James Turnerのツイート、2020年8月3日投稿。
- ↑ 7.0 7.1 Exclusive: Behind the Inspiration of Pokémon Sword And Shield’s Galar Region - Game Informer、2019年10月11日公開。
- ↑ James Turnerのツイート、2022年6月9日投稿。
- ↑ James Turnerのツイート、2022年6月9日投稿。
- ↑ James Turnerのツイート、2017年8月25日投稿。
- ↑ James Turnerのツイート、2019年12月1日投稿。
- ↑ James Turnerのツイート、2018年1月11日投稿。
- ↑ James Turnerのツイート、2017年11月17日投稿。
- ↑ James Turnerのツイート、2017年11月17日投稿。
- ↑ James Turnerのツイート、2022年8月15日投稿。
- ↑ James Turnerのツイート、2020年7月12日投稿。
- ↑ James Turnerのツイート、2021年1月12日投稿。
- ↑ James Turnerのツイート、2021年1月14日投稿。
- ↑ James Turnerのツイート、2020年6月10日投稿。
- ↑ James Turnerのツイート、2020年8月8日投稿。
- ↑ James Turnerのツイート、2020年10月31日投稿。
- ↑ James Turnerのツイート、2020年10月17日投稿。
- ↑ James Turnerのツイート、2021年1月11日投稿。
- ↑ James Turnerのツイート、2023年3月26日投稿。
- ↑ James Turnerのツイート、2023年3月12日投稿。
- ↑ James Turnerのツイート、2023年3月11日投稿。
- ↑ James Turnerのツイート、2019年2月8日投稿。
- ↑ James Turnerのツイート、2017年12月20日投稿。
- ↑ James Turnerのツイート、2022年12月10日投稿。
- ↑ 30.0 30.1 30.2 "Favourites.... Salandit, Deoxys, Slowpoke, Electabuzz (this one’s on my business card), Xurkitree, Rowlet, Manectric, Zekrom, Mudkip, Darumaka, Mega Sableye, Ditto. I like most Pokemon that Yoshida san designs.". James Turner (@JamesTurner_42)、2018年1月20日投稿。
- ↑ "Salandit 🦎". James Turner (@JamesTurner_42)、2018年4月29日投稿。
- ↑ 元宮秀介&ワンナップ『ポケットモンスター X・Y 公式ガイドブック 完全カロス図鑑完成ガイド』オーバーラップ、2013年、768頁。
外部リンク
- James Turner (@JamesTurner_42) - X (Twitter)