ポケモンカードゲーム
ポケモンカードゲームは、ポケットモンスターを題材としたトレーディングカードゲーム。開発はクリーチャーズ、発売は株式会社ポケモン(初期はメディアファクトリー)が行っている。
概要
ゲーム『ポケットモンスター』シリーズを題材としたトレーディングカードゲームで、ゲーム作品の「対戦」にフォーカスしている。また、ゲーム作品の要素である「収集」や「交換」要素も取り入れ、複数のイラストレーターによって描かれたイラストや箔押しなどが施されたキラカードの存在により高いコレクション性を有する[1]。
1996年10月20日に日本で『ポケットモンスターカードゲーム』として『第1弾スターターパック』および『第1弾拡張パック』が発売されて以来、定期的にシリーズを更新しつつ新たな商品が展開され続けており、日本発祥のトレーディングカードゲームとしては最も歴史が古いとされている[2]。2023年3月末時点で14言語、89の国と地域で販売された実績があり、累計製造枚数は529億枚以上を記録している[3]。
ゲームシステム
遊び方
本項では基本的なルールを説明する。公式によるルールやレギュレーションはシリーズの更改とともに変更されることがある。
準備
- 最初に挨拶と握手をする。
- じゃんけんで先攻・後攻を決める。
- 互いに持ち寄ったデッキをよく切り、山札の場所にウラの状態で置く。
- 山札の上からカードを7枚引き手札とする。手札は相手に見えないように持つ。
- バトルポケモンを出した後、手札にたねポケモンがある場合は、ベンチに空きがあるなら出すことができる (出さなくても良い) 。このポケモンをベンチポケモンと呼ぶ。
- 山札の上から6枚を取り、ウラのままサイドに置く。
- この際、お互いは、相手がやり直した回数分山札からカードを引き、手札に加えてもよい。
- バトルポケモンとベンチポケモンをすべてオモテにし、対戦を始める。
対戦
対戦が開始した後は先攻からスタートし、それぞれ自分の番にできることの中から任意で行動する。行動を終えたあとは相手の番となり、勝敗が決まるまで自分の番と相手の番を繰り返す。
自分の番にできることは以下の通り。最初に山札からカードを1枚必ず引くことを除き、任意に実行できる。
- 山札からカードを1枚引く。
- 最初に必ず行う。このとき、引く山札がない場合はその時点で負けとなる。
- ポケモンにエネルギーをつける。
- 手札からたねポケモンをベンチに出す。
- 「にげる」を使ってバトル場のポケモンをベンチに逃がす。
- トレーナーズを使う。
- ポケモンを進化させる。
- ポケモンの特性を使う。
- バトルポケモンのワザを使う。
自分の番はワザを1つ使用したら終了する。ワザを使わない、あるいは、使えない場合は、番を終わることを相手に伝えることで終了できる。どちらかの番が終わるたびにポケモンの状態を確認するポケモンチェックを行う。ポケモンチェックでは特殊状態などの効果の確認を行う。
ワザなどによってバトルポケモンのHPが0になった場合、そのバトルポケモンはきぜつする。バトルポケモンがきぜつした場合、きぜつしたポケモンをついているカードごとすべてトラッシュし、ベンチポケモンからバトル場に出す。相手のバトルポケモンをきぜつさせた場合、自分のサイドから1匹につき1枚カードをとり手札に加える。
対戦は、以下のうちいずれかの状態を満たした場合に勝利する。
- 自分のサイドにあるカードを先にすべて取る。
- 相手の場にポケモンが1枚もいなくなる。
- 相手が相手の番の最初に山札からカードを引けなくなる。
カードの種類
カードは大きく分けて「ポケモン」、「エネルギー」、「トレーナーズ」の3種類がある。「ポケモン」カードはワザを使用して相手のポケモンを攻撃したり相手から攻撃を受けたりする。「エネルギー」カードはポケモンがワザを使用したりベンチへ逃げたりするために必要となる。「トレーナーズ」カードは、さまざまな効果によって対戦をサポートすることができる。
各カードはさらにタイプや種類によって細かく分けられる。詳細は各項目を参照のこと。
ゲームで使用するもの
デッキ以外に、以下のものを用いる。詳細は各項目を参照のこと。
商品
シリーズ
対応する世代 | シリーズ数 | シリーズ | 販売期間 | ウラ面 |
---|---|---|---|---|
第一世代 | 1 | ポケットモンスターカードゲーム | 1996年10月20日 - 1999年7月30日 |
まえのウラ面 |
第二世代 | 2 | ポケモンカード★neo | 1999年12月10日 - 2001年4月20日 | |
3 | ポケモンカード★VS | 2001年7月7日 - 2001年7月19日 |
いまのウラ面 | |
4 | ポケモンカード★web | 2001年10月20日 | ||
5 | ポケモンカードe | 2001年12月1日 - 2002年10月4日 | ||
第三世代 | 6 | ポケモンカードゲームADV | 2003年1月31日 - 2004年1月16日 | |
7 | ポケモンカードゲーム | 2004年3月19日 - 2007年7月5日 | ||
第四世代 | 8 | ポケモンカードゲームDP | 2006年10月27日 - 2008年8月1日 | |
9 | ポケモンカードゲームDPt | 2008年10月10日 - 2009年8月8日 | ||
10 | ポケモンカードゲームLEGEND | 2009年10月9日 - 2010年7月31日 | ||
第五世代 | 11 | ポケモンカードゲームBW | 2010年9月18日 - 2013年7月13日 | |
第六世代 | 12 | ポケモンカードゲームXY | 2013年11月8日 - | |
ポケモンカードゲームXY BREAK | 2015年9月26日 - | |||
第七世代 | 13 | ポケモンカードゲーム サン&ムーン | 2016年12月9日 - | |
第八世代 | 14 | ポケモンカードゲーム ソード&シールド | 2019年11月29日 - 2022年12月16日 | |
第九世代 | 15 | ポケモンカードゲーム スカーレット&バイオレット | 2023年1月20日 - |
その他
公式ファンクラブ
1999年より「ポケモンカードファンクラブ」が開始した。会員には会報「ポケモンカードトレーナーズ」が送られていた。
2003年より「ポケモンカードプレイヤーズ」へ移行したが2008年5月にサービスを終了し、ポケモンだいすきクラブサイト内のポケモンカードゲームネットワークに移行した。
2012年3月末にポケモンカードゲームネットワークもサービス終了している。
公式大会・イベントなど
1996年12月に千葉県で行われた、第5回次世代ワールドホビーフェアにて初めて公式イベントが開催されて以来、公式大会など各種イベントが継続的に行われている。
公式大会
- 1999年 チャレンジロード99
- 2000年 ポケモンカードワールドチャレンジ
- 2001年 バトル★ネオ
- 2002年以降はバトルロード
毎年2-3回、春・夏・秋に開催している。勝ち進むとチャンピオンズリーグ (日本一決定戦) 、ワールドチャンピオシップ (世界一決定戦) に出場できる。
Pokémon Trading Card Game イラストレーションコンテスト
- 詳細についてはPokémon Trading Card Game イラストレーションコンテストを参照。
クリーチャーズが主催するイラスト作品を対象としたコンテストで、2018年から不定期に開催されている。優勝作品はプロモーションカードとして採用されるほか、受賞者や審査に通過した応募者のなかにはイラストレーターとして採用された人物がいる。2018年と2019年に「ポケモンカードゲーム イラストグランプリ」として開催され、2021年に「Pokémon Trading Card Game イラストレーションコンテスト」へ改称された。
ポケモンカードゲーム オンラインイラスト展
- 詳細についてはポケモンカードゲーム オンラインイラスト展を参照。
2022年にオンライン上で開催されたイベント。これまでのポケモンカードから一部のカードが選出され、特設サイト上で展示された。
関連商品・作品・書籍など
コンピュータゲーム
- ポケモンカードGB
- 1998年に発売されたゲームボーイ用ソフト。
- ポケモンカードGB2 GR団参上!
- 2001年に発売されたゲームボーイ用ソフト。
- ポケモンカードゲームあそびかたDS
- 2011年に発売されたニンテンドーDS用ソフト。ポケモンカードゲームBW はじめてセット+に付属しているソフトで、単品での発売は行われていない。
スマートフォンアプリ
- Pokémon Trading Card Game Pocket
- 2024年10月30日に配信されたiOS・Android用アプリ。
アニメ
- PATH TO THE PEAK 頂へのきずな
- 2023年にYouTubeで公開された短編アニメシリーズ。ポケモンカードゲームを題材としている。
漫画
- ポケモンカードゲームやろうぜ〜っ! シリーズ
- 松島リュウによる漫画。
小説
- ポケモンカードゲーム イラストストーリー
- 2021年からWebサイト上で公開されているショートストーリー。
玩具
- ポケモンカードゲームグミ
- タカラトミーアーツより発売されているキャンディトイシリーズ。
関連書籍
- クリーチャーズ監修『ポケモンカードオフィシャルガイドブック2000』2000年、メディアファクトリー
- 株式会社クリーチャーズ『ポケモンカードゲーム イラストコレクション』2014年、オーバーラップ
- 株式会社クリーチャーズ『ポケモンカードゲーム アートコレクション』2016年、オーバーラップ
- 木戸柾紀『大人にもわかるポケモンカード戦略』1997年、メディアファクトリー
- 木戸マサキ『大人にもわかるポケモンカード戦略 改訂版』1997年、メディアファクトリー
- 姫野かげまる『ポケモンカードになったワケ』1999年、メディアファクトリー
- 松丸亮吾『ポケモンカードゲームで身につく! ロジカルシンキング』2023年、小学館
- 元宮秀介『すぐわかるポケモンカードの遊びかた』1996年、メディアファクトリー
- 元宮秀介『すぐわかるポケモンカードの遊びかた 最新版ver.2』1998年、メディアファクトリー
- 元宮秀介・ワンナップ編著、クリーチャーズ監修『めざせ! ポケモンカードマスター』1998年、メディアファクトリー
問題・事件など
マンジ問題
1999年6月に日本で発売された『ポケットモンスターカードゲーム ジム拡張第2弾 闇からの挑戦』に収録された「キョウ秘伝,変わり身の術」には、背景に卍 (マンジ) が描かれていたが、西洋社会において卍はナチス・ドイツのハーケンクロイツ (鉤十字) を連想させるとして、物議を醸した。英語版などの海外版では異なる模様が描かれたイラストへ差し替えられ、後に日本語版も海外版と同様のものに変更された。
ユリ・ゲラー裁判
ユリ・ゲラー裁判を参照。
公式大会脅迫事件
2008年、株式会社ポケモンに同年4月に開催予定であった「ポケモンカードゲーム バトルロード スプリング★2008」関東大会について、大会を妨害する旨が書かれた差出人不明の脅迫文が届いたことから、関東大会および未開催であった中部大会・九州大会が中止となった[4]。
その後、株式会社ポケモンは、来場者向けに配布予定であったカードのうち3種類を公式ファンクラブ「ポケモンだいすきクラブ」にて「ポケモンだいすきクラブカード」を申し込んだ全員に送付する対応を行った[5]。また、プレイヤーズ会員には本来付与されていた「来場けいけんち(EXP)」相当の500EXPを会員全員に一律で付与した[6]。
各言語版での名称
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脚注
- ↑ カードゲーム|株式会社ポケモン|The Pokémon Company
- ↑ 大ブームを巻き起こした「ポケモンカードゲーム」の魅力とは? 開発者とポニータ石井氏に話を聞いた、4Gamer.net、2019年3月23日公開。
- ↑ 数字でみるポケモン|株式会社ポケモン|The Pokémon Company、2024年2月9日閲覧。
- ↑ 「ポケモンカードゲーム バトルロード スプリング★2008」開催中止のお知らせとお詫び | 重要なお知らせ | ニュース | ポケットモンスターオフィシャルサイト、Internet Archive、2008年4月13日時点。
- ↑ 「ポケモンカードゲーム バトルロード スプリング★2008」中止に伴う措置と今後の展開について | 重要なお知らせ | ニュース | ポケットモンスターオフィシャルサイト、Internet Archive、2009年5月7日時点。
- ↑ ポケモンカードゲーム プレイヤーズ会員の皆様へ「ポケモンカードゲーム バトルロード スプリング★2008」中止にともなう来場けいけんち(EXP)の付与につきまして│トピックス|ポケモンカードゲーム トレーナーズウェブサイト、Internet Archive、2008年5月17日時点。
関連項目
- ポケモンカードゲーム用語一覧 - 公式用語について整理されている。
- ポケモンカードゲームスラング一覧 - 非公式用語について整理されている。
- ポケモンカードゲームのイラストレーター一覧
- ポケモンカードチャンネル
- 石原恒和
- 大山功一
- 赤羽卓美
- 三浦明彦
- イマクニ? (今国智章)
- ポケカ四天王
- エラーカード
外部リンク
- ポケモンカードゲーム公式ホームページ「トレーナーズウェブサイト」
- POCKET MONSTERS CARD GAME - 旧サイト。1997年から2000年頃まで使用された。
- ポケモンカードゲーム20周年特別サイト
- ポケモンカードゲーム25周年記念サイト
- 【公式】ポケモンカードチャンネル - YouTube
- 【公式】ポケモンカードチャンネル (@PokecaCH) - X (Twitter)
- ポケカアートライフ【公式】(@pokeca_art_life) - Instagram