ポケットモンスターSPECIAL 第7章
第7章は、漫画ポケットモンスターSPECIALにおける物語の7つめのまとまり。
世界観
舞台はシンオウ地方。雄大な自然の広がる北国での冒険を描く。第6章にもましてコミカルな描写が増えており、登場する人物も面白おかしい性格のものが多い。悪役として登場するのはアカギの率いるギンガ団。
主人公はダイヤモンド・パール・プラチナ。今までの主人公は基本的に1人旅をしてきたが、今回は3人で旅をする。旅の内容は冒険というよりも観光に近く、作者も「3人の珍道中」だとコメントしている。 また、主人公たちのポケモン勝負の実力があまり高くないのも本章の大きな特徴。主人公が普通の実力のまま旅に出るというのは珍しいパターンである。そのため作中では主人公が敵に苦戦したり、実力を上げるために修行したりするシーンも多い。これについて作者は、「主人公には最後まで超人的で特殊な能力を持たさない」ことを貫いたとコメントしている。
ルビー・サファイア編とは対照に、最初は3人一緒だが、中盤から別行動をとるようになり、特にダイヤに焦点が当てられる。
時系列は第9章の後である。
ストーリー
シンオウ地方の名家・ベルリッツ家でひとり娘のプラチナが旅立つ時がきた。同じ頃お笑い芸人を目指すダイヤとパールはお笑いのコンテストに挑戦していたが大失敗。落胆するパールだったが、何故か特別賞をもらえる。表彰式に向かう直前、ナナカマド博士達とぶつかって彼らの依頼書と旅行券が入れ替わってしまった。こうしてダイヤとパール、そしてプラチナの三人による珍道中が始まった。
登場人物
本章以降も登場するキャラクターについては、本章時点でのあらましを述べる。
詳細は各キャラクターの個別ページや該当節を参照。
主人公
- ダイヤモンド
- 漫才師を目指す、おっとりした性格の少年。食いしん坊で足も行動も遅いが、そのぶん落ち着きがあり、現在の状況を冷静に分析する観察力も持ち合わせる。他の2人より見せ場が少し多い。
- パール
- 漫才師を目指す、快活でせっかちな少年。一挙手一投足が素早く行動力もあるが、時には結論を急ぎすぎて早とちりすることも。父親・クロツグの影響で、ポケモンの構えを見ただけで次に繰り出す技が分かる。作中ではパールの視点で物語が進むことが多い。
- プラチナ
- 名門ベルリッツ家の令嬢。学者の家系に生まれたため知識量豊富かつ好奇心旺盛で、努力家。反面、知識はあるものの実行が伴わないことも多く、自転車の練習理論は知っていても実際には乗れなかったりする。やや意地っ張りでとぼけている。
新登場人物
- ナナカマド博士
- ポケモンの進化研究の権威。オーキドと共同開発した5代目ポケモン図鑑を助手の娘であるプラチナに渡し、データ集めを依頼する。終盤には決戦の地・槍の柱に乗り込んでくるなどの活躍を見せた。甘党。
- ヒョウタ
- クロガネジムのリーダーで、岩タイプの使い手。曰く、ガサツなトウガンとは違って几帳面な性格。岩タイプの弱点対策は完璧にこなしている。
- ナタネ
- ハクタイジムのリーダーで、草タイプの使い手。テンションが高いが、人の言うことをあまり聞いていない節がある。オバケが大の苦手。バトルの際には敵との距離を十分にとり、地中から現れるつるのムチやくさむすびの遠隔攻撃で相手をじわじわ合いつめる戦法を得意とする。
- スモモ
- トバリジムのジムリーダーで、格闘タイプの使い手。お金に困っているらしく、いつもおなかを空かせていたり寒いところでも着る物がなくて薄着だったりする。最初は裕福なプラチナを敵視していたが後に打ち解け、終盤ではジュピターに対抗するためにプラチナと行動を共にした。
- マキシ
ノモセのジムリーダー。水タイプの使い手。ファイトマネーを街の整備や運営につかい住人からは信頼されている。終盤ではギンガ団との決戦を控えたパールに稽古をつけた。
ヨスガのジムリーダーで、ゴーストタイプの使い手。ダイヤたちとはコンテストの時に出会ったが、ジム戦をしたのはカンナギの戦いの後。
ミオのジムリーダー、鋼の使い手。早朝ジムに侵入したダイヤ達を怪しみ、バトルをけしかけるが、ナナカマド博士らの反応をみて誤解と判断。正式な試合ではないが、プラチナにバッジを渡した。最終決戦ではサポートにまわっていたので負傷はしてない。
キッサキのジムリーダー。氷タイプの使い手。湖のことで頭一杯のプラチナの気持ちを察し、友情が芽生えた。以降スモモと共にプラチナと行動する。
ナギサのジムリーダーで電気タイプの使い手。トウガンに呼び出されプラチナ達とジム戦を兼ねたトレーニングをする。招集には応じず帰りかけたが…。
シンオウ地方のチャンピオン。ギンガ団の動向を探る為、各地を調査していた。終盤ギンガ団本部でアカギと戦うが、未完成だった竜星群を放ったガブリアスが反動でしばらく戦闘出来なくなり引き分けに終わった。そのせいか最終決戦ではプラチナの防御役しかできなかった。
- パカ&ウージ
- ナナカマド博士とベルリッツ氏が、プラチナの護衛のために雇った凄腕のボディーガード。誤ってダイヤとパールとともに旅立ってしまったプラチナを追いかけるため、3人組の足跡をたどる。ロストタワーで幹部のサターンを撃退したり、トバリシティでギンガ団を追い詰めるなど実力は確かだが、尾行中に温泉に入っているなど間の抜けた行動も多い。
- ゲン
- ちかおじさん
ギンガ団
ギンガ団のBOSS。本章のラスボス。人間の心は不完全と考えており、完全な心を作るためにディアルガ・パルキアを使って新たな宇宙創造を目論む。最後はダイヤ達の総攻撃で、例えひとりひとりの心が不完全でも揃い支えあえば良いと悟り敗北した。
ギンガ団幹部の1人。ギンガ爆弾を稼働させるエネルギーを手に入れる為に谷間の発電所を襲撃した。
ギンガ団幹部の一人。ギンガ爆弾を製造するための資金確保でプラチナの父に娘を誘拐したと脅迫した。トバリシティの戦いでパカとウージに謎の光線を浴びせ、彼らを別次元を葬った。
ギンガ団幹部の一人。三人の中で登場は遅く、自らを真打ちと称する。それに違わぬ実力でプラチナ達を圧倒した。最終決戦では再び挑んで来たスモモとスズナに敗北。
新たに加わった幹部。エムリット達から赤い鎖を生成するための結晶を作り出す。最終決戦が終結した後、プラチナにやぶれたせかいのことを暗に伝え、逃走した。
- サキ(Saque)
ギンガ団の一員。ロケット団にはデオキシスを手に入れる為に、スパイとして潜入していた。彼女の回想内で、レッド達が石化した要因にダークライが関わっていたことが明かされた。
伝説のポケモン
三匹ともシンオウの湖に住む伝説のポケモン。赤い鎖を生み出す為にギンガ団に狙われギンガ爆弾でリッシ湖が干上がった後捕らえられた。その後ギンガ団本部に乗り込んで来たダイヤ達に救出され、姿を消す。
シンオウの神話に残る伝説のポケモン。グラードン・カイオーガなどと違い、本来は交わるはずがないため争うこともない。しかし、アカギの使う赤い鎖で無理やり操られ暴走。シンオウ全域に時間・空間の歪みを出した。
最終決戦が終結した直後に異空間から表れ、アカギとディアルガ・パルキアを引きずり込む。
プラチナがキッサキ神殿に入った時、ついてきたらしく、最終決戦でダイヤ達に協力する。ディアルガ・パルキアを同時に押さえつけるなど凄まじいパワーを持っている。
収録巻
話数は第338話~第416話の79話であり、ページ数的には全ての章の中で最長。2010年3月をもって小学五年生と小学六年生が休刊となり、ほぼ同時に連載されていた第8章や2010年4月~12月に連載されていた第9章も順次第10章に連載が移行されたためこれら3つの章はほぼ連載停止状態に追い込まれたが、本章は第37巻の終盤12ページと第38巻で書き下ろしが行われ、完結している。