ポケットモンスターSPECIAL
ポケットモンスターSPECIALとは、ポケットモンスターを題材としたマンガ。シナリオは日下秀憲が、マンガは真斗(1-9巻)・山本サトシ(10巻以降)が担当している。略称は「ポケスペ」「ポケSP」。
概要
ゲーム本編を元にしたマンガ。ゲームに登場するキャラクターを中心に、独自の世界観が描かれる。主人公がポケモンを連れて冒険の旅に出かけ、その中でジムリーダーや悪の組織と対決し、成長していくストーリーとなっている。田尻智は単行本1巻の帯に「僕の伝えたかった世界に一番近い漫画です」と寄せている。
2023年5月現在、単行本は64巻まで発売されている。日本国外でも発売されている。
2014年4月から、第12章が別冊として単行本化された。以降の章は別冊が発売されることが通例になった。57巻そでの作者コメントで別冊が「先行版」と言及され、別冊の刊行後に作者2人はそれぞれのTwitterアカウントの投稿で通常の単行本を「通巻版」と呼ぶようになった。
特徴
登場するキャラクターは基本的にはゲームに準じているが、性格が異なっているキャラクターが多い。また、ゲームには登場しないオリジナルキャラ(ホカゲ・チャクラなど)、ゲームで目立たないキャラをピックアップし性格付けしてほぼオリジナルキャラにしたもの(ヒデノリ・アキヒトなど)、外見だけはオリジナルのもの(仮面の男・甲冑の男)も多い。また、原作のシステムや小ネタが織り込まれることも多い。
マグマ団などの悪の組織のスケールが大幅に大きくなっており、旅の最終目的はこれらの悪者を倒すこと、となっている。物語の終盤は悪の組織との全面対決となるため、ゲームのように全てのジムを回るということはあまり無い。また、ジムリーダーは「実力を認めた者にバッジを渡す」設定になっている。そのためジム戦をしなくても「町の危機を救った」「リーダーの課した課題をやり遂げた」「単に気に入った」などの理由でバッジを貰えることがある。
バトルはアニメ版ポケットモンスターに近く、ポケモン図鑑・ポケモンの性格・特徴・技などを最大限に利用し戦う。また、トレーナー同士の心理戦、ポケモンがトレーナーを攻撃する、モンスターボールの開閉スイッチを壊すなどゲームやアニメとは違った戦い方をする。
内容
原作ゲームソフトに合わせた内容の区切りごとに章分けがなされている。2023年7月現在、単行本未収録分を含めると十五章に分けられる。
現在第15章までが完結しており、コロコロイチバン!2023年10月号より第16章の連載がされている。
- 第1章 赤・緑・青編 (1巻-3巻)
- 第2章 イエロー編 (4巻-7巻)
- 第3章 金・銀・水晶編 (8巻-15巻)
- 第4章 ルビー・サファイア編 (15巻-22巻)
- 第5章 ファイアレッド・リーフグリーン編 (22巻-26巻)
- 第6章 エメラルド編 (26巻-29巻)
- 第7章 ダイヤモンド・パール編 (30巻-38巻)
- 第8章 プラチナ編 (38巻-40巻)
- 第9章 ハートゴールド・ソウルシルバー編 (41巻-43巻)
- 第10章 ブラック・ホワイト編 (43巻-51巻)
- 第11章 ブラック2・ホワイト2編 (52巻-55巻)
- 第12章 X・Y編 (55巻-61巻、X・Y編1巻-6巻)
- 第13章 オメガルビー・アルファサファイア編 (62巻-、Ωルビー・αサファイア編1巻-3巻)
- 第14章 サン・ムーン・ウルトラサン・ウルトラムーン編 (サン・ムーン編1巻-6巻)
- 第15章 ソード・シールド編 (ソード・シールド編1巻-7巻)
- 第16章 スカーレット・バイオレット編 (スカーレット・バイオレット編2巻、連載中)
- ポケモンレンジャー the Comic 〜Wミッションストーリー〜 - 『ポケットモンスターSPECIAL 山本サトシ画集』に収録。
- シロガネ山修行編 - 『POKEMON the COMIC』に収録。
登場人物
主人公
その他の登場人物
その他の登場人物についてはポケットモンスターSPECIALの登場人物一覧および以下の記事参照。
- ポケットモンスターSPECIAL 第1章#登場人物
- ポケットモンスターSPECIAL 第2章#登場人物
- ポケットモンスターSPECIAL 第3章#登場人物
- ポケットモンスターSPECIAL 第4章#登場人物
- ポケットモンスターSPECIAL 第5章#登場人物
- ポケットモンスターSPECIAL 第6章#登場人物
- ポケットモンスターSPECIAL 第7章#登場人物
- ポケットモンスターSPECIAL 第8章#登場人物
- ポケットモンスターSPECIAL 第9章#登場人物
- ポケットモンスターSPECIAL 第10章#登場人物
- ポケットモンスターSPECIAL 第11章#登場人物
- ポケットモンスターSPECIAL 第12章#登場人物
- ポケットモンスターSPECIAL 第13章#登場人物
- ポケットモンスターSPECIAL 第14章#登場人物
- ポケットモンスターSPECIAL 第15章#登場人物
- ポケットモンスターSPECIAL 第16章#登場人物
連載
1997年3月3日に発売された小学館の学年別学習雑誌(小学四年生・小学五年生・小学六年生)1997年4月号から連載が始まった。基本的に小学三年生〜小学五年生、または小学四年生〜小学六年生にまたがって連載を行う「3誌縦断連載」の形を取っていた。各誌で同じ世界の別視点や異なる時系列のストーリーを連載し、単行本化の際にこれらをひとつに纏める。そのため、1つの大きなストーリーを3分割しても筋が通るように工夫されている。休載時は、他の学年誌で以前掲載されたストーリーが再掲されることがある。1話のページ数は約14~20ページ。1996年頃から増加した多くのポケモン系漫画の中で10年以上連載している数少ない作品である。
また、雑誌『ポケモンワンダーランド』にも本作が掲載されていた。こちらについては学年誌に載ったものを再編成したものが多いが、エメラルド編の後半では書き下ろした作品が掲載された。
04年度は第4章「ルビー・サファイア編」と並行して第5章「ファイアレッド・リーフグリーン編」が、05・06年度はさらに第6章「エメラルド編」が各学年誌で同時に掲載される形となった。しかしそのぶん各章の進行(特に単行本が刊行中だった第4章)が遅くなり単行本の発売頻度も減少した。第6章の連載は未完結のまま打ち切られポケモンワンダーランドでの掲載を経て単行本描き下ろしで完結、連載は第7章「ダイヤモンド・パール編」に移行した。
ダイヤモンド・パール編は再び一つの章の3誌縦断連載の形式に戻り掲載頻度は上がったが、前章であるエメラルド編を掲載するポケモンワンダーランドが基本的に年1回の発行であり原稿が中々貯まらないため単行本化が遅れ、その先の話であるダイヤモンド・パール編の単行本が発売されなかった。単行本化されたのは連載開始から2年後の2008年であった。2009年度には並行連載の形で第8章「プラチナ編」がスタートした。
その後、『小学五年生』と『小学六年生』が2010年3月号をもって休刊となったため、連載中のダイヤモンド・パール編、プラチナ編の連載が停止した。ダイヤモンド・パール編は37・38巻で、プラチナ編では39・40巻で話が書き下ろされ完結した。プラチナ編全体は短いものの、連載期間も短かったためダイヤモンド・パール編より書き下ろしページが非常に多くなり、40巻は全話が書き下ろしとなっている。
2010年度は『小学五年生』と『小学六年生』に代わり、『小学四年生』に加え『コロコロイチバン!』と『ポケモンファン』3誌で、新たに第9章「ハートゴールド・ソウルシルバー編」が連載された。各話のページ数は増えたが、コロコロイチバン! は隔月発売、ポケモンファンは不定期発売のため、掲載頻度はこれまでの6割程度になった。また同年度9月より順次第10章「ブラック・ホワイト編」の連載に移行したため、ハートゴールド・ソウルシルバー編は半年で連載期間が終了した。ハートゴールド・ソウルシルバー編も43巻で書き下ろしが行われて完結した。
掲載誌のうちコロコロイチバン! は2011年4月発売の6月号から月刊誌になったため、掲載頻度が再び上昇した。しかし『小学四年生』が2012年3月号で休刊になり、『コロコロイチバン!』と『ポケモンファン』の2誌で連載が続いた。
2014年には第12章「X・Y編」が独立した形で単行本化されている。また第11章「ブラック2・ホワイト2編」が単行本化されたが、ほとんど連載されなかったため52巻から書き下ろしが行われた。
2015年1月からは、第13章「オメガルビー・アルファサファイア編」が『クラブサンデー』にて本編では初めてweb連載された。同時にポケモンファンでの連載は一時休止し2016年の途中からはサンデーうぇぶりに移籍している。7月からはオメガルビー・アルファサファイア編も独立した形で単行本化された。
2016年9月をもってオメガルビー・アルファサファイア編が完結したため、11月からブラック2・ホワイト2編の連載がサンデーうぇぶりにて再開した。
2017年6月からは、第14章「サン・ムーン編」が独立した形で単行本化された。
第15章「ソード・シールド編」はコロコロイチバン!2020年1月号から2023年8月号まで連載され、2020年6月から2023年7月まで独立した形で単行本化している。
第16章はコロコロイチバン!2023年10月号より連載されている。2024年1月よりWebコミックサイト「週刊コロコロコミック」での公開を行っている。
読者層
連載が20年以上の長期に渡っているため、小学生向けの雑誌の連載作品ながら、読者層は子供から大人まで幅広い。特に連載当初から読み続けている読者の場合、2020年現在で30~35歳程度になる。2015年に公式ホームページで行われたアンケートでは、最高で30代という声もあった。
既刊・関連書籍
1巻からの累計発行部数が1000万部を突破したことを記念して、2011年03月26日から第4章(ルビー・サファイア編)が廉価版コミック「マイファーストワイド」として全3巻構成で発売予定だった。東日本大震災の影響から2巻と3巻の発売が中止された。その後、2014年10月24日から全4巻構成の廉価版コミック「マイファーストビッグ」として再発売された。
欧米では日本版に先駆けて第10章(ブラック・ホワイト編)が英語とフランス語に翻訳されて単行本化された。
2013年6月7日に発売されたコミックムック『POKEMON the COMIC』に、新作やアンコールのエピソードが掲載された。
2017年8月8日には、シリーズ20周年を記念した『ポケSPedia(ポケスペディア)』が発売された。限定版には山本サトシと真斗によるイラストが付いてくる。
一覧
- ポケットモンスターSPECIAL X・Y1~6
- ポケットモンスターSPECIAL Ωルビー・αサファイア1~3
- ポケットモンスターSPECIAL サン・ムーン1~6
- ポケットモンスターSPECIAL ソード・シールド1~7
- ポケットモンスターSPECIAL スカーレット・バイオレット1~2
- My First WIDE ポケットモンスターSPECIAL ルビーサファイア編 1
- POKEMON the COMIC
- My First Big SPECIAL ポケットモンスターSPECIAL ルビー・サファイア 01~04
- ポケットモンスターSPECIAL pbk-edition 赤緑青編1~2
- ポケットモンスターSPECIAL 山本サトシ画集The Art of Pocket Monsters SP
- ポケットモンスターSPECIAL 20thアニバーサリーデータブック ポケSPedia
備考
- ポケモンと技を全て出すのが恒例となっている。