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ポケットモンスター 金・銀のベータ版

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この項目では「ポケットモンスター 金・銀の没データを含む『ベータ版』」とされるゲームデータについて触れる。

概要

ポケットモンスター金・銀は、実際に発売された製品版とは大きく異なった開発中のバージョンが存在していたことが確認されている。実際に、1997年ごろのコロコロコミックなどに掲載された画面写真では製品版には存在しない地形などが確認でき、1997年に行われた任天堂スペースワールドに出展された体験版に出現したポケモンの多くも製品版では出現しないか、名前やデザインが変更されていた。

2018年5月ごろに、任天堂スペースワールドで利用されていたものだとされるROMデータが「ベータ版」と称して、何者かによりインターネット上で公開された。長らく口伝されていたスペースワールド版の内容の一部がベータ版の情報と一致する部分が多く、本物の流出である可能性は高いとされているものの、あくまでも公式なアナウンスは無いので真偽は不明であることに注意を要する。

没ポケモン

「ベータ版」とされるROM内には100体の新ポケモンの存在が確認できるが、その大半は製品版には登場していない。

図鑑説明は「はっけんされた ばかりの ポケモン。げんざい ちょうさちゅう」で統一されている。

No. 名前 備考
152 ハッパ 現在のチコリータやどりぎのタネを覚える。
153 ハナモグラ ベイリーフとはデザインが大きく異なる
154 ハナリュウ 現在のメガニウム
155 ホノオグマ
156 ボルベアー
157 ダイナベア
158 クルス
159 アクア
160 アクエリア
161 ホーホー デザインが少し異なる。ひこうタイプ単色
162 ボーボー ヨルノズクとはデザインが大きく異なる。ひこうタイプ単色
163 パチメェ 現在のメリープ
164 モココ
165 デンリュウ
166 ミコン ロコンの進化前
167 モンジャ モンジャラの進化前
168 ジャランラ 現在のモジャンボに相当。デザインは異なる
169 ハネエイ マンタインとはデザインが大きく異なる
170 プクー 現在のハリーセン。みずタイプ単色
171 シビレフグ
172 ピチュー 現在とはデザインが大きく異なる
173 ピィ 一部のデザインが異なる
174 ププリン 現在とほぼ似たデザイン
175 ミズウオ 現在のヌオー。無進化。みずタイプ単色
176 ネイティ
177 ネイティオ
178 ギョピン トサキントの進化前
179 マリル 体色が異なる。無進化
180 マンボー1
181 イカリ
182 グロテス
183 エクシング 現在のクロバット
184 パラ パラスの進化前
185 コクモ 現在のイトマル
186 ツーヘッド 現在のアリアドス。デザインが少し異なる
187 ヨロイドリ 現在のエアームド。タイプはひこう・メタル
188 アニモン メタモンの進化形
189 ヒナーズ ドードーの進化前
190 サニー 現在のキマワリ。無進化。くさ・エスパータイプ
191 パオン ゴマゾウとはデザインが異なる
192 ドンファン
193 ツインズ キリンリキの進化前
194 キリンリキ 現在とはデザインが異なる
195 ペインター 現在のドーブル
196 コーニャ ニャースの進化前
197 リンリン
198 ベルルン
199 ニョロトノ 現在とはデザインが大きく異なる
200 ヤドキング
201 アンノーン モザイクで表示されている
202 レディバ
203 ミツボシ レディアンとはデザインが大きく異なる
204 プチコーン ポニータの進化前
205 エーフィ
206 ブラッキー どくタイプ
207 ターバン
208 ベトベビー ベトベターの進化前
209 テッポウオ 現在とはデザインが異なる
210 オクタン 現在とはデザインが異なる
211 ゴング バルキーとはデザインが大きく異なる
212 カポエラー 現在とはデザインが異なる
213 プディ ガーディの進化前
214 ハネコ ハネッコとはデザインが異なる
215 ポポネコ ポポッコとはデザインが異なる
216 ワタネコ ワタッコとはデザインが異なる
217 バリリーナ 現在のマネネに相当。デザインが異なる。ノーマルタイプ
218 リップ 現在のムチュール。こおりタイプ単色
219 エレベビー 現在のエレキッド。デザインが異なる
220 ブビィ 現在とはデザインが異なる
221 キレイハナ くさ・どくタイプ
222 ツボミット ウツドンから分岐進化
223 ミルタンク
224 ボムシカー
225 ギフト 現在のデリバード。みず・こおりタイプ
226 コトラ
227 ライトラ
228 マダーム カモネギの進化形
229 ノロワラ
230 キョンパン
231 ヤミカラス 一部デザインが異なる
232 ハッピー ハピナスとはデザインが大きく異なる
233 シザース 現在のハッサム。むし・ひこうタイプ
234 プラックス カイロスの進化形
235 デビル 現在のデルビル。ほのおタイプ単色
236 ヘルガー ほのおタイプ単色
237 ウルフマン
238 ワーウルフ
239 ポリゴン2 デザインは大きく異なる
240 ナメール 現在のベロベルトに相当。デザインは大きく異なる
241 ハガネール
242 キングドラ デザインは大きく異なる
243 ライ
244 エン
245 スイ
246 ニューラ 現在とはデザインが大きく異なる。あくタイプ単色
247 ホウオウ ひこうタイプ単色
248 トゲピー 無進化
249 ブルー 無進化。エスパータイプ
250 テイル エイパムとはデザインが異なる
251 リーフィ 現在のリーフィアに相当。デザインは異なる

没になった技

金・銀製品版では実装されなかったが、後の世代で同名のわざやとくせいとして登場したものが存在する。基本的には別物である。

クギをうつ
ゴーストタイプの使用するのろいと同様の効果。ゴーストタイプ以外が使っても同じ効果になる。PP10。
シンクロ
シンクロ状態になり、敵も同じダメージを受けるようになる。PP10。第三世代同名のとくせいが登場。
ストーカー
てきを じーっと みていると なぜか てきは にげられなく なってしまう
現在のくろいまなざしと同じ効果。PP10。
いしあたま
タイプはいわ。命中は100、威力は90、PP10。第三世代で同名のとくせいが登場。
ひっこぬく
てきを つかんで ほうりなげて だいダメージをあたえる。
タイプはノーマル。威力30、PP10。ひでんマシン1に登録されている。
かぜにのる
タイプはひこう。威力40。ひでんマシン2に登録されている。大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS/Wii Uで同名のカスタマイズ必殺ワザが登場。
みずあそび
タイプはみず。威力30。ひでんマシン3に登録されている。第三世代で同名のわざが登場。
てつわん
タイプははがね。威力30。ひでんマシン4に登録されている。
ひかりゴケ
タイプはくさ。命中をあげる効果。ひでんマシン5に登録されている。第六世代名前が酷似したアイテムが登場。
とびはねる
タイプはみず。特になにも起こらない。ひでんマシン7に登録されている。第三世代で同名のわざが登場。

製品版との違い

  • 銀バージョンもタイトル画面はホウオウになっている。当時はルギアのようなホウオウと対になる存在が確認されていない。
  • マップ自体が大きく異なり、北海道から九州までの日本列島をモデルにした地形を舞台にしている。
  • 主人公には3つ年上の兄ケンがいる。
  • ライバルは同じ街に住む幼馴染。
  • 前作のライバルであるオーキドの孫が登場するが、性格がまったく変わっている。
    • その理由は前作主人公への敗北であることも言及されている。
  • 段差を乗り越えられる乗り物としてスケボーが存在する。
  • ジムリーダーはハヤトツクシアカネミカンのみ製品版と同名。ツクシは製品版より年上で、アカネはグラフィックが仮置きのまま、ミカンのデザインは全く異なる。
    • マツバに相当すると思われるポジションにエノキという人物がいる。
  • ポケモンにどうぐを持たせることを「そうび」と呼ぶ。
  • 時間帯に深夜が存在する。
  • ゲームコーナーでプレイできるミニゲームに15パズル、ポーカー、神経衰弱、ピクロス、スロットがある。
  • 詳細は不明だが、ゲルゲ団という悪の組織が存在している。
  • 色違いは存在するが、光るような特殊なエフェクトは発生しない。
    • このエフェクトは、サニーおよびピカチュウを自分の手持ちとして繰り出したときに再生される。

スペースワールドでの体験版

スペースワールドに出展された体験版は、ベータ版を元にしているが、一部製品版とは異なる部分が存在する。

  • 主人公の名前はサトシ、ライバルの名前はシゲルで固定。
  • ゲーム開始時点でハッパ、ホノオグマ、クルスのいずれか1匹を手持ちに持っている。レベルは開始時点で8。
  • バッグにはモンスターボール×5、キズぐすり×10、なんでもなおし×10、しげきだま×1(そうびするとねむり状態にならない)、きあいだま[1]×1(そうびするとひんしにならず耐えることがある)が入っている。
  • オールドシティから旅立ち、サイレントヒルで野生ポケモンを捕獲したり、ポケモントレーナーとの対戦を行うことができる。サイレントヒルを抜け、ライバルに話しかけると終了する。

反響

  • 「ベータ版」の流布に対して、Serebii.netのウェブマスターでジャーナリストのJoe Merrickは「法的問題」を理由として言及回避を表明し[2]、掲載の削除ないし阻止の通告の存在も示唆した[3]
  • Game Informer誌は「ベータ版」の解析に当たったプログラマーらの声を掲載した[4]。記事によれば、2018年5月26日、プログラマー集団「Pokémon Reverse Engineering Tools」(PRET)のもとにROMデータが突如もたらされたという。グループ内の有志が別途秘密裏に研究チームを立ち上げ、のちに「Team Spaceworld」として成果を公表し始めた。研究チームは当初最後まで秘匿研究を目指していたが、同月30日頃から始まった「ベータ版」の拡散を目にして研究発表に踏み切ったという。
  • 2019年末、関係者の1人が告白を投稿した[5]。それによれば、のちに任天堂などに対するハッキングにより執行猶予付有罪判決を受ける男[6]が、PRETにROMデータをもたらし、自らTeam Spaceworldの一員として研究に加わったという。
  • 任天堂公式が公開している製品版の紹介ページ[7]について、開発中のものとして掲載されている画面写真が関心を集めた。例えば、ヤドキングのポケモンずかんの画面写真は「ベータ版」のものと同等である。
  • 1997年当時に体験版をプレイした人々がSNSなどで反応をみせ、当時の体験記が再注目された。
    • その結果、とくに海外ファンの間で従来さまざまな誤解が広まっていたことが判明した。例えば、ある体験記のイラストは、誤ってコンセプトアートとみなされていた。
  • ファンの中からは、没ポケモンとされる種族をもっともらしく描いた作品を投稿するイラストレーターが現れた。こうしたファンアートが、単体もしくは「ベータ版」のドット絵と並べられて紹介されることもある。
  • Eurogamer誌は、ソード・シールド発売前のゲームフリーク増田順一大森滋とのインタビューのなかで、「ベータ版」の名前を出してマダームとネギガナイトとの関係を質した[8]
    • 大森は大笑いしながら、ネギガナイトの作画は全く新しいものである旨返答している。

脚注

  1. 第四世代で同名の技が登場。
  2. Merrickのtweet (2018-06-01 14:19 JST) 2018年9月23日閲覧。
  3. Merrickのtweet (2018-06-01 14:23 JST) 2018年9月23日閲覧。
  4. "How Hackers Are Preserving Gaming History" Game Informer (2018-08-01 15:00 CDT) 2020年5月21日閲覧。
  5. "Clarification on Recent Events" Glitch City Laboratories Forums (2019-12-25) 2020年5月21日閲覧。
  6. "Security researcher pleads guilty to hacking into Microsoft and Nintendo" The Verge (2019-03-28) 2020年5月21日閲覧。
  7. ポケットモンスター 金・銀 画像紹介1 ゲームボーイ公式ページ 2018年11月30日閲覧。
  8. "Game Freak's Junichi Masuda and Shigeru Ohmori talk inspiration, Sirfetch'd, and pressure from Pokémon fans" Eurogamer (2019-10-24) 2020年2月27日閲覧。

外部リンク